遊戯王GX ~氷結の花~   作:大海

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うぅうううう……

ジェネックス編もいよいよ佳境だっぺよ~。

行ってらっしゃい。



    最後の最後

視点:外

 

「スペースザウルスに進化するドン!!」

 

 ……

 …………

 ………………

 

 

 何かが見えた……そんな気がした。

 細身で小さくて、長い髪を揺らしてる、女の子の背中だ。

 いつだって楽し気で、なのにその瞬間だけは寂し気で……

 

(いつ、だって? ……私がいつ、あの背中を見た? あの背中……あの青い髪の女の子は……だれ……?)

 

 

「……」

 

「梓くん!」

 真っ先に聞こえた声。見えた顔。

 明らかに、直前の少女とは違う。それもそのはず。初めて出会った時から今日まで、その思いは決して変わることは無かった。愛おしくてたまらない、少女の声、少女の顔だ。

「あずさ、さん……ああ、あずささん……!」

「よかった……無事でよかったよ……」

 直前まで感じてきた痛みも、総身から溢れ出てきた激情も、なぜそれらを感じていたかの理由すら……今は、どうだっていい。

 今ここに、(あずさ)がいる。大切で、絶対なのは、ただそれだけ……

 

「ウォッホン……」

 

 そうして、涙ながらに抱きしめ合う二人の耳に、そんな二人の熱い思いの邪魔をする……むしろ、進んで邪魔をしてやりたいという、声が届いた。

「私もいるのだがな……」

「あ、星華さん……ちゃんと朝ご飯は食べました?」

「……ああ、食べたとも。心配してくれてありがとう」

 直前までの、ハタから見ても分かるくらいの、あずさに向けた愛情。

 それを一瞬のうちに、星華への心配に代わったことが、二人にもハッキリと感じられる。

 それはそれで、星華としては嬉しいことではあるのだが……

「私とて……お前を心配していた気持ちは同じだぞ」

 愛情は、あずさ一人には渡せない。だからあずさを押しのけて、梓の身に抱き着いた。

「分かっています……ありがとうございます。あずささんにも、そして、星華さんにも、助けられましたね」

「ふん……」

 先のあずさに比べたら、愛情を感じることはできても、事務的にさえ聞こえしまう。そんな感謝と愛情の言葉だが、それでも直前まで死ぬかと思っていた愛しい男の生存と、そんな声は、星華の心を安心で満たした。

 

「……そういえば、佐倉さんは?」

 そこで初めて、自分を助けてくれたもう一人の存在が無いことに気付いた。

「佐倉くんなら、もう行っちゃったよ」

「うむ……借りは返した。これ以上は邪魔になるから、とな」

「邪魔だなんて……」

 梓としては、純粋に感謝の気持ちを感じている。とは言え、お互い、過去のことで気まずさを感じているのは間違いない。

 だから、まともに顔を合わせて言葉を交わすよりは、無言で去った方がお互いのためにも良かったんだろう。

「それでね……実は、彼に預けてた四枚のカード、梓くんが寝てる間に、持ってっちゃったんだよね」

「四枚の……あの、ドラゴンのカード達を、ですか?」

「ああ……強大なエネルギーを制御できるほどの、強烈な力を持ったカード。マッケンジー達が使っていた、謎の技術が使われていた決闘ディスクと共に、研究したいと言ってな」

「わたし達は別に、あのカードにそこまで執着なかったし、彼なら信用できると思って、そのまま渡しちゃったんだけど……梓くんは寝ちゃったままだったし。梓くんのドラゴンも、二枚とも渡しちゃったけど、良かった?」

 不安げな顔で語っている二人に対する、梓が見せたのは、笑顔だった。

「ええ……彼なら、あのドラゴン達の力、正しく使ってくれるでしょう。そう、信じられます」

「……だな」

「うん!」

 二人ともが、梓の返事に安堵し、そして、改めて、戦いがようやく終わったことへの悦びを、目の前の愛しい男と共に感じていた。

(……む? ちょっと待て?)

(わたしのスターダスト……星華さんのレッド・デーモン……梓くんのエンシェント……)

(『月華竜 ブラック・ローズ』は……私のドラゴン?)

 

「パパ……」

 歓喜の後の疑問に苛まれる三人の耳に、また別の声が届いてくる。

 そこには、一連の元凶である、マッケンジーが倒れていて、結局一度も決闘することの無かった娘が寄り添っていた。

「……」

 そんな二人を見やりつつ、梓は、手に持っているものを見つめる。

 自身が愛用する光の決闘ディスク。そして、そこに納められている、娘のデッキを……

 

「レジーさん……これを」

 本来はレジーのもので、彼女が自分と闘うために使うはずだったデッキ。

 なぜか、彼女本人ではなく、二人に敗北し暴走した父親(・・・・・・・・・・・・)と決闘した。

 暴走したマッケンジーは、まさしくその身を削り命を落とす所だったが、あずさと星華の二人がその暴走をどうにか押さえ、二人の、そして、梓の操る計四体のドラゴンの力で解放し、決闘に無事勝利するも、お互いに疲弊してしまい、さしもの梓も今の今まで気絶していた……

 ――と、確かに記憶はしているのだが……

(どうにも妙だ。理由が曖昧な上、整合性もまるで無い。まるで、本来の筋書きを消し去って、そこへ無理やり新しい筋書きを上書きしたような……)

 そんな違和感を感じながらも、マッケンジーから取り上げた(・・・・・・・・・・・・・)デッキを、本来の使い手であるレジーに手渡すが……

「……」

 レジーとしても、自分と父親を、結果的にだがこんな目に遭わせたデッキなど、再び受け入れたいとは思わないだろう。

 その気持ちは、梓にも、あずさに星華も分かってはいる。

 それでも……

「このデッキは、あなたのものだ。使うも捨てるも、あなたが決めて下さい。このカード達のため……そして他でもない、あなた自身のために」

「……私、自身……?」

 それ以上は言わず、レジーの手に無理やり握らせた。

 

 決闘に苦しめられ、傷つけられた。そんな少女の気持ちは、梓にも分かった。

 だからこそ、その傷を克服するか、目を背け逃げるかを、決められるのは本人自身であることも知っている。梓はかつて、仲間達に救われたが、救われた後に進むことができたのは、梓自身が選択したから。

 同じように、レジーもまた、自分で選択するしかない。

 そのためのデッキを渡した後は、警備に連絡だけして、三人でその場を後にした。

 

 ……

 …………

 ………………

 

「シンクロ召喚! 『ライトエンド・ドラゴン』! 『ダークエンド・ドラゴン』!」

 

 ジェネックス会場である、決闘アカデミア。その中央広場にて、大勢の人間が集まっている。

 美白した生徒の全てを決闘にて下し、最後まで生き残った男、万丈目準。

 彼と、同じく最後に生き残っていた少女、早乙女レイとの決闘。

 ジェネックスにおける決勝戦を観戦するために集まった、生徒や決闘者たち。

 

「来い! 『光と闇の竜(ライトアンドダークネス・ドラゴン)』!」

 

 万丈目が繰り出す圧倒的展開力と物量。

 レイが魅せる多彩なカードテクニック。

 序盤では、二人の力は互角であり、手に汗握る拮抗した決闘を見せていた。

 だが、テクニックなら、万丈目もまた一枚も二枚も上手だった。

 加えて、シンクロ召喚、切り札たる『光の闇の竜』という、レイにも、誰にも未知のカードを操り、ギャラリーたちの心を簡単にわし掴んでみせ……

 

「バトルだ! 『おジャマ・イエロー』で、ダイレクトアタック!」

 

 最後の、彼のエースモンスターである『おジャマ・イエロー』の下品な攻撃には、直前までの派手で見応えあるモンスター達に興奮していたこともあって、顔をしかめる人間が多かったものの……

 それでも、『おジャマ・イエロー』の攻撃によって、レイのライフをゼロにしたこの瞬間、ジェネックスの優勝者が決定した。

 

『ジェネックス優勝は、万丈目準君です!』

 

 マイクで拡大された、鮫島校長の声が広場全体に響く。

 彼を慕う生徒達を中心に、見ていた全員の決闘者が、万丈目を讃え、その優勝に納得していた。

 

 ……ただ、一人を除いて。

 

「まだだ!!」

 

 ここまで白熱した、大規模大会の終了。その興奮と達成感に満ち足りている、そんな空間に、万丈目は叫ぶ。

 沸いていたギャラリーたちは一斉に声を止ませ、静まり返る。

「まだ、倒すべき相手がいる。少なくともあと二人、この場にいるべき決闘者がいるはずだ!」

 

「この場にいるべき……それって……?」

「ああ、だよな?」

 万丈目からのそんな言葉に、生徒らは、瞬時に共通の人物を思い描いた。

 万丈目も強い。それは、ここまでの結果を見ても間違いない。

 だが、それよりも遥かに強い、最強と呼ぶに相応しい決闘者。

 それが、この場に姿を現していないことも、また、事実……

 

「来たぞー!」

 

 その事実を理解した直後に、一人の男子生徒の声が響いた。

 一斉に、ギャラリーの、早乙女レイの、そして、万丈目の目がそちらへ向く。

 歩いてくるのは、女子生徒二人と、その中心に立つ、男子生徒が一人。

 流れるように揺れる長い黒髪。輝く青い着物。優雅ながら堂々とした立ち姿。そして、美しすぎる絶世の美貌……

 

「待っていたぞ……平家あずさ! そして、水瀬梓!」

 歩いてきた人物の名前を、万丈目は叫ぶ。

 凶王、水瀬梓はもちろん、彼をも超える、棟焦、平家あずさの名も。

「お前たちを倒してこそ、真の意味で俺はこの大会で優勝したと言える……ジェネックス優勝の称号を賭けて、この俺と決闘しろ!」

 

「……」

 万丈目の申し出に、(あずさ)の二人ともが笑顔を浮かべた。

 

「……けっ! 結局勝つのは、シンクロなんて反則技使ってる奴らかよ」

 

 そんな、臨戦態勢に入った三人の耳に、別の声が届く。ギャラリーの最前列に、腕を組んで仁王立ちしている、オベリスクブルー三年の男子生徒は、分かりやすく悪態をつき、三人を睨みつけていた。

「イイご身分だよなー! どうやって手に入れたかは知らねーけど、そんな誰も知らねー、持ってるわけがねー強ぇカード、何枚もほいほい使えるんだからよ……そんなもん、優勝できねー方がおかしいわなー!?」

 

「貴様……」

 万丈目に限らず、大勢の生徒は、彼に対して呆れの目を向けている。

 

 そんな中でも、彼は、喋ることをやめなかった。

「なあ教えてくれよ? 今どんな気持ちだ? 誰も使ったことがねー強ぇカードぽんぽん振りかざして、当たり前に優勝してチヤホヤされてよぉ……普通のカード使うしかねー俺らからすりゃあ、たまったもんじゃねーよ! そんな反則技使い放題な奴らを相手に、普通の決闘するしかねー俺たちが、勝てるわけねぇんだからなぁー!!」

 

「……ふむ。それもそうですね」

 ただ強いカードを集めて、それを組んだデッキを使って勝てる。そんな簡単なことで決闘に勝つことができるなら、誰も、決闘アカデミアに来るほど苦労はしない。

 誰もがそれを知っている。だが、ギャラリーの中には、彼の言葉に共感する者も多数いるらしい。

 そんな、彼らの勝ち抜きの結果を、良し、悪しで二極化してしまった空間と空気の中……

「どうぞ……」

 声を上げた梓は、彼に向かって二つのものを投げて渡した。

 

「うおっとと! ……え? これって……」

 

「私のデッキと、メダルです。あなたに差し上げます」

 

「差し上げます……差し下げます? 差し上げます!?」

 

『えぇえええええええええ!?』

 デッキも、メダルも投げ渡し、せっかく勝ち残ったジェネックスも棄権する。

 一連の行動に、見ていた生徒全員が声を上げていた。

 

「くれる? この、デッキを……?」

 受け取ったデッキを、男子生徒は確認してみた。

 それは間違いなく、彼も見たことがある、梓の使っていたカードが入っている。

 もちろん、シンクロモンスター達も……

 

「梓、いいのか……?」

 隣に立っていた星華にあずさも、周りほど驚愕はしていないながら、疑問に尋ねていた。

「構いません。私も……そして、あのデッキも、ここでの役目を終えましたから」

「役目って……でも、大事なデッキじゃないの?」

「デッキなど、また一から作ればいいだけのこと……それに、私自身、不思議なのですが……あのデッキには、かつてあった執着が、今は、欠片も感じないのです」

「……そうか」

 

(わたしも、新しくデッキ作ろうかな? ちょうど限界感じてきてたし……)

 

「ふざけるな!」

 梓が起こした行動に、これから決闘をしようと意気込んでいた万丈目は、驚くどころか憤慨していた。

「俺は貴様と決闘するためにここまで来たのだ! それを、棄権だと!? 貴様、俺をコケにする気か!?」

 

「準さん……気持ちは嬉しいのですが、もう遅いです。もうあのデッキは、彼のものですから」

 いいながら、視線を万丈目から、デッキを渡した男子生徒に移す。

「こいつが、俺のデッキ……ヘヘッ、こいつさえあれば、もう敗けねぇ……」

 デッキを手にして、分かりやすく悦びを見せ、これから先の自分の姿を夢想し、酔っている。仮に今、デッキを返せと言ったところで、彼が手放すことは決してないだろう。

 

「というわけで、鮫島校長? 私はジェネックスを棄権します。代わりに、彼を復活させてあげて下さい」

『いや、しかし……』

「いいですね」

『いえ、ですがそれは……』

 

「いいですね」

 

 いつも見せる笑顔。だが、その笑顔のもと発せられた声と雰囲気には、逆らうことは許さぬという、絶対の迫力がこもっている。

 お前たち教師に、私の申し出を拒む権利などない。

 誰もが、そんな言葉を感じ取った……

 

「……良いだろう。では、貴様が相手だ!」

 納得できかねていながらも、万丈目は男子生徒へ声を上げた。

「ヘヘッ……ヘヘヘッ、お前、俺に勝てると思ってんのか? このデッキを手に入れた俺は最強だ! ジェネックス優勝は、俺のもんだあああ!!」

 

「無理に決まってるだろ……」

 ギャラリーの中に混ざっている、五階堂宝山が、興奮し慢心している男子生徒の姿に、呆れた冷たい声を発した。

「あのデッキは、内容見た程度で簡単に扱えるような代物じゃないんだ……まして、あんなに慢心しといて、勝てるわけがない」

 かつて、同じようにあのデッキを手に入れて、使ったことがあるからこその確信の言葉。

「ああん? なんだよ、大会二日目で脱落した、エリートの五階堂君?」

「偉そうに……テメェはそこで、黙って高見の見物してろよ。凶王と引き分けたエリート君はよぉ」

 そんな心無い言葉も、今の彼に意味は無い。

 彼らに言われるまでもなく、これから始まる、二人の決闘を黙して見届けた……

 

 

「俺が勝ったら、そのデッキ、渡してもらおう」

「アンティルールかよ……だったら、俺が勝ったらお前のデッキよこせ。そんで、化け物の棟焦もぶっ倒して、全部のシンクロモンスター手に入れて、俺が世界最強だー!!」

 

「化け物の棟焦……?」

「梓くん、落ち着いて、わたしは大丈夫だから……」

 既に勝った気でいる男子生徒に、万丈目は呆れ果て、あずさへの失言に反応した梓をあずさがなだめている中で……

 

『決闘!!』

 

 

万丈目

手札:5枚

LP:4000

場 :無し

 

男子生徒

手札:5枚

LP:4000

場 :無し

 

 

「先行は俺か……俺のターン!」

 

万丈目

手札:5→6

 

「いくぞ……俺はライフを800払い、魔法カード『魔の試着部屋』発動!」

 

万丈目

LP:4000→3200

 

「デッキの上からカードを四枚めくり、その中のレベル3以下の通常モンスターを全て特殊召喚する……」

 

『ハウンド・ドラゴン』通常モンスター

 レベル3

『ラブラドライドラゴン』通常モンスター

 レベル6

『マーダーサーカス・ゾンビ』通常モンスター

 レベル2

『おジャマ・グリーン』通常モンスター

 レベル2

 

「三体のモンスターを、特殊召喚する!」

 

『ハウンド・ドラゴン』

 レベル3

 攻撃力1700

『マーダーサーカス・ゾンビ』

 レベル2

 攻撃力1350

『おジャマ・グリーン』

 レベル2

 守備力1000

 

「レベル6の『ラブラドライドラゴン』はデッキに戻し、シャッフルする……更に魔法カード『天使の施し』発動! カードを三枚ドローし、二枚を捨てる。この瞬間、墓地に送られた『エクリプス・ワイバーン』の効果! デッキから、レベル7以上の光または闇属性のドラゴン族一体を除外する。俺が除外するのは、レベル8の光属性『光と闇の竜(ライトアンドダークネス・ドラゴン)』。そして、墓地の光属性『エクリプス・ワイバーン』を除外することで、『暗黒竜 コラプサーペント』を特殊召喚!」

 

『暗黒竜 コラプサーペント』

 レベル4

 攻撃力1800

 

「墓地に眠る『エクリプス・ワイバーン』が除外されたことで、除外した『光と闇の竜』は手札に加わる」

 

万丈目

手札:4→5

 

「そして俺は、『マーダーサーカス・ゾンビ』と、『おジャマ・グリーン』を生贄に捧げる……」

『えー!? オレ生贄ー!?』

「当たり前だ! 来い『光と闇の竜』!」

 何もない空間に、一瞬の白と黒が輝く。交わることの無い光と闇は、互いに拮抗し合いながら、やがて一つとなる。

 光は天使の翼を成し、闇は悪魔の羽を形作る。

 やがて、美しく左右に別れた二色の体躯備えしドラゴンは、異なる翼を広げながらフィールドに降り立った。

 

光と闇の竜(ライトアンドダークネス・ドラゴン)

 レベル8

 攻撃力2800

 

「いきなりあのドラゴンだ!」

「すげぇ……さっきも見たけど、もの凄い迫力だ」

 

「あのドラゴン……万丈目準に渡したのだな」

「渡したって?」

「……」

 

(なぜでしょう……あのドラゴンの姿を見る度、耳元で大谷さんが「ファング……ジョーカー!!」と叫ぶ幻聴が聞こえてくるのですよね……)

 

「俺はカードを三枚伏せる。これでターンエンド!」

 

 

万丈目

手札:1枚

LP:3200

場 :モンスター

   『光と闇の竜』攻撃力2800

   『暗黒竜 コラプサーペント』攻撃力1800

   『ハウンド・ドラゴン』攻撃力1700

   魔法・罠

    セット

    セット

    セット

 

 

「やったことはモンスターの展開だけかよ? ご自慢のシンクロモンスターはどうしたよ? ああん?」

「貴様如きに使うまでもないが、おそらく梓ならこう言う……使わせてみろ」

「ああん? 上等だ雑魚が! やってやるよ! 俺のターン!」

 

男子生徒

手札:5→6

 

「さて、その厄介なドラゴンがいる限り、俺はあらゆる効果が四回まで使えなくなっちまうんだったな……速攻魔法『サイクロン』! テメェの伏せカード一枚を破壊だ!」

「『光と闇の竜』の強制効果! 攻守を500ポイントずつダウンさせ、その効果を無効化する!」

「だよな……んじゃあ、そいつにチェーンして速攻魔法『エネミーコントローラー』! 第一の効果で、そのドラゴンを守備表示に変更するぜ」

「なにぃ!?」

 彼の言った通り、彼らの前に表示されたコントローラーが二色の竜に伸びる。そのまま自動でコマンドが入力され、二色の龍は両翼を畳み、地面に伏した。

 

『光と闇の竜』

 守備力2400

 

「そいつの無効化の効果が、同一チェーン上で何度も使えねーってことくらい、分かってんだよ!」

「むぅ……!」

「そして、ここで先の二枚のカード効果が発動する。『光と闇の竜』の効果で、『サイクロン』は無効になる」

 

『光と闇の竜』

 守備力2400→1900

 攻撃力2800→2300

 

 ドラゴンの頭部から生える、二本の角からの雷。それが『サイクロン』に命中し、振われるはずの力を封じた。

「次だ……魔法カード『氷結界の紋章』! デッキから『氷結界』一枚を手札に加える!」

「そいつも『光と闇の竜』の効果で無効だ!」

 

『光と闇の竜』

 守備力1900→1400

 攻撃力2300→1800

 

「これで十分だな……『氷結界の舞姫』召喚!」

 

『氷結界の舞姫』

 レベル4

 攻撃力1700

 

「バトルだ! 『氷結界の舞姫』で、『光と闇の竜』を攻撃だ!」

 紫の装束纏いし氷の姫が、雪の結晶を模した武器を両手に走り抜く。

 一気に接近したのち、美しい舞からの斬撃で二色の竜を細切れにした。

「それで、確かそのドラゴンは破壊された時、お前の場のモンスター全部を破壊するんだったよな?」

「ふん……」

 彼が自慢げに語った通り、二色の竜の身が切り裂かれた直後。

 白と黒、光と闇の間にて、その二色の入り混じる球体が発生した。

 その球体が躍動し、やがてフィールドに並んでいた二体のドラゴンを飲み込んでしまった。

 直後、その球体の中から、新たなドラゴンが姿を現す。

 

『ライトパルサー・ドラゴン』

 レベル6

 攻撃力2500

 

「『光と闇の竜』が破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するモンスター一体を選択し発動する。俺の場のモンスター全てを破壊し、選択したモンスター『ライトパルサー・ドラゴン』を特殊召喚する」

「『天使の施し』で捨てていやがったカードか。だがそれも無意味になるぜ……バトルは終了。これでカード効果が使い放題だ。『天使の施し』発動! カードを三枚ドローして、二枚を捨てる。そして『強欲な壺』! カードを二枚ドローするぜ!」

 

男子生徒

手札:1→3

 

「永続魔法『生還の宝札』、そして装備魔法『早すぎた埋葬』! ライフを800払い、墓地のチューナーモンスター『氷結界の水影』を特殊召喚するぜ!」

 

男子生徒

LP:4000→3200

 

『氷結界の水影』チューナー

 レベル2

 攻撃力1200

 

「宝札の効果で、一枚ドローだ」

 

男子生徒

手札:1→2

 

「さあ、いくぜ……」

 

「まさか、本当に!?」

「やるのかよ……!」

 

「レベル4の『氷結界の舞姫』に、レベル2の『氷結界の水影』をチューニング!」

「シンクロ召喚! 『氷結界の龍 ブリューナク』!」

 

 遥か上空の雲から、輝く粉雪が散らついた。

 そんな粉雪を纏い、散らしながら、総身をウネらせ降りてくる者。

 これまで、アカデミアの生徒達は何度も見てきた、美しい姿そのままの、第一の竜の降臨である。

 

『氷結界の龍 ブリューナク』シンクロ

 レベル6

 攻撃力2300

 

「呼びやがった! あいつ、シンクロモンスターを……」

「すげぇ……梓さんだけが使えるカードじゃなかったのか!」

 

「わはははは!! 見たかよ、俺の力! 俺がシンクロモンスターを使いこなす様、その目で見たかよ!?」

「そんなもの、呼び出し方さえ知っていればできて当然だ。御託はいいから、さっさと進めろ」

「ハッ!! だったら望み通り、こいつの力で終わらせてやらぁ!! 魔法カード『サルベージ』! 墓地の攻撃力1500以下の水属性、『氷結界の水影』と『フィッシュボーグ-ランチャー』を手札に加える!」

 

男子生徒

手札:1→3

 

「ブリューナクの効果! 手札を任意の枚数捨てることで、その枚数分、フィールドのカードを手札に戻すぜ。今戻した二枚のカードを捨てるぜ!」

 

男子生徒

手札:3→1

 

「戻すのはテメェのドラゴンと、伏せカード一枚だ!」

「……」

 ブリューナクの身から発生した白い霧が、フィールドを包み込んだ時。

 万丈目の前に立つ閃光の竜と、伏せカードの一枚が、彼の手に戻った。

 

万丈目

手札:1→3

 

「……この瞬間、手札に戻った『埋蔵金の地図』の効果が発動する!」

「手札に戻った時に発動する効果だと?」

「場にセットされたこいつが手札に戻った時、こいつを墓地に捨てることで、カードを二枚ドローできる」

 

万丈目

手札:3→2→4

 

「手札を増やしちまったか……だが、まだだ! ブリューナクの効果で墓地に捨てた『フィッシュボーグ-ランチャー』の効果だ! 墓地のモンスターが水属性のみの場合、墓地のこいつを蘇生できるぜ!」

 

『フィッシュボーグ-ランチャー』チューナー

 レベル1

 守備力100

 

「宝札の効果で、一枚ドローだ!」

 

男子生徒

手札:1→2

 

「それで……この効果で蘇生したこいつがフィールドを離れた時、ゲームから除外されて、更にシンクロ素材は水属性のシンクロモンスター限定か……なら問題ねぇ!」

 

「レベル6の水属性ブリューナクに、レベル1の『フィッシュボーグ-ランチャー』をチューニング!」

「シンクロ召喚! 『氷結界の龍 グングニール』!」

 

 二人の目の前の大地が大きく裂ける。そこから這い出る巨大な爪、巨大な脚が、地底から地上を踏みしだき、刃煌めく鋭い巨体をフィールドに君臨させた。

 

『氷結界の龍 グングニール』シンクロ

 レベル7

 攻撃力2500

 

「『フィッシュボーグ-ランチャー』は除外……グングニールのモンスター効果だ! 一ターンに一度、手札を二枚まで捨てることで、捨てた枚数分だけ相手フィールドのカードを破壊する。俺は残り二枚を捨て、お前の場の残ったカード、全てを破壊するぜ!」

 

男子生徒

手札:2→0

 

 男子生徒が二枚のカードを捨てた時、グングニールの二枚の翼が光り輝く。

「ならば、罠発動『おジャマトリオ』! 貴様の場に、『おジャマトークン』を三体呼び出す!」

 翼が振われる直前、カードが発動される。そこから飛び出した、三色のおジャマトリオ達が男子生徒のフィールドに並び立った。

 

『おジャマトークン』トークン

 レベル2

 守備力1000

『おジャマトークン』トークン

 レベル2

 守備力1000

『おジャマトークン』トークン

 レベル2

 守備力1000

 

「それがどうしたよ!?」

 直後、それを一気に振った瞬間、発生した斬撃が万丈目の伏せカードを切り裂いた。

「ぎゃははははは!! ターンエンドだぁ!」

 

 

男子生徒

手札:0枚

LP:3200

場 :モンスター

   『氷結界の龍 グングニール』攻撃力2500

   『おジャマトークン』守備力1000

   『おジャマトークン』守備力1000

   『おジャマトークン』守備力1000

   魔法・罠

    永続魔法『生還の宝札』

 

万丈目

手札:4枚

LP:3200

場 :モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

 

「ぎゃははははは!! 見たかよ、この圧倒的かつ鮮やかなプレイングをぉ!? シンクロモンスターを手に入れた俺は、無敵だ! 最強だ!! ぎゃははははは!!」

 

「ふーん……偉そうなこと言うだけはあるな」

 少しだけ驚いた顔を見せながら、五階堂は、男子生徒の姿にそう呟いた。

 

「存外、使いこなせるものですね」

 梓もまた、ここまでの男子生徒のプレイングに、そう素直に賞賛の声を出す。

 梓自身、氷結界に選ばれ、今日まで共に戦ってきたことで、心のどこかで、このデッキは自分にしか使えない物と思っていた。

 だが、自分の協力があったとは言え、一年生の五階堂はもちろん、三年生の男子生徒も、華麗に使いこなすことができている。

 今更ながら、改めて感じた。

 あのデッキはもはや、私だけが持つべきデッキではない。

 私が使う必要など、ないのだと……

 

「……でも、使いこなせてる、だけだね」

「ああ……自分のプレイングに酔って、場の状況を全く見ていない」

 

「ふん……思った通り、つまらん決闘だな」

「ああん? なんだぁ? どういう意味だ?」

「言った通りの意味だ。こんな下らん決闘、さっさと終わらせる……俺のターン!」

 

万丈目

手札:4→5

 

「カードを伏せる。魔法カード『手札抹殺』! 互いのプレイヤーは、手札を全て捨て、捨てた枚数分カードをドローする」

「俺の手札はゼロ……」

「俺は三枚捨て、三枚ドロー……そして、セットしておいた魔法カード『おジャマンダラ』発動! 1000ポイントのライフを支払い、墓地に眠る『おジャマ三兄弟』を呼び出す。出番だ、雑魚ども!!」

 

万丈目

LP:3200→2200

 

『おジャマ・イエロー』

 レベル2

 守備力1000

『おジャマ・グリーン』

 レベル2

 守備力1000

『おジャマ・ブラック』

 レベル2

 守備力1000

 

『どーもー!』

『どーもー!』

『どーもー!』

 

「けっ! そんなブサイクな雑魚ども並べても、俺のグングニールには勝てねぇよ!!」

「貴様のではない……梓のだ! フィールドにおジャマ三兄弟が揃ったことで、手札の魔法カード『おジャマ・デルタハリケーン!!』を発動! 相手フィールドに存在する全てのカードを破壊する!」

「な……全てのカード!?」

「行け、雑魚ども!!」

 おジャマ三兄弟が、唯一身に着けている赤色のブリーフを重ね合わせた。

 そこを中心に、一気に回転。そこから発生した巨大嵐が、男子生徒のフィールドを、全てのカードを飲み込んだ。

「そんな……俺の、俺のグングニールが……」

「グングニールだけではない。『おジャマトークン』が破壊された瞬間、貴様は一体につき300ポイントのダメージを受ける」

「なっ……ぐおおおお……!!」

 

男子生徒

LP:3200→2300

 

「バカめが……バトルが終了している状態で、考えなしにシンクロ召喚を連発し、手札をゼロにしてしまっては、返しのターンに対応できなくなるなど、予想して然るべきことだ」

「なんだとぉ……っ!?」

「梓であれば、仮に同じ手段で俺のライトアンドダークネスを除去した後も、無駄に手札を浪費することなく、俺に対するカウンターの手段を用意し、こんなカードなど対策していただろうよ。ただシンクロモンスターの入ったデッキを手に入れ、使いこなしていることに酔いしれ、満足し、始まる前から勝った気になっている、そんな愚か者と違ってな!!」

「黙れええええええええ!! 俺のモンスターが全滅しようが、テメェのフィールドには攻撃力0の雑魚しかいねぇ!! テメェに俺は倒せねぇ!!」

「ならば見るがいい……魔法カード『融合』! おジャマ三兄弟を融合!!」

 

『おいでませ! おジャマ究極合体!!』

『おいでませ! おジャマ究極合体!!』

『おいでませ! おジャマ究極合体!!』

 

「出でよ!! 『おジャマ・キング』!!」

 

『おジャ~~~!!』

 

『おジャマ・キング』融合

 レベル6

 攻撃力0

 

「はっ! 三体融合なんかしたって、結局攻撃力は0……!」

 

「そして最後の手札……装備魔法『シールド・アタック』を『おジャマ・キング』に装備! 『おジャマ・キング』の攻撃力、守備力を入れ替える!」

 

『おジャマ・キング』

 攻撃力0→3000

 守備力3000→0

 

「なっ、なんだとおおおお!?」

 

「バトルだ! 『おジャマ・キング』でダイレクトアタック! フライング・ボディーシールドアタック!!」

 白く輝くおジャマの王が、その巨体を高く飛び上がらせる。

 そこから一気に落下し、守るものの無い男子生徒を圧し潰した。

 

男子生徒

LP:2300→0

 

 

「ち、ちくしょう!!」

 ライフをゼロにされた直後、デッキをディスクに納めたまま走り出した。

 

 ダンッ

 ダンッ

 ダンッ

 

 直後、そんな銃声が鳴り響く。と同時に、彼の足元に三発分の硝煙が漂い上る。

「次は外さん」

 そして、それを撃った、星華の言葉と迫力に、男子生徒はとうとう、観念し、ひざを着いた。

 

 

「貴様のデッキだ」

 取り戻したデッキを、梓に投げ渡す。確認すると、デッキのカードは全て揃っている。

「もっとも……少なくとも、もう俺と決闘する気などあるまい?」

「……ええ」

「それならそれで仕方がない……ならば、もう一人残った者、平家あずさ! 俺の挑戦を受けてもらうぞ!」

 梓の隣に立っている少女に、万丈目は声を上げる。

 同時に、ギャラリーの生徒の視線も集まった。梓とは対照的に、友好的とはとても言えない視線だった。

「……ごめん。わたしはもう、脱落してるんだよね」

「なに?」

 あずさのそんな告白に、万丈目は信じられないとばかりに目を見開いた。

「勝ち残ってるのはわたしじゃなくて、梓くんと……」

 

「私だ」

 

 そんな申し出と共に、梓の逆隣に立っていた少女が前に出た。

 

「え、星華さん?」

「星華お姉様が、最後まで勝ち残っていたの?」

 

『きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

 

「さすが星華さんだ!!」

「素敵です! 星華お姉様ー!!」

 

「お前が……平家あずさではなく、お前が?」

「そうだ……私と貴様、真のジェネックス最終決戦と行こうか?」

「……良かろう! 貴様を倒し、真のジェネックス優勝者となる!」

 万丈目としては、星華の決闘は修学旅行より以前、梓との決闘でしか見たことが無いため、現在の、ジェネックスを勝ち抜けるだけの実力のほどは知らない。

 一方で、星華も、万丈目がシンクロモンスターを使うという噂を聞いた程度で、どんなシンクロモンスターかは、今の決闘で使われなかったことで知らずにいる。

 つまり、お互いに、お互いの使うカード、戦術を知らずに行う決闘。

 もっとも、たった今、星華は万丈目の決闘を見ていた以上、当然その分の情報アドバンテージを得てはいる。だが、万丈目としてはあの程度の情報など、あって無いようなものだ。

 

「さあいくぞ……万丈目サンダー!!」

「かかってくるがいい……アカデミアの女帝!!」

 

 と、二人が決闘ディスクを構え、叫ぼうとした……

 

 その瞬間だった。

 

 

 ババババババババ……

 

「……え? なに?」

 ヘリコプターの音など、孤島に建つアカデミアで聞こえることは珍しくはない。

 だが今聞こえているその音は、彼らから見て、かなり近い距離からと分かる。

 全員がそちらを見ると……

「……なに? また万丈目グループ?」

 あずさがそう言うが、一部の人間は、すぐにそれとは違うと気付いた。

 まず、かつてこのアカデミアに来たヘリにあった、『万丈目GR』のシンボルが、そのヘリには無かった。

 何より、あの時の移動用ヘリとは全く違って、より物々しく猛々しい雰囲気。一部の軍事マニアが、そして、星華が気付いていた。

「あれは、軍用ヘリか?」

 星華が気付きの声を上げた時……

 

 三機の軍用ヘリの全てが、下部にある、ハッチを開いた。

 そこから、アクション映画でよく見るような、回転式機関銃が顔を出した。

 その銃口全てが、彼ら彼女らの立つ場所に向けられて……

 

「いかん!! 全員逃げろ!! 撃ってくるぞー!!」

 

 星華の大声に、梓が素早く反応する。

 次の瞬間には、言った通り、三機のヘリ全ての機関銃が火を噴いた。

 だが、その全てを、梓が咄嗟に発生させた結界で防いで見せた。

 そんな光景に、集結していた生徒、教師らギャラリーの全員、一斉に校内へと逃げていく……

 

「あれは……!」

 生徒達が逃げ惑う中、ヘリ横のドアが開き、武装した男が、巨大なものを肩に構える。

「RPG7……!!」

 その銃口が、向けられている先には……

「狙いは私か……!」

 それに気付いたと同時に、巨大なバズーカは火を噴いた。

 だが、それが届くよりも先に、星華もまた拳銃を取り出し、放つ。

 発射されたミサイルに、何十発もの弾丸がぶつかり、やがて、爆発した。

「くそ……!」

 たった一発のミサイルを撃ち落としたことで、弾切れになった拳銃二丁を、舌打ちしつつ足もとに捨てる。

(迂闊だった……大会中は必要ないと思って、愛用の二丁拳銃以外を置いてきてしまった……こんな日のために集めておいたのが、無駄になった)

 だから、代わりの兵器を取り出した。

 童実野長で偶然手に入れた、『A・ジェネクス』から託された力。

 梓の光、あずさの闇と似ている、あらゆる重火器に姿を変える、闇の金属を……

 

「それにしても……いつか、私の存在がバレる日が来るとは思っていたが、まさかあの時と同じ、こんな直接的な手段で来るとはな」

 呟いた瞬間、再び星華目掛けて、ミサイルが放たれる。

 

「でぇぇえええい!!」

 

 横から声が聞こえたと同時に、そのミサイルは、炎に飲み込まれ、爆発した。

「星華さん!!」

「おケガはありませんか!?」

 闇の銃を構える星華の左右に、闇の手甲を構え燃え盛るあずさが、光の刀を握り冷気漂わす梓が立った。

「お前たちも、逃げて構わんのだぞ? これは私の問題だ」

「ならば、私とて無関係ではありません」

「水臭いですよ。何だか分かんないけど、一緒に戦いましょう」

 今までとは全く別種な意味で、異常で強大な敵を前にしながら、(あずさ)は星華に対して、優しい笑顔と、力強い声を掛けてくれる。

 そんな二人の仲間に、星華の心も燃え上がった。

 

「よし……行くぞ!!」

「はい!」

「はい!!」

 

 未だ、星華を狙う三機の軍用ヘリに向かって、三人は、各々の武器を手に、向かっていった。

 

 

 

 




お疲れ~。

カードの決着が付いたと思ったらこれだよ!
単純なカードゲームアニメでなく、戦争やら政治まで絡んでくるのが遊戯王の魅力だべなー(白目)

てなところで、オリカ行くでや~。



『シールド・アタック』
 装備魔法
 装備モンスターの攻撃力と守備力の数値を入れ替える。

遊戯王GXにて、万丈目が使用。
シンプルだけど普通に強いカードだわな。
自分のモンスターに使うのはもちろん、敵に装備して弱体化させることも可。
今ならOCG化しても問題ない気がするけどね……


『おジャマンダラ』
 通常魔法
 自分の墓地に「おジャマ・イエロー」「おジャマ・グリーン」「おジャマ・ブラック」が存在する時、ライフを1000ポイント支払って発動する。
 自分の墓地から「おジャマ・イエロー」「おジャマ・グリーン」「おジャマ・ブラック」を1体ずつ自分フィールド上に特殊召喚する。

同じく、万丈目が使用。でもってなぜかリンクスでも登場。
こっちはリンクやエクシーズもあるから、OCG化はまずいのかな?
あんま問題ないきもするけどや……



これだけ……
どっちも、二回目だから、紹介はこれが最後ね。

でもって、原作効果ー。



『埋蔵金の地図』
 通常罠
 セットされたこのカードが手札に戻った時に発動する事ができる。
 このカードを墓地に送り、カードを2枚ドローする。

これまた万丈目が使用。
OCGだとチェーンして発動せにゃならん上に、ドローした後一枚は戻さにゃならんが、こっちは手札から捨てたら普通に二枚ドローが可。
条件さえ整えば二枚、三枚伏せておいて一気に大量ドローもできる。
強いけど、やっぱOCGは弱くしすぎださ……



以上。

そんなわけで、こっから先、決闘は無いからな。
決闘だけ見たいって人は次の部まで待っといておくれ。
無くても続き読みたいって人は、ちょっと待ってて。

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