遊戯王GX ~氷結の花~   作:大海

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(原作決闘で)悪いが少々暴れさせてもらう。
てなわけで、原作からかなり改変された十代vs万丈目です。
結果今までで一番長くなってしまった。
それでも良いや~と言ってくれる方。
行ってらっしゃい。



第十四話 ノース校来訪、対抗決闘開幕 ~決闘~

視点:十代

 遂にこの時が来た。

 さっきはトイレの中で、悲鳴を上げてる万丈目を見て驚いたけど、ここに立ってからは良い顔を見せてる。

 気になるのは、決闘場を囲んでるたくさんのカメラか。

「信じられないノーネ。私の姿ーガ、今全国に流れているナンーテ」

 中央で審判役のクロノス先生は浮かれてるし。

 そんなこんなで、並んで座ってる二人の校長が立ち上がった。

 

「それではこれより、アカデミア本校」

「ノース校」

『対抗決闘大会開催の宣言をする!!』

 

 歓声が起こると同時に、クロノス先生が前に出てきた。

「それデーハ、対戦決闘者を紹介するノーネ。まず紹介スルーは、アカデミア本校代表、オシリスレッドのドロップアウトボー……じゃなかった、遊城十代!」

「イエーイ!」

 あんまりはしゃぐ気分じゃないけど、決闘をするからには楽しまなきゃ損だよな。

「対すルーは、ノース校代表……」

 

「いらん」

 

 クロノス先生が喋ってる最中に、万丈目がその前に立った。

「俺の名は俺が告げる」

「ンア?」

「黙って引っ込めと言ったんだ、おかっぱ野郎」

「お、おかっぱじゃないノーネ!! これは有名なカリスマ美容院……で、あら? いつの間にヤーラ、がんじがらめーナ、ナ、ナ、ナ、ドロップアウトー……」

 あー……落ちた。

「大丈夫か? クロノス先生」

 

「お前達、この俺を覚えているか!」

 

 突然、万丈目は声を張り上げた。

「この学園で、俺が消えて清々したと思っている奴! 俺の退学を自業自得だとほざいた奴! 知らぬなら言って聞かせるぜ。その耳かっぽじってよく聞くがいい! 地獄の底から、不死鳥の如く復活してきた、俺の名は!」

「一! 十!」

 

『百!』

 

『千!』

 

「万丈目さんだ!」

 

『うおおおおおおおおお!!』

 

『サンダー!』

『サンダー!!』

『万丈目サンダー!!』

 

 何かよく分からねーけど、すげえ人気だな。

 

「俺は!?」

 

『サンダー!!』

 

「万丈目!」

 

『サンダー!!』

 

「いくぞ十代! この決闘、負けるわけにはいかないからな!」

「来い! 万丈目!」

「万丈目さんだ!」

 

『決闘!!』

 

 

万丈目

LP:4000

手札:5枚

 場:無し

 

十代

LP:4000

手札:5枚

 場:無し

 

 

「俺の先行、ドロー!」

 

万丈目

手札:5→6

 

「モンスターを裏守備表示でセット、更にカードを二枚セット、ターンエンド!」

 

 

万丈目

LP:4000

手札:3枚

 場:モンスター

    セット

   魔法・罠

    セット

    セット

 

 

 裏守備表示……

「俺のターン!」

 

十代

手札:5→6

 

「『E・HERO フェザーマン』召喚!」

 

『E・HERO フェザーマン』

 攻撃力1000

 

「フェザーマンで、セットモンスターを攻撃! フェザー・ショット!」

 二枚のセットカードが気になるけど、モンスターはそのまま破壊された。

 

『アームド・ドラゴンLV3』

 守備力800

 

 アームド・ドラゴン……見たこと無いモンスターだ。だけど、

「先手は貰ったぜ! 俺はカードを一枚セット、ターンエンド!」

「甘い。狙い通りだぞ。エンドフェイズ、永続罠『リビングデッドの呼び声』発動! 墓地に眠るモンスターを、攻撃表示で特殊召喚できる。俺は、『アームド・ドラゴンLV3』を特殊召喚!」

 

『アームド・ドラゴンLV3』

 攻撃力1200

 

「そしてこの瞬間、リバースカードオープン! 『地獄の暴走召喚』!」

 な、あのカードは!

「相手フィールド上にモンスターが存在する時に、攻撃力1500以下のモンスターの特殊召喚に成功した時、手札、デッキ、墓地から、同名モンスターを特殊召喚する! 『アームド・ドラゴンLV3』を、更に二体特殊召喚!」

 

『アームド・ドラゴンLV3』

 攻撃力1200

『アームド・ドラゴンLV3』

 攻撃力1200

 

「そしてこのカードを発動した時、相手プレイヤーは自分フィールド上のモンスター一体の同名カードを、手札、デッキ、墓地から特殊召喚できる。十代のフィールドには『E・HERO フェザーマン』が一体。手札、デッキ、墓地に存在するなら特殊召喚が可能だ。どうする?」

 く……

「……俺は、その効果を使わない」

 フェザーマンは、て言うか他のヒーロー達もだけど、デッキに入ってるのは一枚ずつだからな。

 

 

十代

LP:4000

手札:4枚

 場:モンスター

   『E・HERO フェザーマン』攻撃力1000

   魔法・罠

    セット

 

万丈目

LP:4000

手札:3枚

 場:モンスター

   『アームド・ドラゴンLV3』攻撃力1200

   『アームド・ドラゴンLV3』攻撃力1200

   『アームド・ドラゴンLV3』攻撃力1200

   魔法・罠

    永続罠『リビングデッドの呼び声』

 

 

「そして恐怖の俺のターンが始まる! 俺のターン、ドロー!」

 

万丈目

手札:3→4

 

「このスタンバイフェイズ、三体の『アームド・ドラゴンLV3』は、『アームド・ドラゴンLV5』へとレベルアップする!」

 

『アームド・ドラゴンLV5』

 攻撃力2400

『アームド・ドラゴンLV5』

 攻撃力2400

『アームド・ドラゴンLV5』

 攻撃力2400

 

 

「あれは、レベルアップモンスターか!」

「レベルアップモンスター?」

「その名の通り、レベルアップして進化していくモンスターのことっス。けど、そのどれもが希少なレアカードのはず。どうしそのカードを万丈目君が……」

 

「あれは、ノース校に伝わる秘宝のカード! 市ノ瀬君、君は……」

「言ったでしょう、私も本気だと。例の商品は必ず私が貰う」

 

 

 いきなり攻撃力2400が三体かよ。

「『アームド・ドラゴンLV5』、効果発動! 手札のモンスターカード一枚を墓地へ送ることで、そのモンスターの攻撃力以下のモンスター一体を破壊する! 手札の『ドラゴンフライ』を墓地に捨てる! デストロイド・パイル!」

 

万丈目

手札:4→3

 

「『ドラゴンフライ』の攻撃力は1400、よって攻撃力1000のフェザーマンを破壊!」

「ぐぅ……」

「バトル! 三体の『アームド・ドラゴンLV5』で、十代にダイレクトアタック! アームド・バスター!」

 向かってくる三体のアームド・ドラゴンだけど、

「罠発動『攻撃の無力化』! 攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する!」

「ふん、生き延びたか。俺は更にカードを二枚伏せ、ターンエンド」

 

 

万丈目

LP:4000

手札:2枚

 場:モンスター

   『アームド・ドラゴンLV5』攻撃力2400

   『アームド・ドラゴンLV5』攻撃力2400

   『アームド・ドラゴンLV5』攻撃力2400

   魔法・罠

    永続罠『リビングデッドの呼び声』

    セット

 

十代

LP:4000

手札:4枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

 

 この状況は、ちょっとまずいか……

「俺のターン、ドロー」

 

十代

手札:4→5

 

 これなら……

「魔法カード融合! 手札のエッジマンと、ワイルドマンを融合! 現れろ! 『E・HERO ワイルドジャギーマン』!」

 

『E・HERO ワイルドジャギーマン』

 攻撃力2600

 

「『E・HERO ワイルドジャギーマン』は、相手モンスター全てに攻撃できる。バトル! ワイルドジャギーマンで、アームド・ドラゴンに攻撃! インフィニティ・エッジ・スライサー!」

「甘い! 速攻魔法『収縮』発動! このターン、モンスター一体の攻撃力を半分にする!」

 

『E・HERO ワイルドジャギーマン』

 攻撃力2600/2

 

「なに!?」

「迎え撃て! アームド・バスター!」

 

十代

LP:4000→2900

 

「くそぉ……俺は、『E・HERO クレイマン』を守備表示で召喚」

 

『E・HERO クレイマン』

 守備力2000

 

「更にカードを伏せて、ターンエンド!」

「そしてこの瞬間、モンスターを戦闘破壊したことで、『アームド・ドラゴンLV5』は、『アームド・ドラゴンLV7』へとレベルアップする!」

 

『アームド・ドラゴンLV7』

 攻撃力2800

 

『グォオオオオオオ!!』

 

『サンダー!!』

『サンダー!!』

 

『万丈目サンダー!!』

 

十代

LP:2900

手札:0枚

 場:モンスター

   『E・HERO クレイマン』守備力2000

   魔法・罠

    セット

 

万丈目

LP:4000

手札:2枚

 場:モンスター

   『アームド・ドラゴンLV7』攻撃力2800

   『アームド・ドラゴンLV5』攻撃力2400

   『アームド・ドラゴンLV5』攻撃力2400

   魔法・罠

    永続罠『リビングデッドの呼び声』

    セット

 

 

 強え……

 万丈目の奴、ちょっと見ない間に、こんなに強くなってたんだなぁ。

「俺のターン!」

 

万丈目

手札:2→3

 

 何だか嬉しいぜ、万丈目!

「バトル! 『アームド・ドラゴンLV5』で、クレイマンを攻撃! アームド・バスター!」

「ぐぅ……」

「更に、二体のアームド・ドラゴンで、十代にダイレクトアタック!」

「速攻魔法『クリボーを呼ぶ笛』! デッキから、『ハネクリボー』を特殊召喚する!」

 

『ハネクリボー』

 守備力200

 

『クリクリ~』

 

「構わん! 二体目の『アームド・ドラゴンLV5』で……」

 

(アニキ~、あの子なら、オイラの兄弟のこと知ってるかもしれないよ~。オイラを呼び出して聞いてみておくれよ~)

「うるさい! この決闘で、貴様の出る幕などあるか!」

(そんなこと言わないで~)

 

(クリクリ~)

「どうした? 相棒」

(クリ~)

「……あ、本当だ」

 

「おい万丈目、それって……」

 俺が聞こうとした途端、万丈目は慌てた様子で、黄色いそいつを追いかけ回した。

「引っ込まんか!」

 あ~あぁ、精霊をまるで蚊を叩くみたいに……

 

「改めて、二体目の『アームド・ドラゴンLV5』で、『ハネクリボー』を攻撃! アームド・バスター!」

 

(クリ~!!)

 

「ぐぅ!!」

 く、すまん、相棒……

「『ハネクリボー』の効果でこれ以上ダメージを与えられない。ターンエンド。そしてこの瞬間、戦闘破壊した二体の『アームド・ドラゴンLV5』は、『アームド・ドラゴンLV7』へとレベルアップする!」

 

『アームド・ドラゴンLV7』

 攻撃力2800

『アームド・ドラゴンLV7』

 攻撃力2800

 

『グォオオオオオ!!』

『グォオオオオオ!!』

『グォオオオオオ!!』

 

『サンダー!!』

『サンダー!!』

 

『万丈目サンダー!!』

 

 

万丈目

LP:4000

手札:3枚

 場:モンスター

   『アームド・ドラゴンLV7』攻撃力2800

   『アームド・ドラゴンLV7』攻撃力2800

   『アームド・ドラゴンLV7』攻撃力2800

   魔法・罠

    永続罠『リビングデッドの呼び声』

 

十代

LP:2900

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

 

 くぅ、マジで強え……

 

「何だその情けない決闘は! 貴様勝つ気があるのか!!」

 

「な、万丈目……」

「そんなことで、奴を迎えることができるのか!」

 奴? 迎える?

 

「水瀬梓を許すことができるのか!!」

 

 !!

 

「梓くんを……」

「梓さんを、許す……」

 

「万丈目、お前……」

「ああそうだ。俺は、水瀬梓に敗れた。完膚なきまでに、1ポイントのライフも削ることができず」

 マジかよ、万丈目が、ノーダメージで負けた……?

 

(元々、重くなるって理由から一枚しか入っていなかった『アームド・ドラゴンLV7』を、水瀬梓に敗れたことで、一から組み直してああなったからな。出発前の二日間の徹夜に付き合ってやった甲斐があった)

 

「……梓を許すって、どういう意味だよ?」

「決闘の後で、梓は言っていた。自分は元々、何かを求めて良い人間ではなかったと。大切なものは一つだけで良いと。それ以上は許されなかったと。友や憧れ、日常さえ、持つことなど許されない存在だったと。そして、今のその大切な一つが、復讐だとな」

「復讐……何かを求めることは許されないって、そう言ったのか?」

「そうだ。どんな理由からそんな考えを抱いたのかは知らん。なぜなら、少なくともお前達に比べれば、俺は梓の事情など全く知らん。あいつとの付き合いの中で、あいつのことを知る以前に、自分のことをもっと知って欲しいという思いから、自分のことを話すことの方が多かったからだ。俺があいつのことを聞くことなどほとんどなかった。今では後悔している。こんなことになるのなら、なぜもっとあいつのことを分かってやろうとしなかったのかと。自分ばかりを相手に押しつけ、相手から自分を押しつけられることは拒んできた。ずっと変わらなかったその傲慢さが、今では恨めしい」

「……」

「だがそれでも、俺とてお前達ほどで無いにしろ、あいつとは絆を感じている。あいつが俺の全てを受け入れてくれたから、俺はこうしてここに立つことができている。あいつはこうも言っていた。大切なものは一つで良い、その気持ちをずっと忘れていたと。そんな理不尽な感情を消し去ってしまうほど、俺達に芽生えた絆は、本物であったと信じたい」

「だから今、あいつが自分を許せないのなら、代わりに俺が許してやる。あいつがどれだけ振り払おうと、力ずくで押さえ込められるほど強くなり、奴を受け入れてやる。それが、今までの優しく美しい姿ではなく、怒りと憎しみに震え、復讐に取り憑かれた醜く悲しい姿であってもだ! そしてそのためにも、遊城十代、俺は貴様を倒す!!」

「万丈目……」

 

「水瀬梓! もし今この決闘を見ているなら、俺の姿を見ていろ!!」

 

『お前がかつて目標としていた男の姿を見ていろ!!』

 

『お前が否定したものは、決して間違いではなかったということを俺が証明してやる!!』

 

『そして覚えておけ!! その男の名を!!』

 

「俺の名は!!」

「一!! 十!!」

 

『百!!』

『千!!』

 

「万丈目サンダー!!」

 

『ウオォォオオオオオオオオオオオ!!』

 

『サンダー!!』

『サンダー!!』

 

『万丈目サンダー!!』

 

「そこまでの覚悟を、お前は……」

「さあ十代! 貴様のターンだ! もし貴様もまた梓のことを思っていると言うのなら、未だ憎しみに震えるあいつのことを許してやれるだけの力を、この決闘で示してみせろ!!」

「……」

 

 強いわけだぜ。

 最初は、兄貴達とか、ノース校の生徒達からの期待に応えるため、必死になってるんだと思ってた。そのために、万丈目は強いんだって。

 だけど、万丈目が強くなったのは、梓のためだったんだ。梓のために、梓のことをどうにかしてやりたいからって。

 その気持ち、よく分かる。助けたいよな。梓のこと、助けてやりたいって思うよな……

 

「俺のターン!」

 

十代

手札:0→1

 

「『E・HERO バブルマン』を特殊召喚!」

 

『E・HERO バブルマン』

 守備力800

 

「バブルマンは手札がこの一枚の時、特殊召喚できる。そして召喚に成功した時、フィールド上に他にカードが無い場合、カードを二枚ドローする!」

 

十代

手札:0→2

 

「魔法カード『強欲な壺』! カードを二枚ドロー!」

 

十代

手札:1→3

 

「これで準備は整ったぜ。魔法カード『死者蘇生』! 墓地の『E・HERO エッジマン』を特殊召喚!」

 

『E・HERO エッジマン』

 攻撃力2600

 

「更に魔法カード『H-ヒートハート』発動! 『E・HERO』一体の攻撃力を、エンドフェイズまで500ポイントアップさせる!」

 

『E・HERO エッジマン』

 攻撃力2600+500

 

「エッジマンで、『アームド・ドラゴンLV7』を攻撃! パワー・エッジ・アタック!!」

「ぐぅ……!」

 

万丈目

LP:4000→3700

 

 ようやく万丈目のライフを削れたぜ!

「カードを一枚セットし、ターンエンド!」

 

 

十代

LP:2900

手札:0枚

 場:モンスター

   『E・HERO エッジマン』攻撃力2600

   『E・HERO バブルマン』守備力1200

   魔法・罠

    セット

 

万丈目

LP:3700

手札:3枚

 場:モンスター

   『アームド・ドラゴンLV7』攻撃力2800

   『アームド・ドラゴンLV7』攻撃力2800

   魔法・罠

    永続罠『リビングデッドの呼び声』

 

 

「俺だって、梓への思いは同じだ。万丈目! お前しかあいつのことを許してやれないわけじゃない! 俺だって見せてやるぜ。俺が、梓を許せるだけの決闘者だってことをな!」

「ならば俺を倒してみるが良い! 俺のターン!」

 

万丈目

手札:3→4

 

「『強欲な壺』発動! カードを二枚ドロー!」

 

万丈目

手札:3→5

 

「『アームド・ドラゴンLV7』の効果! 手札のモンスターカードを一枚捨て、その攻撃力以下の相手の場にもいるモンスター全てを破壊する! 俺は、『闇より出でし絶望』を捨てる! 攻撃力は2800! エッジマン及び、バブルマンは破壊される! ジェノサイド・カッター!」

「罠発動! 『エッジ・ハンマー』! エッジマンを発動コストに、効果発動! 相手モンスター一体を破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを与える!」

「なに! ぐぁああ!!」

 

万丈目

LP:3700→900

 

「く……だが、これで貴様の場はガラ空き! 『アームド・ドラゴンLV7』の攻撃! アームド・ヴァニッシャー!」

「うわあああああああああ!!」

 

十代

LP:3500→100

 

「そしてメインフェイズ! 魔法カード『レベル調整』発動! 相手はカードを二枚ドローする!」

 

十代

手札:0→2

 

「その後、墓地に眠る『LV』と名の付くモンスターを、召喚条件を無視して特殊召喚する! ただし特殊召喚したモンスターはこのターン効果を無効にし、攻撃できない! 俺が呼び出すのは、『アームド・ドラゴンLV7』!」

 

『アームド・ドラゴンLV7』

 攻撃力2800

 

「更に魔法カード『貪欲な壺』! 墓地のモンスター五体をデッキに戻し、カードを二枚ドローする! 俺が戻すのは、こいつだ!」

 

『アームド・ドラゴンLV3』

『アームド・ドラゴンLV3』

『アームド・ドラゴンLV5』

『アームド・ドラゴンLV5』

『アームド・ドラゴンLV7』

 

「デッキに戻してシャッフルし、その後、カードを二枚ドロー!」

 

万丈目

手札:2→4

 

「魔法カード『死者蘇生』! 墓地の『アームド・ドラゴンLV5』を特殊召喚!」

 

『アームド・ドラゴンLV5』

 攻撃力2400

 

「そして、魔法カード『レベルアップ!』! 『アームド・ドラゴンLV5』を、『アームド・ドラゴンLV7』へと進化!」

 

『アームド・ドラゴンLV7』

 攻撃力2800

 

「カードを二枚セット! これでターンエンドだ!」

 

 

万丈目

LP:900

手札:0枚

 場:モンスター

   『アームド・ドラゴンLV7』攻撃力2800

   『アームド・ドラゴンLV7』攻撃力2800

   『アームド・ドラゴンLV7』攻撃力2800

   魔法・罠

    永続罠『リビングデッドの呼び声』

    セット

    セット

 

十代

LP:100

手札:2枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

 

 苦労してアームド・ドラゴンを減らしたのに、もう三体に戻りやがった。

「俺のターン!」

 

十代

手札:2→3

 

 何だかいつも以上にワクワクするぜ!

「『ホープ・オブ・フィフス』発動! 墓地のE・HERO五体をデッキに戻し、カードを二枚ドローする! 俺は、この五枚をデッキに戻す」

 

『E・HERO ワイルドマン』

『E・HERO エッジマン』

『E・HERO ワイルドジャギーマン』

『E・HERO フェザーマン』

『E・HERO バブルマン』

 

十代

手札:2→4

 

「魔法カード『スペシャルハリケーン』発動! 手札を一枚捨てて、特殊召喚されたモンスター全てを破壊する! 三体の『アームド・ドラゴンLV7』を、全て破壊だ!」

 

十代

手札:3→2

 

「くぅ……だが想定内だ! リバースカードオープン『禁じられた聖槍』!」

「うぉ! 何だ!?」

 万丈目の宣言と同時にでっかい槍が現れて、それがアームド・ドラゴンの一体にぶっ刺さった!?

 

『アームド・ドラゴンLV7』

 攻撃力2800→2000

 

「フィールド上のモンスター一体を、このターン攻撃力を800ダウンさせ、このカード以外の魔法・罠の効果を受けなくする!」

 くそ、一体残っちまったか。

「更に、速攻魔法『非常食』! 自分フィールド上の魔法、罠カードを墓地へ送り、墓地へ送った枚数につき1000ポイントのライフを回復する! 『禁じられた聖槍』を墓地へ!」

 

万丈目

LP:900→1900

 

 ライフ回復まで。やっぱ万丈目はすげーや。

「俺は『E・HERO バーストレディ』を召喚!」

 

『E・HERO バーストレディ』

 攻撃力1200

 

「そして、フィールド魔法『摩天楼-スカイスクレイパー-』!」

 今まで普通だった決闘場が、一瞬でビル街へ変わる。

「E・HEROが自身より攻撃力の高いモンスターを攻撃する時、攻撃力を1000ポイントアップさせる!」

「バトル! バーストレディで、アームド・ドラゴンを攻撃! バースト・ファイヤー!」

 

『E・HERO バーストレディ』

 攻撃力1200+1000

 

「ぐぅ……!」

 

万丈目

LP:1900→1700

 

「ターンエンド!」

 

 

十代

LP:100

手札:0枚

 場:モンスター

   『E・HERO バーストレディ』攻撃力1200

   魔法・罠

    フィールド魔法『摩天楼-スカイスクレイパー-』

 

万丈目

LP:1700

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    永続罠『リビングデッドの呼び声』

 

 

 手札は互いにゼロ。だがライフは差こそあるけど、お互い一撃で決まる数値。どっちが先に相手にとどめを刺すキーカードを引けるかだ。

「俺のターン!」

 

万丈目

手札:0→1

 

「魔法カード『マジック・プランター』発動! 表側表示の永続罠一枚を墓地へ送り、カードを二枚ドローする。『リビングデッドの呼び声』を墓地へ送り、カードをドロー!」

 

万丈目

手札:0→2

 

「装備魔法『早すぎた埋葬』! ライフを800支払い、墓地の『アームド・ドラゴンLV5』を特殊召喚、このカードを装備する!」

 

万丈目

LP:1700→900

 

『アームド・ドラゴンLV5』

 攻撃力2400

 

「な!?」

「バトル! 『アームド・ドラゴンLV5』で、バーストレディを攻撃! アームド・バスター!」

「まだだ! 墓地の『ネクロ・ガードナー』を除外することで、その攻撃を無効にする!」

「く、『スペシャルハリケーン』の効果で捨てていたか。だがモンスターは残さん! 手札の『仮面竜(マスクド・ドラゴン)』を墓地へ!  貴様の場のバーストレディを破壊!」

 

万丈目

手札:1→0

 

「ぐぅ……」

「ターンエンド!」

 

 

万丈目

LP:900

手札:0枚

 場:モンスター

   『アームド・ドラゴンLV5』攻撃力2400

   魔法・罠

    装備魔法『早すぎた埋葬』

 

十代

LP:100

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    フィールド魔法『摩天楼-スカイスクレイパー-』

 

 

「まだまだ……俺のターン!」

 

十代

手札:0→1

 

「……『フレンドッグ』を、守備表示!」

 

『フレンドッグ』

 守備力1200

 

「ターンエンド!」

 

 

十代

LP:100

手札:0枚

 場:モンスター

   『フレンドッグ』守備力1200

   魔法・罠

    フィールド魔法『摩天楼-スカイスクレイパー-』

 

万丈目

LP:900

手札:0枚

 場:モンスター

   『アームド・ドラゴンLV5』攻撃力2400

   魔法・罠

    装備魔法『早すぎた埋葬』

 

 

「俺のターン!」

 

万丈目

手札:0→1

 

(モンスターが来ない……)

「バトル! 『アームド・ドラゴンLV5』、『フレンドッグ』を攻撃! アームド・ヴァニッシャー!」

「ぐぅ……! 『フレンドッグ』が戦闘で破壊された時、墓地のE・HEROと、『融合』一枚を手札に加える……」

 

『融合』

『E・HERO バーストレディ』

 

十代

手札:0→2

 

「カードをセット、ターンエンド! そしてこの瞬間、『アームド・ドラゴンLV5』の効果が発動されるが、既にLV7は三枚とも墓地にあるため進化は無い!」

 助かった、のか……?

 

 

万丈目

LP:900

手札:0枚

 場:モンスター

   『アームド・ドラゴンLV5』攻撃力2400

   魔法・罠

    装備魔法『早すぎた埋葬』

    セット

 

十代

LP:100

手札:2枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    フィールド魔法『摩天楼-スカイスクレイパー-』

 

 

「次だ! 次のターンで、俺は貴様を倒してみせる! 遊城十代!!」

「その前に、俺がこのターンで決着を付けてやるぜ! 万丈目サンダー!!」

 絶対に逆転してみせる……

「俺のターン、ドロー!」

 

十代

手札:2→3

 

「……」

「……来たぜ。魔法カード『融合』! 手札のフェザーマンと、バーストレディを融合!」

「なに!?」

「現れろ! マイフェイバリットヒーロー、『E・HERO フレイム・ウィングマン』!」

 

『E・HERO フレイム・ウィングマン』

 攻撃力2100

 

「バトル! フレイム・ウィングマンで、『アームド・ドラゴンLV5』を攻撃! スカイスクレイパー・シュート!」

 

『E・HERO フレイム・ウィングマン』

 攻撃力2100+1000

 

「ぐあああああ!」

 

万丈目

LP:900→200

 

「そして、フレイム・ウィングマンがモンスターを破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを受けてもらうぜ!」

「させん! ダメージステップに速攻魔法『禁じられた聖杯』発動!」

「な、何だ!!」

 さっきのでっかい槍みたいに、今度はでかいカップが現れて、そこから流れた水がフレイム・ウィングマンを包み込んだ!

 

『E・HERO フレイム・ウィングマン』

 攻撃力2100+400

 

「『禁じられた聖杯』は、このターン、モンスター一体の攻撃力を400ポイントアップさせ、モンスター効果を無効にする。よってフレイム・ウィングマンの効果は、この瞬間無効だ!」

「くそ……ターンエンド!」

 

 

十代

LP:100

手札:0枚

 場:モンスター

   『E・HERO フレイム・ウィングマン』攻撃力2100

   魔法・罠

    フィールド魔法『摩天楼-スカイスクレイパー-』

 

万丈目

LP:200

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

 

 このターンで決められるかと思ったけど、防がれちまった。

 けど!

「これが俺の力だ! 万丈目!」

「……」

 無言でデッキを睨んでる万丈目。俺のライフは残り100。伏せカードも無い。フレイム・ウィングマンを倒せるカードを引かれれば、万丈目の勝ちだ。

 

「俺のターン……ドロー!」

 

万丈目

手札:0→1

 

「……」

「……」

 

『……』

 

「……俺は、二枚目の『レベル調整』を発動」

「あ……」

「相手はカードを二枚ドローし、墓地の『アームド・ドラゴンLV7』を特殊召喚!」

 

十代

手札:0→2

 

『アームド・ドラゴンLV7』

 攻撃力2800

 

「特殊召喚されたモンスターはこのターン、効果が無効となり、攻撃できない。ターンエンド!」

 

 

万丈目

LP:200

手札:0枚

 場:モンスター

   『アームド・ドラゴンLV7』攻撃力2800

   魔法・罠

    無し

 

十代

LP:100

手札:2枚

 場:モンスター

   『E・HERO フレイム・ウィングマン』攻撃力2100

   魔法・罠

    フィールド魔法『摩天楼-スカイスクレイパー-』

 

 

 ここでまた、『アームド・ドラゴンLV7』……

「すげぇ、やっぱお前は、最高の決闘者だ!」

「さあ来い十代!」

「いくぜ! 俺のターン、ドロー!!」

 

十代

手札:2→3

 

「全力で応えるぜ、万丈目!!」

「……」

(ここまでだな……)

「来い!! 十代!!」

「いくぜ!!」

 

 

「ちょ! まずい!!」

「カメラ! ストップストップ!!」

 

 ドゴォ!!

 

「おわぁ! 何だ、地震!?」

 

 

「うおっと……! フレイム・ウィングマンで、『アームド・ドラゴンLV7』を攻撃! スカイスクレイパー・シュート!!」

 

『E・HERO フレイム・ウィングマン』

 攻撃力2100+1000

 

「……」

「ガッチャ! 最高の決闘だったぜ、万丈目サンダー!!」

「……ふん」

 

(……すまん。梓……)

 

万丈目

LP:200→0

 

 

 

 




お疲れ~。
……うん、まあ後悔は無い。
楽しんでくれたらそれで良いんだ。逆に気分を害したというなら心から謝る。
んじゃ、次話まで待ってて。

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