遊戯王GX ~氷結の花~   作:大海

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おそらくこの回で梓のCVがはっきりするのではと。まあ分かる人にしか分からんネタではありますが。
あとは、新キャラが出ます。ちょこっとリアルファイトが入ります。
言うこたこれだけかな? 多分これだけだ。
それでは行ってらっしゃい。



第三話 女子寮での激闘

視点:梓

「魔法カードは全部で六種類。通常魔法、装備魔法、永続魔法、フィールド魔法、儀式魔法、速攻魔法があり、それぞれ用途が異なります。使い方は、自分のターンで相手よりも優位に立つために使用する場合が主です。様々な効果を瞬時に使用できる通常魔法、主にモンスターを強化する装備魔法、場に残ることで効果が発揮される永続魔法、場に残り続けるのは同じですが、永続魔法とは違いお互いに効果を及ぼし、またお互いに一枚しか場に残らず、セットする場所が他とは違い、二枚目が発動されれば古い方は破壊されてしまうフィールド魔法、手札の儀式モンスターを呼び出す儀式魔法。そして速攻魔法は、自分のターンならほぼ好きなタイミングで手札から、伏せておけば相手のターンにも使用することができます。ただし、他の魔法カードが伏せたターンも使用できるのに対し、速攻魔法の場合は一度伏せてしまうと相手ターンに移らなければ使用できなくなることに注意しなければなりません。速攻魔法の主な使い方としては……」

 

「も、もう宜しいノーネ! 座って下サーイ!」

 

 私は今、クロノス先生から「魔法カードの特性を述べよ」という問題を刺され、それに答えていた所です。こんな答えで宜しかったのでしょうか? 速攻魔法の説明がまだですし、まだ全体の半分も話し終えていないのですが。

 

(さすが梓さん)

(素敵。見た目も良くて頭も良いだなんて)

(もう、何から何まで美しい)

(ああ、お持ち帰りしたい)

(あんな可愛い子が女の子の訳が無い!)

(ウホッ! 良い男)

 

 周囲から何やら声が聞こえてきます。チラッと見てみたのですが、何やら数人の生徒が嫌らしい目をしているのは気のせいなのでしょうか?

 ……うぅ、なぜか鳥肌が……

 

「それデーハ、セニョール翔!」

「は、はい!」

 私の隣に座っていた翔さんが立ち上がりました。かなり固くなっていますね。

「フィールド魔法について説明してみるノーネ」

「え、え~と……」

 それだけ言って固まってしまいました。

 

「そんな小学生レベルの問題も答えられないのか~」

 

 そんな言葉と共に起こった嘲笑。誰かは知りませんが、一生懸命考えているのにそれはあんまりですよ。

「……翔さん……」

 さすがに見ていられなくなり、小声で翔さんに話し掛けました。

「……落ち着いて、先程の私の答えを思い出して下さい……」

 その一言で、翔さんは必死に考えています。

「ふぃ、フィールド魔法は、発動した後も場に残り続け、お互いのプレイヤーに様々な効果を及ぼし、お互いのフィールドに一枚しか存在できない魔法カードです!」

 よし、かなり大雑把な説明ですが答えることができました。

 

「セニョール梓、余計なことはしないノーネ!」

 

 あら? ばれてしまいましたか?

「もう宜しいノーネ! 早く座りなサーイ」

 翔さんは答えることができたのに、落ち込みながら座ってしまいました。

「まったく、こんな基本的な問題も一人で解けないなンーテ、さすがは落ちこぼれのオシリスレッドなノーネ」

 落ちこぼれだなんて、そんな……

「セニョール梓も、そんな落ちこぼれをわざわざ助ける必要無いノーネ」

「それは……私はただ、一生懸命考えている翔さんを放っておけなくて……」

 そう言った時、ようやく分かりました。クロノス先生があんな酷い言い方をする理由が。

「いえ、そうでした。私は助言を行うことで、翔さんが一人で考える機会を握り潰してしまったのですね。彼が成長する機会を、私は妨げてしまった……」

「な! 何も泣くことないノーネ!」

(うわぁ、梓さんが泣いたからみんながクロノス先生を睨んでるよ……)

「良いのです。悪いのは私です。せっかくのクロノス先生のご厚意を、私は手助けと言う形で否定してしまったのですから……」

(ご厚意って、ただ問題を当てただけナーノ……)

「申し訳ありませんでした。クロノス先生……」

 先生は敢えて嫌われ役に回ることで生徒を導こうとしているのです。それは口にするだけ野暮という物。だから私は、ただ先生に謝罪することしかできません。そんな自分が情けなくて、愚かしくて、授業中に流すべきではない物が、止め処なく溢れてきました。

 

(マ、マズイノーネ、生徒達からの視線が痛いーノ……)

(はあ、また梓の悪い癖が出たわね。本人に悪気は無いんだろうけど……)

(もう少し自分の行動が起こす周囲への影響という物を自覚して欲しいものだ……)

(彼の美しさ故に起こる現象だな。しかし、最近の俺は存在感が薄いような……)

(で、結局梓さんは何で泣いてるんスか?)

 

「そう泣くなよ梓!」

 泣いている私に対し、声を上げたのは十代さんでした。

「落ちこぼれでも、強い奴だっているんだ。実際俺もレッドだけど、入学試験でクロノス先生に勝ってるしなぁ」

 そして、笑いが起こりました。

 凄いですね十代さん。これだけの影響力は私には持てません。ただ、クロノス先生が凄く悔しそうな顔をしているのが気になりましたが。

 

 ……

 …………

 ………………

 

 体育の時間です。私達は体操着に着替えて、先生が来るのを待っています。

「梓、お前、頭のそれは取らなくていいのか?」

 十代さんがそう話し掛けてきました。雪の結晶の髪飾りのことですね。

「ええ。これはお気に入りなので」

「ふーん。にしても翔は何やってるんだ?」

 確かに遅いですね。トイレに行っていたようには思えましたが、それにしても遅すぎるような……

 おっと、先生がいらっしゃいました。

「体育を担当します、鮎川です」

 

 

 

視点:十代

 体育を終えて制服に着替えて、放課後。俺は今、ブルー寮の梓の部屋にいる。何でも、授業の時のお礼にぜひお茶していって欲しいってことだ。

 けど俺何かしたっけか? まあ良いけど。

 ここに来る前に何人かのブルー生徒に止められたけど、梓が説得してくれた。二言三言言っただけで説得できたのは凄かったぜ。何か説得された生徒はみんな顔が赤くなってたけど。

 にしても、何ていうか、凄い部屋だな。

「ブルー寮の部屋ってこんな和風だったんだな」

 思わず声に出ちまった。だって本当に、絵に描いたような和室だからさあ。

 床は畳だし、壁には掛け軸や生け花なんかまで飾られてる。窓なんてカーテンじゃなくて(すだれ)が掛かってるし、初めて見たけどかなり驚いたぞ。そんな和風な部屋なのに、何でベッドなんか置いてあるんだ?

「ああ、いえ。これから三年間お世話になるので、私なりに改装したのです」

「改装!? これ、お前がしたのかよ!?」

「ええ。証拠に本物の畳は無理だったので床はシートですし、ベッドはいじれないのでそのままなにしているのです。布団でなければ眠れないので物置変わりくらいにしか使ってはいませんが」

 笑いながら畳のシートを剥がしてみせてる。だとしても、一人でこれだけ部屋を変えるのは凄えよ。元の部屋を知らないから何とも言えないけど、だとしても、これは……

「今からお茶を淹れますね」

 あ、そうだった。ちなみに俺は今座布団の上に正座してる。別にそうしろって言われた訳じゃないけど、こんな場所だからかな? しなきゃいけない気がしたんだよな。

 そして梓は俺の前にお盆、というか板を置いた。そこには黒い急須と、抹茶の粉末が入ってる土瓶に、湯呑み茶碗……おいおいお茶って、かなり本格的じゃねーか!

 そんな俺の思考なんて知らずに梓はお茶を淹れ……いや、()て始めた。

 茶碗に粉末を入れて、そこにお湯を入れて、名前は知らないけど、かき混ぜる奴でかき混ぜてる。手慣れてるなあ。何度かテレビとかで見たことはあるけど、生で見るのはこれが初めてかもしれない。その時の梓は様になってるっていうか、いつも以上にかなり綺麗に見えた。

 

「できました。お茶菓子と一緒にどうぞ」

 そう言って出されたけど、綺麗だなあ。お菓子もお茶も。すっげぇ美味そう。けど……

「俺、こういうの初めてで、どうすれば良いか分からないんだけど……」

 正直にそう言ったら、梓は笑顔を見せた。

「そう固くならずに、これはお礼なのですから。お好きに飲んで下さって結構ですよ。それか、もしよろしければ、飲み方お教え致します」

 そうしないといけない気がしたから教えて貰うことにした。

 まずはお菓子から食って、その後にお茶を飲む。茶碗の絵柄が外側になるように手に平の上で三回回して、一気に飲み干す……と。

 はあ、緊張して味なんか分からねえよ。

「すみません。もっと普通にお茶やお菓子を出すべきでしたね」

 そう言った梓を見ると、哀しそうな目で笑ってた。

「こういう環境で育ったものですから、ついこのような形でお出迎えしてしまって、十代さんには余計な気を遣わせてしまったようですね」

「あはは。別に気にしてねえよ」

 そう笑って返した後で、俺は気になってたことを聞くことにした。

「そう言えばお礼って言ってたけど、何のお礼だ? 俺お前に何かしたっけ?」

 すると、また梓は哀しそうな目を見せながら笑っていた。

「先程の授業で、私が悪くしてしまった教室の雰囲気を、十代さんが良くして下さったことです」

 え? 俺がクロノス先生に言ったことか?

「私が泣いたことで雰囲気は悪くなってしまったというのに、私はそれを直そうともしないで、ただ泣くことしかできなくて……けど、十代さんはそれを、たった一言で笑いに変えて下さいました。私には、あんなことはできなかったから。だから、私がしなければならなかったことをして下さった十代さんに、ぜひお礼をしなければと思ったのです」

 途中赤くなりながら、それでも俺の顔を真っ直ぐ見つめて話した。

「余計なことでしたか?」

「いや、そんなことない! けどさ、別にあれは礼を言われるほどのことじゃないだろう」

「良いのです。私がそうしたかっただけですから。そうしなければならないと思ったから。それだけ、十代さんに感謝の気持ちを感じてしまいましたから」

 ふーん、感謝か。ちょっと大げさな気もするけど、それでもちょっと嬉しく感じるな。

「そっか。じゃあどういたしましてだ」

「はい」

 そう会話した瞬間、

「ぐおぉ!」

 急に、足に激痛が!!

「今になって、足が痺れて……」

 そう言えば、正座してたの忘れてたぁ!!

「どうぞ崩して下さい。良ければマッサージ致しましょうか?」

「頼む」

 そうして、梓から足のマッサージを受けながら、俺達はその後も楽しく会話した。

 

 ……

 …………

 ………………

 

 部屋の外が暗くなって、そろそろ帰ろうと思った時、

 

 ピーピー……

 

 俺の学生手帳が鳴ってる。

「何だ?」

 そして、聞いてみると……

「翔を預かったって!?」

「えぇ!?」

「返して欲しければ女子寮にって……」

「これはまさか、誘拐……」

 俺と梓の間に、緊張が走った。けど……

「くそ! 待ってろ翔! 絶対に助けてやるからな!」

「私も行きます!」

 そう言ってくれた梓を見ると、あれ? 何だか雰囲気が変わってる。

「許さない……犯人は誰だろうと許しはしない!」

 ……何か、口調まで変わってる。何だか、怖いぞ梓……

 

 ……

 …………

 ………………

 

 そして俺達は二人でボートを漕ぎ、女子寮に到着した。

「翔!」

 翔の姿が見えたから叫んだら、そこには腕を後ろで組まされた状態で捕まってる翔と、明日香を含めた三人の女子がいた。

 

「え? 何で梓が?」

「え? 梓さん!?」

 

『きゃー!!』

 

 明日香以外の女子が盛り上がってるみたいだけど、とにかく翔を返して貰わないと! そのためにはまず話しをしないとな。

 

「貴様らか……」

 

 俺が口を開く前に、隣に立つ梓がそう言った。見てみると何だか、紫色のオーラが出てるように見えるのは気のせいか?

「十代……」

「な、なんだ?」

 あれ? 呼び方まで変わってるし。さっきまでは十代「さん」だったのに。

「そこを動くな……」

「は?」

 俺が聞き返した時には、梓は消えていた。そして……

 

 

 

視点:明日香

 あ……ありのまま今起こったことを話すぜ! 『俺達が翔君を押さえていたら梓が翔君を放り投げた』な……何を言っているのか分からねーと思うが、俺も何が起こったのか分からなかった……頭がどうにかなりそうだった……催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 

「釈明は考えついたか?」

 

 混乱して思考がおかしなことになっていた俺……私達に、梓が話し掛けてくる。

「だが聞く気も無い」

 とりあえず分かるのは、明らかにいつもの梓とは違うということ。

 まず、見た目は、いつも可愛らしい形をしていた目が、今はカミソリみたいに細くなってる。口調もかなり乱暴だし、紫色のオーラみたいなものが見える。

 そして何より、左手にはどこに持っていたのか、鞘に納まったままでも真剣だと分かる長い日本刀。とにかくいつもと違って、かなり怒ってる。そんな梓に私だけじゃなくて、ジュンコとももえも脅えてる。

 

「翔!!」

 

「はい!?」

 

 急に梓が叫んで、自由になった翔君も飛び上がった。

「貴様が望むなら、今すぐこの者共を惨殺する許可を私に!!」

「惨殺!?」

 惨殺!?

「さあ、今すぐ翔に(こうべ)を垂れろ。(ゆる)しを望んで乞い願え。そして、首を刎はねられろ……」

 ダメだわ、こんな状態じゃとても話し合いなんて無理! けど、このままじゃ、私達は本当に……

 

 こんな時、あの子がいてくれれば……

 けど、今はいない……

 

 そして、梓が日本刀の柄に手を掛け構える。

 

 ああ、終わったわ……私達の人生……

 今までの人生が走馬灯のように蘇る……

 

 

 その時だった。

 

 

 

視点:十代

 

 ガッキーン!!

 

 そんな金属音と一緒に梓の前に現れたのは、茶色い髪に、黄色い髪止めを着けた女子だった。そいつが両手に着けた黄色の手甲で梓に殴りかかって、梓はそれを刀で受け止めたんだ。

 

「誰だ貴様は? 一兵卒が遮るな!」

「私が一兵卒ならあんたは何? 明らかに彼女達無抵抗だよね?」

 

 何を話してるのかはよく聞こえなかったけど、しばらく鍔迫(つばぜ)り合った後、梓は明日香達から離れて、現れた女子は明日香達の前に立った。

 

平家(へいけ)さん! 来て下さったのね!」

 

 二人の女子の内、黒髪の方がそう言った。『平家』って名前なのか、あの女子。

「どうしても彼女達に手を出すなら、私の後にして」

「邪魔だ! 貴様の首など欲しくはない! どけ!! 私は今、すこぶる機嫌が悪い」

「奇遇だね、私もそう。あんたみたいに弱い者いじめをする奴は一番嫌いなんだ」

 そう会話した後で、二人とも、無言で睨みあう。

「……良いだろう。気が済むまで斬滅してやる。首筋を晒してここまで来い」

「良いよ。あんたに私の首が取れるかな? でもその前に、私があんたを粉砕してあげる」

 その会話を最後に、二人が構えた。そしてまた梓から紫色のオーラが、それに、平家って女子からも、黄色いオーラが出てる。そして、二人が消えた。

 

 ガキ!!

 ガッ!! ガッ!!

 ガッキーン!!

 

 す、すげえ……まるでスタイリッシュ英雄アクションだ……二人はさっきから空高く跳んだり、時々姿が見えなくなったりしながら闘ってる。

 梓はさっきから刀を抜いてるんだろうけど、抜き身がほとんど見えない。それだけ早く抜刀と納刀を繰り返してるのか。おまけに足も、下手すりゃ馬とか車より速いんじゃ。

 だけどそんな梓と互角に渡り合ってる平家もすげえ。スピードは梓の方が圧倒的だけど、梓より遥かに腕力が強い。殴られた地面は凹んでるし、コンクリは砕けてるし。

 そんな闘いだから、周りの被害も尋常じゃない。地面にはでかい凹みや斬り跡が残ってるし。さっきなんか、明日香達の前に立ってた電柱が縦に真っ二つ斬られて、その直後には俺達の乗ってきたボートがパンチ一発で粉々に砕けた。今は夜だから人はいないし良かったけど。

 ていうか、そもそもこいつら、本当に人間かよ……

「……これ、僕のせいっスよね……」

 隣に立っていた翔が呟いた。確かに、根本的な原因は翔にあるんだよな。

 

 そして、しばらくやり合った後で二人は地面に降りた。あれだけ動いてたのに息切れ一つしてないって、何かもうついていけねえよ。

 そんなことを思ってたら、二人から出てるオーラがなお更強くなった。

 おい、これはまさか、必殺技でも出す気か……

 

(やいば)(とが)を!! (さや)(あがな)いを!!」

「淡く微笑め……東の(しょう)!」

 

 

「ストーップ!! そこまでだ梓!!」

「平家さんも落ち着いて!! これ以上やったら女子寮がめちゃくちゃになる!!」

 俺と翔で梓を、明日香達三人が平家をどうにか押さえてその場を治めた。

 

 

「どけ! 十代! 奴らの償いはこれからだ!!」

 梓はまだ怒りを抑えられないらしくてめちゃくちゃに喚いてる。そうやって暴れてる梓を俺と翔は必死に押さえてる。

「やめろって梓! 女子にそれはやり過ぎだって!!」

「罪に女も、子供も老いぼれもあるものか! 奴らは翔を、友を傷つけた! 私はそれを許しはしない!!」

 梓のその言葉で、平家以外の三人はまた小さくなった。

「そうだ怯えろ! 目の前の私の姿に!!」

「……やっぱり、息の根を止めた方がよさそうだね」

「平家もいちいち挑発すんな!!」

「女! その失言に絶望しろ!!」

 刀を出すな柄に手を掛けるな紫のオーラを出すなあ!!

「許さない! 許さない!! この世の全てを許しはしない!!」

「いいんスよ梓さん!! 僕は全然気にしてないっス!!」

 翔がそう言った瞬間、梓から急に力が抜けた。

「そう……なのですか?」

「は、はい……」

 口調も元に戻った。顔も元に戻って、いつもの梓だ。

 手を離すと、梓は女子達の前に立って……

 伏せて地面に額をくっつけた!?

「申し訳ありませんでした! 理由を聞こうともせず、ただ感情に任せた行動だけをとり、命を奪いかけたことを!!」

「そんなこと……あるわね」

 あるな。あのままじゃ間違いなく一人は死んでたぞ。明日香の言葉にジュンコとももえ(明日香から名前を聞いた)も納得してるし。平家が現れなきゃどうなってたか。

「謝るだけで許される、なんて思ってないだろうね」

 うわあ、平家も黙ってないし。まあ確かに謝って済むようなことじゃないけどさ。

「当然、償いは致します。この命を捧げて!!」

 そう言ってまたどこに隠してたのか刀を取り出して……

 て!!

「やめろ梓!! 死んだら全部終わりだぞ!!」

「離せ十代!! 私はその終わりを、今まで明日香達に与えようとした!! その罪は、重い!!」

 また口調が変わった!!

 

 結局、明日香達が気にしてないって言うまで、俺と翔で梓を押さえていたのは言うまでも無い。

 

 

 

 




お疲れ様です。
決闘は次だから、ちょっと待ってね。
あと誰か『かき混ぜる奴』の名前教えて。

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