遊戯王GX ~氷結の花~   作:大海

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ん~ははは~。
さあ、決闘は短いがぁ、行ってみよ~。
行ってらっしゃい。



第三話 立ちはだかる悪意 ~決着~

視点:外

 

 

LP:100

手札:3枚

 場:モンスター

   『E・HERO アブソルートZero』攻撃力2500-2100

   『フィッシュボーグ-プランター』守備力200-2100

   『フィッシュボーグ-ランチャー』守備力100-2100

   魔法・罠

    永続魔法『生還の宝札』

    永続罠『スピリットバリア』

 

インセクター羽蛾

LP:10000

手札:0枚

 場:モンスター

   『速攻の吸血蛆』守備力1200

   『アルティメット・インセクトLV7』攻撃力2600

   『アルティメット・インセクトLV7』攻撃力2600

   『アルティメット・インセクトLV7』攻撃力2600

   魔法・罠

    無し

 

ダイナソー竜崎

LP:7700

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

 

『E・HERO アブソルートZero』融合

 レベル8

 攻撃力2500-2100

 

「綺麗……」

「すげえ、あんなモンスター見たことねえ……」

「梓さん、あんなモンスターを隠していたのか……」

 

(やれやれ、あのゴミの好きそうなのが出たわね……)

 大勢の生徒が、梓の召喚したアブソルートZeroの姿に陶酔する中、双葉は一人、鼻を鳴らしていた。

(まあ、こんな紙束遊びのことは全然分からないけど、要は、あの気持ち悪い虫のいる方が有利ってわけでしょう。なら、別に綺麗だろうが関係ないわよね……)

 

 スッ

 

「あずさ?」

 明日香の隣に座っていたあずさが、突然立ち上がった。

「どうしたの?」

「ちょっと用事ができたから、行ってくるよ」

「用事って、梓の決闘は見なくていいの?」

「うん。梓くんが勝つのは、分かってるからさ」

「……あずさ、あなた変わったわね」

「……?」

「昔のあなたなら、梓のこと心配して、絶対に目を離さなかったでしょうに」

「……梓くんの強さは、わたしが一番知ってるから」

「そう……」

 それ以上は言葉を交わすことなく、あずさは席を離れていった。

 

「アブソルートZeroの、モンスター効果発動!」

「……!? 何が来る……?」

「Zeroは自身と同名モンスターを除くフィールド上の水属性モンスターの数だけ、攻撃力を500ポイントアップさせます。今、私の場には二体のフィッシュボーグが存在します」

 

『E・HERO アブソルートZero』

 攻撃力2500-2100+1500

 

「攻撃力1900か。けど、それではまだ『速攻の吸血蛆』しか倒せないよ」

「ならば、倒さなければいいだけのことです」

「ん?」

「魔法カード『融合回収(フュージョン・リカバリー)』。これで、融合召喚に使用したモンスターと、『融合』を手札に戻します。墓地の『融合』と、『E・HERO アイスエッジ』を回収します」

 

手札:2→4

 

「更に、墓地に眠る『フィッシュボーグ-ガンナー』の効果。手札のアイスエッジを捨て、特殊召喚」

 

手札:4→3

 

『フィッシュボーグ-ガンナー』チューナー

 レベル1

 守備力200-2100

 

『E・HERO アブソルートZero』

 攻撃力2500-2100+2000

 

「宝札の効果で一枚ドローします」

 

手札:3→4

 

「梓はまだ通常召喚をしてない。もう一体水属性モンスターを召喚されれば、アルティメット・インセクトを超えられるで……」

「いいえ、その必要はありません」

「え?」

「魔法カード、『融合』!」

「な、二度目!?」

「もう一体か!?」

「場のアブソルートZeroと、水属性『フィッシュボーグ-ガンナー』を、融合!」

「何やと!?」

 

「アブソルートZeroを、融合!?」

「そんな!!」

 

「二体目の、『E・HERO アブソルートZero』!」

 

『E・HERO アブソルートZero』融合

 レベル8

 攻撃力2500-2100

 

「な、なんや、何がしたいんや……?」

「一体何のために……?」

 

(あんまりピンチだから、頭が変になっちゃったのね……)

 

 疑問、或いは失笑を浮かべる者達の中で、笑みを浮かべる者達もいた。

 そして、当事者もまた例外ではなかった。

「融合素材となった、Zeroの効果が発動されます」

「な、このタイミングで……?」

「Zeroがフィールドを離れた時、相手フィールドのモンスター全てが破壊されます!」

「なに!?」

「なぁ!?」

氷結時代(アイス・エイジ)!」

 梓の叫びと共に、フィールドに巻き起こった強烈な吹雪。それが羽蛾のフィールドを包み、モンスターを全て凍らせ、砕く。

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

 

『E・HERO アブソルートZero』

 攻撃力2500+1000

『フィッシュボーグ-プランター』

 守備力200

『フィッシュボーグ-ランチャー』

 守備力100

 

「そして、手札一枚を捨て、フィッシュボーグ-ガンナー』を再び特殊召喚」

 

手札:3→2

 

『フィッシュボーグ-ガンナー』チューナー

 レベル1

 守備力200

 

『E・HERO アブソルートZero』

 攻撃力2500+1500

 

「宝札の効果で一枚ドロー」

 

手札:2→3

 

「いい加減嫌になるで、あのコンボ……」

「ああ……」

「私は、『フィッシュボーグ-ガンナー』、『フィッシュボーグ-ランチャー』の二体を生贄に捧げ、『氷結界の虎将 グルナード』を召喚します!」

 

『氷結界の虎将 グルナード』

 レベル8

 攻撃力2800

 

『E・HERO アブソルートZero』

 攻撃力2500+1000

 

「自身の効果で特殊召喚された『フィッシュボーグ-ランチャー』は、フィールドを離れた時ゲームから除外されます。グルナードの効果。このカードが場に存在する限り、通常召喚とは別に一度だけ、手札の『氷結界』を召喚できます。行きますよ、アズサ……」

『久しぶりだねぇ、フィールドに立つの』

「頼りにしています。グルナードの効果で、『氷結界の舞姫』を召喚します!」

 

『氷結界の舞姫』

 レベル4

 攻撃力1700

 

『E・HERO アブソルートZero』

 攻撃力2500+1500

 

「やばいな……」

「ああ……」

「バトルです! まずはグルナードで、竜崎さんにダイレクトアタックします!」

 その宣言で、グルナードの周囲にいくつもの氷の剣が生まれる。それが全て、竜崎に向けられた。

数多氷妖刀乱舞(あまたのひょうとうらんぶ)!」

「ぐおぉ……!!」

 

ダイナソー竜崎

LP:7700→4900

 

「続いて、『氷結界の舞姫』で、羽蛾さんを攻撃です! 雪斬舞踏宴(せつざんぶとうえん)!」

『ははは!』

 アズサの輪刀を持っての舞いが、無傷であった羽蛾を襲う。

「ぐぅ……!」

 

インセクター羽蛾

LP:10000→8300

 

「最後です。アブソルートZeroで、再び羽蛾さんを攻撃です。瞬間氷結(フリージング・アット・モーメント)!」

「うわあああああ!!」

 

インセクター羽蛾

LP:8300→4300

 

「カードを一枚伏せます。これでターンを終了です」

 

 

LP:100

手札:0枚

 場:モンスター

   『E・HERO アブソルートZero』攻撃力2500+1500

   『氷結界の虎将 グルナード』攻撃力2800

   『氷結界の舞姫』攻撃力1700

   『フィッシュボーグ-プランター』守備力200

   魔法・罠

    永続魔法『生還の宝札』

    永続罠『スピリットバリア』

    セット

 

インセクター羽蛾

LP:4300

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

ダイナソー竜崎

LP:4900

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

 

「ぐぅ……」

 あまりの衝撃に、羽蛾と竜崎、揃ってひざを着いた。

 

「何やってるのよ!! せっかくあんたらに有利なルールにしてやったのに!! 早くそのゴミ片付けなさいよ!!」

 興奮のあまり湧き出た、双葉の秘密の暴露だったが、それが客席の生徒に届くことはなかった。

 なぜなら……

 

「おい見ろよ、あの二人のザマ」

「二対一で、しかも一撃で勝てる相手にあれだぜ」

「やっぱり弱いんだなあいつら」

 

「いくら相手が梓さんでも、学生相手にプロ二人掛かりであれだなんてね……」

「天才的な弱さだわ」

「もうプロなんてやっていけないわねあれ……」

 

『ははははは』

『はははははははははははははははははははは』

 

『はははははははははははははははははははは……』

 

 憔悴する二人の醜態と、それに巻き起こった嘲笑。そして、

 

「もういいよお前ら! 勝負ついたろー!」

「これ以上恥を晒す前に帰った方がいいぞー!」

「内緒にしといてやるから帰れー!」

 

『かーえーれ! かーえーれ!』

『かーえーれ! かーえーれ!』

『かーえーれ! かーえーれ!』

 

 一気に広がった野次だった。

「うわぁ……」

「みんなもよくやるよね……」

「まったく。まだこんなことがしたいとわな……」

 

「……」

「……」

 周囲からの野次に、当事者の二人は黙っていた。

 

「……」

『梓?』

「(スゥ……)」

 

『かーえーれ! かーえー……』

 

「黙れ貴様らあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっっっっっ!!」

 

『……っっ!!』

『……っっ!!』

 

 ビリビリ……

 

 それは、あずさを庇った時の、シエンがこの場に立った時の、いや、もしかしたらそれ以上の、絶叫だった。

 会場全体が揺れ、天上から埃が落ちる。

「次に一度でも彼らのことを笑ってみろ。全員、一人残らず斬滅してやる……!」

 

『っっ!!』

『っっ!!』

 

 今度はその言葉と、その鋭すぎる視線に、全員が硬直した。

 そして、己の中の本能が告げていた。

 絶大な説得力。

 絶大な圧力。

 絶大な恐怖。

 同時に、誰もが同じ思いを心に抱かせた。

 この男を怒らせてはならない。

 この男に逆らってはならない。

 この男なら真にやりかねない。

 この男はハッタリを言わない。

 敢えて言葉にする必要は無い。それらの言葉が一瞬にして本能に刻み込まれ、恐怖として、会場全体に伝染していった。

 

「……さあ、羽蛾さんのターンです」

「あ……」

 促された羽蛾だったが、首を横に振った。

「羽蛾さん?」

「……この決闘は、君の勝ちだ。水瀬梓君」

「え?」

「今の攻撃で削られたライフは5700ポイント。本来のルールなら、今の一撃で敗けていた」

「ワイもや。自滅のダメージを合わせて全部で5100ポイント。とっくに終わっとるで」

「けど……」

「僕らは元々、こんなルールでの決闘、望んでなかった。高い報酬に釣られて雇われてみたら、相手は学生。しかも一人に対して二人掛かり。こちら側への圧倒的なライフハンデ」

「プロになる前のワイらやったら、悪びれもせんと決闘を続けとった。せやけど、プロとして決闘漬けの毎日を送っとったら、それなりにプライドも出る。そんなプロのワイらは今、それだけの悪条件でもって掛かってきた学生に、一撃で倒されたんや」

「……」

「この決闘は君の勝ちだ」

「せや。ワイらはもう……」

 二人は同時に、デッキの上に手を伸ばした。

 

「おいこらてめえら……!」

 

「やめて下さい!!」

 

 双葉の苦情に、梓の絶叫が重なった。二人は手を止め、梓を見る。

「まだ決闘は終わっていません。どうか、続けて下さい」

「いや、しかし……」

「確かにこれが本来のルールなら、お二人のライフポイントはゼロになっていました。ですが、この条件を打ち出したのは、お二人ではない。そして、この条件を受け入れたのは、他でもない、私です。あなた方二人には、何の非も無い」

「いや、そうかも知らんが……」

「何よりあなた方は、プロだ学生だと言う以前に、真の決闘者ではありませんか」

「……え?」

「僕らが……?」

 

「真の……」

「決闘者……」

「あの二人が……?」

 

「今までの決闘、あなた方は自身の持ちうる最高の戦術の、全てを私にぶつけてきました。そしてそれらは、一部の隙も無い、完璧なものだった。決闘している私には分かります。あなた方の実力は本物だ。お二人は、不正をしてまで勝利を求める、そんなお二人では決してない!」

『……!!』

 二人とも、目を見開き、梓を凝視した。

「ああ、そうだ……」

 そして吐露した。今日まで誰にも話すことの無かった、真実を……

「セコイ真似や、汚いことばかりしてきた心を入れ替えて、死にもの狂いで苦労して努力して、どうにかプロになったはいいけど、それまでやってきた悪行は消えない。そんな姿が定着していたせいで、勝っても負けても、決闘するだけで野次を飛ばされて……」

「勝った試合があれば、意地の悪い対戦相手から無理やり不正をこぎつけられて、世間はそれを信じた。誰も、ワイらの声には耳を傾けようともせんと……スポンサーはスポンサーでそこにつけ込んで、ワイらを負け犬のお笑いキャラに仕立て上げて、お陰で自分らの会社を大きくさせた。それで、それに世間が飽きたと見たらお役御免や……」

「とても、苦しい思いをしてきたのですね……」

「ああ。学生の君には分からないかもしれないけど……」

「正直、今すぐにでも決闘は捨てられる、そう思うところまで来とんねん……」

 

『……』

 

「それでも、決闘のことを愛している」

『……?』

「違いますか?」

『……』

「自分自身や誰かのことを、ひたすら憎んで、苦しんで、それでも、決闘のことだけは今日まで愛し続けている。違いますか?」

「どうしてそう言える?」

「分かります。私も、同じだったから……」

「え……?」

『梓……』

「ずっと、自分自身のことが憎くて、恨んだ相手を許すことができなくて、もう、生きていくことにも、何もかも疲れ果てていた。いっそのこと、このまま終わらせることができるなら、そう、何度も思いました」

 

『……』

 

「けどそんな時、いつもそばには決闘があった。決闘はいつでも、こんなどうしようもない私の心と共にあってくれた。私を支えてくれた。そして、それに応えたくて、今日まで歩いてこられました。もちろん、立ち止まりたくなったことは一度や二度ではない。けどそうなって疲れた時は、仲間が励ましてくれました。今の、あなた方のように」

『……!』

 二人はまた目を見開き、お互いを見やった。

 今日まで、共に歩き、支え合い、励まし合い、誰よりもそばで見てきた、仲間の姿を。

「そんな、今日まで共に歩いてきたお二人の雄姿を、私に見せてはくれませんか?」

『……』

「何度立ち止まりかけても、共に支え合い、歩き続けてきた。その果てにある、今日まで愛し続けてきた、お二人の決闘を、私にぜひ、見せて下さい」

「梓君……」

「梓……」

 

「梓さん……」

「……(グス)」

 

(なにさっきからごちゃごちゃうすら寒い三文芝居続けてるのよ! さっさと続けなさいよ!! そんでそのゴミ倒しなさいよ、この能無し共が!!)

 

 ギッ

 

「……!!」

 突然向けられた梓の視線に、双葉は一歩後ろへ下がった。

「な、なによ、心でも読んだっての……?」

 

「……やるか、羽蛾」

「ああ。こうまで見たいと言われちゃあ仕方ない。ここは一つ、プロの実力を示しておかないとなぁ」

 

『うおおおおおおおおおおおおおおお!!』

 

「いいぞ!! インセクター羽蛾!!」

「頑張れ!! ダイナソー竜崎!!」

 

「この声援……懐かしいな。竜崎」

「ああ。思い出すで。『決闘者の王国(デュエリスト・キングダム)』直前の、全日本大会決勝戦」

「考えてみれば、僕もお前も、決闘を始めた頃は、こんな声援なんて無くても、純粋に決闘を楽しんでいたんだよな」

「それが、いつの間にかこういう声援とか名声やとか、そんなもんばかりを求めるようになってしもて……」

「そして、ここがそのゴール地点だ!」

「おお。やったるで!」

 

 トクンッ

(……! ……あの二人なら、もしかして……)

 

「僕のターン、ドロー!」

 

インセクター羽蛾

手札:0→1

 

「……僕は魔法カード『死者蘇生』を発動! この効果で、竜崎の墓地から『究極恐獣(アルティメット・ティラノ)』を特殊召喚する!」

 

『究極恐獣』

 レベル8

 攻撃力3000

 

「バトル! 『究極恐獣』で、『フィッシュボーグ-プランター』を攻撃! アブソリュート・バイト!」

「……っ」

 

『E・HERO アブソルートZero』

 攻撃力2500+1000

 

「続けて、『氷結界の舞姫』を攻撃!」

「……まだ、ここじゃない」

(すみません、アズサ)

(ううん。これは決闘なんだから。気にしなくていいよ)

(……)

 

『E・HERO アブソルートZero』

 攻撃力2500+500

 

「『スピリットバリア』の効果でダメージは与えられない。そして三度目は、『氷結界の虎将 グルナード』を攻撃!」

「ここだ。墓地の『キラー・ラブカ』をゲームから除外、効果発動!」

「なに!?」

「私のモンスターが攻撃された時、墓地に眠るこのカードを除外することで、その攻撃を無効にし、次の私のターン終了時まで500ポイントダウンさせます」

 

『究極恐獣』

 攻撃力3000-500

 

「しまった……だが、もう攻撃は止められない……グルナードを攻撃!」

「迎え撃ちなさい! グルナード!」

 迫ってきた『究極恐獣』を、グルナードの剣が切り裂いた。

 

インセクター羽蛾

LP:4300→4000

 

「……ターンエンドだ」

 

 

インセクター羽蛾

LP:4000

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

ダイナソー竜崎

LP:4900

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

LP:100

手札:0枚

 場:モンスター

   『E・HERO アブソルートZero』攻撃力2500+500

   『氷結界の虎将 グルナード』攻撃力2800

   魔法・罠

    永続魔法『生還の宝札』

    永続罠『スピリットバリア』

    セット

 

 

「ワイのターン、ドロー!」

 

ダイナソー竜崎

手札:0→1

 

「魔法カード『強欲な壺』! カードを二枚ドローや!」

 

ダイナソー竜崎

手札:0→2

 

「……ワイは魔法カード『魂の解放』を発動や! これで、互いの墓地に眠るモンスターを五枚までゲームから除外するで。ワイは墓地から、二体の『暗黒(ダーク)ドリケラトプス』、『ベビケラサウルス』、『俊足のギラザウルス』、そして、君の墓地から『フィッシュボーグ-ガンナー』を除外するで!」

「……」

「そして、『ディノインフィニティ』を召喚や!」

 

『ディノインフィニティ』

 レベル4

 攻撃力?

 

「何だ? 攻撃力が決まっていないぞ」

「あれは……!」

 

「く……そのための、『魂の解放』か……」

「そう。さすがによう勉強しとるようやな。『ディノインフィニティ』の攻撃力は、ゲームから除外された恐竜族一体につき、1000ポイントの数値や」

 竜崎の言葉と共に、『ディノインフィニティ』の角が光り輝く。

 

『ディノインフィニティ』

 攻撃力?→4000

 

(……やはりそうだ。この二人が……)

 

「バトルや! 『ディノインフィニティ』で、『氷結界の虎将 グルナード』を攻撃! インフィニティ・ファング!」

 角を輝かせ、咆哮を上げながら、『ディノインフィニティ』がグルナードへ走る。

「さすがにそれは困ります。罠カード発動! 『ナイトメア・デーモンズ』! 私の場の、アブソルートZeroを生贄に捧げることで、相手フィールドに三体の『ナイトメア・デーモン・トークン』を特殊召喚します!」

「何だ!?」

 Zeroが光に変わり、その光は三つに分かれ、二人のフィールドに降り立った。

「羽蛾さんのフィールドに一体、竜崎さんのフィールドに二体を特殊召喚します!」

 

『ナイトメア・デーモン・トークン』トークン

 レベル6

 攻撃力2000

『ナイトメア・デーモン・トークン』トークン

 レベル6

 攻撃力2000

 

『ナイトメア・デーモン・トークン』トークン

 レベル6

 攻撃力2000

 

「これは……っ! Zeroが生贄に捧げられたってことは……」

「そう。Zeroの効果が再び発動! 氷結時代!」

 先程と同じ光景。羽蛾と竜崎の場に立つ、全てのモンスターが凍り付き、砕ける。

「更に、『ナイトメア・デーモン・トークン』は破壊された時、そのコントローラーは一体につき、800ポイントのダメージを受けます!」

『……!!』

 凍り付き、砕けた『ナイトメア・デーモン・トークン』から発生した魂が、二人を襲った。

「ぐおぉ……!」

「ぐうぅ……!」

 

インセクター羽蛾

LP:4000→3200

 

ダイナソー竜崎

LP:4900→3300

 

「くぅ……これでターンエンドや」

 

 

ダイナソー竜崎

LP:3300

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

インセクター羽蛾

LP:3200

手札:0枚

 場:モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

LP:100

手札:0枚

 場:モンスター

   『氷結界の虎将 グルナード』攻撃力2800

   魔法・罠

    永続魔法『生還の宝札』

    永続罠『スピリットバリア』

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

手札:0→1

 

「お二人の力、しかとこの身に刻みました。私はそれに、全力でお答えします!」

「……っ、来い!!」

「逃げも隠れもせんで!!」

「墓地の『フィッシュボーグ-プランター』の効果! 墓地に眠る時、一度だけデッキの上からカードを一枚墓地へ送り、それが水属性モンスターだった場合、特殊召喚します」

『……』

 二人がジッと見る中、梓は、デッキトップをめくる。

 

『氷結界の水影』水属性

 効果モンスター

 

「この効果で、『フィッシュボーグ-プランター』を特殊召喚!」

 

『フィッシュボーグ-プランター』

 レベル2

 守備力200

 

「宝札の効果で、一枚ドロー」

 

手札:1→2

 

(く、迂闊やったで……前のターン、『魂の解放』でこいつも除外できた。それを、そう何度も効果の成功は無いと踏んで、『ディノインフィニティ』の強化を優先したのがあだになったわ……)

「墓地に眠る水属性モンスター、二体のアブソルートZeroを除外。現れよ冷狼……『フェンリル』特殊召喚!」

 

『フェンリル』

 レベル4

 攻撃力1400

 

「『フェンリル』……! 梓さん……」

 

「そして、最後です。魔法カード『ミラクル・フュージョン』! フィールドと墓地に眠るモンスターを除外し、『E・HERO』の融合召喚を行います。墓地の『E・HERO アイスエッジ』と、『氷結界の守護陣』を除外! 現れよ、氷結の英雄! 『E・HERO アブソルートZero』!」

 

『E・HERO アブソルートZero』融合

 レベル8

 攻撃力2500

 

「三体目か……」

「そして、アブソルートZeroの効果で、Zeroを除く水属性モンスター一体につき、攻撃力を500ポイントアップさせます!」

 

『E・HERO アブソルートZero』

 攻撃力2500+1500

 

「攻撃力4000……」

「おぉ……」

 

(な、何なのよこれ……あのゴミが腐るどころか、再生してんじゃないよ……逆転してんじゃないよ……あいつら、勝てないじゃないよ!!)

 

「バトルです! 『フェンリル』と、『氷結界の虎将 グルナード』で、ダイナソー竜崎さんに、ダイレクトアタックです!!」

「……」

 竜崎のその顔には、清々しい笑みが浮かんでいた。

「冷爪牙斬! 数多氷妖刀乱舞!」

「……」

 

ダイナソー竜崎

LP:3300→0

 

「そして、最後です。『E・HERO アブソルートZero』、インセクター羽蛾さんを攻撃!」

「……」

 羽蛾もまた、同じように、微笑んでいた。

「瞬間氷結!」

「……」

 

インセクター羽蛾

LP:3200→0

 

 

「勝者、セニョール梓なのーネ!!」

 

「良き決闘を、感謝致します」

「ああ!」

「おお!」

 

『わあああああああああああああああああああ!!』

 

 耳をつんざくばかりの歓声が、会場を包む。

 その中で、羽蛾と竜崎は、変わらぬ微笑みを浮かべていた。

「終わったんだな」

「ああ。楽しかったで」

「これで、心置きなく決闘を辞められる」

「おお」

 最高の決闘者と立ち合い、大歓声に包まれて、二人の、新たな旅立ちが始まった。

 

「待ってください」

 

 そしてそれを、梓が静した。

「決闘を辞める前に、お願いを聞いていただけませんか?」

「お願い? ワイらにかい?」

「何だ?」

 聞き返された後に、梓は懐を探った。そこから、取り出したものは、

「これを、お二人に……」

「これは……」

「……え、デッキ……?」

「なぜ僕らに?」

「このカード達が、あなた方の元へ行きたがっているのです」

「ワイらの元へ……?」

「とにかく、ぜひ受け取って下さい」

『……』

 決闘を辞める身ながら、梓に迫られて、望まれるままに受け取った、その時、

 

 カァァァァァァァァ……

 

「……!!」

「……!!」

 

『……!!』

 

 そのカードから、会場の全員が目を覆うほどの光が放たれた。

 

『……』

 

 会場中に沈黙と、呆然の表情が溢れる中、梓は一人、笑っていた。

「今、このカード達の封印が解かれました」

「封印?」

「はい」

「……内容見てもええかい?」

「もちろんです。このカード達は、お二人のものです」

『……』

 言われるまま、二人ともカードを見る。

「……何だこりゃ……!」

「こんなん、見たことのないで……!」

「このカード達は、あなた方の手で戦うことを望んでいます」

「ワイらの手で……?」

「どうか、辞めてしまわれる前に、彼らと共に、戦ってはいただけないでしょうか?」

 懸命な表情でそう求めるが、二人の表情は優れない。

「いや、いきなりそんなことを言われても……」

「こんな、見たことの無いカードいきなり渡されても、使えへんで……」

「大丈夫です」

 不安を漏らす二人に、梓は笑顔で、だが、強い目で、言い放った。

「ぜひ、この次の、私の決闘を見ていって下さい」

「君の?」

「ええ。実は私も、これらと同じカードを使用します。そして、次の決闘で、それらを披露することになると思われますから」

「これをかい?」

「滅多なことで使える代物ではありませんが……」

 そこまでで一度言葉を切り、視線を二人から、客席へ向ける。

「おそらく次の決闘、手を抜くことは許されないでしょうから」

『……』

 その、梓の表情に、二人とも、それ以上言葉を挟むことを憚られた。

 

「……」

 

 梓と、その視線の先に立つ男。互いの視線がぶつかることで生まれる、目に見えない、どこにもぶつからない、だがはっきりと伝わる、衝撃と、圧力。

 二人から、そして、会場中から一切の声が無くなったのは、そんな巨大な力に圧されたから。

 

「それではこれより、一時間のインターバルを設けます」

 

 そんな空間の中、鮫島の声が響いた。

「これから一時間の後、水瀬梓君のブルー寮への存続を賭けた、丸藤亮君との決闘を開始致します」

 

『えぇ!?』

 

「カイザーと!?」

「梓さんと、カイザーの決闘!?」

「え、それに負けたら、梓さんはブルー寮から降格されるってことか?」

「アカデミア最強のカイザーと、梓さんの決闘……」

 

『……』

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

『きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

 

『……!!』

 その絶叫に、羽蛾と竜崎は驚愕を浮かべる。

 

「一時間の間に、お二人はデッキを調整しても構いません。一時間の後、水瀬梓君と、丸藤亮君の両名は、ここへ来て下さい」

 

「……」

 

「……」

 

 二人とも、視線を交わし続けた後で、梓は羽蛾と竜崎を残し、決闘場を降りていった。

 

「彼の決闘か。しかも、次こそが本気の本気ってことか……」

「それは、カードの使い方以前に、見る価値はあるやろうな……」

 受け取ったカードを握り、梓の姿を見ながら、二人ともがそれを悟っていた。

 

 

 そしてこの後、二人は梓から受け取ったカードを手に、連勝を重ね、メジャーリーグのトップへと君臨することになるが、それは、また別の話しである。

 

 

 ……

 …………

 ………………

 

 

 

視点:アズサ

 現在、僕と梓は、決闘者控室まで続く廊下を歩いてます。

 いやぁ、今日はいつにも増して見事な決闘だったなぁ。

 今日は僕もフィールドに立つことができたし、あのムカつく太婆さんにも一泡吹かせてやれたしね。

 

「梓ぁ……」

 

 て、この声……

 

「良いでゅえるだったわねぇ」

 

 かなり顔を引きつらせながらの愛想笑いを、こっちに向けてる。

「あれだけ不利な状況で、見事な勝利だったわ。ええ、あんたはよく頑張ったわ……だからあれを最後に、アカデミアは辞めなさい」

「は?」

 何を言ってるんだ、このおばさん。

「私は決闘に勝利しました。私がアカデミアを辞める理由はありません」

「あんたには無いでしょうね。けど、あんたは辞めるわよ」

「……それはなぜでしょう?」

「これからあんたを、力ずくで連れて帰るから」

「……は?」

 力ずくで……?

「気付いてたか知らないけど、今日は黒服連中も連れてきておいたからね。今全員ここに向かってる。十人掛かりで、あんたを家まで引きずっていくわよ」

 おぉおぉ、梓を相手に、たかが十人て、何を命知らずなことを……

「……私のことを、それで連れ帰られるとお思いですか?」

「できるわね」

 なに、その自信。相手は梓だと言うのに。

「だってあんた、自分がアカデミアを辞めたくないからって、黒服達殴れるの?」

「……」

 ……あれ? 梓、どうしてそこで黙るの?

「できないわよね。だって、黒服達が攫うのは、他でもない、あんたなんだから」

「……」

 ちょっと、何で表情から元気が無くなるの?

「あたしが何も分かってないとでも思ってたわけ? あんたが他人のためでしか暴力を震えないことなんて、とっくに分かってるのよ」

 他人のためって……

「昨日だって、あたしのパンチを受け止めたの、後ろにいた生徒達をバカにした時だったしね。あんたは友達への侮辱や危険になら、相手を殺しかねない暴力だって辞さないけど、自分に対する危険には何もできない」

「……」

「あんたが一昨日言った質問、私が代わりに応えてあげるわ。あんたが無抵抗だったのは、本当は強過ぎるから、じゃない。自分に対しての暴力に、暴力なんて震えなかったから、でしょう」

「……」

 何にも言わないまま視線を落として、握り拳を震わせてる。

 ……え、うそ、本当に、何も抵抗しないの?

「だいたい、人間様が、ゴミとの約束なんて守るわけないじゃない。これだけの道楽を用意してやったこと、精々心から感謝して家に帰りなさいよ、ゴミ。そこで、あたし達がたぁっぷりリサイクルして遊んであげるわ。使い物にならなくなって、ボロボロの捨てるしかない本物のゴミになるまでね!」

「……」

『梓!』

 気付いたら、梓に叫んでた!

『あんな奴の言うこと聞いちゃうの? そんな奴ら、梓ならやっつけられるよ! 全員倒してアカデミアに残ろうよ! この後のカイザーとの決闘、楽しみにしてたでしょう? 友達だってみんな待ってるんだよ!』

「……」

『梓!!』

「……」

 ダメだ、何も反応が無い。

 ちょっと、うつむいた顔を覗いてみると……

「……」

 目に、どころか表情に全然力が入ってない。何か、全部諦めた、そんな顔に見える。

『梓……』

 

 ガタンッ

 

 廊下の向こうの、ドアが開いた。そこから出てきたのは、黒いスーツに、黒いサングラスのごつい連中が……

「さあ、さっさと捕まえな!」

 く、こうなったら、あの時と同じだ。梓が梓自身を守れないなら、僕が梓を守る。僕が、あいつら一人残らず……

 

 バタバタバタ……

 

「……は?」

『え?』

「……?」

 現れた黒服達は、一人残らずその場に倒れていった。

 

「これで全部かな?」

 

「……!」

『……!?』

 初めて、梓の顔が変わった。

 その声は、何度も聞き覚えがある。そして、その声の主は、倒れた黒服達の後ろに立ってた。

「何だか怪しい人達だったし、話し掛けたら突然殴り掛かってきたから、ついやり返しちゃったけどさ」

「あ、あんた……」

「この人達に、梓君を攫わせる気だったんでしょう? その状態で、できるの?」

「ぐ……」

 おばさんは後ずさって、さっき以上に顔をしかめた。

「あ、あんた……!」

「あれ、まだ諦めない?」

「くぅ……諦めるわけないだろう!? このゴミは今日回収するんだ!! そのために無駄金まで投資したんだよ!! このゴミは今日回収するんだ!!」

「わたしが相手でも?」

「……!!」

 あずさちゃんのその物言いに、さすがのおばさんも、言葉を失ってる。

「くぅ……」

 ……すんごいビビッてる。

 けど、段々その顔に、余裕の笑みを浮かばせていった。

「殴りたきゃなるれば?」

「え、いいの?」

「やってみなさいよ。水瀬家の力を使えばね、あんたの素性調べ上げるなんて簡単なんだよ! あんたの全部が全部素っ裸にして、人生めちゃくちゃにしてやろうか!?」

「えぇ~?」

 嫌そうな、というより、呆れたふうな? 声を出した。

「わたしに殴られて、わたしが殴ったっていう記憶が残ると思ってるの?」

「……は?」

「ていうか、あなたもその人達も、五体満足で返すって思ってるの?」

「……!」

「正直、生きて返すって、思ってるの?」

「……!!」

『……!!』

 おばさんも、黒服連中も、めちゃくちゃビビッてる……

「思わないなら、早く帰りなよ」

「……」

「梓くんとの約束、守らなきゃね。大人なんだし」

「……くぅ!!」

 そんな声を出したかと思ったら、大股で廊下を歩いていった。その後ろを、倒れてた黒服達も追い掛けて、帰っていった。

 

「梓くん、大丈夫?」

「……」

 大好きなあずさちゃんの言葉に、梓は何も言わない。

 けどそれは、いつもの惚気じゃない。情けない、そんな感情が、顔に出ちゃってる。

「……さっき、ちょっとだけ聞こえたんだけど、確かに梓くん、人のためにしか喧嘩しないよね」

「……」

「明日香ちゃん達に斬りかかったのは、誘拐されたと思った翔君のためだったし、カミューラを刺したのも、クロノス先生や亮さんを人形にされたからでしょう。それに、シエンをずっと追いかけてたのは、元を辿れば、未来での殺されちゃったお父さんの敵討ちだったし……」

「……」

「でも、これだけたくさん暴れてきたのに、自分のことで怒って暴れたこと、一回も無いよね。梓くん、優しいから、かな」

「……」

 とうとう、顔を背けちゃった。

 事実を指摘されて、けど、そのこと認められずにいるんだ。

「わたしなんかが言うのも変だけどさ……梓くん、確かに、自分のためにも喧嘩できるようになった方がいいよ」

「私のために……?」

「うん。わたしだって、今くらい強くなったのは、周りから虐められるのが嫌だったからだし。誰だって、自分のためだけに喧嘩をするの、当たり前のことなんだから」

「……」

 返事はしないけど、顔に返事が書いてあった。

 「できない」って。

「何で、できないの?」

 そりゃ、当然の疑問だよね。

「……分からない」

 梓は、正直に答えた。

「私も、あなたと同じです。目の前の脅威に、何もできない自分が嫌で、だから自分の身を守れるよう、強さを追求し続けてきました。なのに気が付けば、誰かの身を守ることはできても、自分の身を守ることは、できなくなってしまっていた。これでは、幼い頃と変わらない。自分の身を守ることもできないなど……」

 「情けない」。今度は、顔にそう書いてあった。

「そっか……じゃあさ、わたしが梓くんのこと、守ってもいい?」

「……!」

 え……

「もう無いかもしれないけど、今回みたいなことになったら、わたしが梓くんの代わりに暴れてあげるよ」

「……」

「えっと……やっぱ、余計なこと、だったかな?」

「いえ……」

 そう言い返した梓の顔は、笑ってる。

「ありがとうございます。あずささん」

「……! う、うん……////」

 すっごく穏やかな、良い笑顔を、あずさちゃんに向けてた。

 僕にさえ向けたことの無い、笑顔だった。

 

『……』

 今の二人にとって、僕は邪魔なだけだ。だから、僕はそのまま二人を残して、姿を消しておいた。

 

 

 

 




お疲れ~。
まあこんな感じで、お二人は再スタート。
そして~、一年目の最後の相手が~、まあベタなのだけれど……
まあいっか。
そんじゃあ待ってて。

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