遊戯王GX ~氷結の花~   作:大海

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いよぉ~。
ミス決闘アカデミア編は、この回でお終いですわ。
てことで、星華姉さんと梓との決闘、はじまりはじまり~。
じゃ、行ってらっしゃい。



第三話 美容を競う

視点:梓

 

『決闘!!』

 

 

星華

LP:4000

手札:5枚

場 :無し

 

LP:4000

手札:5枚

場 :無し

 

 

「先行は私だ。ドロー」

 

星華

手札:5→6

 

「私は、『マシンナーズ・ギアフレーム』を召喚する」

 

『マシンナーズ・ギアフレーム』ユニオン

 レベル4

 攻撃力1800

 

「『マシンナーズ・ギアフレーム』の効果。このカードの召喚に成功した時、私はデッキから、ギアフレームを除く『マシンナーズ』と名の付くモンスターを手札に加える。私は、『マシンナーズ・フォートレス』を手札に加える」

 

星華

手札:5→6

 

「そして、このカードはレベルの合計が8以上となるよう、手札から機械族モンスターを捨てることで、手札または墓地から特殊召喚できる。私は手札のレベル7、『マシンナーズ・フォートレス』と、レベル2の『オイルメン』を捨て、墓地へ送られた『マシンナーズ・フォートレス』を特殊召喚する」

 

星華

手札:6→4

 

『マシンナーズ・フォートレス』

 レベル7

 攻撃力2500

 

 一ターン目から、最上級モンスターの特殊召喚ですか……

 

「……て、あれ? 今の、できるのか?」

「できる、ようだな……」

 

「そして、ユニオンモンスターである『マシンナーズ・ギアフレーム』の効果。このカードを、自分フィールド上の機械族モンスターに装備する。『マシンナーズ・フォートレス』に装備。二枚のカードを伏せ、ターンエンド」

 

 

星華

LP:4000

手札:2枚

場 :モンスター

   『マシンナーズ・フォートレス』攻撃力2500

   魔法・罠

    ユニオン『マシンナーズ・ギアフレーム』

    セット

    セット

 

 

「『マシンナーズ』……」

「水瀬梓」

 ターンを終えた直後、星華さんは、私の名を呼びました。

「お前は死を恐れるか?」

「む……?」

「痛みを……屈辱を恐れるか?」

「……」

「私は、何も恐れはしない」

 言いながら、開いた右手を腰に回し、またそれを取り出し、私に向け、叫びました。

 

「私の名は、小日向星華! 括目せよ! これが私の生き様だ!」

 ドォンッ!

 

 天井に向けて発砲しながら、誇り高く、名を名乗りました。

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

『きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

 

 その名乗りに、また会場に、興奮生まれます。

「出た! 星華さんの名乗り!」

「凛々しいです! 星華お姉さま!」

「今までは拳銃無しだったけど、拳銃有りだと余計に格好良い!」

 

 ……ふむ、なるほど。明日香さん以上に人気者なわけだ。先程の紹介でも言っておりましたが……

 

 

 ――『その実力、その美しさ、そしてその誇り高き精神。全てが紛うこと無くアカデミア女子のトップ。そして、その強靭な魂は、通常の女子生徒に非ず、また下手な男子生徒すら霞ませり。昨年、一昨年、二年連続のミス決闘アカデミア。ご登場願いましょう。三年生、我らが無敵の女帝(エンプレス)、『小日向星華』さん!!』

 

 

 正にそんな紹介そのままなうえ、美しくも凛々しい顔つきも相まって、私よりも遥かに男らしい……

『女らしさの塊な梓には、男らしさ皆無だもんね』

(その私にある女性らしさの欠片も無いあなたにだけは言われたくありませんが)

『けっ……』

 まあ、それはともかく、決闘に目を戻します。

「さあ、お前の力を見せてみろ。お前の持つ、シンクロモンスターを」

 シンクロモンスター……

 

「お姉さま、まさか……」

「やる気か? あの龍を相手に……」

 

「カイザー亮との決闘を見て以来、その力には興味が募っていた。そして、私は見ていないが、新入生との決闘でも披露したのだろう」

「……」

「ならば、私にも見せてもらおう。お前の統べる力、『氷結界の龍』達を。そして、それを私が破った時、お前は知ることになるだろう。私の力を」

 ふむ……

「……そんなに見たいのですか? 私の持つ、シンクロモンスター……」

「ああ。見たいな」

「……見たいと言うのなら、敢えて拒みはしない。ただ……」

「ただ、何だ?」

「……こんなもの、誇るべきでも何でもない。ただの、力だ」

「なに……?」

 

「梓くん……」

 

「私のターン」

 

手札:5→6

 

「速攻魔法『サイクロン』! あなたから見て、左側のカードを破壊」

「く……」

 

『『サイクロン』来たー!』

 

「更に、魔法カード『苦渋の選択』発動」

「『苦渋の選択』だと……」

「デッキから、五枚のカードを選択して相手に見せ、相手はその五枚の中から一枚を選択します。そして、選択されたカードは手札に加え、残りは墓地へ捨てる」

 

「何だ? いきなりあんなカード……」

「墓地にカードを五枚も送って、どうする気だ……?」

 

「私が選択するカードは、この五枚」

 

『レベル・スティーラー』

『ゾンビキャリア』

『フィッシュボーグ・ガンナー』

『フィッシュボーグ・アーチャー』

『キラー・ラブカ』

 

「ふむ……」

 未だこのカードの真の恐ろしさを理解していない周囲の声とは裏腹に、星華さんは五枚のカードを見て、思案している。向かい合った時から分かってはおりましたが、どうやら、ただ外見のみが優れている、という人ではなさそうだ。

「……どれを選んだところで結果は同じのようだな。ならば、『レベル・スティーラー』を選ぶとしよう」

 宣言されたカードを手札に加え、残りは全て墓地に。

 

手札:4→5

 

 ただ、彼女の言った通り、どれを選んだところで結果は同じですが。

「永続魔法『生還の宝札』を発動。これにより、私の墓地よりモンスターが特殊召喚される度、カードを一枚、ドローします。そして、私の場にモンスターが無い場合、手札の水属性モンスター『氷結界の水影』を捨てることで、墓地に眠るチューナーモンスター『フィッシュボーグ-アーチャー』を特殊召喚します」

 

手札:4→3

 

『フィッシュボーグ-アーチャー』チューナー

 レベル3

 守備力300

 

「チューナーモンスター!」

「いきなり来た!!」

 

「宝札の効果、一枚ドロー」

 

手札:3→4

 

「更に、私の場にレベル3以下の水属性モンスターが存在する時、手札を一枚捨てることで、墓地のチューナーモンスター『フィッシュボーグ-ガンナー』を特殊召喚」

 

手札:4→3

 

『フィッシュボーグ-ガンナー』チューナー

 レベル1

 守備力200

 

「今捨てたのは、『レベル・スティーラー』か……」

「一枚ドロー」

 

手札:3→4

 

「そして、1000ポイントのライフを支払い、魔法カード『簡易融合(インスタント・フュージョン)』を発動!」

 

LP:4000→3000

 

「私の融合デッキから、レベル5以下の融合モンスター一体を特殊召喚します。私はレベル5のモンスター『深海に潜むサメ』を特殊召喚します」

 

『深海に潜むサメ』融合

 レベル5

 攻撃力1900

 

「チューナーとそれ以外のモンスターが揃った!」

 

「『フィッシュボーグ・ガンナー』はシンクロ素材とする際、他のモンスターを水属性で統一しなければなりません」

「『深海に潜むサメ』は水属性。来るか……」

「参ります。レベル5の水属性『深海に潜むサメ』に、レベル1の『フィッシュボーグ・ガンナー』をチューニング」

 

「合計のレベルは6!」

「来るか。梓のエースモンスター、ブリューナク……」

 

「聖なる結界と共に有りて、守護を司りし獣の王よ。大いなる猛りと共に、其の霊験を万物に示さん」

「シンクロ召喚! 穿て『氷結界の虎王ドゥローレン』!」

 

 私の言葉でそこに現れたのは、龍ではなく、深々とした青い体毛と、氷に包まれた強靭な四肢。そこから生える鋭い爪。口元に光る牙。強い眼差し。それらの身を包む、雪の結晶を思わせる、特徴的な紋章の刻まれた鎧。

 そんな、猛々しくも勇ましい、龍達とは全く違う輝きを放つ、獣。

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』シンクロ

 レベル6

 攻撃力2000

 

「な、なに……?」

 

「ブリューナクじゃない!」

「あれは、初めて見るシンクロモンスター……」

「私との決闘じゃ、使わなかったカード……」

 

「私の持つ力は、龍だけではない、ということです」

 

『グオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

『っ!!』

 

 私の言葉に、そして、龍ばかりを知る人達へ自分の存在を示すように、ドゥローレンは高らかな咆哮を上げます。

 ちなみにグングニールと同じように、チューナー以外は水属性である必要がありますが、それはこの際置いておきましょう。

 これまでずっと使うことがありませんでしたが、このカードの初を飾るには、丁度良いカードが揃っている。彼女の望みに応えつつ、披露させて頂きます。

「墓地へ送った、『レベル・スティーラー』の効果を発動。このカードは墓地に存在する時、自分フィールドのレベル5以上のモンスターのレベルを一つ下げることで、特殊召喚が可能です。ドゥローレンのレベルを一つ下げ、墓地より特殊召喚。同時に宝札の効果により、一枚ドローします」

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』

 レベル6→5

 

『レベル・スティーラー』

 レベル1

 守備力0

 

手札:3→4

 

「更に、私のフィールドにレベル3の『フィッシュボーグ・アーチャー』が存在することで、手札を一枚捨て、『フィッシュボーグ・ガンナー』を特殊召喚。宝札の効果で一枚ドロー」

 

『フィッシュボーグ-ガンナー』チューナー

 レベル1

 守備力200

 

手札:4→3→4

 

「レベル5となった水属性『氷結界の虎王ドゥローレン』に、レベル1の『フィッシュボーグ・ガンナー』をチューニング」

「なに!?」

 

「ドゥローレンを!?」

「シンクロ素材に!?」

 

「シンクロ召喚! 『氷結界の虎王ドゥローレン』!」

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』シンクロ

 レベル6

 攻撃力2000

 

「二体目……」

「まだです」

「なに?」

「ここで私は、『氷結界の虎王ドゥローレン』の効果を発動します。咆羅奏燥(ほうらそうそう)

 

『グオオオオオオオオ!!』

 

 その宣言で、ドゥローレンが咆哮を上げました。

「これは……?」

「一ターンに一度、自分フィールドに表側表示で存在するカードを任意の枚数手札に戻し、戻したカード一枚につきドゥローレンの攻撃力を500ポイントアップさせます。私はこの効果により、『レベル・スティーラー』を手札に戻します」

 咆哮によって『レベル・スティーラー』は光となり、手札に戻りました。

 

手札:4→5

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』

 攻撃力2000+500

 

「攻撃力が、『マシンナーズ・フォートレス』と並んだ!」

「……だが、なぜ一枚だけ戻した? 『生還の宝札』も一緒に戻せば、攻撃力は超えていたのに……」

 

「……狙いは他にある、ということか」

「その通りです。手札に戻った『レベル・スティーラー』を墓地へ送り、『フィッシュボーグ・ガンナー』を特殊召喚。宝札の効果で一枚ドロー」

 

『フィッシュボーグ-ガンナー』チューナー

 レベル1

 守備力200

 

「そして、ドゥローレンのレベルを一つ下げ、墓地より『レベル・スティーラー』を特殊召喚。一枚ドローします」

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』

 レベル6→5

 

『レベル・スティーラー』

 レベル1

 守備力0

 

手札:5→6

 

「レベル5となった水属性『氷結界の虎王ドゥローレン』に、レベル1の『フィッシュボーグ・ガンナー』をチューニング」

「シンクロ召喚! 『氷結界の虎王ドゥローレン』!」

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』シンクロ

 レベル6

 攻撃力2000

 

『グオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

「三体目か……」

 

「三連続シンクロ。やっぱすげーぜ梓……」

「まあ、以前の五階堂との決闘に比べれば可愛いものだが……」

「けど、どうしてわざわざ呼び出したドゥローレンを素材にしてまで、三体も召喚する必要があったんスか?」

「手札を整えるためだろう。永続魔法の『生還の宝札』に加え、『レベル・スティーラー』と二体の『フィッシュボーグ』、更にはドゥローレンの効果まで併用することで、一ターン目で大量のカードをドローできた。今、梓の手札はかなり良い状態で揃っているはずだ」

「……それだけじゃ、ない気がする……」

「あずさ……?」

 

「ドゥローレンの効果を再び発動。『レベル・スティーラー』、そして『生還の宝札』の二枚を手札に戻し、攻撃力をアップさせます。咆羅奏燥」

 

『グオオオオオオオオ!!』

 

手札:6→8

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』

 攻撃力2000+500×2

 

「とうとう超えてきたか……」

「『生還の宝札』を発動。更に、再び手札に戻った『レベル・スティーラー』を墓地へ送り、『フィッシュボーグ・ガンナー』を特殊召喚。宝札の効果で一枚ドロー」

 

手札:7→6→7

 

『フィッシュボーグ-ガンナー』チューナー

 レベル1

 守備力200

 

「私は二体のフィッシュボーグを生贄に捧げ、『氷結界の虎将 グルナード』を召喚」

 

『氷結界の虎将 グルナード』

 レベル8

 攻撃力2800

 

「出た! 上級モンスター!」

 

「『氷結界の虎将 グルナード』が場に存在する限り、メインフェイズ時に一度だけ通常召喚とは別に『氷結界』と名の付くモンスターを召喚できます。『氷結界の舞姫』を召喚」

 

『氷結界の舞姫』

 レベル4

 攻撃力1700

 

「『氷結界の舞姫』だ!」

「うは~、あの二人やカイザーとの決闘の時から思ってたけど、美しい~」

「舞姫たん……はぁはぁ……」

 

「……アズサにもファンができてたんスね……」

「まあ、確かに顔は美しいからな。顔は……」

 

『うおおおおおおおおお!! ひっさびさの出番来たでよコレェエエエエ!! ウッシャシャシャシャシャシャ!!』

 ……私や、一部の人にしか見えて聞こえないこんな有様を見たら、どう思いますかね……

 

「……」

「……?」

「っ! ……」

「……『氷結界の舞姫』、効果を発動。自分フィールドにこのカードを除く氷結界が存在する時、手札の氷結界を任意の枚数公開し、後悔した数だけ相手フィールドにセットされた魔法・罠カードを手札に戻します。私は手札の『氷結界の水影』を公開し、その伏せカードを手札に戻して頂く」

「ちっ……」

 星華さんは舌打ちをしながら、最後の伏せカードを手札に戻しました。

 

星華

手札:2→3

 

「これで心置きなく攻撃ができます。バトル! 『氷結界の虎将 グルナード』で、『マシンナーズ・フォートレス』を攻撃。数多氷妖刀乱舞(あまたのひょうとうらんぶ)

 グルナードの生み出した無数の氷の剣が、巨大な機械要塞を襲います。

「うっ……!」

 

星華

LP:4000→3700

 

「……ユニオン状態の『マシンナーズ・ギアフレーム』を破壊することで、戦闘破壊を免れる……」

「ならば、『氷結界の虎王ドゥローレン』の攻撃。天斬爪(てんざんそう)

「ぐぁ……!」

 効果により強化されたドゥローレンの爪。二度目の攻撃に、さすがの巨大要塞も切り裂かれました。

 

星華

LP:3700→3200

 

「……だが、戦闘破壊された『マシンナーズ・フォートレス』の効果が発動。相手フィールド上のカード一枚を破壊する。私は、『氷結界の虎将 グルナード』を破壊させてもらう」

「ふむ……」

 説明と同時に、破壊された『マシンナーズ・フォートレス』の残骸がミサイルを発射し、グルナードを貫きました。

「ですが、『氷結界の舞姫』で、ダイレクトアタック。雪斬舞踏宴(せつざんぶとうえん)

『うおおおおおおおおおらぁ!!』

 最後に、アズサの輪刀が星華さんを切り裂きました。

「くぅ……!」

 

星華

LP:3200→1500

 

『おっぱい、イズ デッド!』

「まだ言うか……カードを二枚セットします。ターンエンドと同時に、ドゥローレンの攻撃力は元に戻ります」

 

 

LP:3000

手札:3枚

場 :モンスター

   『氷結界の虎王ドゥローレン』攻撃力2000

   『氷結界の舞姫』攻撃力1700

   魔法・罠

    永続魔法『生還の宝札』

    セット

    セット

 

星華

LP:1500

手札:3枚

場 :モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

 

「く……好きでこんな胸に育ったわけではないわ……」

「え?」

「……! 私のターン、ドロー!」

 

星華

手札:3→4

 

「『強欲な壺』。カードを二枚、ドローする」

 

星華

手札:3→5

 

「……よし。魔法カード『大嵐』。これにより、全ての魔法、罠カードを破壊する」

「ぬ……」

 

「おお! 梓さんの伏せカードを破壊した!」

「おまけに『生還の宝札』も破壊された」

 

「……チェーンします。永続罠『リビングデッドの呼び声』発動。墓地の『氷結界の虎将 グルナード』を特殊召喚します」

 

『氷結界の虎将 グルナード』

 レベル8

 攻撃力2800

 

「『生還の宝札』の効果により、一枚ドロー」

 

手札:3→4

 

「そして、『大嵐』の効果が適用され、全ての魔法、罠カードは破壊されます。同時に『リビングデッドの呼び声』の効果で特殊召喚されたグルナードも破壊されます」

「確実に一枚の手札を確保したか。中々の強かさだ……私は更に、二体目の『マシンナーズ・ギアフレーム』を召喚」

 

『マシンナーズ・ギアフレーム』

 レベル4

 攻撃力1800

 

「効果により、デッキから『マシンナーズ・カノン』を手札に加える」

 

星華

手札:3→4

 

「更に、魔法カード『旧型出陣』。自分の墓地に存在する機械族モンスター一体を特殊召喚できる。これにより、墓地の『オイルメン』を特殊召喚する」

 

『オイルメン』ユニオン

 レベル2

 攻撃力400

 

「魔法カード『機械複製術』。自分フィールドの攻撃力500以下のモンスターを選択し、同名モンスターをデッキから特殊召喚する。『オイルメン』二体を特殊召喚」

 

『オイルメン』ユニオン

 レベル2

 攻撃力400

『オイルメン』ユニオン

 レベル2

 攻撃力400

 

「そして、手札からレベル8の『マシンナーズ・カノン』を捨てることで、墓地に眠る『マシンナーズ・フォートレス』を特殊召喚する」

 

星華

手札:2→1

 

『マシンナーズ・フォートレス』

 レベル7

 攻撃力2500

 

「『オイルメン』は、自身を機械族モンスターに装備することができる。そして、三体の『オイルメン』の内、二体をマシンナーズに装備する。バトルだ。『マシンナーズ・ギアフレーム』で、『氷結界の舞姫』を攻撃!」

「……墓地に眠る『キラー・ラブカ』の効果。このカードを除外することで、相手モンスターによる自分のモンスターへの攻撃を無効とし、更に次の私のエンドフェイズ時までそのモンスターの攻撃力を500ポイント下げます」

 

『マシンナーズ・ギアフレーム』

 攻撃力1800-500

 

「……『マシンナーズ・フォートレス』で、『氷結界の虎王ドゥローレン』を攻撃! 」

 星華さんのその宣言により、『マシンナーズ・フォートレス』の各部に備え付けられた銃器の全てが、ドゥローレンに集中します。

「マシンフルシュート!」

 その銃口からの銃弾全て、ドゥローレンを貫きました。

 

手札:3000→2500

 

「『オイルメン』を装備したモンスターが戦闘破壊を行った時、カードを一枚、ドローできる」

 

星華

手札:1→2

 

「まだだ! 速攻魔法『コンビネーション・アタック』!」

 ……! あれは、先程アズサの効果で手札に戻したカード。

 なるほど、単純なマシンナーズではなく、準さんとはまた違った、ユニオンモンスターを駆使するデッキというわけですか。

「戦闘を行ったユニオンモンスターを装備したモンスターを選択し、発動。その装備を解除することで、もう一度戦闘を行うことができる」

 

『オイルメン』ユニオン

 レベル2

 守備力400

 

「『マシンナーズ・フォートレス』で、『氷結界の舞姫』を攻撃! 」

 先程と同じ、全ての銃口が、今度はアズサに。

「マシンフルシュート!」

『くぅ……おっぱいめぇ~……』

「アズサ……」

 良いのですか? 決闘とは言え、今際(いまわ)(きわ)の言葉がそれで……

 

LP:2500→1700

 

「そして、残った『オイルメン』で、水瀬梓にダイレクトアタック!」

 と、下らぬことを考えている間に、『オイルメン』が私に向かってその小さな拳を放ちました。

 

LP:1700→1300

 

「私はカードを一枚伏せる。そして、攻撃を行った『オイルメン』をフォートレスに装備。これでターンエンド」

 

 

 

視点:外

 

 

星華

LP:1500

手札:0枚

場 :モンスター

   『マシンナーズ・フォートレス』攻撃力2500

   『マシンナーズ・ギアフレーム』攻撃力1800-500

   『オイルメン』守備力400

   魔法・罠

    ユニオン『オイルメン』

    ユニオン『オイルメン』

    セット

 

LP:1300

手札:4枚

場 :モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

 

「見たか、水瀬梓よ。これこそが私の力。そして、私のデッキの力。これが我らの生き様だ!」

 

「すごい! 梓さんのフィールドを全滅させた上に、あそこまで追い込むだなんて!」

「星華お姉さま、素敵!」

 

「小日向星華さん、凄すぎるぜ!」

「星華さん、一生ついていきまーす!!」

 

「星華お姉さまー!!」

「女帝、小日向星華さーん!!」

 

「……」

 強力なカードと、決して強力というわけでもないカード達を巧みに使いこなし、相手の圧倒的な布陣を崩してみせ、そして、多くの歓声に包まれる。そんな、小日向星華という女子生徒の姿を見て、梓は一人、納得していた。

(なるほど。確かに、女帝ですね……)

「さあどうした? 凶王の力、まさかこの程度だとは言うまい?」

「……私のターン」

 

手札:4→5

 

「……先程から、力というものに随分な自負とこだわりを持っておられるようですね」

「ふん……」

「そこまでこだわることに、何か理由でもあるのですか?」

「理由か。私はただ、私と、このデッキ、我らの力を証明したいだけだ」

 星華は自身の決闘ディスク、そこにセットされたカードを見据える。

「どれだけ強い力を持っていようとも、自身にしか示せないのでは意味が無い。力とは、自身を除く第三者に示すことで、初めてその価値を証明できるものだ。そして、その価値が認められた時、その者は最高に光り輝く」

 ディスクを、デッキを梓に向けながら、そして、言い放つ。

「カード達と共に力を高め、それを示す。それこそが、このデッキを持つ私の役目。そして、その力の証明という輝きの中に生きる。それこそが、我らの生き様。これが我らの生き様だ!」

「……」

 誇り高く、力強く、言い放った言葉に対し、梓の見せた反応は、

「……」

「……私を憐れむか?」

「……」

「だが、私はこれが正しいと決めたのだ。他の誰も、私達の生き様を否定することは許さない」

「……ええ。誰も、あなたを否定する気などありません。それがあなたの生き様だというのなら、貫けばいい。ただ……」

「ただ……?」

 その目に、憐れみの色を滲ませたまま、梓もまた、力の籠もった視線を、星華に向ける。

「覚えておいた方がいい。力とは、所詮は周囲を、そして、誰かを傷つけるもの。そして、過ぎた力は、やがてはその身を破滅させ、自らを、そして、大切な者をも滅ぼしてしまう。そして最も恐ろしいのは、それだけの危険があることに、その瞬間が来るまで気付かないことです。その瞬間まで、理由がどうあれ、狂おしいほどに求めて止まないものだったから」

 

「梓……」

「確かに、その通りだ……」

「梓はそのこと、よく知っているものね……」

 

「随分と知ったふうな口を聞くのだな。そういうお前こそ、シンクロモンスターという何者にも変え難い力を示し、それを私以上に認められているだろう」

「確かに。そしてその実、全く同じ力を持つ人が、私とは真逆の反応の中にいることを、あなたも知っているはずだ」

「……」

 

「……」

 

「力を求め続けた結果、多くのものを狂わせ、傷つけた。それでも、終わりの瞬間まで止まることができなくなってしまった。そんな実例を、この身を持って知る者として、お見せしましょう。過ぎた力が、どんなものを生み出すか……」

「私は装備魔法『継承の印』を発動」

「『継承の印』だと……」

「『継承の印』は、自分の墓地に同名モンスターが三枚以上存在する時に発動できる装備魔法。その三体の内の一体を特殊召喚し、このカードを装備できる。私の墓地には、『氷結界の虎王ドゥローレン』が三体。蘇りなさい、『氷結界の虎王ドゥローレン』!」

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』シンクロ

 レベル6

 攻撃力2000

 

『グオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

「く、復活したか……」

「ただし、『継承の印』が破壊された時、ドゥローレンもまた破壊される。更に私は800ポイントのライフを支払い、装備魔法『早すぎた埋葬』を発動。墓地に存在する『氷結界の虎王ドゥローレン』を復活し、このカードを装備」

 

LP:1300→500

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』シンクロ

 レベル6

 攻撃力2000

 

『グオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

「二体目……!」

「これも同じように、装備カードが破壊されれば共に破壊されます。そして、魔法カード『死者蘇生』。三体目のドゥローレンを蘇生させます」

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』シンクロ

 レベル6

 攻撃力2000

 

『グオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

「く……」

 目の前に並び、高らかに吼え猛る三匹の巨大な蒼虎の姿。さしもの星華と言えども、動揺と、狼狽は隠せない。

「……だが、いくら数を揃えたところで、我が『マシンナーズ・フォートレス』の攻撃力には及ばない!」

「我が虎王達の力をお忘れか?」

「虎王達の力……?」

「この瞬間、ドゥローレンの効果を発動。『継承の印』と、『早すぎた埋葬』の二枚を手札に戻します。咆羅奏燥」

「む……?」

 ドゥローレンの頭上に光り輝いていた『継承の印』が、そして、装備魔法『早すぎた埋葬』と、その咆哮と共に消えていく。

 

手札:2→4

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』

 攻撃力2000+500×2

 

「これは……ま、まさか……!」

「そう。『継承の印』、『早すぎた埋葬』、これらが破壊された時、ドゥローレンもまた破壊される。だから、破壊以外の手段でフィールドを離れたならば、ドゥローレンは破壊されることなくフィールドに残る」

 

「それが真の狙いか!?」

「このための、三連続シンクロだったのか……」

 

「く、攻撃力3000……」

「『天使の施し』を発動。カードを三枚ドローし、二枚を捨てます。更に魔法カード『サルベージ』を発動。墓地に眠る攻撃力1500以下の水属性モンスター二体を手札に加えます。たった今捨てた『氷結界の水影』と、『フェンリル』を手札に」

 

手札:2→4

 

「そして、墓地に眠る二体の水属性モンスター、『氷結界の守護陣』と交霊師を除外。現れよ冷狼……『フェンリル』を特殊召喚」

 

『フェンリル』

 レベル4

 攻撃力1400

 

「そして、チューナーモンスター『氷結界の水影』を召喚」

 

『氷結界の水影』チューナー

 レベル2

 攻撃力1200

 

「ここで、二体目のドゥローレンの効果で、この二体を手札に。咆羅奏燥」

 

手札:2→4

 

『氷結界の虎王ドゥローレン』

 攻撃力2000+500×2

 

「そして、墓地に眠る『氷結界の水影』、グルナードを除外。再び現れよ……冷狼『フェンリル』」

 

『フェンリル』

 レベル4

 攻撃力1400

 

「バトルです。まずは『フェンリル』で、守備表示の『オイルメン』を攻撃します。冷爪牙斬」

「くっ…… 」

 星華が顔をしかめた瞬間には、『オイルメン』は破壊されてしまった。

「これで、次のあなたのターンのドローフェイズはスキップされます」

「分かっている……」

「続いて、攻撃力3000のドゥローレンで、『マシンナーズ・ギアフレーム』を攻撃します」

 

「この攻撃が通れば、星華さんは大ダメージを受けて敗ける!」

「星華お姉さま!」

 

「罠発動『ドレイン・シールド』! その攻撃を無効にし、その攻撃力分のライフを回復する」

 ドゥローレンの爪が、ギアフレームに届こうとした瞬間、その爪が見えない壁に阻まれた。

 

星華

LP:1500→4500

 

「ふむ……では、二体目のドゥローレンで、再びギアフレームを攻撃します。天斬爪!」

 二撃目は標的を過たず、ギアフレームを切り裂いた。

 

星華

LP:4500→2800

 

「く……ユニオン状態の『オイルメン』を破壊することで、その破壊を免れる」

「最後のドゥローレンで、ギアフレームを攻撃。地裂牙(じれつが)!」

 最後のドゥローレンが、その牙でギアフレームを噛み砕いた。

 

星華

LP:2800→2100

 

「く……」

「カードを一枚伏せます。これでターンを終了です」

 

 

LP:500

手札:2枚

場 :モンスター

   『氷結界の虎王ドゥローレン』攻撃力2000

   『氷結界の虎王ドゥローレン』攻撃力2000

   『氷結界の虎王ドゥローレン』攻撃力2000

   『フェンリル』攻撃力1400

   魔法・罠

    セット

 

星華

LP:1600

手札:0枚

場 :モンスター

   『マシンナーズ・フォートレス』攻撃力2500

   魔法・罠

    ユニオン『オイルメン』

 

 

「私のターン……『フェンリル』の効果でドローは封じられている」

 手札の無い手を見て、目の前に並ぶ四体の青い獣、そして、自分の前に立つ要塞を見る。

「だが、私の場には、攻撃力2500の『マシンナーズ・フォートレス』。お前のライフは残り500。お前のフィールドに並ぶ、どのモンスターを倒しても、お前を倒すことはできる」

「そう思いますか?」

「……」

「思うのならば……やってみるとよろしい」

「……」

 もちろん、星華自信、そう簡単に事が済むなどとは思っていない。梓の場には、伏せカードが一枚伏せられているのだから。あれがブラフでない限り、こちらの攻撃が通ることは無い。

 それでも……

「私は何も恐れない。私は、我らの力を信じ、突き進む! 『マシンナーズ・フォートレス』で、『氷結界の虎王ドゥローレン』を攻撃! マシンフルシュート!」

 先程と同じように、全ての銃口が、中心に立つドゥローレンに向けられた。

 そして、その瞬間だった。

「その誇り高い精神、心から尊敬申し上げます……罠発動『鳳翼の爆風』」

「……」

「手札の『早すぎた埋葬』を墓地へ送り、あなたの『マシンナーズ・フォートレス』をデッキの一番上に戻して頂く」

 

手札:2→1

 

 梓が手札を捨てたと同時に、今まで見せてきた氷とは対照的な、炎の風が巻き起こり、『マシンナーズ・フォートレス』を飲み込んだ。

「……ターンエンド」

 

 

LP:500

手札:2枚

場 :モンスター

   『氷結界の虎王ドゥローレン』攻撃力2000

   『氷結界の虎王ドゥローレン』攻撃力2000

   『氷結界の虎王ドゥローレン』攻撃力2000

   『フェンリル』攻撃力1400

   魔法・罠

    セット

 

星華

LP:1600

手札:0枚

場 :モンスター

    無し

   魔法・罠

    無し

 

 

「……さすがは凶王。見事な力だ。相対する者の全てを無に帰す。相当の力を持っているのだな」

「違う」

「む……?」

「さっきも言ったでしょう。過ぎた力が何を生み出すか、それを、お見せすると。そして、これがその答えです。あなたのフィールドには今、何がありますか?」

「……」

 星華は、無言で自分のフィールドを見回す。だがそこには、何も無いがら空きのフィールドが広がっているだけ。

「……これが、そうだと言いたいのか?」

「過ぎた力を求めれば、後には何も残らない。ただ、力を追い求め続け、振っただけの自分が一人、残るだけです……かつての私のように」

「……」

「強い力を求め、それを示す。それも良いでしょう。ですが力を求めるなら、その使い方を、決して誤ってはならない。そのことを、忘れないで欲しい。使い方を誤って、全てを失くし滅ぼした後では、遅すぎるから」

「……」

「私のターン」

 

手札:1→2

 

「バトルです。三体の『氷結界の虎王ドゥローレン』で、星華さんに直接攻撃」

 その言葉に従った三体の虎王達が、ゆっくりと星華の前に並び立ち、その爪を、振り上げた。

 

星華

LP:1600→0

 

 

『勝者、水瀬梓さん! この瞬間、今年度のミス決闘アカデミアの称号は、水瀬梓さんのものとなりましたー!!』

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

『きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

 

(……そう言えば、そんなものを賭けていたのを忘れていました)

 

「水瀬梓」

 

 歓声が会場を包む中で、星華が声を掛けてきた。

「良い決闘だった。感謝する」

「いえ、こちらこそ」

 差し出されたその手を、梓も握り返した。

「お前の力、とくと味わわせてもらった。力の恐怖を知るからこそ、お前は、あれほどの力を使いこなすことができるのだな」

「……それは、少し違います」

「なに?」

「力の恐ろしさは、確かによく知っている。ですが、そのことに気付くことが……いえ、思い出すことができたのは、力を得て、それを振い続けて暴走した、そんな私を、全力で止めて下さった、そんな仲間達がいたからでした」

「仲間……」

「ええ。仲間達が私を止めて、そして、諭してくれたから、私はこれ以上、過ちを犯すことなくここにいる。だから私はもう、授かった力を、誤って行使することは絶対にしない。そう思っております」

「……そうか」

 星華さんは、そう返事をしながら、微笑みました。

「ならば、私も、その仲間の一人に加えてはもらえないか?」

「星華さんを?」

「不満か?」

「……まさか」

 梓にとっては、こんな自分と繋がりを求めてくれている。それだけで、とても嬉しいことだった。

「そして、せっかくだ。仲間以上の繋がりを求めたい」

「仲間以上……?」

 その言葉を聞き返すと、決闘の最初にそうしたように、星華は梓に向かって、力強く指さした。そして、

 

「今の決闘で、お前に惚れた。私のものになれ! そして、私をお前のものにしろ!」

 

「あぁ……は?」

『はい?』

 

「ん?」

「なに?」

「へ?」

「え……」

 

「今、何て言った?」

「星華お姉さまが……」

「梓さんに……」

「惚れた?」

「で、自分のものになれって……」

「自分を、梓さんのものにしろって、つまり……」

 

『……』

 

 数瞬の、沈黙の、次の瞬間だった。

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

『きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

『ええええええええええええええええええええええええええ!?』

 

 先程以上の歓声、そして驚愕の声が、会場を包んだ。

 

「すげえ! 新旧ミス決闘アカデミアカップル!」

「ああ、そんな、梓さん……けど、お似合いすぎます……」

「星華お姉さまなら、梓さんの恋人にふさわしいわ!」

「はぁ、何て美人カップルなんだ……」

「アカデミア最強カップルの誕生だー!!」

 

(……何ですかこの異常な盛り上がりは……)

 

 ……スッ

「え、あずさ?」

「ごめん。わたしはもう行くよ」

「行くって……え、良いの!?」

「良いも悪いも……あの人なら、確かに梓くんとお似合いだと思うからね」

「お似合いって、ちょっと、あずさ……!」

 明日香や他の仲間達の呼び掛けをよそに、あずさはそれ以上何も言わず、立ち去っていった。

「ちょっと、あずさ! そんな、歩きながら『梓』と『セイカ』でお手玉しないで! 危ない!」

 

 そして、その只中にいる梓は、

「……ちょっと!」

 ガァンッ

 

『……!』

 

 大声を出しながら、刀の鞘を床に叩きつける。巨大な金属音が、会場の歓声を打ち消した。

「私の意思を無視して勝手な盛り上がりを見せるのは、やめて頂きたい」

 そして、彼もまた、叫んだ。

 

「私が心から愛おしいと思う女性は、このアカデミアに一人しか存在しませんよ!!」

 

『……』

 

「……あ」

 気付き、声を出した瞬間には、遅すぎた。

 

『えええええええええええええええええええええ!!』

『えええええええええええええええええええええ!?』

 

 また、今度は驚愕の声が、会場を包んだ。

 

「梓さん、好きな人がいたの!?」

「だ、誰だよそれ、女子の、誰だ?」

「そんな……梓さんに、心から愛しいと言わせる女子がいるなんて……」

「だれ、だれなの? そんな羨ましい女子は、一体だれ……!」

 

 大勢の生徒達が声を出し、周りに目を向けては衝撃の答えと疑問の解消を求める中で、

「……」

 叫んだ後で、激しい後悔に苛まれながら、梓は沈黙を余儀なくされていた。

「ほぉ、そんな女がいるとはな」

 と、沈黙する梓に対し、星華が再び、声を掛ける。

「一応聞いておくが、それは私とは別の女なのだな?」

「……もしあなたがそうだと言うなら、こんな回りくどい言い方はしない……」

「そうか……まあそれが誰とは敢えて聞かないが、ちなみにお前は、その女のことをどれほど愛しているというのだ?」

「どれほど……?」

 いきなりの質問に、梓は答えることができない。そんな梓に、星華は再び質問を重ねる。

「たとえば、そうだな……その女と、デートはしたいか?」

「デート……?」

「そうだ。デートだ」

 

「デートって、そんな……」

「それはさすがにちょっと、子供じゃないんですから……」

 あまりにも単純で、子供染みた質問に、観戦していた生徒全員から、失笑が漏れていた。

 だが、そんな空間において、

 

 

 ピィ~~~~~~~~~~~~~~~~……

「……////////////////」

 

 ヤカンのような音を立てながら、梓の顔の全てが、真っ赤に染まった。

「な//// ななななな//// そんな//// わた、わわわわ私が、そんな//// こ、こ、こんな、私、なんかが//// 彼女と、そ、そんな//// 私など//// 彼女に比べて、汚らわしい私が//// 清らかな、あの人と//// で、ででデ、でデデででデデデで////デ////////で////////////」

 真っ赤になりながら、舌は呂律が回らず、最後の方はもはや言葉になっていない。

 そして仕舞いには、頭から煙を出しながら、

 

 ボンッ

 

 音を出して、後ろへ倒れ込む始末。

 そんな梓を、星華が着物の襟を引っ掴んで支えた。

「たかがデートの有無を質問しただけでこれとはな。相当その女に入れ込んでいるのか、ただ単に純情が過ぎるだけなのか……」

 

「ああ……普段お淑やかで物静かな梓さんが、あそこまで悶えるなんて……」

「いつもの印象と全然違う。完全に、恋する乙女と化してる……」

「一体誰が……梓さんのハートを射止めたのは一体……」

 

「だが、それも悪くは無い」

 と、星華はなぜか、事実上フラれたはずの事実を前に、妖しい笑みを浮かばせていた。

「要するに、その女へのそんな反応を、私に向けて行うようにすればいいだけのことだ」

「……え?」

 梓は真っ赤な顔のままで、聞き返す。そんな梓に対し、星華は再び笑みを返す。

「その反応を見るに、どうせ告白すらしていまい?」

「それは……まあ……」

「ならば、誰に邪魔をされる理由も無い。何より……」

「何より?」

「略奪愛、という手段も、私は大いに有りだと考えている」

「略奪って……」

 と、聞き返した瞬間には、梓はその身を更に引っ張り上げられた。

 そして、その頭を抑えられ、星華の柔らかな胸元に押し付けられた。

「これからよろしくな。水瀬梓」

「……」

 

『うおおおおおおおおおおおおおお!!』

『きゃーーーーーーーーーーーーー!!』

 

 梓の困惑とは裏腹に、会場にいる者のほとんどは、新しく誕生した(暫定)カップルを前に、興奮を絶叫し続けていた。

 

 ごく、一部の者達を除いて……

「梓……」

「……」

「あずさ……」

(梓さん……気苦労、お察しするっス……)

 

 

『梓……』

 

 

 

 




お疲れ~。
てなことで、星華姉さんには新たにメインキャラになってもらいました。
今後どうなっていくかな~?
まあいいや。そんじゃらオリカ行こう。


『旧型出陣』
 通常魔法
 自分の墓地から機械族モンスター1体を選択して発動する。
 選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。

漫画版GXにて、翔が使用。
機械族、自分の墓地限定の『死者蘇生』。
まあ機械族に限定するならまあまあ使えるカードではあらぁな。
今後も出すかは知らないけど、二回目だからこのカードの紹介もこれで最後にしますわ。


以上。
そんじゃ、いつか次もいつかは分からんが、次話まで待ってて。
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