【一真サイド】
マミさんが魔法少女になったその日の夜
どうやって帰ったか覚えてなく気づいたら自分の家の前にいて
熱いシャワーを浴びて一息つき、冷静になった俺はドライグに謝罪した。
ドライグも『もういい次から気を付けろ』とだけ言ってくれた。
ただ意固地になった自分の所為で杏子ちゃんを傷つけた事に激しく後悔と自己嫌悪に陥りまったくいうほど眠れない・・・
次の日、杏子ちゃんに謝ろうと電話したが出てもらえず、直接会いに行っても会ってもらえなかった。
妹のモモちゃんから『けんかでもしたの?なかよくしなきゃだめだよ』ってダメ出しされちゃいました・・・
「ハァ・・・」
『(相棒、大丈夫か?)』
帰り道に他の人に聞こえないように心の中でドライグが話かけてくる。
「(ああ、大丈夫。謝罪しようにも会ってさえくれないなんて)」
相当怒らせちゃったな。はあどうしよう・・・
~~杏子サイド~~
深夜、杏子の部屋のベットの上
あ~むしゃくしゃする!
一真の奴、なんであんなに聞きわけがねえんだ!
あのままじゃアイツが倒れる事になってたのに!
なんで見ず知らずの他人の為に命を懸けようとするんだ!
ヒーロー気どりかアイツは!
・・・・まあ、アタシも魔法少女になってヒーローみたいなもんになったけどさ
そりゃあアタシだって見ず知らずの他人といえ、人が目の前で死ぬのは嫌で助けれるなら助けたいさ
でも助からないと分かっても自分の命かけてまでやることねえだろ・・・・
アイツが倒れたり、も、もし死んだりしたらアタシが悲しいのに!
って何考えてんだアタシは!
あ~もう、おかげで御飯も碌に食べれずに母さん達に心配されるは、モモの奴が『かずまおにいちゃんとけんかしたからだよね』って余計な事言って
母さん達に『早く仲直りしなさいね』って言われるわ、『でもかずまおにいちゃん。きょうあやまりにきたのにおねえちゃんあわなかったの』
『杏子謝りに来たのに会わなかったなんてどういうこと?』って怒られるし
なんかアタシが悪いみたいじゃねえか!
あ~もう!
・・・明日、アイツが来たら話だけでも聞いてやろ
ったくもう寝よ!
ん!?ソウルジェムが反応してる!
まさか魔女が近くにいんのか!
この反応、まさかこの家に!
一真に連絡を!
・・・・いやアタシのほうからコンビ解散したんだったな
丁度いいむしゃくしゃしてたんだ。腹いせにアタシ一人でぶっとばしてやる!
【一真サイド】
同時刻 一真の部屋のベットの上
ハァ・・・
『心配するな相棒、許してもらえるまで明日も佐倉杏子の教会に行ってみるぞ』
そうだね、許してもらえるまで明日も行ってみようか
『・・・あの時、相棒がおかしかったのは前世の両親と妹の事故が原因か?」
ッ!
『その反応、やはりそうか・・・』
ドライグ知ってたんだ?
『ああ、女神が俺をお前に会わせてくれた日の夜に話は聞いた。本来なら相棒から話をして聞くのが筋なんだろうがどうにも気になってな』
・・・うんあの時マミさんのお母さんとお父さんを見てたら前の母さんと父さんに見えたんだ。
だからどうしても助けたかった。
それに家族を失った辛い思いをした経験をマミさんにまで味あわせたくなかったんだ
俺の場合親戚中をタライ回しにされて成績が下がると食事も出なくて追い出されるかもしれなかったから自分の居場所を守る為に必死に勉強ばかりやって友達もいなかった
だからかな、アニメの登場人物だったとはいえこの世界に転生できると知った時マミさんや杏子ちゃんの家族の絆をなにがなんでも守ろうと決心して
『だが相棒それでお前が倒れたら本末転倒ではないか』
そうだね、だから最初杏子ちゃんに怒られた時、なんで怒られてるかわけが分からなかったけど彼女達は台本通り動くアニメの登場人物なんかじゃなくて怒るし心配もしてくれる一人の人間だって思い知らされたよ。
そして俺も物語の主人公なんかじゃなく一人の人間だってことも
だから考えを改めて彼女達だけでなく自分を含めて『みんなを守る』って決心したよ。
ドライグこんな俺だけどもう一度、力を貸してくれる?
『今のお前なら一度どころか何度でも力を貸してやる』
ありがとうドライグ、あらためてよろしくな
『こちらこそ・・・待てこの反応!』
どうしたの?
『相棒、魔女反応だ!しかも反応場所は佐倉杏子の自宅だ!」
!?まさかそれって杏子ちゃんがお父さんに魔法少女だって知られてお父さんが家族を巻き込んで一家心中する最悪の事件の原因
「ドライグ!今すぐ杏子ちゃんの家に行くよ!」
部屋を飛び出し、母さんが夜中に出かける事を止めるのも聞かずに急いで自転車に飛び乗り
間に合ってくれ
~~杏子サイド~~
白背景の魔女結界の中で発生した包丁を持った父さんがフラフラと歩きながら気絶している母さんとモモに迫っている。
父さんの目は正気でなく首元に魔女の口づけで操られていた。
家族に見られないよう即座に魔法少女になって幻惑で父さんを気絶させたあと魔女を探す。
「どこのどいつだ!アタシの家族にふざけた真似した奴は!」
アタシの怒鳴り声に反応してか結界の一部が揺らぎ錆びて赤茶色の腕とバイクの部品のような顔の魔女が現れた
「アンタか!よくもアタシの家族に手を出したな!」
槍を構えて魔女に向かって走り出すと魔女の前にバイクのチェーンを象った使い魔が往く手を遮る
「邪魔すんな!」
槍を横一線で振り払い使い魔を切り裂く
はあああああ!
魔女自体にも槍で身体を切り裂いて蹴りを入れる
錆びた手で捕まえようとするが動きが遅く簡単に避けれる。
いける!こいつ見かけ通り動きが鈍い
一真がいなくてもアタシ一人で倒せる。
「杏子・・・なのか…」
!?
声の方をを向くと幻惑が浅かったのか気絶から目覚めた父さんが驚いた顔でこちらを見ていた
見られた!
そのショックで動きが止まってしまう
その隙を付くかのように魔女が消え結界が解け始める。
しまった逃げられる!
追いかけようとしたが結界は魔女と違い高速で移動してしまった。
「き、杏子、その姿一体・・・?」
もう隠しごとできないなそう観念して洗いざらい話した
ある日、キュゥべえって奴が来て魔法少女になる事と引き換えに願いを叶えてやるって言われた事
最初は断ったけど満足にご飯を食べられずに泣くモモや私達に少ない食事を分け与えて日に日にやせ細っていく父さんと母さんを見ていられなく、契約して魔法少女になった事
そして魔法少女として今日まで人に害を仇なす魔女と呼ばれる怪物と戦っている事をすべて話した。
「魔法だ・・・と、なんて・・・・なんて愚かなことを・・・・」
父さんは愕然とした表情で
何言ってんだよ悪いのは父さんの話を聞かないあいつらじゃないか!
父さんは正しいことを言ってるのに誰も話を聞かずに離れていったり水をぶっ掛けるみんなが悪いんだ
だからみんなが話をちゃんと聞くようにしただけだ
それにそのおかげでモモも学校でいじめられなくなったし
御飯もお腹いっぱい食べれるようにもなった。
父さんが表で正しい事を話をしてみんなに聞いてもらい、アタシが裏で魔女退治をすればそれでいいじゃないか
「なにが魔女だ!魔女は人を惑わすお前の方だ!!」
!?
アタシは父さんが最初に何を言ってるか分からなかった・・・
【一真サイド】
皆が寝静まっている深夜
俺はチャリを漕いで杏子ちゃんの教会に向かう。
「いやな予感がする・・・」
教会に着き、チャリを乗り捨てて扉を開けて跳び込んだ
「杏子・・・『なにが魔女だ!人を惑わす魔女はお前の方だ!!』!?」
遅かった・・・!?
魔女を追い払った魔法少女姿の杏子ちゃんをお父さんが問い詰め、魔法でこれまでの話を聞いてもらっていた事を知り、杏子ちゃんを「お前が魔女だ!」と罵っていた
また守れないのか・・・
いやまだだ!
「おじさん、やめてくれ!」
「か、一真ぁ・・・」
俺は杏子ちゃんを庇うように杏子ちゃんのお父さんの前に立ち塞がる。
「おじさん、頼むから落ち着いて俺と杏子ちゃんの話を聞いてくれ」
「うるさい!人を惑わし、私を騙した魔女の話なんかに聞く耳など必要ない!」
「確かにやり方は正しいくなかったかもしれない。でも杏子ちゃんは・・・あなたの娘さんはあなたや家族の事をなによりも心配してたんです。それだけは信じて下さい!」
杏子ちゃんのお父さんに説得をするが杏子ちゃんのお父さんは聞き入れてもらえない。
「そいつはもう私の娘なんかじゃない!人を惑わす汚らわしい魔女だ!」
「と、父さん・・・そ、そんな・・・・アタシはただ・・・」
父親の言葉にショックを受け悲しみと絶望が入り混じったような顔の杏子ちゃん
ただ家族に幸せになって欲しかっただけなのに
あ、駄目だ。もう抑えきれないわ・・・
「・・・それが・・・それが実の娘に対して吐く言葉か!馬鹿野郎!!」
父親の言葉と杏子ちゃんの顔を見て完全にブチ切れて拳で杏子ちゃんのお父さんの横っ面を殴り飛ばした。
前世で親を早く亡くした俺にとって子供にとって親に誰よりも愛されたい存在なのにその親から罵倒された杏子ちゃんの気持ちを考えると頭に血が上っていた。
「か、一真!」
俺の行動に驚く杏子ちゃん。
しかし俺の怒りは収まらない
耳障りの言い言葉を平然と並べ人に説いてた癖にテメエは話も聞かずに自分の子供の気持ちを平然と踏み躙ったこの男を許すことができず殴り続ける
「ぐ、か、一真君いきなりなにをするんだ!君も魔女の仲間の悪魔か!」
「俺の事は悪魔で結構!だが杏子ちゃんを・・・自分の娘を魔女と呼ぶな!!」
「ああ・・・・あ・・一・・・真・・・・・・・」
打撃音が教会内に響き渡る。
俺が殴れば杏子ちゃんのお父さんが殴り返し
鍛えてるといっても所詮は小学生と大人
組みあったら体格差や力の差で負ける。
だから頭突きもしたし嚙みついたりもした。
殴られて口の中で血の味がするが構わない。
この分からず屋の馬鹿親父に杏子ちゃんの気持ちを分かって貰うまでは
俺が馬乗りにして殴り続け、杏子ちゃんのお父さんに振りほどかれ蹴り飛ばされ
転がりながら椅子にぶつかっても起き上がる。
「ハァ・・・ハァ・・ハァ・・」
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
二人の顔は青アザができ、鼻血を流しながらお互い肩で息しながら口から流れる血を手で拭う
「か、一真君はその魔女の魔法で操られてるんだろ?早く正気に戻れ!」
「まだ言うかこの野郎!」
「もうやめてくれよ一真!アタシが・・・アタシが全部悪いんだから…」
俺の後ろから泣きながら杏子ちゃんが抱きしめ止める。
杏子ちゃんはやり方を少しだけ間違っただけでなにも悪くない。
家族を幸せにする為にどうすればいいか?落ち込むお父さんをどうしたら元気になってもらえるか?その二つを必死に考えたんだ。
ただどうしたらそれをこの石頭に分からせるかが問題だ
「・・・・もう、これしかないか・・・」
杏子ちゃんに止められ殴り疲れ冷静になった俺は、
あの技を使う為に・・・・
「人に自分の話を聞いて欲しいなら・・・・まずはテメエが人の話に耳の穴と心を開いてよく聞きやがれ!!」
俺は左腕の
「煩悩解放ォ!
「え?おい!なんだこれ!」
この技は女性の胸に直接語りかける技でその女性の心に秘める胸の内を文字通り翻訳して丸裸にして俺に教える卑猥な技だ。
『最低、女性の敵なのです』
うっせーよ、お仕置で尻叩きされた幼女神!久々に出てきたと思ったらいきなり罵倒かい!俺だって分かってるよ!けどな、この技は応用すればこんな事だってできるんだ!
俺は
すると別の空間が発生して
これは原作で洗脳された母親を元に戻すために子供が呼び続けて元の優しい母親に戻した
修行中どうにかできないか試行錯誤でやっていたがどうにか成功したぜ。
あとは二人っきりで会話できるように会話は俺には聞こえないように調整する
親子間のプライベートに立ち入る気なんかないし
しばらくして上書きされた
「と・・・父さん・・・・父さん・・・ごめんよ・・・・ごめんよ。私・・・父さんや信者の人の気持ちも考えてなかった。」
「私こそ、杏子に心配かけた上にお前の気持ちも考えずにひどい言葉をぶつけてしまって本当にすまなかった。」
晴れ上がったそこには二人の親子が泣きながら抱き合う光景が広がっていた。
さてここにこれ以上いるのは無粋だな。城戸一真はクールに去るぜ
「ちょっと待て」
立ち去れるとする俺に杏子ちゃんが声を掛ける。
これで終わればハッピーエンドだったんだがその後、俺は真っ赤な顔の涙目杏子ちゃんにマジ殴りされて土下座させられた上に
まああんな技、杏子ちゃんや鹿目さん、マミさん、まだ来てない暁美さんに使ったら敵認定されて魔女事葬り去れそうだから怖くて使えないよ
特に鹿目さんに使った日には鹿目さん大好きっ子の暁美さんにマジで殺される・・・
・・・・あれ?美樹さんが魔女化したら説得するのに使うつもりだったけど使えなくなってね。これ?
そうだ今の内にちゃんと話ておこう
「杏子ちゃん、ごめん」
「さっきの変な技の事ならもういい」
「違う、そうじゃないよ。もうできない事を無理してでもやろうとしない、杏子ちゃんと一緒に俺の出来ることを精一杯やる事にするよ」
「・・・・わかりゃいいんだよ、バーカ・・・・」
杏子ちゃんが自分の腕を組んで背を向け、殴れらた頬を擦っていると杏子ちゃんのお父さんが近づいて来た。
「城戸君、ありがとう。私はもう少しで取り返しのつかない事をしてしまう所だった。杏子の事これからも末永くよろしく頼むよ」
杏子ちゃんのお父さんが俺の肩に両手を置き頭を下げる。
「はい!」
勿論だ。杏子ちゃんは俺の大切な親友で仲間。なにがあっても絶対にも守る
「な、な、な、な、にゃに言ってんだバカヤロウ!」
なぜか杏子ちゃんは後ろで真っ赤な顔でなぜかあたふたしてた。
ただ杏子ちゃんのお父さん、肩に指が食い込んでてめちゃ痛いし、顔は笑ってるけど目が笑ってないっすよ・・・・
魔女の口づけちゃんと解けてるよね?
その後、杏子ちゃんは家族に魔法少女の事、これまでの事をすべて打ち明けてみんなで話し合いをしたそうだ。
お母さんとモモちゃんは最初は驚いていたがお父さんのフォローもありなんとか納得してもらい
最後はお母さんに抱きしめられた杏子ちゃんは、これまで溜まっていたものを吐き出すように涙を流して家族四人の絆は元に戻ったと公園で嬉しそうに話す杏子ちゃんから聞いた。
涙の部分はモモちゃんが話してしまい、怒った杏子ちゃんが追いかける
ただ杏子ちゃんもモモちゃんも笑っていた。
杏子ちゃんの教会も一時期のブームのように次第に世間から忘れていった事に俺の父さんは首を傾げていたけどまあいいか
『相棒、ちゃんと守れたじゃないか。』
「ああ、そうだなドライグ。もうなにがあっても俺は、絶対に諦めないよ」
「こら~モモ~!」
「ごめんな~い、かずまおにいちゃんたすけて~」
ドライグと話ながら視線の先で楽しそうに追いかけっこをする仲睦まじい姉妹の姿があった。
一真君、佐倉家の最悪の事態を回避する
本来なら杏子ちゃんは父親に魔法少女とバレる前にマミさんと出会っていますが一真というイレギュラーの存在の所為で若干時間の流れがおかしくなってます(と思ってください)
一真君、切れたら口調変わりすぎだけどまあいいか
一家心中を回避できたので杏子ちゃんの性格は、原作のような攻撃的な部分は抑えられ多少丸くなっています。
次回のお話は前後編、前編と後編を完成しだい一緒に更新する予定です。