雷龍を宿しました。(休載)   作:Takari

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5話 レーティングゲーム決着

祐斗と小猫、アーシアのリタイアのアナウンスを聞き、俺は全速力で部長達の元へ向かう。

 

あと少しで・・・・!

 

 

俺は悪魔の翼を広げ、校舎の屋根まで一気に飛び上がる。

 

そこにいたのは、比較的軽傷な部長と身体中がボロボロのイッセーだった。

 

「はははっ!来るのが遅かったなぁ。待ちくたびれていたぞ」

 

「・・・・・・・」

 

ライザーがムカつくことを言っているが俺は気にせずイッセー達の元へ行く。

 

まだうっすらと意識が残っているイッセーが、俺の姿を見て目に涙をためる。

 

「・・・・・しゅ、秋夜・・・ごめん・・・・・俺、何もできなかった・・・」

 

「イッセー・・・。お前は部長達を守ったんだ。だから何も出来なかったなんて言うな」

 

それでもイッセーの顔からは悔しさが滲み出ている。

 

「で、でも・・・・・!」

 

「よく、踏ん張ったな。後は俺に任せろ」

 

俺はイッセーの手を強く握ってそう言う。

 

「秋夜。・・・・・頼む、あいつに勝ってくれ・・・!」

 

「おう!後はゆっくり休んどけ」

 

イッセーは涙を流しながら俺に頼み、気絶してしまう。

光の粒子となって転移されてアナウンスが流れる。

 

 

『リアス・グレモリー様の「兵士」リタイア』

 

 

余程悔しかったんだな。でも責めることなんて何もない。あいつは最後まで戦い続けたんだ。誇っていいんだよ。

 

 

俺達の様子を見ていたライザーは、俺に向かって嘲笑する。

 

 

「はははっ!そいつの最後は随分と滑稽だったなぁ。自分の力に耐えきれずに自滅したんだぜ?ほんとあっけなかっ━━━━ぐぼぉッ!?」

 

 

俺はライザーの口を閉じさせるために『神速』を発動させたまま、全力で顔を殴り飛ばす。

 

全力の殺意を込めて。

 

俺の右拳をもろに食らったライザーは壁まで吹き飛ぶ。

 

 

ドゴォォッ!

 

 

「それ以上口を開くな。耳障りだ」

 

 

あいつの声なんてもう聞きたくない。

 

 

もうこの怒りを抑えきれない。

 

 

体の痛みなんてどうでもいい。

 

 

こいつは命懸けで戦ったイッセーのことを何て言った?

 

 

・・・・・・こいつは、こいつだけは、絶対に許さないッ!

 

 

「あいつがどんな想いで戦っていたかわかるか?・・・・わかるわけないよな。てめえみたいに自分の才能に酔って他人を見下し、欲望にまみれたやつが、一人の女のために命を懸けて戦ったイッセーを侮辱するなッ!!」

 

 

俺は感情を爆発させ、叫ぶ。

 

 

 

━━━その瞬間

 

 

 

 

 

 

『Lightning Dragon Balance Breaker!!!』

 

 

 

 

クローゼの声とともに俺の体が光に包まれる。

 

っ!?

 

光が止んで、窓に反射する自分の姿を確かめる。

 

そこには、エメラルドグリーンの鎧に包まれている俺の姿があった。

 

所々に雷のようなラインが引かれており、両手の甲と胸の中心には、金色に輝く宝玉が埋め込まれている。

 

「こ、これは...?」

 

突然のことでさっきの怒りが吹っ飛んでしまった俺は、自分に起こった変化に戸惑っていると、クローゼが答えてくれる。

 

『(主よ、これが禁手だ。先程の怒りがその領域へと至らせたんだよ)』

 

こ、これが俺の禁手・・・・・。

 

『神速』を発動していないのに、それを遥かに上回る力がどんどん溢れてくる。

 

それなのに体に掛かる負荷がまったくと言っていいほど無い。

 

『(至った直後にも関わらず、鎧の継続時間が丸々1日戦い続けられるほどだぞ。さすがは主、修行の賜物だな)』

 

 

クローゼと会話をしていると突然横から炎が飛んでくる。

 

だが俺は右手を前に出して雷のバリアを張ることでそれを防いだ。

 

 

「はあ、はあ、この、下級悪魔ごときがぁぁ!!」

 

炎を何発も放ってくるが俺はその場から動かずにじっと佇む。

 

なんだこれ、全然大したことないじゃないか・・・・・・。

 

俺が無抵抗で焼かれていると思ったのか、ライザーは笑う。

 

「はははっ!バカが!焼け死んでしまえ!」

 

「しゅ、秋夜ぁぁ!!!」

 

部長は炎に包まれる俺に向かって叫ぶ。

 

こんなショボい炎で倒せるとでも思ってるのかよ。

 

「なめてるのか?」

 

俺は右腕に雷を込め、炎に向かって思いっきり薙ぐ。

 

たったその一振りで、雷を纏った突風が炎を一瞬で消し去る。

 

そのあり得ない光景にライザーだけでなく部長も驚愕する。

 

「なっ!?この俺の炎が!?」

 

「す、すごい・・・・・」

 

俺はゆっくりとした足取りでライザーに近づく。

 

ライザーは俺の力を見て、さっきまでの威勢は完全になくなった。

 

『(こいつの心は完全に折れたな。龍を恐れている目をしている)』

 

そうか。

 

なら早く終わらせよう。

 

「く、来るな・・・・・・化け物め!」

 

ライザーは上級悪魔で貴族ということも忘れ、下級悪魔である俺から逃げるように後退る。

 

「何とでも言え。俺は仲間のためにお前を倒すだけだ」

 

「わ、わかってるのか!?この婚約は悪魔にとって大事なものなんだぞ!?それをお前みたいな下級悪魔が手を出したら━━」

 

ライザーがなんと言おうと俺がすることは変わらない。

 

イッセーに頼まれたからな、『あいつを倒してくれ』って。

 

友達の頼みを聞いてやるのが友達の役目だ。

 

それに・・・・・・

 

「そんなこと俺は知らない。だがな、イッセーを侮辱したお前だけは許さない!」

 

 

『Charge starting!!』

 

 

俺の右手に雷を溜める。今までとは桁が違う凄まじい量の雷が迸り、宝玉へと取り込まれていく。

 

そして、宝玉の輝きが最高潮に達する。

 

 

『completion!!』

 

 

宝玉に籠められた雷を一気に解放させ、拳に纏わせる。

その輝きは辺り一面を照らすほどだ。

 

これは今俺の出せる最高出力だろう。

いくらフェニックスと言えどひとたまりもないはずだ。

 

「ま、待て━━」

 

俺が放とうとする威力を察したのか、ライザーは俺に向かって待ったをかけるが、構わず俺は突き進む。

 

 

「鳴御雷!!!」

 

 

ドパァァァンッ!!

 

 

ライザーに極大の雷撃を込めた右拳が直撃する。当たった瞬間にライザーを中心に天にも昇るほどの放電が発生した。

 

もしフェニックスの特性がなければ命に関わるほどの威力だ。

 

雷の輝きと轟音が響き渡っているため、ライザーがどうなっているかわからないが、恐らく再生が間に合わないくらいのダメージだろう。

 

光が止んでライザーの姿が見えてくる。

 

「・・・・・・」

 

全身が黒こげで白目をむいており勝敗はもう一目瞭然だ。

 

 

『ライザー・フェニックス様がリタイア。よって、リアス・グレモリー様の勝利となります』

 

 

グレイフィアさんのアナウンスを聞いて安心した俺は、地面に崩れるように倒れこむ。その時に鎧も解除されてしまった。

 

「勝ったぞ、イッセー・・・・・・」

 

今の一撃で魔力を全部使ってしまった。

 

それに加え、体力ももう無い。

 

 

もう限界・・・・・。

 

 

部長が俺のもとに走って駆けつけてくれて、泣きながら何かを言っているような気がする。

 

だが俺はそれに答えることが出来ず、意識を手放してしまう。

 

 

 

 

 

 

「ん・・・・・あれ、俺の部屋?」

 

目が覚めてみると、そこは俺の部屋だった。体を起こそうとするが鋭い痛みに襲われる。

 

っ!?

 

全身が痛いっ!

 

なんだこれ、動けないじゃん!?

 

 

『(当然だ。あんなに無理をしたのだからな)』

 

し、仕方ないだろ。俺だって必死だったんだから・・・・・。

 

俺は必死に起き上がろうと悪戦苦闘していると、部屋のドアが誰かに開けられる。

 

 

ガチャッ

 

 

入ってきたのはアーシアだ。

 

「シューヤさん?」

 

「アーシア、久し━━うぐっ!」

 

『久しぶり』と言い終わる前にアーシアが勢いよく抱きついてきて、俺の胸に顔をうずめる。

 

一瞬痛みで意識が飛びそうになるが、なんとか堪えて抱き返してあげる。

 

「シューヤさん! 良かった、もう目が覚めないかと・・・・・!」

 

「心配描けちゃったな。ごめん、アーシア・・・・・」

 

俺は彼女の頭を優しく撫でていると、アーシアは顔を上げる。何故か顔が真っ赤だ。恥ずかしいのかな?

 

「いえ、私の方こそすみません。あ、あの、シューヤさん・・・・?」

 

「どうした?」

 

不安そうに、それでいて恥ずかしそうに、綺麗なグリーンの目で俺を見つめる。

 

「私、これからもずっとシューヤさんの隣にいてもいいでしょうか・・・・・?」

 

そんなの、考える必要ないだろ。

 

俺もアーシアの目をしっかりと見つめ、微笑む。

 

「いいに決まってるじゃないか。俺で良かったらいつまでも隣にいるよ。というか、俺からもお願いしたいくらいだ。これからも俺の側にいてくれないか?」

 

「はいっ!!」

 

目に涙を浮かべ、満面の笑みでそう答えてくれた。

 

 

しかし、ここでおれはふと疑問に思う。

 

 

あれ?

 

これってもしかして告白・・・・・だったりする?

 

一応確認。

 

「な、なあアーシア? 聞くのも失礼なんだけどこれって、その、告白になる・・・・・?」

 

その瞬間、アーシアの顔から火が吹き出そうなほど真っ赤になり、俯く。

 

え、これって・・・。

 

「.....ハイ」

 

アーシアが小さく呟いた。

 

 

うおぉぉぉ!!

 

まじか!? まじなのか!?

 

え、じゃあ俺とアーシアって、つつつ、付き合ってるってこと!?

 

俺が頭のなかでひどくパニックを引き起こしていると、アーシアは悲しそうな顔をする。

 

「・・・・・」

 

ま、まずい!

 

違うんだアーシア! 俺も好きなんだよ!

 

「俺も好きだ!好きすぎてやばい!愛してる!」

 

「ふぇ!?」

 

ついつい本音が出てしまい、アーシアの顔がもうゆでダコみたいになってしまう。

 

最後までちゃんと言うんだ俺!ちゃんと伝えろ!

 

「だ、だから・・・俺と付き合ってくれないか?」

 

「こちらこそ!!」

 

アーシアが俺にぎゅっと抱きついてきてくれる。

 

髪からいい匂いがしてクラっと来てしまう。

 

 

 

 

ああ、今の俺人生で一番幸せだ!

 

 

 

 

今日この日、こんなドタバタのなかで俺とアーシアはめでたくカップルになりました。

 




はい、アーシアに告りました。もともとアーシアと両思いだったのですんなりいかせてもらいました。
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