雷龍を宿しました。(休載)   作:Takari

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第3章 月光校庭のエクスカリバー
1話 騒動の予感


 

目が覚めて、いつも通りに朝のトレーニングをしに行こうとするが、俺は今身動きがとれない。

 

何故かというと、隣でアーシアが俺の腕をがっちりとホールドしているからだ。

 

ち、近い、アーシアの顔がすごく近い!

 

それに、腕にとても柔らかいものが!?

 

「・・・ん・・・シューヤさん・・・・・」

 

夢の中で俺が何かしているのかわからないが、アーシアが俺の名前を呟く。

 

うん、可愛い。

 

何時までも眺めていられるよ。

 

暫くアーシアの寝顔を眺めていると、アーシアが俺の腕を離す。

 

「えへへ、シューヤさぁん・・・」

 

「ちょっ!? アーシア!?」

 

アーシアは俺の腕を離してくれたのだが、今度は首に手を回して密着してくる。

 

た、タイムタイム!

 

朝からこれは刺激的すぎる!

 

は、はやく脱出しないといろいろやばい!

 

俺は必死に抜け出そうとするが、アーシアの抱き締める力も強くなっていく。俺の力と比例するように強く抱きつくアーシアに疑問を抱く。

 

ま、まさかとは思うけど。

 

「・・・・アーシアさん? もしかして起きてらっしゃいます?」

 

俺の質問に片目だけ開いて舌をちろっと出すアーシア。

 

「ふふ、バレちゃいました」

 

やっぱりそうだったか。 でも可愛いから許す!

 

俺達が恋人同士になってからというもの、アーシアが日に日に大胆になってきている気がする。

 

俺としては嬉しいことこの上ないんだけど、毎日やられるとなると精神がガリガリ削られてしまう・・・・。

 

 

「そろそろティアさんと特訓のお時間ですね。朝ごはんを作って待ってますから、頑張ってきて下さい!」

 

アーシアはフリルの付いた可愛らしいエプロンを装着してそう言う。

 

 

この幸せとしか言えないようなやり取りが毎日の日課だ。

 

俺がトレーニングに帰ってくると朝ごはんを作って待っていてくれている。

 

彼女が家で待っていてくれていることが、こんなにも嬉しいなんてな。

 

それに、アーシアの作るご飯がすごい美味しいんだ。

初めは日本食に慣れていなかったから俺が手伝ったりしていたけど、もう俺無しでも十分上手だ。

 

というか、俺よりも断然上手い。

 

俺は朝からやる気を溢れさせ、トレーニングに励んだ。

 

 

 

 

 

 

授業が終わり、休み時間となった。

 

 

なんかイッセーがため息をついたりニヤニヤしたりと大分気持ち悪いことになっている。

 

まあ、大体理由は分かるんだがな。

 

レーティングゲームが終わってから、部長がイッセーに対して更に積極的になっている。

 

たしかにあの時のイッセーは、部長のことを体をはって守っていて男前だったからな。部長が惚れてもおかしくはない。

 

 

「おいイッセー、何朝っぱらからにやけてんだよ」

 

「その通りだぞイッセー。あと、お前に変な噂が流れているから気を付けておけよー」

 

「松田に元浜。なんだよ、変な噂って?」

 

松田と元浜がイッセーの前に立ち、話しかけている。

 

「イッセーがリアス先輩の弱味を握ってあんなことやこんなことをしているって話だ!」

 

「はあ?なんだよそれ!?」

 

「それだけじゃない!朱乃先輩や学園のマスコットの小猫ちゃんにまで手を出している....という噂を俺たちで流しているのだ!」

 

おお、とんでもないことをしているなこいつら。

 

でも変態3人組の一人が学園の美女達と同じ部活に入っていればそうなるのも仕方ない。

 

心のなかでイッセーに手を合わせ、憐れんでいると俺の方にも飛び火してきた。

 

「そして秋夜!お前もだ!」

 

「最近アーシアちゃんと仲良すぎないか!!」

 

松田と元浜が今度は俺の目の前まで移動してきて、問い詰めるように叫ぶが、俺はいたって平常に答える。

 

「ああ、そりゃそうだろ。だって付き合ってるんだし」

 

別に隠すようなものでもないだろ。

 

それに、こうして俺とアーシアが付き合っていると公言しておけば、アーシアに手を出す野獣共が減るからな。

 

「「「な!?」」」

 

「「「きゃあああ!!!」」」

 

松田に元浜、イッセーが驚き、周りにいた女子達が黄色い声をあげる。

 

恐らく聞こえたであろうアーシアも顔が真っ赤だ。

 

「ほ、本当なの!?アーシアちゃん!?」

 

「いつから付き合ってるの!?」

 

「どんなプレイをしたの!?」

 

最初の二人はまあ良しとして、最後にいったやつ出てこい。鉄拳制裁してやる。

 

「は、はい。付き合って1週間程です...」

 

照れてるアーシアも可愛いなあ。

 

もう今すぐにでも抱き締めて撫でてあげたいくらいだ。

 

「ラブラブねぇ、一体どこまで進んだのかしらね」

 

女子の集団から茶髪の髪に三つ編みをして眼鏡をかけている女子が話しかけてくる。

 

「桐生、お前アーシアに変なこと教えるんじゃないぞ?」

 

俺は目を鋭くしてこの変態女━━桐生藍華に言う。

 

しかし、桐生はあっけらかんとした様子で答える。

 

「えー?私はただ、アーシアちゃんに男の子が喜ぶことをアドバイスしてあげてるだけよ?」

 

「それだよそれ、純粋なアーシアを汚すんじゃない」

 

はあ。

 

最近アーシアが俺に色仕掛けをしてくるようになったのはやっぱりこいつのせいか・・・・。

 

けどまあ、俺もいい思いをしたから良しとしよう。

 

 

それからも休み時間が終わるまで延々と質問され、時は進み放課後。

 

 

俺たちオカルト研究部員は、イッセーの部屋で定例会議を行っている。

 

なんでも、旧校舎が年に一度の大清掃をする日なんだそうだ。

 

「じゃあ、定例会議を始めましょう。今月の契約件数は・・・・・朱乃11件、小猫10件、祐斗8件、秋夜6件、アーシア3件」

 

部長が今月の契約数をそれぞれ報告する。

 

さすがは俺のアーシア。

 

まだ眷属になって間もないのに、3件も契約するなんてな。

 

「すごいじゃないかアーシア。この調子なら俺をすぐに越しちゃうんじゃないか?」

 

「いえ、そんなことないですよ・・・・シューヤさんこそ6件も取れてすごいです!」

 

俺が誉めるとアーシアは謙遜して、逆に俺を誉めてくる。

 

「俺なんか全然だよ。アーシアの方こそ━━」

 

「シューヤさんの方が━━」

 

と、ずっと繰り返している。

 

部長達がいるにも関わらずそこだけ二人の空間になっており、皆は苦笑いである。

 

「くそー、リア充め!」

 

「イッセー、俺は幸せだ・・・・」

 

俺はこれまでにないくらいの満面の笑みでイッセーに言った。

 

「爆発しちまえっ!!」

 

ははっ、何とでも言うがいいさ。

 

俺はアーシアと付き合ってから毎日がこれまで以上に幸せだ。

 

周りからバカップルと言われようと逆に誉め言葉にしかならなくなってしまう程に。

 

「ほんとラブラブね貴方たち・・・・・それよりもイッセー、貴方は0件よ?」

 

部長は俺たちに向かって呆れたように言い、イッセーは『うっ...』と苦虫を噛んだような顔をする。

 

「こ、今度は絶対に契約してみせます!」

 

イッセーが意気込んでいると、不意にドアがノックされる。

 

 

コンコンッ

 

 

「お邪魔しますよー」

 

中に入ってきたのはイッセーの母親だった。

 

「飲み物とお菓子持ってきたから食べてちょうだい」

 

「わざわざすみません」

 

「いいのよー、カルタ研究会の会議なんでしょう?」

 

これまた随分とすごい言い訳をしたんだなイッセー。

 

まあ正直に『悪魔の会議です』なんて言っても変に怪しまれるだけだけどな。

 

「それといいもの持ってきたわよ」

 

イッセー母の持ってきた良いものとはイッセーのアルバムだった。

 

その中には、イッセーが子供の時に全裸で牛乳を飲んでる姿や海で裸になってる姿がある。

 

・・・・・裸の写真ばっかじゃねーか。

 

幼いときからスケベの才能があったということだな。

 

「小さいイッセー、小さいイッセー.....!」

 

部長がぶつぶつと呟きながらアルバムを凝視している。

 

「母さんめ、余計なことしやがって」

 

「はは。いいお母さんじゃないか」

 

「どこがだよ!」

 

祐斗が微笑んでペラペラとページをめくっていくと、あるページで手を止める。

 

「ねえ、イッセー君。この写真なんだけどさ・・・・」

 

「ああ、その男の子は近所の子でさ、よく一緒に遊んだんだ。でも転勤かなんかで外国に引っ越しちゃったんだけど」

 

俺もその写真を見てみると、少年イッセーと茶髪の男の子が写っていた。

 

仲の良さそうな二人の写真だが、何か気になるところでもあるのか?

 

「イッセー君、この剣に見覚えは?」

 

剣?

 

俺はもう一度写真を見てみると、確かに1本の剣が飾られていた。刀身は見えないが、鞘の装飾が豪華なので貴重な剣なのだとおもう。

 

「いやー。昔のことだからさ、あんまり覚えてないんだ」

 

「そっか。でもこんな思いがけないところで目にするなんてね」

 

「祐斗、なんの話だ?」

 

俺は祐斗の様子が少し変だったので質問をする。

 

「これは聖剣だよ」

 

聖剣?

 

それって漫画やゲームに出てくるやつだよな。

 

まあ、悪魔とかがいるんだから聖剣もあっておかしくはないんだろうけど。

 

「ありがとうイッセー君」

 

そう言って、アルバムを返す祐斗。

 

その顔はいつものような爽やかな笑顔だったが、目には微かに憎しみが宿っているように見えた。

 




秋夜「イッセーは小さい頃から才能があったんだな」

一誠「才能?なんのだよ?」

秋夜「変態の」

一誠「ねーよ!」

秋夜「え、ないのか?変態なのに?」

一誠「くっ!完全に否定できないのが悔しい!」
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