「ん?ここはどこだ?」
目が覚めて辺りを見てみると果てしなく広い、真っ白な空間にだった。
「昨日たしかあの男をぶっ飛ばして、疲れてすぐに寝たはず・・・・・・」
うーん? と頭を悩ませていると、後ろの方からどこかで聞いたことのある声が聞こえてきた。
「ここに来るのは初めてだったな」
「その声は・・・・・・あの時、頭に響いてきた!?」
後ろを振り返ってその声の主を確認すると、俺は思考がストップした。
・・・・・。
俺の目の前にいるのは緑色の巨大なドラゴン。
落ち着いた様子で佇んでおり、静かな目で俺を見つめてくる。
いやいや・・・・・・え? これリアルドラゴン?
「ああ、この姿では初めましてだな。俺は主の中に宿る、雷輝龍のクローゼだ。よろしく、我が主よ」
いろいろツッコミ所満載だけど、相手が自己紹介してきたのに此方がしないわけにはいかないだろう。
「よ、よろしく。 俺は如月秋夜だ。・・・・・・・・ってか、ここどこかわかる?」
俺の中に宿るだの、雷輝龍だの、訳のわからないことばかりだが、とりあえず今一番知りたいのはここがどこかだ。
「ここは、そうだな・・・・・・精神世界のようなものだ。いろいろ説明すべきことがあるからな。そのために主をここに連れてきたのだ。昨日のあの男はおぼえているな?」
「ああ、おぼえてるよ」
忘れるはずがない。自分の腹に大穴を空けられて殺されるところだったのだから。それにしても、あいつは何者だったんだろう。明らかに人間じゃないよな。
そんなことを考えていたら
「この世界にはな人間以外にも様々な種族がいる。天使、堕天使、悪魔とかだな。この3種族は、今三つ巴の状態になっている」
「は? そんなの空想上のものだろ?」
「実在している。あの男だって堕天使なんだぞ?」
確かにあの男の力は人間を遥かに越えていた。実際に自分自身でその力を味わったんだ、それなら充分に納得できる。
「そういえば、あの堕天使とクローゼが言ってた『神器』ってなんなんだ?」
「『神器』とは、特定の人間に宿る規格外の力のことだ。聖書の神が人間に与えたもので歴史的に名を残す人物は神器を持っている者が多い」
そんなすごいものが俺にあるのか。 どうしよう、怖くなってきた。
「あと、神器には神仏の力におよぶものが13ある。それを『神滅具』という。俺は神滅具ではないが、それに匹敵する力を持っているぞ」
神様にも勝てるかもしれないって、やばくね?
しかもそれが13種もあるんだろ?神様大丈夫かよ・・・・・。
あとクローゼも『神滅具』に匹敵するって言ってたよな、俺もう人外になっちゃうんじゃね?
「なあクローゼ、俺も神様倒せるのか?」
「それは修行しだいだな。生半可な鍛え方じゃ当然勝てないぞ」
やっぱ、それ相応の修行をしなきゃいけないのか。
でも、勝てないわけじゃないんだよな・・・・・って、何神様を倒すこと考えてるんだよ俺。
それよりも、俺の身の安全を確認したい。
「また、あの堕天使とか襲ってくるかな?」
「必ず襲ってくるだろうな。奴等にもプライドがあるからな、今度来るときは複数で攻めてくるかもしれんな」
まじで?あんなのがたくさん来たら今度こそ死ぬ自信があるんだけど。・・・・・・どうしよう。
あ、でも俺にはクローゼがいるじゃないか。
「なあクローゼ、あの力ってまた使えるのか?」
「使えるが、体力の消耗が激しいからな。戦いに備えて体力作りをした方がいい。あと主は戦闘経験が全くといっていいほどないから、精神世界で俺が鍛えてやろう」
「そうか。何から何までありがとうな、俺頑張るわ」
これからクローゼから地獄のような特訓をさせられるなど、この時は微塵も思いはしなかった。
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