雷龍を宿しました。(休載)   作:Takari

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6話 vsコカビエル

 

相変わらず、自慢の10枚の翼を広げて宙にいるコカビエル。

 

「さあ、創雷師よ!かかってこい!」

 

これまた随分と上から目線だな。

 

━━━いいぜ、お望み通りこっちから行かせてもらうぞ!

 

「《神速(カンムル)》!!」

 

身体能力を爆発的に引き上げる。

 

そのまま地面が陥没するほどの脚力で上空にいるコカビエルに接近し、顔面に右拳を放つ。

 

━━が、片手で防がれてしまう。

 

「ほう、予想以上の速さだ。これは期待できるな」

 

コカビエルは余裕の表情でそう言い、俺の手を掴んだまま地面に向かって投げ飛ばす。

 

 

ドゴンッ!

 

 

「がはッ!?」

 

ま、まじかよ・・・・!

 

全力で放ったわけじゃないけど、そこまで弱くしたつもりもないぞ・・・・?

 

だけど、今度は当てる!クローゼ、ギアを上げるぞ!

 

『(了解だ!)』

 

雷をさらに巡らせ、身体能力を向上させる。

 

「まだまだ行けそうだな。もっと楽しませてくれよ?」

 

「舐めるな!」

 

今度はジグザグに高速移動をする。流石のコカビエルも戸惑ったのか一瞬隙を見せた。

 

その一瞬があれば充分だ!

 

俺は曲がることが出来ないほどに加速を重ね、残像も残さないほどのスピードを出す。

 

右手には高密度の雷を集中させる。

 

「千鳥!!」

 

「なっ!? フンッ!!」

 

コカビエルは瞬時に光の槍を作り出し、防御する。

しかし、咄嗟に出した光の槍だ。俺の千鳥の方が勝ってる!

 

「うおおおお!!」

 

「ぐおっ!?」

 

光の槍を突き破り、そのままコカビエルの腹部に当てることができた。少しは効いたのか、顔を歪ませる。

 

「くっ、今度は此方からいかせてもらおうか!」

 

コカビエルは空中に10本の光の槍を展開する。

 

一つ一つが凄まじい光力で、少し離れた場所にいる俺にまでそれが伝わってくる。

 

あんなの喰らったら一瞬で消滅しそうだ・・・・!

 

くそっ、遠距離で攻めようとしてるのは俺を近づけさせないためか。

 

コカビエルが手を降り下ろすと一斉に掃射され、俺に襲いかかる。迫り来る槍を冷静に避けていくが、最後の一発だけ腕をかすってしまう。

 

普通の攻撃ならあまり気にしないのだが、相手は聖書に記されるほどの者だ。その光力も尋常じゃなかった。

 

「ぐっ!? 少しかすっただけなのに!?」

 

「俺の光力は効くだろう?かすりでもしたらそこから体を焦がしていくぞ」

 

・・・・腕から出る煙が止まらない。

 

あいつ、これよりも多く光の槍を出せるに決まってるよな?

 

これ、詰み臭くないか?

 

『(おい、諦めるんじゃない。まだ始まったばかりだぞ?)』

 

ははっ、冗談だって、まだまだこれからさ。

 

クローゼと軽い冗談を飛ばし合ったお陰でだいぶ冷静になれた。感謝するよ、クローゼ。

 

 

さてさて、またもや光の槍を展開しているなあいつ。しかも今度は倍以上の数だ。

 

はっきり言ってずるいよな。こっちは遠距離技を持ってないのに・・・・・。

 

俺はここでピンッと閃く。

 

・・・・そうだよ、無ければ作ればいいじゃないか!

 

 

俺はさっそく再び右手に『千鳥』を発動させる。

 

・・・・・イメージは針だ。鋭く、大量の針・・・。

 

 

 

━━いける!

 

 

 

「またその技か?この槍に貫かれて終わりだぞ」

 

「それはどうかな?」

 

 

俺は右手を思いっきり横に薙ぐ。

 

その瞬間、千鳥から大量の雷の針がコカビエルと光の槍に襲いかかる。

 

その数は百・・・・・・・・・否、千本!

 

「『千鳥千本』!!」

 

「ちぃ!」

 

1発1発の威力は小さいけれど、それが大量にあれば話は別だ。

 

『千鳥千本』は全ての光の槍を打ち落とし、コカビエルに突き刺さっていく。

途中から自慢の翼で防いでいたが、それでも身体中に針が刺さり血が流れている。

 

「ふふふ、ははははははっ! 楽しい、楽しいぞ! 貴様たしか如月秋夜とか言ったな。この楽しい戦いに敬意を表して、本気で相手をしよう!」

 

刹那、コカビエルから発せられる力が格段に上昇する。それはもう近くにいるだけで参ってしまいそうな程に。

 

「はは、まじかよ・・・・」

 

クソ、こうなったらこっちも本気でいくぞクローゼ!

 

『(ああ!)』

 

俺は力を込めて叫ぶ。

 

 

 

「『禁手化ッ!』」

 

 

 

『Lightning Dragon Balance Breaker!』

 

 

 

俺は『雷輝龍の創電鎧《エレクト・ギア・クリエイテッドアーマー》を全身に纏う。

 

「貴様、やはり禁手に至っていたか」

 

「ああ、この時の俺は少し強いぞ?」

 

コカビエルは更に喜びを溢れさせ、口元を吊り上げる。

 

「実に面白いぞ!さあ、続きといこうじゃないか!」

 

俺とコカビエルは同時に飛び出し、ぶつかり合う。

その時に生じた余波は地面の至る所を抉れさせ、結界にも影響を及ぼす程だった。

 

 

 

 

 

side 一誠

 

 

部長と朱乃さん、小猫ちゃんに倍加した力を『譲渡』して、3体出てきたケルベロスの内1体を倒すことができた。

 

それにしても、さっき秋夜が戦ってる方からすごい衝撃が来たけど、大丈夫なのか?

 

・・・・・いや、あいつは負けない!仲間の俺が信じないでどうするんだ!

 

 

「きゃあああ!」

 

「っ!? アーシア!」

 

残り二体いる内の一体がアーシアに牙を向けていた。

 

やらせるかァァッ!!

 

 

『Explosion!』

 

 

俺は溜めていた倍加を解放して身体能力を高め、ギリギリのところでアーシアを助けることができた。

 

「大丈夫かアーシア!」

 

「は、はい!ありがとうござ━━━っ!? イッセーさん後ろ!!」

 

俺が後ろを振り返ったときには既にケルベロスの鋭い爪が目の前まで迫ってきた。

 

━━━が、その爪が振るわれる前に腕を斬り飛ばされた。

 

「グギャアアア!!」

 

あまりの痛みか、悶え叫ぶケルベロス。

 

「間に合ってよかった。加勢しにきたよ」

 

「ゼ、ゼノヴィア!?」

 

その腕を斬り飛ばしたのはなんとゼノヴィアだった。

 

いままで何処にいたのか聞きたいけど、今はそれどころじゃない。

 

ゼノヴィアはケルベロスに接近し、破壊の聖剣で一刀両断してしまう。その威力はさすが聖剣といえるものだ。

 

す、すげぇ・・・・! 俺達が苦戦したケルベロスをいとも簡単には倒しやがった!

 

ゼノヴィアってこんなに強かったのか!

 

残り1体のケルベロスの方を見てみると、何処からともなく地面から突き出てくる魔剣に貫かれて絶命している。

 

あの技は木場か!

 

ほんと来るのが遅いんだよあのイケメン!・・・・・でも、無事で良かった。

 

 

「━━完成だ」

 

バルパーのその言葉と共に光の柱がさらに広がり、あまりの輝きに手で覆ってしまう。

 

光が止みその中心には、4本のエクスカリバーが融合し一振りの聖剣へと変わっていた。

 

「エクスカリバー・・・・!」

 

裕斗が忌々しそうに呟く。

 

「そうそう、逃げるなら早くした方がいい。エクスカリバーの完成によって後20分もしない内にこの街は崩壊するだろう」

 

「「「なっ!?」」」

 

皆が驚愕するなかで木場だけがバルパーに向かっていく。

 

「皆の恨みだ!」

 

そう言って斬りかかるが

 

「フリードその聖剣を使ってみろ」

 

「へへ!4本の聖剣が集まって最強な力も持った聖剣が最強の聖剣使いに使われるなんて〜もう最強じゃね?」

 

フリードは聖剣を手にとり木場と斬り合う。

 

しかし、以前とは比べ物になら無いほどのスピードで木場を圧倒しているフリード。

 

「うわあ!」

 

木場が聖剣に斬られてしまう。

 

「木場!?」

 

バルパーがそう言って地面に倒れこむ木場に近づき、結晶のようなものを放り投げる。

 

「これは聖剣を扱うために必要な因子を結晶化させたものだ。被験者の一人が脱走したとは聞いていたが、まさか忌まわしい悪魔になっていたとはな」

 

木場はバルパーを睨み続けている。

 

「因みに、これは聖剣計画のときのお前たち被験者達から摘出したものだよ。この方法が一番手っ取り早くて確実だったのでね」

 

「━━━っ!? そ、それなら僕たちを殺す必要はないじゃないか!」

 

木場の言葉を聞いたバルパーは当然といった表情で答える。

 

「お前たちは極秘実験の材料にすぎん。用済みになったら廃棄するのは当たり前だろう?」

 

「僕たちは、役に立てると思って耐えてきたのに・・・・それを、廃棄・・・・」

 

木場は涙を流しながら地面に落ちている結晶を震える手で握りしめる。

 

 

━━━その瞬間

 

 

結晶から淡い光が辺りを包み込んだ。

 

そして、次々と数人の人影が現れて、木場の周りに集まっていく。

 

「僕は・・・・僕はッ!・・・・ずっと、ずっと思っていたんだ。 僕が、僕だけが生きていいのか? って。僕よりも夢を持った子がいた。僕よりも生きたかった子がいた。それなのに、僕だけが平和な生活をしていいのかって・・・・」

 

俺には木場がどんな話しているのかはわからない。

 

━━━けど、木場の哀しそうな顔を見ていると、何故か涙が止まらなかった。

 

「・・・・みんな」

 

そうつぶやくと木場を中心に光が強まっていく。

 

 

『大丈夫』

 

 

『僕らは1人じゃダメだった』

 

 

『私たちでは聖剣を扱える因子が足りなかった』

 

 

『けれど、皆が集まれば、きっと大丈夫だよ』

 

 

『聖剣を受け入れよう』

 

 

『怖くはないよ』

 

 

『例え、神がいなくても』

 

 

『神が見ていなくたって』

 

 

『僕たちの心はいつだって』

 

 

 

「『ひとつだ』」

 

 

 

そして光が木場のなかに入り込む。

 

するとドライグが

 

『(相棒、あの騎士は創雷師同様に至った。所有者の想いが、願いが、この世界に漂う流れに逆らうほどの劇的な転じ方をしたとき、神器は至る。それが禁手だ)』

 

「木場も、禁手に・・・・」

 

 

光が止み、木場は一振りの魔剣を作り出す。

 

 

でもあれ、魔剣・・・・なのか? なんかいつもと違うような・・・。

 

「バルパー・ガリレイ。あなたを滅ぼさない限り、第二、第三の僕たちが生まれてしまう。それは絶対に阻止しなくてはならない」

 

そう言って木場はバルパーに近づいていく。

 

「素直に廃棄されておけばいいものを。愚か者が。研究に犠牲はつきものだ。それすらわからんのか?」

 

くそ、こいつどこまで腐ってやがんだよ!

 

俺は黙ってることができず、木場に向かって叫ぶ。

 

 

「木場ァ!! 今のお前なら、自分が何をするべきかわかるはずだ!!あいつらの願いと魂を無駄にすんなよ!!」

 

俺の声援に続いて皆も木場に向かって言った。

 

「私の騎士はエクスカリバーごときに負けはしないわ!」

 

「裕斗君、信じていますわよ!」

 

「裕斗先輩、負けないで下さい」

 

「木場さん!」

 

するとフリードが木場の前に立ちふさがる。

 

「あぁ~。なに感動シーン作っちゃってんすかぁ。聞くだけで玉のお肌がガサついちゃう! もう限界! あ~、とっととキミ達、刻み込んで気分爽快になりましょうかねぇ!!」

 

木場はこんなやつに負けたりしねぇ!

 

絶対エクスカリバーに打ち勝つ!

 

木場とフリードは互いに剣を構える。

 

「―――僕は剣になる。僕と融合した同志たちよ、一緒に超えよう。あの時果たせなかった想いを、願いを今こそ!」

 

そして木場は叫ぶ

 

「部長、そして仲間たちの剣となる! 魔剣創造!!」

 

裕斗の手に現れたのはただの魔剣ではない。

 

聖剣と魔剣、相反するもの同士が互いに混ざり合った剣その名は━━━

 

「『双覇の聖魔剣《ソード・オブ・ビトレイヤー》』。聖と魔を有する剣の力、その身で受け止めるといい」

 

聖魔剣を見るバルパーが驚愕する。

 

「聖魔剣だと!? ありえない! 相反する要素が混ざり合うなど、そんなことあるはずがないのだ!」

 

木場がゆっくりとバルパーに向かっていくがその隣にゼノヴィアも同行する。

 

「リアス・グレモリーの騎士よ。共同戦線が生きているか?」

 

「だと思いたいね」

 

「ならば、共に破壊しよう。あのエクスカリバーを」

 

「いいのかい?」

 

「ああ。あれは最早、聖剣であって聖剣でない。異形の剣だ」

 

「・・・・・分かった」

 

すると、ゼノヴィアは自身のエクスカリバーを地面に突き刺すと右手を宙に広げた。

 

「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」

 

その瞬間次元が歪みだし、一本の剣が抜き取られる。

 

な、なんだあれ!

 

エクスカリバーよりもすごいオーラを感じる!

 

「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。━━デュランダル!!」

 

デュランダルって、あのゲームにも出てくるやつじゃん!?

 

「デュランダルだと!?馬鹿な! 私の研究ではデュランダルを使える領域まで達していなかったはずだ!」

 

「私はそこのフリード・セルゼンやイリナと違って、数少ない天然物だ」

 

「完全な適性者、真の聖剣使いだと言うのか!」

 

バルパーは目の前のことが信じられないような様子をしている。

 

「デュランダルは触れたものは何でも斬り刻む暴君でね。私の言うこともろくに聞かない。だから、異空間に閉じ込めていたのさ」

 

ゼノヴィアが力を込めた瞬間、凄まじいオーラが放出させる。

 

「ここにきてのそんなチョー展開! そんな設定いらねぇんだよ! クソビッチがァ!!」

 

 

パキィィィン!

 

 

フリードが凄まじい速度でゼノヴィアに斬りかかるが、ゼノヴィアの一振りでエクスカリバーが砕けてしまう。

 

「うそぉぉん!?」

 

ええ!?一撃でくだけんの!?

 

デュランダルどんだけ強いんだよ!

 

フリードはゼノヴィアには敵わないと思ったのか木場に襲いかかる。

 

しかし、それも悪手だ。

 

「くそ悪魔がァァァッ!!」

 

「ふっ・・・・!」

 

裕斗が消えるような速度でフリードと交差する。

 

時間差でフリードの体に一閃入り、鮮血が飛び散る。フリードはそのまま地面に倒れ込んだ。

 

 

「見ていてくれたかい? 僕らの力はエクスカリバーを超えたよ」

 

 

木場が天を見上げてそう言った。

 




秋夜「お、裕斗も禁手に至ったのか」

裕斗「うん、みんなのお陰だよ....」

秋夜「後はイッセーか....何時になるんだろうな」

一誠「うっ、俺だって何時かはなってやる!」

秋夜「俺が手伝ってやろうか? 今なら龍王もセットだ」

一誠「そんなの死んじゃうから!」
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