雷龍を宿しました。(休載)   作:Takari

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今回から新章です!





では、どうぞ!


第4章 停止教室のヴァンパイア
1話 初めまして魔王様


 

使い魔の森のとある場所

 

「くそっ……おらぁぁ!!」

 

「どうした! こんなものではないだろう!」

 

 

俺は今、絶賛ティア姉とバトル中だ。

ほぼ毎日行われるこの修行は確実に俺を強くしてくれている・・・・・・・のだが、相手は龍王。その力は格が違う。

 

以前の俺なら秒殺だったけど禁手に至ってからはなんとか戦えるようになった。

 

 

今のティア姉は人間の姿に龍の角、手、足、尻尾が生えている。所謂、龍人形態ってやつだ。

 

ドラゴンの時に比べればとても小さくなってはいるが強さはまるで変わらない。逆に機動性が高まり、テクニックで攻めてくるためなんともやりにくい。

 

 

俺は『雷輝龍の創電鎧《エレクト・ギア・クリエイテッドアーマー》』を体に纏っている。

だが、鎧の所々が破損していたりヒビが入っていたりしている。

 

対するティア姉は頬に掠り傷があるだけ。とてもダメージとは言い難い。

 

 

ちまちま攻撃してても埒があかない! 相手はティア姉だ、そもそも小細工なんて通用する筈がないじゃないか! それなら真っ向から行くしかない!!

 

 

『Charge starting‼』

 

 

限界まで雷を両手の甲にある宝玉へ溜める。雷が最高潮まで達したとき宝玉が更に金色に光輝く。

 

 

『Completion‼』

 

 

俺はチャージした雷を爆発的に解放させ、身体能力を一気に向上させる。

 

「いくぞ、ティア姉ぇぇ!!」

 

「さあ、来い!」

 

俺は雷を迸らせながら、直線的に突っ込む。

 

「バカ正直に真正面からか」

 

ティアは俺の雷速の突進をカウンターで決めようとする。

 

 

━━しかし

 

 

俺もそこまでバカじゃねえんだよ!

 

「っ!?」

 

「はあぁぁ!!」

 

俺はティア姉にカウンターを放たれる寸前に雷速のまま横へ移動することで避ける。その時の負荷は凄まじいものだったがなんとか踏ん張り、すれ違い様に蹴りを食らわす。

 

 

ドゴッ!!

 

 

「ぐっ、まさか、横に移動するとはな。流石に驚いたぞ」

 

ま、まじかよ・・・・!あれを防ぐのか!

 

ティア姉は防御が間に合わないと思い、咄嗟に腹部に魔力を集中させていたんだ。

 

「さて、私の番だ」

 

俺の足をガッチリと掴み、もう片方の手を俺の顔の前に構える。 そう、これは━━━

 

 

ドゴォォン!!!

 

 

ティア姉の必殺技『でこピン』だ。

 

俺はあまりの衝撃に一瞬で意識を失ってしまった。

 

 

暫くして、俺は意識を取り戻す。

何やら後頭部に柔らかいものがあるな。何だろうと思い目を開けてみると俺を膝枕し、髪を撫でながら此方を微笑んでいる天使がいた。

 

やっぱいつ見ても可愛いなちきしょー・・・・。

こっちまで無意識に笑顔になるじゃないか。

 

「あ、おはようございます。シューヤさん」

 

「おはようアーシア。どれくらい気絶してた?」

 

「20分くらいです。それにしても、今日もデコピンされたんですか?おでこがすごい腫れてます」

 

どれどれ? っ!? 痛い! ティア姉と修行する度に額が腫れてる気がするぞ! 鎧越しでこの威力なんだ、生身で受けたらどうなることやら・・・・。

 

俺は想像するなりブルッと体を震わせる。

 

「今治しますね」

 

アーシアが俺の額に両手をかざし神器で怪我を治していく。

 

ああ、温かくて優しい光だ。すごく気分が落ち着く。

 

俺は暫くの間、アーシアに膝枕をしてもらった。するとキッチンからエプロン姿のティア姉が俺達を呼び出す。

 

「二人とも、そろそろ朝食が出来るから食器を運んでくれー」

 

「ああ」

 

「はい、今いきます!」

 

ティア姉が使い魔になってから食事作りは当番制となった。失礼だが意外にもティア姉は料理が上手なのだ、流石はクローゼの奥さん。クローゼもティア姉のご飯が食べたいと叫んでたな、無理だけど。

 

 

 

 

 

 

オカルト研究部部室にて

 

「冗談じゃないわ!」

 

部長は眉を吊り上げて怒りを露にしている。

 

何故部長がここまで怒っているのかというと、原因はイッセーの依頼常連さんに対してだ。実はその常連さん、堕天使の総督らしいんだよ。その事に関してはほんとビックリだ。

 

堕天使総督━━アザゼルと言えば神器研究に熱心だと聞いているからイッセーの持つ『赤龍帝の籠手』を狙っているのだろうか。でも、仕掛けるタイミングはいくらでもあった筈なのに。

 

考え込んでいると、俺の膝の上に座っている小猫がお菓子をねだってくる。

 

「秋夜先輩、お菓子作ってきてくれましたか?」

 

「おう、持ってきたけど。よくこの雰囲気で食べようとするな」

 

「私はブレませんから」

 

何故かかっこよく聞こえるのは気のせいだろうか。実際は全然そんなことないのに。

 

それにしても、コカビエルとの戦いが終わってから小猫がかなり懐いてくれている。以前は仲が良くないとかではないんだけど膝の上に座ってくるほとではなかったな。不思議だ。まあ、嫌われるよりは全然いいんだけど。

 

 

隣に座っているアーシアとイッセーから痛いほど視線を感じる。

 

チラッと見てみると、アーシアは頬を膨らませ、イッセーは悔しさの涙を流している。何これ? イッセーはスルーだが、アーシアは可愛すぎるだろ。

 

ついつい頭を撫でてしまう。

 

「〜〜♪」

 

うん、喜んでくれて俺も嬉しいよ。

 

 

「コホン! えーっと、とにかく! 三すくみトップ会談がこの町で行われるとはいえ、私のかわいいイッセーに手を出すなんて万死に値するわ!」

 

先日のコカビエルの騒動で天使、堕天使、悪魔の三すくみの関係に多少なりとも影響を与えたため、一度トップ同士が集まって今後の関係について話し合うそうだ。

 

 

「やっぱり俺の神器を狙ってるのかな。堕天使の総督なんだろう?」

 

「大丈夫だよ。僕がイッセー君を守るからね」

 

不安がるイッセーに裕斗が真顔でそう言った。

 

それは仲間として………なんだよな? そうだよな?

 

「いや、あ、あの。う、嬉しいけどさ……。真顔でそんな事を男に言われると反応に困るぞ……」

 

「真顔で言うに決まってるじゃないか。君は僕の大事な仲間なんだ。仲間の危機を救えないでグレモリーの『騎士』は名乗れないさ」

 

確かに仲間を助けるのはいいけど、今の言葉は完璧に女子に向けて言うものじゃないか?

 

「大丈夫だよ。禁手となった僕の神器とイッセー君『赤龍帝の籠手』、それに秋夜君の『雷輝龍の籠手』の力を合わせればどんな危機でも乗り越えられる気がするんだ。………ふふ、僕はこんな暑苦しいことを言うタイプじゃなかったのに不思議と嫌じゃない。それに、胸のあたりが熱いんだ」

 

 

お、おいおい。イッセーはともかくさらっと俺も混ざってなかったか? ……それにこいつはもう確定だな。

 

 

「イッセー、よかったな。 裕斗はお前がお好みらしいよ」

 

「なっ、ふざけんな! 俺は男とイチャつく趣味はねえよ! だから俺に近づくな!」

 

「そ、そんな、イッセー君……」

 

シュンとなるんじゃない、裕斗。 俺は応援してるからさ。

 

「しかし、どうしたものかしら……。あちらの動きが読めない以上、こちらも手を出せないわね。 堕天使の総督。下手な接することができないわ」

 

部長が考え込んでいると、ドアの方から声が発せられる。

 

「アザゼルは昔から、ああいう男だよ、リアス」

 

全員が声の方へ視線を向ける。その先にいたのは部長と同じ、紅髪の男性だった。その男性を見ると、朱乃先輩、裕斗、小猫がその場で跪く。

 

え、なに? この人誰?……でも、どこかで見たことあるような………。

 

俺とイッセー、アーシア、ゼノヴィアは頭に疑問符を浮かべる。

 

「お、お、お、お兄様!」

 

部長が驚きの声をあげる。

 

お兄様!? ってことはまさか━━

 

「そこの君たちは実際には会うのは初めてだね。私は四大魔王の一人、サーゼクス・ルシファー。 そしてリアスの兄だ」

 

魔王様かよ! と、取り敢えず、自己紹介!

 

「は、初めまして。リアス・グレモリー様の『戦車』の如月秋夜です。 お会いできて光栄です。魔王様』

 

「は、は、初めまして! ぶちょ……じゃなくて、リアス・グレモリー様の『兵士』をしている兵藤一誠です。よ、よろしくお願いします!」

 

「わ、私はリアス・グレモリー様の『僧侶』のアーシア・アルジェントです! 宜しくお願いしましゅ! ……か、噛んじゃいました……」

 

「あなたが魔王か。初めまして、ゼノヴィアという者だ。 まさか聖書な記される魔王に会えるとは光栄だな」

 

俺に続いて3人も自己紹介をする。

 

それにしてもよく堂々としてられるよな、ゼノヴィアは。 でも、今まで敵だった種族の魔王にすぐ敬語を使えって方がむずかしいか。

 

「そんなに畏まらなくてもいい。 今日はプライベートで来たからね。くつろいでくれ」

 

俺たちはその言葉を聞いて少しリラックスした。

 

 

「ど、どうしてお兄様がここへ?」

 

部長が怪訝そうにして聞く。

 

俺もそれが知りたい。 なんで悪魔のトップがここにいるのか不思議でならない。

 

しかし、その答えは意外そのものまだった。

 

魔王魔が1枚のプリント用紙を見せる。

 

「何をいってるんだ。授業参観が近いのだろう? 私も参加しようと思ってね。 是非とも妹が勉学に励んでいるところを間近で見てみたい」

 

え、ええ……。 魔王様が授業参観って……。 まあ、妹である部長の姿を見たいのはわかるけども、なんかイメージと違う。 そう言えば、このプリントを見つけたティア姉も『行く!』 と、随分張り切ってたな。

 

 

「グ、グレイフィアね、伝えたのは」

 

「はい。学園からの報告はグレモリー眷属のスケジュールを任せられている私の元へ届きます。無論、サーゼクス様の『女王』でもありますので主へ報告致しました」

 

それを聞き、部長が嘆息する。

 

そんなに嫌なものか? 去年の授業参観は俺の両親が遠いところにいるから来れなかったな。 今頃父さんと母さんは元気だろうか。

 

「安心しなさい。父上もちゃんとお越しになる」

 

「そ、そういうわけではありません!仕事をほっぽりだしていち悪魔を特別視してはいけませんわ!」

 

「いやいや、これは仕事でもあるんだよ。三すくみの会談をこの駒王学園で行うことが決まってね。そのための下見でもある」

 

ここでやるのか!?

 

俺は驚いてしまう。いや、俺だけじゃない、皆が驚愕している。

 

「━━っ! ここで? 本当に?」

 

それは聞き返したいよな。だって自分達の通う学校で三すくみのトップが会談するんだもんな。

 

部長は再確認する。

 

 

「ああ。この学園ではどうやら何かしらの縁がありそうだ。 私の妹のであるリアス、伝説の赤龍帝、コカビエルを倒した創雷師、聖魔剣使い、聖剣デュランダル使い、魔王セラフォルー・レヴィアタンの妹が所属し、コカビエルと白龍皇も襲来してきた。これは偶然では片付けられない事象だ」

 

 

俺も同感だ。この短期間にいろいろな事が起こりすぎている。 前にクローゼが龍を宿すものは他者を惹き付けやすいって言ってたな。赤龍帝であるイッセーはともかく、俺も少しは影響を与えてるのか?

 

『(うむ、俺もそれなりに力のある部類だったからな。ドライグほどじゃないが、惹き付けてしまうだろう)』

 

勘弁してくれ……。 普通に来てくれるならまだしも、コカビエルみたいに強襲してくるようなやつは御免だ。

 

「さて、これ以上難しい話をしても仕方ない。うーむ、しかし、人間界に来たとはいえ夜中だ。こんな時間に宿泊施設は空いてるだろうか」

 

魔王様が頭を悩ませているとイッセーが提案する。

 

「あ、それなら俺の家に泊まりませんか?多分親も許可してくれると思いますし」

 

「そうかい? それならお言葉に甘えようかな」

 

魔王様がイッセーの家に泊まると聞いた部長の顔がすごいひきつっていた。

 

折角イッセーと二人っきりだったのに………って感じだな。 イッセー、ちゃんと気付いてやれよ

 

因みにイッセーの家は俺が住んでいるところから近い。ゼノヴィアも現在は俺とイッセーの家の中間地点辺りのアパートに住んでいるらしい。もちろんそこは、悪魔が経営してる。

 

 

 

イッセーと部長が魔王様を家に連れていき、俺とアーシアも家へと向かう。

 

「それにしても、魔王様が来るなんてなー。さすがにビビったわ」

 

「私もです。 ……緊張して噛んじゃいました」

 

「ははっ、あのときのアーシアは可愛かったよ」

 

アーシアは顔を真っ赤にする。

 

「もう、からかわないで下さい!」

 

いやー恥ずかしがるアーシアもたまらないな!

 

 

 

こんな感じでアーシアを弄り、それを楽しみながら今日を終えた。

 

 

 




裕斗「この胸の熱さ一体…」

秋夜「イッセーと一緒に居れば治ると思うぞ」

裕斗「ほんとうかい? じゃあ早速……」

一誠「おい、こっちに来るな! ただでさえ変な噂流されてるのに!」

秋夜「じゃあ、俺はアーシアとデートの約束があるから」

一誠「おいー!? このまま放置すんな!」

秋夜「……どうかお幸せに!」

一誠「いやぁぁぁぁ!!」

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