魔王様が来日してから数日
魔王様達はイッセーの家に泊まった次の日には出立したそうだ。折角人間界に来たから、町の下見をしたいということで、ゲームセンターやハンバーガーショップなどに行ったらしい。
冥界にはこういった娯楽施設があまりないそうなので、大層感心していたんだと。 近いうちに冥界にも作ると聞いたときはその行動力に驚いてしまったよ。
話が変わるけど、今日は日曜日。 しかし、俺達オカルト研究部は学校に向かうことになっている。
「アーシア、水着ちゃんと持ったかー?」
「はい! 楽しみですね、プール!」
「一番乗りで入れるんだもんな。 最高だ!」
そう。今日はプールに入れるのだ!
生徒会の頼みで、プールの掃除をする代わりに一番で使用してもいいという許可がでた。
道中で部長とイッセー、ゼノヴィアと合流したのでそのまま一緒に向かう。
「部長達の水着姿……!グフフ、想像しただけでも……」
「安定のスケベ度だな。 けどイッセー、もしもアーシアの事を変な目で見たら……わかってるよな?」
俺は最大級の笑顔をイッセーに向ける。
「ひぃっ!……も、もちろんそんな目で見ません!」
「そうか、それが聞けて何よりだよ」
これでアーシアを野獣から守ることが出きるな、安心安心。 それにしても、アーシアの水着はなんだろうな。当日まで秘密です! って、言われちゃったし。楽しみだな。
「さて、掃除をすぐ終わらせて早くプールに入りましょうか!」
『はい!』
皆がブラシを手に持ち、一斉に取りかかる。
中には手強い汚れや苔があったりして手間取ったけど、人数が多いとすぐに終わらせられる事ができた。
「裕斗、イッセー、後で競争しようぜ」
「それはいいね、受けてたつよ」
「へっ、泳ぎには自信があるんだ、負けないぜ!」
俺たちは女性陣よりも早く着替え終わったので先にプールサイドで待機している。
「待たせたわね、貴方達」
「うふふ、着るのに手間取ってしまいましたわ」
先に出てきたのは部長と朱乃先輩。 まず部長の水着は紅い髪とおなじ真っ赤な水着だ。しかも布の面積がかなり少ない。
朱乃先輩は、対極的な純白の水着だ。こちらも部長と同じく布の面積が少ない。
「おお! 二人とも、すごい似合ってます!」
おいイッセー、そういうのは顔を見て言え。さっきから二人の胸しか見てないじゃないか。
「あの、シューヤさん。私の水着どうでしょうか」
アーシアの言葉に俺は振り替えって水着を拝む。アーシアは学校指定のスクール水着を着ていて、胸に『あーしあ』と、平仮名で名前が書かれている。ここがとてもポイント!
さて、俺はアーシアから目が離せなくなってしまったぞ?おかしいな、頭では分かってるのに体がいうことを聞かないぞ。
「うぅ……そんなに見られると恥ずかしいです」
ぐほぁ!! な、なんだこの可愛さ爆発の生き物は!?
「ご、ごめん。 でも、凄く似合ってる。可愛いよ」
「えへへ、ありがとうございます。 小猫ちゃんも同じスクール水着なんですよ」
お、本当だ。 小猫もアーシアと同じでスクール水着を来ている。 胸の『こねこ』が、これまたポイント!
すごいぴったりだな、なんら違和感がないのが不思議だ。
「……何か失礼なこと考えませんでしたか?」
「いや、な、何も……」
小猫がジト目で俺に言ってくる。
そうだった、小猫は恐ろしいくらいに鋭いんだった。最近はさらに磨きがかかってる気がする。……気を付けねば。
「秋夜、貴方にちょっと頼みたいことがあるのだけれどいいかしら?」
「はい、なんでしょう」
部長からの頼み事とはいったいなんだ?
「そのままバタ足を続けてー。いいぞ、その調子だ」
俺は今小猫の両手を持って、バタ足練習に付き合っている。 部長に頼まれた事とは、小猫とアーシアに泳ぎを教えてあげることだ。アーシアは運動があまり得意ではないから予想出来てしまったが、まさか小猫も泳げないとは意外だった。
イッセーにも協力してもらおうかと思ったけど、あいつは部長に日焼け止めクリームを塗る使命があるらしい。
鼻血めっちゃ出してたな、あいつ。
「よし、もうちょっとで端だ。頑張れ!」
小猫の一生懸命な姿は見てて微笑ましいな。ついつい応援したくなる。
「小猫ちゃん、頑張ってください!」
横ではアーシアも応援してくれている。因みに教えるのは交互でやっていく。最初に小猫、その次にアーシアだ。
「ぷはー。……先輩、付き合わせてしまってゴメンなさい……」
小猫が申し訳なさそうに言ってくる。
「可愛い後輩のためなんだ、このくらいお安いご用だよ。 それに、普段は俺にお菓子ねだってくるのに今更遠慮なんていらないだろ」
本当にこれくらい何ともないんだけどね。そんなこんなでプールの端まで到着した。
「はい、到着っと」
バタ足で泳ぎきった小猫が勢い余って俺にぶつかってしまう。 端から見れば、これは抱き合ってるように見えてるかもしれない。 やばいなこれ。
「……秋夜先輩は、強くて、優しいですよね。……それに、守ってくれます……」
お、おう? すごい誉められたぞ。 それに小猫の顔が若干赤い。25mを泳ぎきったからか、何気泳ぐのも疲れるよな。
「優しいかどうかはわからないけど、俺は強くないよ。いつもギリギリの戦いで、勝ててるのが不思議なくらいだ。けど、俺はこれからも全力で皆を守るよ」
俺は小猫の頭を撫でながらそう言う。
妹がいたらこんな感じなのだろうか。何というか、保護欲が引き立てられるという感じだ。 って! 俺ずっと抱きしめたままじゃん! このままだとアーシアに━━
「シューヤさん!! 小猫ちゃんだけずるいです!!!」
あ、あれぇ? 怒るとこそこなの? 普通は違う女の子を抱きしめたとこを怒るんじゃないのかな……。
「じゃ、じゃあ、次はアーシアだな」
アーシアにも泳ぎ方を一通り教えた。 アーシアが泳ぎに慣れるのが思ったよりも早くて驚きだ。この調子なら後一時間もあれば泳げるようになりそうだな。
「……きゅぅぅ、疲れましたぁ」
今は休憩時間でプールサイドに敷いてるビニールシートにアーシアが寝そべっている。 俺と小猫もプールから上がり、その上に座り込む。
教えるだけと思って甘く見ていたけど、結構疲れるものだ。 つい張り切って何周もしちゃったからな。悪魔になって鍛えまくったつもりなんだけど、まだまだだな。
チラッと奥の方を見ていると、何やら怪しい手つきのイッセーが、部長と朱乃先輩の体にクリームを塗りたぐってる。 ほとんど本能で動いてる感じだな。うん、エロい。
「「……すー、すー」」
「あらら…」
気づいたら二人が俺の膝を枕にして眠っていた。
一生懸命だったからな、疲れてて当たり前か。 お疲れ様、二人とも。
俺はそっと二人の頭を撫でる。 そのまま暫く二人の寝顔を眺めたり、裕斗と話したりしていると、プール用具室の中からゼノヴィアに手招きされるのに気付く。
あいつ、あんなところで何してるんだ?
俺はアーシアと小猫を起こさないようにそーっと頭を持ち上げて、その下にタオルを置く。
「ゼノヴィア、こんなところでどうしたんだ?」
「うん。初めての水着だから、着るのに時間がかかった。 似合うかな?」
「ああ、その水着とても似合ってるよ」
ゼノヴィアは照れてるのか顔を少し赤くする。
「突然なんだが、秋夜に折り入って話があるんだ」
「?なんだ?」
「私と子作りをしてくれないか?」
……ん? は? え?
「ごめん、もう一度お願い」
ゼノヴィアは怪訝そうな顔をし、咳払いをしてもういちど言う。
「秋夜、私と子作りをしよう」
……こ、こ、子作り? 子作りって━━
「子作りぃぃぃ!? 」
「うん。私は以前までは教会側の人間だった。しかし、現在は悪魔。 何をすればいいかわからず、現主であるリアス部長に尋ねてみたら『悪魔は欲に忠実な生き物だから好きに生きればいい』と、教えてくれたんだ」
な、なるほど。 それでこんな事を言い出したのか。
「というわけだ。子作りをしよう」
「何も解決になってねえよ。 てか、なんで俺なんだ?イッセーや裕斗だっているだろう」
「確かに二人もいい男だ。しかし、私は、私を負かせた君に惹かれているんだ。それに、君は神滅具に匹敵する神器━━龍を宿している。 生まれてくる子には強く育ってほしいからな。ドラゴンのオーラを持つ君がいいんだ」
ど直球にそんなことを言うんじゃないよ。 それに、ゼノヴィアを負かせたって……まさか、あの手合わせの時か? あの一度で俺に決めたのか……。
「ゼノヴィアの気持ちは嬉しいけど、俺にはアーシアがいるんだ。だから子作りは出来ないぞ」
「安心してくれ、私は愛人の立場でも構わない」
「いや、俺がよくねえよ!」
なんなんだこの娘は! もう止まらなくなっちゃってるよ!
「大丈夫だ、痛くはない。すぐに気持ちよくなるさ」
ゼノヴィアが俺に迫ってくる。 俺はじりじりと後ろに下がっていくが、壁に当たってしまう。そのまま顔を近づけてくる。
「ちょ、ストップ、ストップ!」
しかしゼノヴィアは止まらず、俺の唇へと迫ってくる。
俺はゼノヴィアの頭を両手で押さえつけ離そうとするが、何ともバカげた力でグイグイ来る。
なっ!? 『戦車』の力を使ってるんだぞ!? なんて力なんだよ!!!
あと数センチでキスされそうになったその時
ガラガラガラ!
「シューヤさん、何してるんですか……?」
「……先輩、見損ないました」
アーシアと小猫が入ってきました。
ははっ、俺、終わった……。
その後、小猫が俺をゼノヴィアから引き剥がし、持ち上げてそのまま外へ放り投げ、アーシアにビンタ+止めの小猫からの腹パンで俺は気を失いました。
目が覚めた瞬間に二人に事情を説明&土下座をすることでなんとか許してもらう事ができた。本当に良かった。まじで良かった。
まさか、ゼノヴィアがあんなに大胆だったとは……。もしこれからも続くことになったら俺死んじゃうかも…。
俺は憂鬱になりながら制服に着替えた。
裕斗「今日、僕全然出なかったなぁ…」
秋夜「ゆ、裕斗、次は出るって!…たぶん」
一誠「そ、そうだぞ木場! きっと出るから!…うん、きっと」
裕斗「うぅ、僕だって秋夜君やイッセー君と居たかったよ」
秋夜「なんか危険な方に聞こえるのは気のせいか?」
一誠「いや、俺もそう聞こえた…。木場、近づくなよ?」
裕斗「そ、そんな! イッセー君、秋夜君!」