雷龍を宿しました。(休載)   作:Takari

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今回は雷切との会話をメインにした番外編にしてみました!

因みにオカ研メンバーはほぼ出てきません。



では、どうぞ!


番外編1 ロリっ娘 雷切ちゃん

心地いい風が俺の体を通り抜ける。

 

今は夏のはずなのに、あの体力をじわじわと奪い取ってくる日光が襲いかかってこない。

 

それどころか、春のようなぽかぽかした陽気な日差しが俺の心を癒してくれる。

 

あぁ、気持ちいいなぁ・・・。このままずっと寝ていられる・・・。

 

 

「━━━で━━━よ」

 

 

ん?

 

誰かが何かを言っているような気がするが、言葉が途切れ途切れでよく聞き取れない。

 

 

「い━━━で━━んのよ」

 

 

うぅん・・・・。

 

もうちょい静かにしてくれると嬉しいんだけど。

 

 

「だーかーらー! いつまで寝てるのよッ!!」

 

 

「ぐほぉッ!?」

 

 

どこの誰だか知らないが、俺は目覚めの一発で腹を思い切りどつかれて一気に眠気が吹き飛んでいった。

 

うぐっ、み、鳩尾はダメだろ・・・・!

 

俺は腹部の痛みに若干涙目になりながら目を開ける。

 

その視線の先にいたのは、白いワンピースに身を包み、桃色の髪を肩より少し伸ばした可愛らしい少女だった。見た目は小学生くらいだろうか?

 

━━━って、だれ・・・・?

 

俺が目の前にいる謎の少女に困惑していると、彼女は桃色の髪をくるくると指で弄りながら溜め息をつく。

 

「はぁ・・・。久しぶりに気の合う使い手と出会えたと思ったのに、まさかこんなお子様だったなんて。・・・・まあ、多少顔は好みだけど・・・」

 

「ええっと、ごめん。まったく状況が読み込めないんだけど・・・。君は一体だれだ? そこにここ、雲の上・・・・だよな?」

 

とにかく、わけがわからなすぎる。

 

気持ちよく寝ていたら女の子に腹をどつかれて目を覚まし、いざ辺りを見てみると下に広がるのはふわふわで真っ白な雲。そして、雲の上にいるせいか上を見上げてみると曇り1つない晴天に覆われている。

 

俺の言葉を聞いた少女は桃色の髪を弄っている手を止め、高圧的な態度から一転、目に涙を浮かべて今にも泣きそうになる。

 

「うそ・・・・私のこと、忘れたの?」

 

「え、ちょ、ごめん! 思い出すから!すぐ思い出すから泣かないで!」

 

俺は頭を捻り必死になってこの娘のことを思い出そうとする。

 

や、やばい! まじでわからん! 俺とこの娘っていつ出会ったんだ!? 女の子を泣かせたなんてシャレにならないぞ!!

 

 

 

 

「・・・・ぷっ! アハハハハッ!!」

 

俺の様子を見ていた少女が、先程の顔が嘘だったかのように突然笑い出す。

 

 

「え・・・・?」

 

 

「アハハハッ、ひーお腹いたいっ! あなたの反応面白すぎ!」

 

 

こ・・・・

 

 

こ、このクソガキィィィ!!

 

嘘泣きぶっこいてたのかよ! 本当に忘れたと思って焦ったじゃねぇか!

 

 

俺はなんとか怒りを内側に留めて頬をひくつかせながら少女に質問をする。

 

「お、俺の名前は如月秋夜って言うんだ。君の名前は?」

 

「ふう、笑い疲れた・・・・。━━━ん? 私? 私の名前は雷切」

 

「へえ、雷切か、変わった名前だな。・・・・・・・ん? 雷切?」

 

俺は彼女の名前である雷切という言葉に引っ掛かる。

 

 

らいきり・・・・・・・らいきり・・・・・・。

 

 

・・・・雷切って。

 

 

「雷切ィィ!?」

 

それって俺の体に入り込んだ刀の名前だよな!? でもこいつどう見ても人間じゃん!

 

ってか、雷切って女の子だったのか!?

 

た、確かにアスカロンを見たときにカッコいいとか思ったら嫉妬したみたくビリビリ雷出してきたけど!

 

女々しい刀だなぁ・・・・とか思ったけど!!

 

ま、まさか・・・・本当に乙女だったとは・・・・。

 

「いちいちうるさいわねぇ。━━━ええそうよ、私は雷切。あなたが持つとっても綺麗な刀よ」

 

俺はあまりの事で開いた口が閉まらないでいた。

俺の反応がお気に召したのか、彼女━━━雷切はイタズラな笑みを浮かべてはっきりとそう言った。

 

「そ、それじゃあ、ここはお前の世界みたいなものなのか?」

 

「正確には私とあなたの共有の世界なのだけど、まあ今はそれでもいいわ。━━━それよりも!私はあなたに言いたいことがあってわざわざここに連れてきたのよ!」

 

「俺に?」

 

はて、何か言われるようなことでもあったか?

まったく検討がつかない。

 

雷切はビシッと俺に指を差す。

 

「私のこと全っ然使ってくれないじゃない!ずーーーっと待っても一向に出してくれる気配はないし!

昨日出してくれたと思ったらロープを斬るだけって・・・・・・私は便利なナイフじゃないのよ!!

あなたは自分の拳で殆ど戦うから尚更出番が来ないのよ!もっともっと私を使いなさいよぉぉぉ!」

 

ここまで息継ぎなしに言い切った雷切は、ぜえっ、ぜえっと息を乱している。

 

あー、つまり、俺に文句を言いたかったのね?

 

今思い出してみれば確かに全然使ってなかったなぁ。いつかは使おうと思ってたんだけど、なかなかその機会が来なくって出し損ねちゃったんだよな。

 

「それは、完璧に俺が悪かった・・・。でも、使おうとはしてたんだぞ? その相手がなかなかいなくていつまでも待たさせちまったな。これからは気を付けるから、許してくれないか?」

 

俺は申し訳ない気持ちで一杯になり、つい雷切の頭を撫でる。

 

「な、な、な、何子供扱いしてるのよー! わ、私はこれでもあなたよりも年上なのよ!?」

 

顔を真っ赤にさせて両手をブンブン振り回しているが、俺の手を退かそうとしないのは一応そこまで嫌われてはいないってことなのか?それなら嬉しいんだけど。

 

この娘が年上って言っても違和感しかない。そりゃあ、俺が生まれるずっと前に作られたんだろうけど、この見た目と性格のせいでただの子供にしか見えない。

 

「そうだなー。雷切は大人だもんなー。いい子いい子」

 

「全然わかってないじゃない! もう!怒るわよ!!」

 

おっと、さすがにやり過ぎたか。見た目は子供でもこれは失礼だよな。

 

しかし、撫でている手を雷切の頭から離すと『あ・・・』と名残惜しそうな表情をして声を漏らす。

 

 

「も、もっと・・・・・・」

 

 

「ん?」

 

雷切が下を俯きながらぼそっと何かを呟いたが聞き取れず、俺は首を傾げる。

 

 

「・・・・だ、だから、もっとやりなさいよ・・・・」

 

「━━━っ、お、おう」

 

頬を染めて恥じらいながら俺の目を下から見上げてくるその姿に、不覚にも俺はドキッとしてしまった。

 

 

バ、バカか俺は! 見た目小学生な刀になに動揺してんだよ!

 

俺にはアーシアっていう女神がいるだろうが!こんなところ見られてたら確実に泣かれてるわ!

 

 

俺が頭を抱えていると、雷切は体を小さく揺らしてまだかまだかと期待の目で見てくる。

 

こうも期待されると逆に撫でづらいんだよな。でもOKしちゃったし。やらなきゃだめだよな・・・・。

 

 

ぽふっ、なでなで

 

 

「はぁ。・・・・・これでいいのか?」

 

「んー、まだダメ〜」

 

雷切は気持ち良さそうに目を細める。

 

こいつの髪、アーシア程じゃないけど結構さらさらしてて撫で心地が良いな。

 

なんか癖になりそうかも。

 

 

それから暫く、雷切からお許しが出るまで頭を撫で続けた。ここに時計なんてものががあるはずもなく、どれくらい撫でていたのかわからないが30分はやっていたような気分だ。

 

 

「・・・・頭が高いぞぉ・・・・むにゃむにゃ・・・・」

 

 

 

・・・・・おかしいな。いつの間にか俺がこいつに膝枕をしているじゃないか。まあ、なんだかんだで俺も楽しくなってたんだけど。

 

というか、頭が高いぞって・・・・。一体どんな夢を見てるんだよ。

 

俺の膝でおねんね中の自称『大人の女』の頭をそっと撫でながら苦笑いをする。

 

━━━ってか、これどうやって元の世界に戻れるの?

神器に潜る時はクローゼが許可しなくても、心のなかで思うだけで出入り出来たけど。この世界で『戻れ』と、強くて念じても何も変化が起きない。

 

雷切が起きたら訊いてみればいいか。

 

俺はそう結論付けて、こいつが起きるまで待つことにした。

 

それまでの間は綺麗な空を見上げていたり、雲の感触に驚いたり、うとうとしたりと、暇な時間を潰している。

 

「・・・・んにゅ・・・」

 

奇妙な声を出すと共に目を覚ます雷切。

今こいつは俺の膝を枕にして仰向けに寝ているため、目覚めて早々俺とばっちり目が合う。

 

「お、やっと起きた」

 

「あれ、私・・・・寝てたの・・・・?」

 

雷切はまだ寝ぼけているのか意識がはっきりとしていない。しかし、俺の顔を見て次第に顔を赤く染め上げていく。

 

「え、うそ、もしかして・・・・私の寝顔・・・・」

 

「随分と気持ち良さそうに寝ていたぞ? レディが男を前に無防備で寝るのはさすがに良くないと思うけど」

 

雷切は自分の寝顔を見られるのが余程恥ずかしいのか、耳まで真っ赤にさせてプルプルと震える。

 

 

「こ、この・・・・・・・」

 

 

「え?」

 

 

雷切の体から雷が迸る。

その量はどんどん増えていき、しまいには彼女の体を包み込むほどになっていく。

 

 

「ちょ、ちょっと待っ━━━」

 

 

「へんたぁぁぁぁぁぁぁいっ!!!」

 

 

ピシャァァァァッ!!!

 

 

溜められた雷を一気に解放して、落雷が俺に襲いかかる。

 

 

「うそぉぉぉッ!?」

 

 

 

 

 

 

「ご、ごめんなさい・・・・」

 

「き、気にすんなって! 俺も咄嗟に神器でバリア貼ったから怪我はしてないし」

 

雷切は親に怒られた子供のように少し怯えた様子で俺に謝ってくる。『特に外傷もないし気にするな』と何度も言っているのだけど、それと同じくらい『ごめんなさい』と言い返してくる。

 

今にも泣きそうな顔をしている雷切に、俺はどうしたもんかと頭を悩ませる。

 

原因は俺でこいつは悪くないんだけどなぁ。━━━とにかく、落ち着かせることを第一に考えよう。

 

「なあ、雷切。俺が最初に意地悪なことを言ったのが悪いんだから、雷切はそこまで謝らなくていいんだぞ?」

 

「で、でも・・・・あなたに雷を使ったのよ? 使い手であるあなたに・・・・・・」

 

「俺は気にしてないってば。それに、少しくらいやんちゃな方が俺としても楽しくていいよ。無口で従順なやつより、俺は明るくて、ちょっと我が儘な所がある雷切の方が好きだ」

 

これは嘘偽りのない事実だ。

 

ファーストコンタクトが最悪だったけど、根は優しくてまんま子供みたいな反応をしてくる感情豊かなやつだ。

 

俺の言葉を聞いた雷切は、ボフンと音が鳴るほど顔を真っ赤にさせる。

 

「ふぇっ!? す、好き!? で、でも私は刀だし・・・・!」

 

「刀とか人とか関係ないだろ?」

 

「だ、だって、見た目も子供だし・・・・・・我が儘だし・・・・・・それに、それに・・・・」

 

雷切は両手の人差し指同士をくっつけて、もじもじしながら視線をあちこちに泳がせる。

 

俺は真っ直ぐと雷切を見据える。

 

 

「雷切」

 

 

「は、はい!」

 

 

名前を呼ばれた雷切は勢いよく返事をして、体を強張らせる。俺はそれがどこかおかしくて、微笑んで彼女の頭を撫でる。

 

「俺は伝説の聖剣や魔剣なんかいらない。雷切・・・・・・・俺はお前がいい。お前じゃなきゃ嫌なんだ」

 

「・・・・・・・うぅ、ずるいよ、そんな事言うなんて・・・・」

 

ああ、確かにずるい言い方だったな。 でも、うそなんかついてない。

 

ミカエルさんから渡されて初めて雷切に触れたとき、キザっぽくなるけど本当に運命だと思った。言葉には言い表せない感覚だったんだ。

 

「雷切は俺じゃ嫌だったか?」

 

「いや・・・・じゃない。私もあなたが、秋夜がいい!他の人になんか使われたくない!」

 

雷切は首が取れるんじゃないかと思うくらい横に振る。

 

「そっか、それが聞けて安心だ。なら俺達は今日からパートナーだ!悪魔の寿命は一万年あるらしいから長い付き合いになるけど、よろしく頼むぜ」

 

俺はしゃがんで目線を合わせて手を差し出す。

雷切もそれに答えるように挑戦的な笑みを浮かべて、白く小さな手で俺の手をしっかりと握る。

 

「これまでに私を道具として使ってきた人は数え切れない程いたけど、秋夜は違った。私を1人の女の子として見てくれた・・・・すごく、嬉しかったの。━━━だから、お礼に仕方なく秋夜に力を貸してあげるわ!ありがたく使いなさいよね!」

 

「ああ、思う存分使ってやる!だから楽しみにしててくれ、相棒!」

 

 

二人で笑いあって、俺の意識は途絶える・・・・・。

 

 

 

 

 

 

ピリリリリリッ

 

 

アーシアの小さな寝息だけが聞こえる静寂な空間に、目覚まし時計のアラームが鳴り響く。

 

 

「・・・・・夢・・・・・じゃないよな・・・?」

 

 

あの不思議な世界での出来事が、今でもはっきりと思い出せる。俺よりも年上だけど何故か子供っぽい桃色の髪をした可愛らしい少女。そして、俺の大切な相棒。

 

 

「・・・・・もっと刀の使い方練習しとこ・・・・・」

 

 

俺は誰に言うわけでもなくポツリと呟く。しかし、それに答える者がいた。

 

 

『(いい心がけね、関心関心)』

 

っ!? その声、雷切か!?

 

『(ついさっきまで一緒にいたでしょ。もう忘れちゃったの? ━━━私の相棒さん?)』

 

その声の主は他でもない。雷切本人のものだった。この口調、姿さえ見なければ大人の女性を連想させるような甘い声。

 

でも、なんで話しかけられるんだ? クローゼならともかく、雷切も話せるなんて知らなかった・・・・・。

 

雷切は呆れるように言う。

 

『(もう、それも忘れたの?私は秋夜の体に同化したじゃない。だから話しかけるなんて造作もないわ)』

 

『(こ、これは驚いた・・・・・! まさか本当に人格があったとは・・・)』

 

クローゼは俺達がいたあの世界に入ることが出来なかったそうで、雷切が会話してきたことにとても驚いていた。

 

『(あなたが秋夜の使う雷の持ち主のクローゼ?)』

 

『(いかにも。俺は雷輝龍のクローゼだ。よろしく頼む・・・・・・・・と、言いたいところだが1つだけ訂正させてもらおう)』

 

ん?何か間違えたところあったか? どれもその通りだと思うんだけど。

 

『(何かあるの?)』

 

雷切が怪訝そうにクローゼに訊く。

 

『(ああ。それはだな・・・・・・・・俺こそが主の相棒だということだ!! これだけは何があっても譲れん!!)』

 

ええぇぇ!? そこ!?

 

『(そんなのダメよ!秋夜は私の相棒なの!これは決定事項なの!)』

 

『(なんと我が儘なッ! いいか? 俺の方が主よりも長く、そして深い絆で結ばれている!)』

 

クローゼが胸を張るように自慢気にそう言うが、雷切は鼻で笑う。

 

『(ふっ、時間なんて関係ないのよ。大事なのは二人の相性と信頼。あなた、秋夜から相棒だって面と向かって言われたことある? 私はちゃんとあるわよ!)』

 

『(な、なにっ! 主よ、それは本当か!?)』

 

え、まあ、言ったけど・・・・・。

 

俺はクローゼの圧力に気圧されながらも答える。

 

『(ぬおおおおおおおッ! 何故だ! 何故この小娘だけに!!)』

 

『(これで決まったわね。私が真の相棒よ! ね、秋夜?)』

 

ね?って言われてもなぁ・・・・・。俺は二人とも大事な相棒だと思ってたんだけど、それじゃあダメなのか?

 

『(ダ、ダメって訳じゃないけど・・・・・。その、秋夜のパートナーは私だけがいいなーって・・・・思って・・・・)』

 

最後らへんがゴニョゴニョしてて聞き取れなかったけど、決してダメじゃないんだな?

 

よし! ならクローゼも相棒だ!

 

━━━ってか、俺は言わずとも相棒なのかと思ってたんだけど・・・・・・。まあそれは言わないでおこう。

 

『(うぅっ、ありがとう主!いや、相棒!俺は一生着いていく!)』

 

『(むぅ・・・・)』

 

クローゼ、喜んでくれたなら俺も嬉しいよ。

雷切はそんなにむくれるんじゃない・・・・・・後で頭撫でてあげるから。

 

『(ほんとう!? やった!)』

 

じゃあ、今度あの世界に行ったときにな。

 

俺は一息入れて二人に言う。

 

━━━これなら創る方の『創雷師』じゃなくて、クローゼと雷切の二人だから二つの意味の『双雷師』の方がしっくりくるな。

 

『(おお、確かに良いな)』

 

『(悪くは無いわね)』

 

だろ? 読み方が同じならこっちの方がいいよな。後でアザゼル先生に頼んで広めて貰おうかな。

 

まあ、とにかく

 

これからは二人の力をたくさん貸りることになると思う。訳のわからんテロリストとか、レーティングゲームとか数え切れないくらいにな。

 

 

・・・・・・それでも、俺と一緒に戦ってくれるか?

 

 

不安なわけではないのだけれど、それでも少し緊張してしまう。

 

『『((はぁ・・・・))』』

 

先程のケンカがウソと思えるほど息ぴったりに溜め息をつく。 え、え? なんで?

 

 

『(そんなこと言われずとも戦うに決まってるではないか。俺達がそんな薄情に見えるか?)』

 

 

『(まったくだわ。私たちはあなたの相棒なのよ?力なんて惜しみ無く貸してあげるに決まってるじゃない)』

 

 

クローゼ・・・・雷切・・・・。

 

 

やべぇ、ガチ泣きしそう・・・・俺ってつくづく幸せ者だよ・・・・。

 

 

俺は目尻に溜まりそうになる涙を必死に堪えながら、中にいる二人に感謝する。

 

 

俺・・・・・・お前たちと出会えて本当によかった・・・・。

 

 

初めてクローゼを認識したときは正直、怖かった。なんで俺の中にドラゴンがいるんだろう・・・って。でも、クローゼは俺のために修行してくれたり、話し相手になってくれた。・・・・・・心の支えになってくれた。

 

 

『(主・・・・)』

 

 

雷切は、女の子だと知ったときには驚いたもんだ。あの『美しい』の一言に尽きる刀が、『可愛い』になっちゃうんだから仕方ないよな。大人ぶったり、子供みたいに甘えてきたり、拗ねたり、本当の妹のようだよ。

 

 

『(い、妹・・・・・・。どうせなら、彼女でも・・・・・)』

 

 

今はまだなんとか相手と戦えてるけど、いつかは壁にぶち当たる。

 

だから、その時までにお前たちの力を少しでも引き出せるように、頑張るよ。

 

 

『(・・・・・・主なら・・・・もしかしたらあれを・・・・)』

 

 

クローゼはボソッと、それこそ魔力で聴力を強化しなければ聞きとれないくらい小さな声で呟いた。

 

俺はそんなことには気づかず、話を進める。

 

 

よし、そうと決まれば早速ティア姉と特訓してくる!

 

『(ああ。今度は一本とって見せよう)』

 

『(私がいるから楽勝よ!)』

 

俺は二人の心強い言葉を聞いて、自然と笑みが零れる。

 

 

二人がいるなら、俺はどんな相手でも勝てる気がするな。

 

 

 

俺はそんなことを思いながら、すやすやと寝ているアーシアを起こして朝の修行を努めた。

 

 

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