雷龍を宿しました。(休載)   作:Takari

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2話 温泉と初弟子

 

 

突然俺達を襲いかかってきたドラゴン。

 

その正体は、元龍王の『魔龍聖《ブレイズ・ミーティア・ドラゴン》』だった。

 

その口から放たれるブレスは隕石にも匹敵するほど。

 

“元”龍王というのは、昔悪魔に転生したからだそうだ。今は最上級悪魔として他のドラゴンのために活動をしているらしい。

 

そんな伝説級のドラゴンを転生させるとなると、相当な実力者じゃないと無理になってくる。

それこそ、魔王様レベルでないと・・・・・・・。

 

 

「タンニーンには、お前らの修行のために力を貸してもらったんだよ」

 

「ふん、サーゼクス殿の頼みだから来てやったのだ。そこのところを忘れるな、堕天使の総督殿」

 

タンニーンさんの厳しい言葉にアザゼル先生はやれやれと肩を竦める。

 

「それにしても、久しいな。ドライグにクローゼ」

 

『ああ、懐かしいなタンニーン』

 

『タンニーン、会うのはいつぶりだろうな』

 

おおう・・・。 二天龍との会話の次は、天龍と元龍王との会話かよ。

 

ここにティア姉も参戦すれば・・・・・・・いや、それはないか。ティア姉はドライグが嫌いだって言ってたし。

 

「クローゼ、お前の宿主は相当鍛えられているな。俺の翼がボロボロだぞ」

 

タンニーンさんは翼を広げてその被害の大きさを見せつけた。

 

俺はそれを見て顔をどんどん蒼白にしていき、頭を全力で下げる。

 

「す、すみません! 必死だったので・・・・・・・つい!」

 

『謝ることはないぞ、主よ。タンニーン程の実力者なら、このくらいの傷はすぐに治る』

 

「ははははっ! その通りだ、このくらいどうということはない。気にするな!」

 

タンニーンさんは特に気にした様子もなく、笑って許してくれた。

 

この人━━━あ、ドラゴンか・・・・凄く豪胆というか、正にドラゴンって感じがする。

 

 

「みんな、怪我はない? ━━━ごめんなさい。あなたたちを騙すよう真似をして・・・・・。私は反対したのだけど、お兄様まで賛成しちゃって」

 

部長が申し訳なさそうにそう言う。

 

ははは・・・・・。 やっぱ部長がこんな危険なこと提案するはずないよなぁ。

 

いくらなんでも龍王を引っ張り出してくるのはやり過ぎな気がするんだが・・・・。

 

「不意を突かれてどこまで対処できるのか、ちゃんと確認しておきたかったんでな。お陰で今後の方針が決まったよ」

 

アザゼル先生の言葉に皆は思うところがあったのか、それぞれ難しい表情をしている。

 

「堕天使が考えそうなことですわ」

 

「俺はお前らを強くするためにどんな方法でも使う。━━━なにしろ、先生だからな」

 

朱乃先輩は不快そうな目でアザゼル先生を見るが、当の本人はまったく気にしていない。

 

 

はぁ・・・・。

 

気づいてたなら教えてくれてもいいじゃないか、クローゼ。

 

本気で死ぬかと思ったんだからな?

 

『(ははっ、すまんな。どうせなら主に、ティアマット以外のドラゴンとの戦闘経験をさせたかったんだよ)』

 

クローゼは何の悪びれもなくそう言う。

 

タンニーンさん、あれでどれくらい力を出してたと思う?

 

『(うむ、前半はまったく力を出していなかったが、雷切の力を使ったときに4割くらいは本気で防御していたと思うぞ)』

 

俺はその数値を訊いて目を丸くさせる。

 

え、4割も本気出させることが出来たのか?

ティア姉相手にあれくらいの雷撃放っても軽く相殺されたんだぞ?

 

『(まあ、ティアマットは龍王最強と言われているからな。その中でも少しくらい力の差はあるのだろう。━━━━主に限って無いとは思うが、くれぐれも慢心だけはしてくれるなよ? )』

 

クローゼが心配そうにそう言ってくる。

 

ああ、それくらいわかってるよ。

 

あの一撃だって、タンニーンさんが油断してたから当たったもので、本来は避けれてたはずだ。

 

俺は自分の力不足を改めて痛感する。

 

 

部長は疲れきった俺達を見て微笑む。

 

「とにかく、そんな汚れた姿じゃ家に連れていくわけにも行かないわね」

 

 

 

 

 

 

俺達は戦いでついた泥やブレスで付いた煤などを洗い流すために、グレモリー家が所有している温泉にいる。

 

俺は鎧を纏ってたから汗を流すだけなんだけど・・・・。

でもまあ、そんな細かいことはいっか。

 

 

何てったって露天風呂なんだから!

 

 

俺と祐斗とイッセーは頭にタオルを乗せて、横一列になって広い温泉に浸かっている。

向かい側でアザゼル先生も同じく頭にタオルを乗せて鼻歌を歌いながら浸かっている。

 

 

「気持ちいいな〜」

 

 

「気持ちいいね〜」

 

 

「気持ちいいぜ〜」

 

 

今、俺達は実に気の抜けた顔をしていると思う。

 

 

でもそれは仕方ない・・・・・・・だって、こんなにも気分が安らぐんだもの。

 

 

『(いいなぁ・・・。私も入りたい・・・)』

 

 

俺の中にいる雷切が羨ましそうに言う。

 

 

いやぁ、実に気持ちいいよ。 実体化できたら入れさせたいんだけどなぁ。

 

 

『(ぐぬぬぬ・・・! いいわよ! 私は温泉なんかに入らなくても平気だわ!)』

 

 

そうか?

 

なら雷切の分までこの温泉を味わっておくよ。

 

 

『あぁ・・・・・うぅ・・・』

 

 

俺は雷切を弄って遊んでいるとクローゼが呆れたように溜め息をつく。

 

 

『(はぁ。主、雷切がそろそろ泣きそうだから止めてあげてくれ・・・)』

 

 

ははっ、わかったよ。

 

 

 

そのあと、雷切に謝って『後でこっちに遊びに来てよね!』と言われたので軽く返事をして一件落着となった。

 

 

俺は垂れてきた前髪をかき上げて、イッセーと祐斗に気になっていたことをぶつける。

 

 

「ところで、なんでギャスパーは入り口のところでウロウロしてるんだ?」

 

「さ、さあ?」

 

「ったく、何してんだあいつ。俺が呼んでくるよ」

 

イッセーは立ち上がってギャスパーの元へ行き、手を掴んで引っ張る。

 

「キャッ!」

 

ギャスパーは何とも可愛らしい悲鳴をあげる。

 

「・・・・お、お前変な声出すなよ! それに男ならバスタオルを胸の位置まで羽織るんじゃねえよ! 普段から女装してるから、こっちまで戸惑うって!」

 

「そ、そんな、イッセー先輩は僕のことをそんな目で見ていたんですか・・・・?」

 

 

ギャスパーは頬を赤く染めながらそう言う。

 

 

え、マジ? イッセーって男でもいける口なのか?

 

 

「イッセー、いくら男の娘だからって、やっていいこととダメなことはあるからな?」

 

「ぼ、ぼくもさすがにそれはどうかと思うよ」

 

俺と祐斗はギャスパーの腕を強引に引っ張るイッセーに、若干引き気味に言う。

 

「違うからな!? 俺はそんな異常な性癖持ってない!!━━━━いい加減、お前も入りやがれッ!!」

 

イッセーは嫌がるギャスパーを無理やり持ち上げて、湯に向かって放り投げる。

 

 

ドボ━━━ンッ!

 

 

「いやぁぁぁぁん! あっついよぉぉぉ! イッセー先輩のエッチィィィィィッ!」

 

湯に沈んだギャスパーは、水柱を立てるほど勢いよく飛び出す。

 

 

ったく、何やってんだか・・・・。

 

 

俺は顔まで飛んできた水しぶきを手で拭き取る。

すると、向かいで湯に浸かっているアザゼル先生が徐に口を開く。

 

「ところで秋夜」

 

「・・・・何ですか?」

 

その顔が実にいやらしかったので、俺は嫌々返事をする。

 

「お前アーシアの胸を揉んだことはあるか?」

 

「何ですか急に?」

 

先生からの質問に即答で質問で返す。

 

なんなんだこの人は・・・・。

 

いきなりにも程があるだろ。

 

「お前ら二人は付き合ってるそうだからな。一体どこまで進んだのか気に思ったんだよ」

 

「はぁ、そんなことバカ正直に答えるわけないじゃないですか。先生に言った次の日には広められますよね?」

 

俺が頑なに答えないようにすると、先生はつまらなそうに舌打ちをする。

 

「ちぇっ、つまらねえな。俺はお前に胸の良さを伝えてやりたいぜ。 胸はな、それこそ無限の可能性を秘めているんだぞ!」

 

いや、そんなの知りませんよ。

 

「ってな訳で、お前とついでにイッセーを楽園へと連れていってやるよ」

 

そう言って先生は、俺とイッセーの手首をガッチリ掴む。

 

 

「「・・・・え?」」

 

 

そしてそのまま俺達を

 

 

「そぉらよッ!」

 

 

天高く放り投げた。

 

 

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁッ!?」」

 

 

ちょ、ちょっと待てぇぇぇぇい!?

なにしてんだあの総督はぁぁぁぁ!?

 

 

俺たちが飛ばされた方向は━━━━

 

 

ドボ━━━ンッ!!!

 

 

俺達は受け身なんかが取れるわけもなく、そのまま温泉に叩きつけられる。

 

せ、背中が・・・! 全身が痛ぇッ!

 

あのクソ教師・・・・覚えていろよ・・・!

 

俺達は別々のところに落下したらしく、近くにイッセーの姿が見当たらない。

 

 

「・・・・シューヤさん?」

 

 

俺は後ろから掛けられるその声に聞き覚えがある。

 

というか、毎日聞いてる。

 

 

「ア、アーシア・・・・?」

 

 

恐る恐る振り返ってみると、そこには一糸纏わぬ姿のアーシアがいた。

 

 

「ん?秋夜じゃないか。こんなところでどうしたんだい?」

 

 

その横には、これまた一糸纏わぬ姿のゼノヴィアが・・・・。

 

 

って、まてまてッ!? 何で二人がいるんだ!?

 

女湯は向こう・・・・・・・じゃ、ない・・・・?

 

 

俺は今、自分がどんな状況に陥っているのか瞬時に把握した。

 

そして、それがどれだけやばい事かも同時に理解する。

 

 

「ご、ごめん二人とも! 覗きに来たわけじゃないんだ!」

 

 

俺は二人の体を見ないように後ろを向いて、慌てて謝る。

 

 

「わ、私は気にしてません! シュ、シューヤさんにならいくらでも・・・・・・・」

 

「ああ、私も見てくれて構わないよ。いずれ子作りするときにお互い裸になるんだ。その練習だと思えばいい」

 

「す、少しは気にしてくれ! 二人がよくても俺がダメなんだよ! それに、誰がゼノヴィアと子作りするなんて言ったよ!?」

 

 

アーシアは恥じらいながら、ゼノヴィアはまったく動じず自分の体を隠そうとしていない。

 

 

や、やばい。さっき思いっきり二人の体を見てしまった。

 

思い出すだけで鮮明に浮かび上がってしまう。

 

 

・・・・・・・二人とも、綺麗な体をしてたなぁ。

 

 

って、そんな場合じゃねえだろ!

 

俺は頭をぶんぶん横に振って邪な心を外に追い出そうとする。

 

 

むにゅん!むにゅんっ!

 

 

「ふぇっ!?」

 

突如俺の両腕に2つの柔らかいものが襲いかかった。

 

俺はあまりの出来事に情けない声を出してしまう。

 

「シュ、シューヤさんっ! 一緒に入りましょう・・・・!」

 

「折角だから入らないか? こういうのも悪くないと思うよ」

 

二人はそう言ってさらに俺の腕に胸を押し付けてくる。

 

アーシアの方は大きいとは言えないが、決して小さくはない。 正に成長途中で将来が楽しみだ。

 

ゼノヴィアの方は、普通がわからないが恐らく大きい方だ。 弾力があってとても柔らかい。

 

 

━━━━俺は何を冷静に解析してるんだよ!?

 

 

は、早く離れないと!

 

 

「さ、さすがに一緒はまずい! 二人とも腕を離してくれたらうれ━━━━━ひゃっ!?」

 

ゼノヴィアが俺の首筋をくすぐるようにペロッ舐めてきた。

 

「ふふ、可愛い反応するじゃないか。ならここはどうだ?」

 

そう言って、俺の体の隅々を調べるように舐め回したり、すべすべの手で触ってくる。

 

「お、おいやめ━━うひゃっ! い、いい加減に!━━ひゃうっ!」

 

途中で顔を真っ赤にさせたアーシアも参戦してきて、俺はもうボロボロである。

 

 

た、助けてぇぇぇぇぇぇッ!!!

 

 

俺は必死に二人からの猛攻撃を耐えて、近くにいた小猫に助けを求める。

 

「こ、小猫っ! お願いだ、二人を止めてくれ!」

 

「秋夜先輩・・・・・・」

 

しかし、小猫は不安と心配そうな瞳で俺を見るだけですぐに顔を逸らしてしまった。

 

 

あ、あれ? いつもなら助けてくれるはずなんだけど・・・・。

 

も、もしかして、あの時怒鳴ったことを気にしてるのか?

 

 

俺は自分で仕出かしたことにひどく後悔をする。

 

 

 

しかし俺はこの時、小猫が何に苦しんでいるのか知るよしも無かった・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

極上の温泉で汗を流した俺達は、再びグレモリー家専用列車に乗って今度こそ部長の家へと向かった。

 

 

アーシアとゼノヴィアのくすぐりで心身共にズタボロだけど・・・・・。

 

 

アザゼル先生はそこで降りずにそのまま魔王領に行って、サーゼクス様達と会談するそうだ。

 

 

『間もなくグレモリー本邸前。間もなくグレモリー本邸前』

 

列車のアナウンスが目的地到着を報告する。

 

 

「それじゃあ、行きましょうか」

 

 

部長のに続いて俺たちもホームへと降りた。

 

 

その瞬間━━━━

 

 

「「「リアスお嬢様、おかえりなさいませっ!」」」

 

 

大量のメイドさんと執事の方々が、微塵のずれもなく部長に挨拶をする。

 

他にも花火が打ち上げられたり、音楽隊の人たちが音を奏で始めた。

 

俺とイッセーとアーシアとゼノヴィアは、ただただそのパレードのような光景に圧倒されている。

 

これが全部、部長のためのお出迎え・・・・。

 

スケールが違いすぎる・・・・。

 

「ヒィィィィ・・・・・。 人がいっぱい・・・・・」

 

ギャスパーは人見知りなため、この大人数に体を震わせて俺の背中に隠れる。

 

ギャスパーの気持ちがわからないでもない。

 

流石にこの人数に見られていると思うと、誰かの後ろに隠れたくなるぞ。

 

 

部長はお出迎えに来てくれたメイドさんや執事の人たちに笑みを浮かべてお礼を言う。

 

「ありがとう、皆。 ただいま帰ったわ」

 

その笑顔を見たメイドさん達も、満面の笑みを浮かべて再度頭を下げる。

 

そこへ、銀髪美人のメイドさん━━━━グレイフィアさんが前に出る。

 

「お嬢様、おかえりなさいませ。 道中、ご無事で何よりです。 さあ、眷属の皆様も馬車へお乗りください。本邸までこれで移動しますので」

 

グレイフィアさんの誘導で、俺達は豪華絢爛な馬車へと向かう。

 

 

おお、これが冥界の馬か。

 

人間界のと比べて眼光が鋭くてカッコいい!

 

 

「イッセーたちが初めてで不安そうだから、私も一緒に行くわ」

 

「わかりました。何台かご用意しましたので、ご自由にお乗りください」

 

 

一番前の馬車には、俺とアーシア、部長、イッセー、グレイフィアさんが乗り込んだ。

 

他の皆は2台目の馬車に乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

馬車が目的地であるグレモリー本邸に到着して停車する。

 

 

こ、これが部長の家・・・・・・・・。

 

 

家というか、まんまお城じゃねえか!!

 

 

俺達は新人悪魔組は、部長の家の大きさに仰天してしまい、開いた口が閉じないでいた。

 

祐斗と朱乃先輩、小猫は慣れているのか特に気にした様子を見せない。

 

馬車の中から窓をチラッと覗いてみたが、間近で見ると更に大きく見える。

 

 

馬車の入り口からお城の方までレッドカーペットが敷かれている。

 

その両脇に整列しているメイドさんや執事さんに見守られながら、俺達は城門をくぐる。

 

そして、お城の入り口付近で紅髪の小さな男の子が、部長に向かって駆け込んでいく。

 

 

「リアス姉さま! おかえりなさい!」

 

「ミリキャス! ただいま。大きくなったわね」

 

部長もミリキャスという名前の男の子を愛おしそうに抱き返す。

 

 

部長やサーゼクス様と同じ紅髪だな。

 

もしかして弟さん?

 

 

「その子、部長の弟さんですか?」

 

俺が訊いてみると、部長は首を横に振ってこの子の紹介をしてくれる。

 

「この子は、ミリキャス・グレモリー。 お兄様━━━サーゼクス・ルシファー様の子供なの。 私の甥ということになるわね」

 

サ、サーゼクス様の子供!?

 

あの人結婚してたのかよ!!

 

じゃ、じゃあ、この子は正真正銘のプリンスってことか!

 

 

部長に紹介されたミリキャスは、背筋をピシッとさせて俺達に、というか俺の方を向いて自己紹介をする。

 

 

「ミ、ミリキャス・グレモリーです! よ、よろしくお願いします!」

 

 

凄くガチガチに緊張してるけど、なんで俺の方をさっきからチラチラ見てくるんだ?

 

俺が目を合わそうとすると直ぐに逸らされる。すると、ミリキャスがまた此方を見る。そして逸らすの繰り返しだ。

 

 

部長はそんな俺とミリキャスのやり取りを見て微笑む。

 

「ふふふ。この子、秋夜に憧れているのよ。 ━━━━ほら、折角会えたのだからちゃんと目を見て話さないと」

 

 

お、俺に憧れてる・・・・?

 

・・・・そんな大層なことした覚えないんだけど。

 

 

ミリキャスは深く深呼吸をして、今度は俺の目をしっかりと見る。

 

「レ、レーティングゲームで戦っているところを見て、僕も秋夜さんのように強くてカッコいい男になりたいと思いました!

良ければ、その・・・・・・・弟子にしてください!!」

 

 

・・・・へ?

 

 

「で、弟子? 俺のか?」

 

 

「はい!」

 

ミリキャスは曇りのない真っ直ぐな瞳でしっかりと答える。

 

 

ま、まじで?

 

俺、人に教えられるほど強くもないし、そもそも教えるの下手なんだけど・・・・。

 

 

『(子供のお願いなんだ、聴いてやってもいいんじゃないか? 何もティアマットのような激しい修行をするだけが師ではないさ)』

 

 

クローゼのもっもとな意見に、俺は『まあ、いいか』とむりやり納得する。

 

 

「ミリキャス・グレモリー」

 

 

「は、はい!」

 

 

俺の突然の声掛けに ミリキャスは元気よく返事をする。

 

俺はしゃがんでミリキャスと同じ視線になる。

 

 

「例え魔王様の子供でも、俺の弟子になるって言うなら手加減なんてしない。 それでもいいのか?」

 

 

「はい!どんなに辛くても、絶対に逃げません!」

 

 

ミリキャスの覚悟をしっかりと聞いた俺は、ニッと笑って頭をわしゃわしゃ撫でる。

 

 

「それが訊けて安心したよ。よし、お前は今から俺の弟子だ!」

 

 

俺の言葉を訊いたミリキャスは、パァっと表情を明るくさせて一礼する。

 

 

「よろしくお願いします、師匠!」

 

 

その後、ミリキャスが自分の部屋に戻るとき何度も振り返って手を振ってきたので、俺も微笑んで小さく振り返してあげた。

 

 

「ごめんなさいね、ミリキャスが我が儘を言ってしまって」

 

 

「びっくりしましたけど、真っ直ぐでいい子じゃないですか。 というか、俺の方こそ勝手に師弟関係になっちゃって、サーゼクス様に怒られたりしませんかね・・・・」

 

 

そこが一番気になるんだよ。

 

サーゼクス様は温厚そうな人だから大丈夫だとは思うけど、万が一・・・・・・・ね。

 

 

「大丈夫よ。 お兄様もミリキャスが弟子入りしたいことは知っているもの」

 

「そ、そうですか。それなら良かったです」

 

 

サーゼクス様の公認ということに驚いたが、俺はホッと胸を撫で下ろす。

 

 

「それじゃあ、奥にすすみましょうか」

 

 

部長がどんどん進んでいき、俺達は急いでついていく。

 

俺はアーシアと離ればなれにならないように手を握り、ギャスパーは俺の裾をガッチリ掴んでいる。

 

 

「あら、リアス。 帰ってきてたのね」

 

 

上の方から声が聞こえてくる。

 

 

そこには、階段をゆっくりと降りてくる亜麻色の髪をした女性がいた。

 

 

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