雷龍を宿しました。(休載)   作:Takari

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5話 悪魔

秋夜 side

 

 

「...ふぁ〜、寝みぃ...」

 

俺は欠伸をして、怠いからだを動かして学校へ向かった。

 

昨日は、久しぶりの実践でやはり体が緊張していたのか。いくら精神世界でクローゼと修行をしているとはいえ、実際の戦闘ではまた違った緊張感だったため、余計に疲れが表れる。

 

暫く歩くと校門が見えてくる。

 

俺の通う学校は駒王学園だ。この学校は、以前までは女子高だったため、女子が非常に多い。

 

入学当初は『ハーレムじゃん!』と少し期待をしていたがいざ過ごしてみると、けっこう片身が狭いものなんだよ……。

 

「ん?...あれはイッセーと...リアス先輩か?」

 

校門を通り抜けるときに二人を見つけた。

 

俺はイッセーが脅されているのかと思いつい警戒心を高めてしまうが、それは杞憂に終わる。

 

なんだ、ただ一緒に登校してただけかよ……。

 

心配してた損したわ。

 

気づいたら隣で二人の男子生徒が血の涙を流しそうな勢いでイッセーのことを睨んでいた。

 

坊主頭で爽やかなスポーツ少年に見える方が松田、もう一方の眼鏡を掛けて知的に見えるのが元浜だ。

 

こいつらはイッセー同様、スケベ野郎で女の敵として扱われている。

 

セクハラ発言ばかりしているせいで、周りからはイッセーを含め、変態三人組と呼ばれている悲しい奴等だ。自分達はモテたいと言っているが、人前でエロ本やら何やらを見まくってるせいで女子からの評価は最底辺まで落ちていった。

 

そんな変態の松田と元浜は、イッセーに向かって叫んだ。

 

「おいイッセー!!なんでお前が二大お姉さまのリアス先輩と一緒に登校してるんだ!!!」

 

「そうだそうだ!!羨ましいぞ!!」

 

その後、イッセーの一言で二人はさらにヒートアップした。

 

 

 

 

 

 

 

 

授業が終わって放課後

 

俺とイッセーはリアス先輩からの遣いを待っている。

暫く待っていると教室に金髪の男子生徒が入ってきて、その男子生徒を見た女子達が黄色い声が響き渡らせる。

 

何事かと思ったら駒王学園の爽やかイケメン王子こと、木場 祐斗だった。

 

さっすがは学園一のイケメン王子!教室に入るだけでこの反応だよ。

 

木場祐斗は群がる女子生徒たちを爽やかスマイルであしらいながら、教室を見渡す。

 

ふと、俺と目が合うとそのままこっちに近づいてくる。

 

え、まさかこいつがリアス先輩からの?

 

「君たちが如月秋夜君と兵藤一誠君かな?」

 

「ああそうだけど...」

 

「なにしに来やがった!!このイケメン野郎!!」

 

木場祐斗が俺たちの席まで移動して、目の前までくると本人かどうか確認をとってきた。

 

「木場くん!!変態に近づいちゃダメー!」

 

「木場くんが汚れちゃう!!」

 

「木場くん×一誠....グヘヘ」

 

祐斗とイッセーが近くにいるだけでこの対応。

少しだけイッセーに同情するわ。少しだけ。

 

「僕はリアス部長の遣いで来たんだ。ついてきてくれるかい?」

 

「ああ、わかったよ」

 

「お前が遣いなのかよ」

 

俺たちは木場祐斗に促され、一緒に教室から出ようとする。ただ、女子達がそれを見逃すはずもなく━━━

 

「木場君×如月君よ!!」

 

「いや、木場君×一誠よ!!」

 

「ここは、如月君×一誠×木場君ね。」

 

 

「「「それだ!!」」」

 

 

女子達が何かいっているが聞きたくない。早く行こうか、二人とも。

 

 

 

 

 

 

 

 

今俺達は、学園敷地内にある森の中を歩いている。

 

この学校に入学してからこの辺りにくることなんて無かったな。

 

それにしても、なんでこんな場所に移動するんだ?

 

俺は疑問に思いながらも暫く歩いていると、旧校舎の玄関が見えてきた。

 

木場祐斗はずいずいと進んでいくため俺たちも置いて行かれないように早足で追いかける。

 

中に入ると『オカルト研究部』と書かれたプレートがはられている扉があった。何故にオカルト研究部?他にもあるだろうに。

 

木場がノックをし、「部長、二人を連れてきました」と、言うと扉の奥から「入ってちょうだい」と、返事が来た。

 

部屋のなかに入るとまず目に入ったのは壁に描かれている大量の魔方陣らしきものだった。その光景に苦笑いをしてしまったのは仕方ないよね?

 

イッセーも俺の後から入ってきて同じよう反応をとっている。わかる、わかるぞその気持ち!

 

次に部屋の中央に視線を移すとそこにいたのは二人の女子生徒だった。あれ?この人達って━━━

 

「あなたは二大お姉さまの一人!!姫島 朱乃先輩!!

そして、学園のマスコット!!塔城 小猫ちゃん!!二人がこの部活にいるなんて!!」

 

「イッセー落ち着けよ、余計変態に見えるぞ?」

 

「余計なお世話だよ!でも、二人同時に会えるなんて...泣けてくる」

 

どんだけ嬉しいんだよ。もう逆に尊敬できるわ。

 

先ほどイッセーが泣くほど喜んでいた二人。姫島先輩は、リアス先輩と二人で『二大お姉様』と呼ばれている。その容姿は黒髪のポニーテールで、まさに大和撫子と言える。

 

塔城は、白髪で、とても目立つ髪色である。さらに体が小学生位の大きさでみんなから学園のマスコットでみんなのロリっ子。

 

「どうぞ、お茶ですわ」

 

「どうも」

 

「ありがとうございます」

 

姫島先輩がお茶を淹れてきてくれたので、一口飲む。

 

うん、めっちゃ美味しい。

 

こんなお茶飲んだことないよ。

 

「姫島先輩、このお茶美味しいですね」

 

「すごいうまいです!」

 

「うふふ。お口に合ってよかったですわ」

 

それにしてもリアス先輩はどこにいるんだ?この場にはいないよな?

 

回りを見渡していると、羊羮を食べている塔城と目があってしまった。

 

まずい、とても気まずいぞ。わざとらしく目を逸らすわけにもいかないし。どうしましょ……。

 

「どうぞ...」

 

塔城は無表情のまま俺に羊羮をひときれ渡してくる。

 

え、くれるの? なんか、ごめんなさい………。

 

取り敢えず、ありがたく頂こう。受け取らない方が逆に失礼だからな。

 

「ありがとう、塔城」

 

「小猫でいいです....」

 

「え、あ、うん、ありがとう、小猫」

 

突然、下の名前で読んでもいいと言われて戸惑ってしまった。無口だけど、この子いい娘なんだな。

 

「小猫ちゃん、俺も一つもらってもいい?」

 

「先輩はだめです....」

 

「なんで俺だけ!?」

 

小猫は皿に乗っている羊羮を守るように覆い被さる。

 

イッセー、なんかドンマイ。

 

悲しんでるイッセーを放っておいて、俺は姫島先輩に質問する。

 

「姫島先輩、リアス先輩はどこにいるんですか?」

 

「部長なら、今シャワーを浴びてますわ」

 

俺らを待たせてシャワーを浴びてるとか、ちょっと失礼じゃね? まあ、イッセーはシャワー室を見て鼻の下を伸ばしているから、そんなこと微塵も考えてなさそうだな。

 

その時シャワー室からバスタオル姿のリアス先輩が出てきた。

 

な、なんでバスタオル姿?俺達居るんですけど……。気にしてくださいよ!

 

内心でそんな事を考えているが、頑張って顔に出さないようにしている頑張っている。ポーカーフェイス大事。イッセーは顔全体にスケベさを出していて、しまいには鼻血を出していた。

 

そして、何故か隣にいる小猫から凄い見られてる。何でだろう、俺なんかしちゃったかな………。

 

「ご苦労様、祐斗。そしていらっしゃい、二人とも」

 

「「お邪魔してます」」

 

着替え終わったリアス先輩がソファに座り話しかけてきた。

 

「単刀直入に聞くけれども、貴方達は神器所有者ね?」

 

「はい、そうです」

 

「よくわからないけど、そうらしいです」

 

俺は即答し、イッセーはまだあまり理解していないのか、曖昧な返事をした。

 

「良ければ見せてもらってもいいかしら?」

 

この人に見せてもいいのだろうか? いや、見せるだけなら大丈夫かな。

 

「ええ、いいですよ。イッセーも大丈夫か?」

 

「おう、大丈夫だ。」

 

俺は両腕に意識を集中させる。淡い緑色の光が腕を包み込み、光が止むと俺の腕には雷輝龍の籠手が装着されている。

 

「それが貴方の神器....すごい力を感じるわ....。

イッセーの方も見せてみて?」

 

リアス先輩は俺の神器を興味深そうに見つめる。次はイッセーの番だ

 

「はい!...来い!!ブーステッド・ギア!!」

 

イッセーは掛け声とともに左腕が真っ赤な光に包まれ、赤龍帝の籠手を装着させた。イッセーの神器を見たリアス先輩は驚愕する。

 

「それは神滅具13種の内の一つ、赤龍帝の籠手!?こんな身近に所有者がいるなんて...!」

 

先輩のその気持ちわかりますよ。だって、同じ学校に神滅具なんていうやばいものを宿したやつがいるなんて思いもしませんもの。

 

俺たちの神器を見たリアス先輩は俺たちにある提案をしてくる。

 

「ねえ貴方達、良かったら私の眷属にならない?」

 

「眷属?それは一体何なんですか?」

 

イッセーは問いかける。

 

俺はクローゼから色々と説明されているので、理解することができていた。それにクローゼから、リアス先輩が悪魔であるということを聞かされていたのでそこまで驚きはしなかった。

 

「一から説明するわね。まず、この世界には人間以外に 天使、堕天使、悪魔の3種族がいるの。私はその中の悪魔よ」

 

「え、ちょ、ちょっと待ってください!?それって漫画とかゲームだけの存在ですよね!?」

 

「いいえ、本当にいるわ。その証拠に....」

 

そう言ってリアス先輩達皆が蝙蝠ののような翼を広げた。

 

「ま、まじかよ...」

 

「信じてもらえたかしら?」

 

「はい...」

 

イッセーはあまりの出来事にほうぜんとしている、俺も予め教えてもらってなかったらそうなっていただろうなぁ。

 

「それで、眷属になる気はあるかしら?」

 

「それは...」

 

口ごもるイッセー。当然だよな、種族そのものが変わってしまうんだ、迷うに決まってる。

 

「悪魔になって上級悪魔に昇格したらハーレムを作れるわよ?」

 

「眷属になります!!」

 

おいおいおいおい。さっきまでの迷いは何処に行ったんだよ! どんだけ女が好きなんだよ!

 

「気持ち変わるの早すぎだろ」

 

「ハーレムだぞハーレム!!男の夢じゃないか!!」

 

イッセーは目をキラキラさせながら俺に言う。

 

いや、知らんがな………。

 

「貴方はどうかしら秋夜?眷属にならない?」

 

俺はこれからの人生に関わることなのでクローゼから意見を聞くことにした。

 

(俺的にはどっちでもいいんだけど、クローゼはどう思う?)

 

『(グレモリー家は慈愛深くて有名だ。しかも地位も高い。俺は眷属になっても問題ないと思うぞ)』

 

(そうか、ありがとうクローゼ)

 

『(なに、礼には及ばないよ、我が主よ)』

 

クローゼのお墨付きなら安心できるな。

 

「俺もいいですよリアス先輩」

 

 

俺はこの日、悪魔になることを決めた。




最後まで読んで頂き有難うございます。
これからも是非見ていってください。
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