ISの二次創作   作:伊部瀬 圭

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さて、予期せぬ事態。まさかの三日間連続投稿。これがゴールデンウィークの魔力ってやつか。

たぶんそう遠くない未来、連日投稿は終わりを告げることになるかと。しかしそうなっても一話一話の文字の分量に変化はないと思いますのでご注意を。





さて、少年。君はチャンスを活かせる人間かな?

 幼い少女と少年の悲鳴とうめきが聞こえたのは、紅茶を買った返りにいつも通り過ぎる公園に差し掛かった時だった。

 なんとなく、公園に目を向けてみる。と、そこには幼い少年を腹を殴る中学生ぐらいの少年と泣き叫ぶ少女。そして、痛みのあまりにうめき声をあげる少年の姿があった。

「はっ! ガキが!」

 中学生ぐらいの少年は腹をおさえてうずくまる少年を蹴り飛ばした。

「一夏っ!!!」

 金切り声に近い、悲鳴のような叫び声を上げる少女。

「うるせえんだよクソガキがっ!」

 それを聞いた中学生ぐらいの少年は標的を一夏と呼ばれた少年から少女に移した。中学生ぐらいの少年は自分の右腕を自分の頭上まで上げ、勢い良く少女に振り下ろした。

 が。

「ま……て……!」

 うずくまっていた一夏くんが勢い良く彼に突進したため、その拳が少女に振り下ろされる事はなかった。

 しかしそんなことをしてただで済むはずがない。一夏くんのほうをふり返った少年の顔は憤怒の色に満ちいていた。少年は一夏くんの方に向き直ると、右足を思いっきり、振り切った。

 

 

 

 気づけば俺は突然訪れた浮遊感と共に、迫って来ていたあいつの右足が急速に遠ざかっていった。あいつも何が起きてるのか分からない、といった表情でこちらを見ていた。

「やあ、少年。お困りかい?」

 頭上から掛けられた声。俺の両脇をつかむその声のほうに、俺は顔を向ける。

 最初に目に入ったのはやや大きめのしかし鋭い切れ目と少し長めの前髪だった。

「立てそうかい?」

 きつそうな印象を受けがちな切れ目からは考えられないぐらい穏やかな顔で俺の目を見つめる瞳から目をそらさずに、首を縦に振る。

「よし。いい子だ」

 支えが外れ、再び足が地面に着く。が足の踏ん張りが利かず、不覚にもその場にしゃがみ込んでしまった。

「おいおい、大丈夫か?」

「当たり前だ!」

 後ろから掛けられた自分を心配する声に、つい憎まれ口を叩いてしまった。しかし声の主は愉快そうに鼻を鳴らした。なんというか、不愉快だ。

「さて。それじゃあここからは俺に任せるといいさ」

「え?」

 そう言ってさっきまで俺の後ろにいた人はいつの間にか俺の目の前を歩いていた。

「少年。お兄さんが一ついいことを教えてやろう」

 この人を巻き込むわけにはいかない。そう思い、口を開きかけた時だった。目の前を歩く男の人が足を止めてこちらを振り返り、そう言ったのは。

「世界は残酷だ。ひどく残忍で、そして陰惨だ。これがゲームだったらきっと多くのプレイヤーがその性格の悪さに絶望して、途中で投げ出してしまうことだろうね」

 唐突に、そんなことを男の人は語り始めた。それは思わず耳を覆いたくなるぐらいに、残酷で、無慈悲で、あまりに自分勝手な言葉だった。

「でもな、少年」

 男の人はきっと今にも泣きそうな顔をしている俺の元に来て、目線を俺と同じ高さに合わせる様にしゃがみ、話を続けた。

「神様は人が生きていけないような世界は作らない。ゲームプランナーが絶対クリアー出来ないようなゲームを作らないのと同じようにね。だから、絶望しそうなときは必ず、タイミングを見計らっていたかのように一縷の希望(チャンス)が舞い込んでくる。だけど、多くの人はそのチャンスに気付くことが出来ずに終わってしまうんだ」

 男の人は俺の頬を伝う涙を人指し指で拭うと、ポンと、その手を俺の頭に置き、

「さて、少年。君はチャンスを活かせる人間かな?」

 そう、問いかけた。

 だから。

「当たり前だ!」

 答えてやった。さっきよりも力一杯、はっきりとした声で。

「よし、いい子だ」

 男の人は俺の頭を手のひらでぐしゃぐしゃと掻きまわすと、

「あとは俺に任せな。なんとかしてやるさ」

 また、あいつの方に向かって歩き出した。

「おいおいてめえ……人のケンカに手を出してんじゃ、ねえっ!!!」

 彼の言葉が癇に障ったのだろう。緩やかに歩く男の人にあいつは駆けていき、

「こうして悪は滅びました。なんてね」

 何時の間にかあいつの真横に現れた男の人に首を叩かれ、その場に崩れ落ちた。なんというか、とてもあっけない幕切れだった。

「よいっしょっと」

 そんな掛け声とともに、また突然訪れた浮遊感。気づけば俺は、男の人におぶさっていた。

「さ、行こうか」

 いつの間にか小脇に抱えられていた(ほうき)が、地面に下ろされる。俺とは違い、猫のようにすんなりと地に足を付けていた。なんかくやしい。

「行くって、どこにですか?」

 心なしか表情が暗い箒が、男の人にそう尋ねた。

「うちの店だよ」

「店?」

「そう。止まり木って名前の喫茶店なんだけど、そこで君の怪我の治療とかをしようと思ってね。それとせっかくだから美味しいオレンジジュースも出してあげよう」

「え! ほんとうですか!」

 オレンジジュースと聞いた途端、すこし落ち込んでいた箒の表情がパーっと明るくなった。

「もちろん。それじゃあ行こうか、二人とも」

 空はすっかり色を変え、燃えるような橙色に輝いていた。そんな空を眺めながら俺達はゆったりとした歩調で喫茶店までの道のりを歩いた。

 

 

 

 

「箒ちゃん!? それにいっくん!? どうしたの!!! なにがあったの!!!!」

 店に戻ると束さんが凄い形相で飛んできた。どうやら箒ちゃんとは姉妹で、一夏くんとは噂のちーちゃんつながりで仲が良いらしい。なんでも一夏くんはちーちゃんさんの弟なんだとか。

「けーちゃん! いったいなにがあったの!?」

 今にも店を飛び出しそうな勢いの束さんをなだめ、俺が居合わせた時の状況とその後の展開、そして加害者には俺がしっかり制裁を加えた事を話した。

 数分に渡る説得の結果、しぶしぶでは納得してくれた束さんは、俺から救急箱を受取ると一夏くんと箒ちゃんの手を引いて自席に戻っていった。

「悪い、じいちゃん。遅くなった」

「なに、かまわないさ。そんなことより早くオレンジジュースを作ってやれよ。約束したんだろ?」

 そう言って片目を軽くつむったじいちゃんに苦笑しつつ、俺は裏のキッチンに回った。

 

 

 




サブタイにしたい台詞がなくて困ったぜ……。


そして今回も書きたいように好き勝手に書きなぐってみた。どことなく中二臭いのと中途半端臭いのは多分気のせいじゃないと思う。気が向いたら、もしくは(暇で暇で)耐えられなくなったら加筆するかも。でも中二臭さは残したままにする。それが俺の流儀←



あと初めて主人公以外の人の視点も書いてみたのですが、わかりましたでしょうか?
あんまりに分かりずらいというようなことでなければこんな感じで行きますからね?
いいですか?
まあダメなら感想にでもちょちょちょ、っと書いといて下さいませ。



では、また次回。
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