NANAMI 作:鑢八茎
木ノ葉の里のとある森の中、一人の少女は本を読んでいた。
ペラっと紙をめくる音と時折聞こえる鳥の鳴き声以外何も聞こえず、静かなものだ。だからこそ少女のお気に入りの場所なのだが。
「………………」
本を読んでいた少女はパタンと本を閉じ立ち上がる。そして──
「おーい!ねえちゃ──」
「うるさい」
「へぶん!」
森の奥から笑顔でやってきた金髪の少年の頭を本で叩く。
叩かれた少年は本で叩いたとは思えぬほど吹き飛び地面に激突した。時折ピクピク動いているから生きているのだろう。
「ナルト、何時も言っているでしょう?私が本を読んでいる時は静かにしてと……いっそ、声帯を抜き取ってあげようかしら」
「ひぃ!?か、勘弁してくれってばよ姉ちゃん!」
姉の言葉にガタガタ震える弟、ナルト。彼は幼少期姉に爪を噛まないように何度も注意されても直さず、爪を全て剥がされた経験を持つ。
「……それで、何のようなの?」
「あ、そうだ!ほら、今度花火あるだろ?俺、穴場を見つけたんだぜ!」
「そう。それで準備をしよう、ということ?」
「姉ちゃん人が多い所は嫌って言うから、俺ってば頑張って探したんだってばよ~」
「…………クス」
自信満々に自己評価を高めるナルトに姉は微笑ましそうな笑みを浮かべた。実際、微笑ましい。
「そうね、それなら外に出ても良いわ。せっかく健康に生まれたのに、何時までも人前に出ないわけにも行かないものね。取り敢えず、花火を見ながら食べる物を今の内に選んでおきましょう」
「やっぱ屋台は回らねえの?」
「ええ、だって死人が出たら困るでしょ?」
「どんな屋台巡りだってばよ!?」
「のう、七実よ」
「何ですかおじいさん、待ったはもう聞きませんよ?」
祭りの翌日少女、七実は三代目火影と将棋をしていた。誰がどう見ても、勝っているのは七実だ。きっと一流の棋士とてこの戦況を覆すことは出来ないであろう見事な負けっぷりである。
「先日、祭りでお面屋をしていた男が顔の皮を剥がされた状態で発見された。何か知らぬか?」
「………ああ、ナルトがお金出してお面を買おうとしたのに化け狐と罵り追い払ったあの男ですか。顔の皮を剥がされるなんて……随分な目に遭いましたね。犯人が捕まることを祈っています」
私も怖いですからね、と付け足す七実を見て猿飛はむぅ、と唸る。
男が襲われた時間、七実は猿飛と碁を指していた。その間に男を殺害できるはずがない。確かに影分身などが使えるなら話は別だが未だアカデミーにすら通っていない七実に出来るとは思えない。
「………そうか。ワシ等も、早い内に犯人を捕まえよう」
「ええ。期待しています。それと、王手です」
猿飛と別れた七実は重力を忘れたかのように、木ノ葉の里の屋根から屋根の上を跳んでいく。
チラリとバレぬように後ろを振り向けば仮面を付けた集団、木ノ葉の暗部『根』が付けてきていた。あれで気づかれていないつもりなのだろうか?と七実は首を傾げそうになるがなんとか我慢し、そのまま異常な身体能力を持っただけのただの子供を演じる。
実際、暗部達も七実の身体能力にこそ驚きはすれこちらに気づいた様子のない七実を見てここ最近起きている変死事件の容疑者として名が上がった七実を追跡したのは時間の無駄では?と考えた瞬間、隣の男の首が消えた。
「あ、これじゃあ私が犯人って言ってるようなものね。仕方ないわ、少し面倒だけど、今日中に私以外の容疑者にツイてる暗部を皆殺しにしておきましょう」
路地裏に死体を放置した七実は誰にも気づかれることもなく路地裏から出て、かと思えば誰にも気づかれることなく姿を消した。
翌日大量の暗部の死体がゴミ捨て場から発見された。