NANAMI 作:鑢八茎
「最近、ナルトを好きな女の子ができたみたいなの。それもよりにもよって日向………ねえイタチさん、あの子殺しておいた方が良いかしら?」
今やイタチの飼い猫になった七花を撫でながら七実はイタチに尋ねる。イタチと言えばそんなこと言われても知らんと通したかったが七実は逃さないとばかりにイタチを見ている。
「……何故、殺す必要があるんだ?」
「そんなの、ナルトが表の嫌われ者だからに決まっているじゃない。日向はナルトを認めないわ。最悪、九尾の驚異を祓うという名文でナルトを殺しにくるかもしれない」
「そんな話を、ここでして良いと?」
「ここにはアナタと私、それに七花だけよ。それにナルトの正体なら暗部に入る予定のアナタなら知っているのではなくて?」
年下の少女に全てを見透かされていることに薄ら寒さを感じながらも調べられない情報ではないかと思い直す。イタチの下に頻繁に訪れる彼女をうちはの者達は当初は微笑ましく見守っていたものだ。当初は………。
最近では七実を警戒する者が増えてきている。だからこうして、初めてあった池の近くの森で会っているのだから。
「あそこまで私を警戒していれば何かをすると公言しているようなものですがね」
「…………聞かないのか?」
「聞いたところで話してくれるんですか?」
「………いや」
なら聞きませんよ、と七実は再び七花を撫で始めた。
聡明な彼女のことだ。とっくにうちはの目的には気づいているのだろう。だが誰にも言わない。
「イタチ、ここにいたのか」
イタチが猫じゃらしで七花と遊んでいる七実を見つめていると、不意にイタチの名が呼ばれた。顔を上げればうちは一族の一人、うちはシスイが立っていた。
シスイは七実に気づき七実を見ると七実は首を傾げた。
「………イタチ、こんな所で2人きりとは……最近噂のロリコンと言うのは本当なのか」
「おい待て!何だその妙な噂は!」
「………ロリ…こ……何ですそれ?」
シスイの言葉に抗議するイタチと首を傾げる七実。だがイタチの反応を見てだいたい察したのかイタチから距離を取る。
「お、おい……」
「冗談ですよ」
七実はそう言ってクスクス笑った。イタチはげんなりしてため息を吐いた。
「それで、何の用事だ?」
「サスケが探していたぞ。修行の約束じゃないのか?」
「サスケ………ああ、未だ見たこと無いイタチさんの弟ですか」
シスイの言葉にイタチはチラリと隣の七実を見る。
「行ってかまいませんよ。七花はキチンと家に帰れる頭の良い子ですから」
「そうか……」
イタチは弟を捜しにその場から去り、残ったのはシスイと七花と戯れる七実。七実はシスイがこの場に残っている理由が解らないのか時折シスイを見つめる。
「そう言えば、君は明日アカデミーの入学式だったな」
「ええ。生憎私とナルトには親族が互いにしかいませんが……」
「……一緒に来てくれる大人はいないのか?」
「生憎…………あ、いえ。一人いますね。火影です………良いかも知れませんね。ナルトを嫌う者も大人しくなるでしょう」
七実はにぃと笑みを浮かべる。確かにそれなら大人しくなるだろう。だがそれは一時的にだ……。
「なんなら、オレが行ってやろうか?」
「別に結構です。おじいさんにも頼る気はありませんし」
「そうか……所で七実ちゃん」
「ん?」
「君はもう……うちはには近づかない方が良いよ」
「………はぁ……」
うちはの移住区の外に出た七実はナルトと共にアカデミーに入る為の準備をしている。
とはいえ明日は入学式だけ。うちはの移住区に行くわけにも行かないし………
「………あら?」
何故自分は当然のようにうちはの移住区に行かないことを自然に考えていたのだろう?
普通なら一生違和感を感じない筈だが七実と言う化け物は違和感に気づき、掛けられた呪縛を祓う。
「ああ、あの時のあの眼ですか……不思議な眼でしたね、それに凄い力です。いったいどれだけの経験があったのでしょう?相当な苦労でしょうね……羨ましい」
七実は鏡に映った自分の目を見ながら不機嫌そうに言う。
「まあ必要になれば使いましょう……里の者を操るのは……面倒ね、殺した方が早いし楽だもの。とはいえ今里を滅ぼしてもね……」