NANAMI   作:鑢八茎

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うちは虐殺

 イタチは満月を見つめながら拳を握りしめる。

 この日が来てしまった。出きるならこの日がきて欲しくは無かった。昨日程明日が来て欲しくないと思ったことは無いだろう。

 

「迷っているのですか?」

「ッ!?」

 

 突然声を掛けられ振り向けばそこには月光を浴びて何時にも増して儚げな気配を纏った七実が屋根の上に立っていた。まだ幼いと言うのに、その姿は思わず見とれてしまう程美しかった。

 

「……何の話だ?」

「隠さなくても結構。私がここにいる時点で、私がただの小娘でないことは解るでしょう?」

「…………君をただの小娘だと思ったことは一度もない……しかし、まさか暗部なのか?」

 

 うちはのクーデター阻止のため、ダンゾウによるうちは殲滅を知っているのは暗部だけ。

 ならばここにいる七実は暗部と言う可能性が出るが……。だとしたら七実は自分以上の天才と言うことになるのだろう。

 

「私が暗部、ですか……何度かナルトを暗殺しようとしていたあの男の部下になるのは、それはそれで面白そうですね」

「では、何故ここに……?」

「暗部の方を幻術で操って聞いたのですよ。お手伝いしましょうか?」

「………本気か?」

 

 七実の言葉にイタチは目を見開く。

 僅か10にも満たない少女が、人を、それも大勢殺すのに荷担するというのだ。巻き込みたくはない……。

 

「勘違いしないように先に言っておくけど、巻き込んだと思っているならそれは傲慢と言うものですよ。私はアナタのためにうちはを滅ぼす手伝いするのではありません。あくまで、私の為です。尋ねたのは許可をもらうためではなく、イタチさんとそちらの方と争わないためです」

 

 七実がそう言ってとある一角を見つめると仮面をつけた男が姿を表す。

 

「気づいていたか。気配は消していたはずなんだがな」

「アナタも蝶々さんと同じような事を言うのですね。生きているのにそこにいないように偽るなんて出来るはずがないでしょう。人は所詮、人ですよ」

「……そうか。所で、お前は見返りを求めないのか?」

「永遠の万華鏡写輪眼の手に入れ方。うちはの大人を拷問して聞き出すか、サスケくんを人質にイタチさんから聞き出すつもりだったのですが」

「な!?」

 

 サスケを人質にするという言葉にイタチが目を見開き仮面の男はほぅ、と七実を見つめる。

 

「何故うちはでは無いお前が、永遠の万華鏡写輪眼を求める?」

「…………………」

「まあ良いさ。イタチ、協力する条件にこいつの参加も増やす」

「………………好きにしろ」

 

 仮面の男の言葉にイタチは苦々しい顔をして姿を消した。先に動いたのだろう。

 

「……さて、永遠の万華鏡写輪眼の手に入れ方だったな……何、簡単だ……万華鏡写輪眼を持つ者が他の万華鏡写輪眼を移植すれば良い。万華鏡写輪眼はその者の大切な者を目の前で殺せば良い」

「そうですか………」

 

 七実は納得すると仮面の男に別天神を掛ける。うちはの者でなく、敵意も殺意もない七実の行動に油断したのか仮面の男はあっさり術に掛かった。

 七実は屋根から飛び降りて、獲物を探しにいった。

 

 

 

 

「な、何者だ!?」

「うるさい」

 

 家の中に入ってきた七実に中にいた男を手刀で斬り殺す。家の中の食器などを見るが一人暮らしのようだ。次は広い家を襲う。

 

「………おや、夫婦ですか……」

 

 壁を切り取り中にはいると男女の写輪眼を持つ者達がいた。男が印を結ぶより早く七実が腕を振るうと女の両足と男の右手と右足が切られる。

 

「が!?」

「っう!」

 

 七実は床に倒れ込んだ男の前髪を掴み持ち上げる。

 男は七実を睨むがその眼はただの写輪眼だ。七実は男の首を切り落とした。

 

「………あ……ああ…───────ッ!!」

 

 目の前で夫を殺された女は目を見開き血の涙を流し、声にならない悲鳴を上げる。その写輪眼の三つ巴が蠢き黒の十字を作る。

 

「死ね!」

 

 女が叫んだ瞬間七実は黒い炎に包まれる。驚愕しながらも直ぐに水遁を使う七実だがその火は一向に消える気配がない。

 

「あは、あははは!ざまあみろ!」

「なる程厄介な術ですね」

「!?」

 

 女が高笑いし七実が燃えていく様を見ていると、脊椎あたりを何者かに貫かれる。いや、何者かではない、つい先ほど聞いたばかりのこの声の主を忘れるはずがない……。

 

「幻術でアナタの夫の死体を私に見せていたんですよ。倒れて動かない死体に、アナタは違和感を覚えない……私が幻術を得意とする設定はあったでしょう?」

 

 背骨に刺さった刃物は徐々に上がって行き、女を完全に切り裂いた。

 

「まあこんなもの、私が弱くなるための足がかりなのですが………そういえば眼を変えても他人の弱さを写し取れるのかしら?」

 

 

 

 女の万華鏡写輪眼を抜き取った後、七実は一応手伝いをしに来ているのだからとうちは一族を殺して行く。

 いくら幼い肉体を持ったとはいえ、相手は七実だ……かつて日本最強だった錆黒鍵と半年も幼い内から渡り合っていた化け物だ。

 うちはなど相手になるわけがない。

 

「こちらはこれで最後……イタチさん達、キチンとやってくれたでしょうか?」

 

 七実は弟を守ろうとした男を後ろの男ごと爪で貫き絶命させると周囲の気配を探る。イタチと先程の仮面の男の気配しかない。

 

「………おや、七花」

 

 七実はイタチの屋敷に向かい七花を探していると池で溺れている七花を見つけた。おおかた周囲の殺気に怯えて逃げ出し池に落ちたのだろう。

 

「本物の七花は私にキチンと挑んできたというのにあなたは臆病ですね。まあ所詮は猫だったということなのでしょう……」

 

 七実は七花を池からすくうと木の下に埋めてやる。そして、そのままうちはの移住区を後にした。

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