ハイスクールD×D ~それは現か幻か~   作:DDX

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今回朧が悪魔の事情に詳しい理由が明らかに

まあ、そこまで複雑でもないですが

それでは本編どうぞ


第14話

「さて、それじゃあそろそろあなたのことについてじっくりと聞かせてもらおうかしら?」

 

朧の買ってきたシュークリームに舌鼓を打った後、ようやく話を聞こうと部長が促した。

 

「わかりました。話してあげますよ。ただまあ・・・・すみません。その前にちょっと」

 

朧はアーシアに視線を移した。

 

「君は・・・・アーシアでいいんだよな?」

 

「あ、はい。そうですが・・・・」

 

「・・・・すまなかったアーシア」

 

「え?」

 

突然、朧はアーシアに対して深々と頭を下げた。

 

でも一体どうして・・・?

 

「もっと早くに俺が到着していれば・・・・神器(セイクリッド・ギア)を奪われず、君が死ぬことはなかっただろう。君を死なせてしまった責任は俺にある。本当に・・・・・すまなかった」

 

どうやら朧は結果的にアーシアを死なせてしまったことに罪悪感を覚えてしまっているらしい。

 

・・・・朧の気持ちはよくわかる。私だって同じなのだから。

 

もしも私がもっと早くアーシアを助けることができたのなら・・・・アーシアは死なずに、悪魔に転生することなんてなかった。

 

アーシアは悪魔として生きていくことを受け入れてくれはしたけれど・・・・・それでもアーシアを死なせてしまったという現実は変わらない。

 

だから罪悪感を感じずにいられないんだ。私も・・・・朧も。

 

「そ、そんな・・・・現世さんが謝る必要はありません。現世さんがレイナーレ様を倒してくダサったと聞きましたしむしろ私のほうが現世さんにお礼を・・・・」

 

「それこそ必要ないことさ。俺のやったことはいたずらに場をかき乱しただけ・・・・俺がいなくたって君は神器を取り戻すことができた」

 

・・・・朧の言うとおりだ。

 

あの時・・・・・朧が出てきたとき、部長がレイナーレを消そうとしていた。そうなれば神器を取り出すことができただろう。

 

はっきりと言ってしまえば・・・・・朧のやったことは朧の言うとおり、場をかき乱しただけ・・・・むしろ、あの時は朧が人質に取られたと思って焦ったぐらいだし。

 

「だから礼を言う必要なんてないよ。俺は・・・・俺のしたことはアーシア達からすれば意味のないことだからな」

 

「意味がないとわかっていたのなら・・・・・どうしてでしゃばってきたのかしら?」

 

部長が刺すような視線を朧に向けながら尋ねる。他の皆も同じように朧を見ている。

 

まあ・・・・あそこで朧が出てきたせいで余計な気を揉むことになったのは事実だからしょうがないといえばしょうがない。これに関しては私もフォローできない。

 

「どうしてか・・・・それはあの時言ったはずですよ。俺はあの堕天使・・・・レイナーレのことが好きだったんだ。彼女の黒く、美しい髪は俺がずっと追い求めていたものだ。だから・・・・・俺は心の底からレイナーレのことが好きになってしまった」

 

「それは私がレイナーレ・・・・夕麻ちゃんの写メを見せた時からか?」

 

「・・・・ああ。そうだよ」

 

朧はニコリと微笑みを浮かべながら言う。

 

そっか・・・・きっかけは私が見せた写メなのか。確かに朧好みの黒髪をしてると思ってるけど・・・・そこまでだったんだな朧。

 

「なら・・・・・なぜ好意を寄せるレイナーレを殺したんだい?」

 

木場は朧に尋ねる。

 

「・・・・もしかして私のため?」

 

私がレイナーレに殺されたから・・・・だから朧は怒ってレイナーレを・・・・殺した?

 

私のせいで朧は・・・・殺しを?

 

「違うよイッセー。というかそれも俺はあの時言ったはずだよ」

 

違・・・う?

 

「俺は・・・・親友のイッセーを殺し、追い詰め傷つけたレイナーレが嫌いだった。だけど・・・・・好きな相手を嫌うっていうのは中々に辛く、苦しいことなんだ。だから俺は・・・・レイナーレへの嫌いという感情を払拭するためにレイナーレを殺したんだよ。もっとも、殺しただけでは払拭できず、死者を冒涜しかねなかったんでグレモリー先輩に消滅させてもらったんだがな」

 

嫌いって感情を払拭するために・・・・・あくまでも自分の為に?

 

自分の為に・・・・朧はレイナーレを殺したのか。

 

・・・・なんだろう。自分の為に朧が殺したってことよりも朧が自分の為に殺しをしたっていうほうが・・・・哀しい。

 

「・・・・狂っているわね。嫌いという感情を払拭するために殺すだなんて普通じゃないわよ?」

 

朱乃先輩が非難するかのような目で朧を見る。まあ・・・・確かに普通じゃないもんな。

 

哀しいって思うのと同時に・・・・・恐いとも思ってしまったし。

 

「狂ってる・・・・か。ああ、そうだ。俺は狂っている。だけど・・・・それこそ人間らしいとは思わないですか?」

 

「・・・・え?」

 

朧?何を言って・・・・

 

「恋情、愛情、劣情・・・・・その感情のもとに狂狂狂狂(クルクルクルクル)と狂う・・・・・俺はそれを人間らしさだと思いますよ?あなた達悪魔にはわからないかもしれませんが・・・・・それは弱さ故に愚かで哀れで残酷な人間ならではの感情だとは俺は思っていますよ」

 

ゾクリ・・・と、背筋が凍るかのような感覚を私を襲った。

 

朧の表情は・・・・純粋だった。純粋な・・・・曇のない笑顔だった。だけど・・・・それなのにただひたすらに恐かった。今の朧は・・・・私の知っている朧じゃないように思えて仕方がない。

 

だからなのかわからないけれど・・・・何も言い返せなかった。

 

朧の言ってること・・・・私は理解できなかった。それは私が悪魔だからではないと思う。そもそも私はついこの間まで人間だったんだだから。だけど・・・・それでも朧の言うような人間らしさなんて理解できない。理解したくない。だから否定したいのに・・・・・その為の言葉が見つからなかった。

 

それは他の皆もそうなのか・・・・・何か言いたそうな表情をしているのに黙り込んでしまっていた。昨日まで人間であった・・・・誰よりも優しいアーシアでさえも、何も言えずに俯いている。

 

「なあ朧・・・・お前の言う『人間』ってなんなんだ?」

 

反論できない私は・・・・その代わりに朧に尋ねた。

 

「・・・・・その質問に何か意味はあるのかイッセー?」

 

朧は表情を変えずに・・・・・依然笑顔のまま逆に俺にそう返してきた。

 

・・・・ああ、そうさ。意味なんてないさ。ただ・・・・反論できなかったから苦し紛れに言ったに過ぎない。

 

朧は・・・・・それを見透かしているのだろう。

 

「・・・・」

 

私はまた黙り込んでしまった。その場に居た誰しもが・・・・何も言葉を発することができず、ただひたすらに重たいくうきのなか黙り込んでいた。

 

だが・・・・・そんな空気は直ぐに取り払われることとなる。ほかならぬ朧自身によって。

 

「・・・・おっも!ちょっとちょと!皆さん真剣に受け取りすぎですって!そんな難しい顔してないで、かる~い気持ちで適当に流せばいいんですよ。俺なんかが言ってることなんてさ~」

 

さっきまでの私の知らない朧じゃない・・・・そこにいたのはいつものふざけてて、道化じみた朧だった。

 

おどけたように言う朧・・・・・その態度のおかげで、私達を取り巻く重苦しい空気はどこかに行ってしまった。

 

「朧・・・・お前ってやつは・・・・」

 

「ん?俺ってやつは・・・・なんだ?」

 

「・・・・いいや、何でもない」

 

ああ・・・・なんだろう?朧のこういうところ見ると・・・・なんだか朧らしいって思えてしょうがない。

 

なぜだか・・・・安心する。朧が何を考えているのかわからないままだっていうのに。

 

「そっか。ならいいさ。それよりも・・・・話を逸らしまくってる俺が言うのもなんだけどいい加減肝心な話しようか。あなた達が本当に聞きたいのは・・・・もっと別のことだろう?」

 

もっと別のこと・・・・そうだ。私達が聞きたいこと・・・・それは・・・・

 

「・・・わかったわ。それじゃあ聞かせてもらいましょう。現世朧・・・・あなたは一体何者なの?」

 

私達が知りたいことは・・・・朧が一体何者なのか、だ。

 

「神器が使えるだけの普通の人間・・・・っていうのは当然なしですよね?」

 

「・・・・・当然です。現世先輩は悪魔のことを知っていた。私達が悪魔であるということも・・・・それなのに普通だなんて通用しない」

 

小猫ちゃんがジト目を朧に向けながら言う。

 

小猫ちゃんの言うとおり、朧は悪魔の事知ってるみたいだし・・・・・部長達が悪魔だってことも知ってるみたいだった。それなのに普通の人間だなんてありえない。

 

「ま、そう思われて当然・・・・か。でもまあ。そこまで大それたことでもないんですけどね。ただ・・・・俺の保護者が悪魔だってだけのことですからね」

 

・・・・は?

 

「保護者が悪魔って・・・・ええっ!?朧の親って悪魔だったのか!?」

 

「違う。保護者がだよ。親が悪魔だったら俺人間じゃないってことになるだろう」

 

あ、そうか・・・・驚きのあまり冷静さを失ってしまってたようだ。

 

そっか・・・・親じゃなくて保護者か・・・・

 

「って、それでも十分驚くべきことだぞ!?保護者が悪魔って!」

 

「あ~・・・・そりゃやっぱ驚くよな。まあ、ともかく。俺は保護者が悪魔で、その悪魔に悪魔のことやら天使、堕天使、それと神器のことなんかも教えてもらってたんだよ。だから詳しかったっていうこと」

 

「なるほど、そういう事情があったのね・・・・じゃあその悪魔の名前を教えてくれないかしら」

 

「・・・・・」

 

部長が朧に保護者の悪魔の名前を尋ねると、朧は苦笑いを浮かべながらそっぽを向いた。

 

「朧?どうしたんだ?」

 

「ああ、その・・・・え~と・・・・あ~・・・・グレモリー先輩。それ言わないといけないですか?」

 

「ええ。言ってくれないとあなたが言ってることが本当かどうか信用できないもの」

 

部長の言ってることはもっともだ。その悪魔の事がわからなければ、朧の言ってることが真実かどうかわからない。

 

・・・・まあ、私は普通に信じてるけどさ。

 

「ですか・・・でも・・・あ~・・・う~ん・・・・」

 

「どうしたのかしら?」

 

「いや、そのですね・・・・その悪魔っていうのは結構有名らしいんでグレモリー先輩でも知ってるとは思うんですが・・・・でもなんていうか・・・・言いたくないといいますか言っても誰も得しないといいますか・・・・むしろ知ったら後悔するといいますか・・・・」

 

・・・・そんなに知られたくないのか?なんか冷や汗まで出てる上にだんだん声が小さくなってるし。

 

「いいから早く教えなさい」

 

そんな朧に対して部長は容赦なかった・・・・まあ、部長からしたら朧はまだ疑わしい存在だということだろう。

 

ここで私が朧をフォローしてもいいんだけど・・・・正直私も朧の保護者について知りたい。だから何も言わないでおこう。

 

「・・・・わかりました。教えますよ。ただ、教えるのはグレモリー先輩一人だけにです。他の皆には・・・・先輩が話してもいいと判断したら話してください」

 

「・・・それって意味があるのかしら?聞けば私は皆に言うわよ?」

 

「・・・・知れば理解できますよ。俺がどうしてこんなに渋ってるのかが」

 

そう言うと、朧は部長にだけ聞こえるように耳打ちした。

 

すると・・・・

 

「追求してごめんなさい。私が悪かったわ」

 

部長は朧の肩をがしっと掴み、同情に満ちた目をして朧に申し訳なさそうに言った。

 

・・・・これは一体どういうことだろうか?あの部長がこんな態度をとるなんて・・・・余計にその悪魔がどういう存在なのか気になる。

 

この反応からして部長はその悪魔のこと知ってるみたいだけど・・・・

 

「あなたも・・・・・・・苦労してるのね」

 

「わかってくれますかグレモリー先輩・・・・・俺の気持ちが」

 

「ええ。彼女とは私も数回会ったことがあるけれど・・・・・あれは破天荒だなんてレベルじゃないわ」

 

「全くです」

 

どこか遠い目をしながら語り合う朧と部長・・・・というか、本当になんなんだ?いい加減私も気になってきたぞ。

 

「あの、部長・・・・その悪魔というのはいったい誰あのかしら?」

 

「朱乃・・・・・知らないでおいてあげて。というより知ったら本当に後悔するわ」

 

朱乃先輩が部長に尋ねるが、部長はさっきの朧と同じような事を言って拒否してしまった。

 

女王(クイーン)である朱乃先輩に聞かれても答えないなんて・・・・その悪魔というのはよほどヤバい存在だということだろうか?ますます気になってくるぞ。

 

私だけじゃなく、小猫ちゃんやアーシア、木場ももちろん朱乃先輩も知りたそうにしている。

 

でも・・・

 

「あの部長・・・・どうしても教えてもらえませんか?」

 

「イッセー・・・・ごめんなさい」

 

こうも頑なでは、教えてもらうのは難しいだろう。

 

ほんと・・・朧の保護者って何者なんだ?

 

 

 




朧の保護者は三大勢力の間では結構有名です

相当強いですし・・・・破天荒ですしね

ちなみにオリキャラですのでそこはご理解を

それでは次回もまたお楽しみに!
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