ハイスクールD×D ~それは現か幻か~ 作:DDX
まあ、正確にはその前がメインなんですが
それでは本編どうぞ
「この家に入るのも久しぶりな気がするな」
俺は今、イッセーの家に来ていた。イッセーが目を覚ましたかどうか確認するためにだ。
「・・・・朧さん?」
イッセーの部屋のある二階に行こうとすると、アーシアと遭遇した。手にはタオルを持っている。おそらくイッセーのために用意したものだろう。
「こんにちはアーシア」
「あ、はい。こんにちは。えっと・・・・イッセーさんのお見舞いですか?」
「ああ、まあ半分はね」
「半分は?」
「気にしなくてもいいよ。それよりも、アーシアはなんでここに?部長の婚約パーティに行ってたんじゃなかったのか?」
アーシアも部長の眷属だ。だから婚約パーティーに付き添っていると思ったのだが・・・・・
「・・・部長さんに頼まれたんです。イッセーさんの傍にいて欲しいって」
「なるほどね・・・・それで?そのイッセーはまだ目を覚まさないのか?」
俺が尋ねると、アーシアは表情を暗くしてこくりと頷いた。
そうか・・・・まだ目を覚まさないのか。となると間に合わないかもしれないな。そうなると・・・・
「・・・・俺がやるしかない、か」
「え?」
「なんでもないよ。それよりも、イッセーの部屋に行こうか。俺、一応それが目的なわけだから」
「はい。わかりました」
俺とアーシアはイッセーの部屋のある二階に向かう。そして階段を上りきったところで・・・・今度はルキフグスと遭遇した。
「お?ルキフグスさんもいらしたんですね」
「・・・・・白々しいことを言いますね。私がここにいることは分かっていたのでしょう?」
「あはは、それはまあね。ところでルキフグスさんってイッセーの部屋にいたんですよね?イッセーの様子はどうですか?」
「一誠さまなら、先程目を覚ましました」
「!?」
ルキフグスのその言葉を聞くやいなや、アーシアはイッセーの部屋へと駆け出した。よほど心配だったようだ。
「イッセーは目を覚ました・・・・か。それで?ちゃんと焚きつけたんですか?」
「はい。ザーゼクスさまもそれを望んでいましたので・・・・これであなたの目論見通りになったというわけです」
「そうですね。これで俺が性に合わないことをせず、レイヴェルのことに集中できるってわけだ」
俺なんかに助けられたところで、グレモリーからすれば大して嬉しくないだろうからな。まあ、俺単独でやったほうが色々と楽ではあるんだけどさ。
「冥界に行くための魔法陣は既に一誠さまに渡してあります、あなたも行きたいのならご自由にどうぞ」
「それはどうも。では、これにて失礼」
俺はルキフグスに踵を返して、イッセーの部屋に向かった。
部屋に入ると、そこには制服に着替えたイッセーの姿があった。ちなみにアーシアはいない。先程イッセーの部屋を出て、別の部屋に入るのが見えたからおそらく何かを取りに行ったのだろう。
「朧・・・・どうしてここに?」
「どうしてって・・・・お前の見舞いだよ。親友なんだから見舞いにぐらい来るさ」
「そっか・・・・ありがとう朧」
俺に対してニコリと微笑みを浮かべて礼を言ってくるイッセー。まったく・・・・俺なんかにそんな微笑みを向けてくれるのなんてお前ぐらいなものんだよ。
「まあ、見舞いは目的の半分で、もう半分は別にあるんだけどな」
「別に?」
「ああ・・・・部長を取り戻しに行くんだろ?」
「・・・・うん」
俺が尋ねると、イッセーは力強く頷いた。
「ははっ。お前ならそうすると思ったよ。だからこそ、ルキフグスさんに手回しお願いしたんだからな」
「手回しって・・・・じゃあこれって朧が?」
そう言いながらイッセーは手に持った紙に視線を移す。おそらく、それは冥界の婚約パーティーが行われている会場に向かうための転移魔方陣の書かれた紙だろう。
「俺が何も言わなくてもそうなっていた可能性はあるけどな。ルキフグスさんも魔王ルシファーも今回の婚約には反対のようだし。まあ、そんなことはどうでもいいか。俺の目的のもう半分ってのは・・・・俺も一緒に冥界に乗り込むってことだよ」
「・・・・え?」
キョトンとした表情で間の抜けた声をあげるイッセー。
「おいおい、なんだその顔は?俺も一緒だと何か問題あるのか?」
「いや、朧が一緒に来てくれるのはすごく頼もしいんだけど・・・・なんで?」
「なんでって、親友の手助けをするのは当たり前のことだろ?そうでなくても部長とはそれなりの縁があるんだから俺だって助けたいと思うさ」
「朧・・・・・」
感極まったといった様子を見せるイッセー。そうかそうか。そんなに喜んでくれるのか。
でも・・・・ごめんなイッセー。
「まあそれは建前として、レイヴェルに会いたいからってのが本音なんだけどな?」
「薄々そうだとは思ってたよ!というかそういうことはわざわざ言うな!」
本当のことを話したらおもっきし突っ込んできた。うん、中々キレのあるいいツッコミだ。
「ははははっ。それだけ元気にツッコミができるなら、体力は全快してるようだな。変に気を回さなくてもすみそうだ」
「まったく朧は・・・・・でもまあ、それでも手伝ってはくれるんだよな?」
「ああ。美味しいところはお前に持って行かせるつもりではあるが、それでも俺も補助はするよ。俺の幻術はそういうことに向いてるからな」
「そっか・・・・ありがとう」
「おう。どういたしまして」
右手の拳を突き合わせる俺とイッセー。その際、イッセーから何か大きな力が感じ取れた。
『あら・・・・ドライグの力が大きくなってるわね。イッセーちゃん・・・・何かやらかすつもりかしらね』
・・・・まあ、そうだろうな。今のイッセーの力じゃライザーに勝てないのはわかりきったことだ。だったら・・・・代償を払って力を得るしかないだろう。俺のこの眼と同じようにな。
『あなたの目は代償とは言えないと思うけれどね』
まあ、そうだけどな。
「イッセーさん、お持ちしました」
拳を離したのとほとんど同時に、アーシアが部屋に入ってきた。俺はアーシアが手に持っているものを見て、思わず笑みを零す。
「・・・・なるほど。それを利用するのか。確かにそれならフェニックス相手でも効果的だ。考えたなイッセー」
「ああ。部長を取り戻すためだ。できる事は全部しておかないとな」
アーシアからそれを受け取りながら言うイッセー。頭を使うことが苦手なイッセーがそこまで考えてるとはな・・・・・今回はそれだけ本気ということか。
「そっか・・・・そこまで言うからには、絶対に部長助けろよ?その為のお膳立てはしっかりしてやるからさ」
「もちろんだ」
「お膳立て?もしかして・・・・朧さんも行くんですか?」
アーシアは意外そうに俺に尋ねてくる。
「ああ、そうだけど・・・・意外か?」
「い、いえ。そういうわけではないんですけど・・・・」
「まあ、昨日の話聞いてたら意外だって思われても仕方がないか。でも。俺はあの時助けに行かないなんて一言も言ってないよ。為すがままに受け入れるのがいいとか、希望を捨てるにはまだ早いとは言ったけどな」
一応、遠まわしにだけど助けはあるって仄めかしてはいたからな俺。まあ、あの時はメインのイッセーが目を覚ますかどうか微妙だったからはっきりとは言えなかったんだけど。
「・・・・ふふっ。そうですね」
俺の言葉を聞いて、アーシアは笑みを浮かべる。ほんと、この子の笑顔は綺麗だな・・・・これこそ、天使のような悪魔の笑顔ってやつか?
「さて、イッセー。そろそろ行こうか」
「ああ。それじゃあまた後でなアーシア」
「はい。お二人共、頑張ってくださいね」
アーシアに見送られて、俺とイッセーはルキフグスから渡された魔方陣で婚約パーティの会場へと転移した。
というわけで冥界には朧とイッセーの二人で乗り込むこととなりました
どうなるか乞うご期待
それでは次回もまたお楽しみに!