ハイスクールD×D ~それは現か幻か~   作:DDX

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今回はある方の名前が判明します

それでは本編どうぞ


第33話

「・・・・・・」

 

俺の勝利で戦いを終え、手錠を消してやると、レイヴェルはむっとした表情で俺のことを睨んできた。頬も紅いが・・・・まあ、これは怒りというより羞恥によるものだろう。

 

「ふふふっ・・・・やっぱり恥ずかしかったか?」

 

「当然ですわ!こんな大勢の前で私を辱めて・・・・・恥ずかしさのあまり顔から火が出てしまいます!」

 

「ごめんごめん。勝つためにはああするのが一番手っ取り早いと思ってさ」

 

俺が楽しむ為でもあったけどね。正直すっごい愉悦だった。興奮した。

 

『変態ね』

 

否定はしない。男の子だもん。

 

「だがまあ、安心しなレイヴェル。他の連中に見られるなんてことはなかったから」

 

「え?」

 

「幻術を使って俺とレイヴェルの姿は隠してたよ。余計な邪魔が入ったら困るし・・・・・レイヴェルの恥ずかしいところを見るのは俺だけで十分だからな」

 

「お、朧様!?」

 

恥ずかしさのあまり、顔がさらに紅らむレイヴェル。ほんと、こういう新鮮な反応をしてくれる子はいい。愛おしくなる。

 

「ともかく、勝負は俺が勝ったんだ。デート・・・・してくれよ?」

 

「・・・・・わかっていますわ」

 

あ、今ちょっと口元緩んで微笑み浮かべてたな。やっぱり満更でもないのか。嬉しいね。

 

ともあれ、これで俺がここに来た目的は果たせたわけだ。あとは・・・・・イッセーの方がどうなってるかだが。

 

「・・・・へえ、中々面白いことになってるじゃないか」

 

「朧様?」

 

「イッセー達の方を見てみなレイヴェル。あれはあれでいい勝負をしている」

 

俺に言われ、イッセーとライザーの方へと視線を向けるレイヴェル。

 

そこには、互いに拳を交え合うイッセーとライザーの姿があった。ただ・・・・イッセーの姿は常のものとは違う。全身を真っ赤な鎧で覆っていた。

 

全身鎧(フルプレートアーマー)?あんなの先のレーティングゲームでは使っていなかったはず・・・・」

 

「あれは禁手(バランスブレイカー)だよ。ごく一部の神器(セイクリッド・ギア)所有者が至ることができる究極形態だ」

 

それこそ神滅具(ロンギヌス)の禁手となれば、イッセーであってもライザーと互角以上に渡り合う力を手にできるだろう。もちろん、そんな力をタダで使えるわけがないがな。

 

「禁手のことは私も知っていますが・・・・ですが前回のレーティングゲームから二日しか経っていないのですよ?未熟な彼女がそれに至れるだなんて思えませんわ」

 

「その通りだ。今のイッセーでは禁手に至るには未熟すぎる・・・・だからイッセーは代償を払ってあの力を強引に引き出しているんだよ」

 

「代償?」

 

「イッセーの左腕をよく見てみろ」

 

レイヴェルは目を凝らしてイッセーの左腕を観察する。そして、それに気がつき、表情を驚愕に染めた。

 

「あれは・・・・まさか、本物のドラゴンの腕?」

 

全身鎧のおかげでわかりにくいが、イッセーの左腕は脈動していた。それは、その腕が本物のドラゴンの腕であるという何よりの証拠であった。

 

「そうだ。イッセーは左腕を代償にして禁手に至ったんだ。もっとも、それでもあの姿でいられるのは長く見積もっても10秒が限界だろうがな。」

 

「たったの10秒?10秒間力を得るために・・・・リアス様をお兄様から奪うためだけに左腕を犠牲にしたというのですか?」

 

「それがイッセーさ。一度覚悟を決めたら何が何でも突き進む。自分の犠牲なんて厭わずにな。そういうところは親友としては改めて欲しいとも思うが・・・・・それこそがイッセーの一番の美点だよ」

 

イッセーがそういう奴だから・・・・・クズな俺でも、あいつを親友だと思い続けられたわけだしな。本当あいつは・・・・・真性の馬鹿だ。

 

「もっとも、左腕がドラゴンのものに変わったことで、利点もあるがな」

 

「利点・・・・といいますと?」

 

「それは・・・・・お?タイミングがいいな」

 

俺が説明しようとすると、イッセーはライザーを左手で殴り飛ばした。殴られたライザーは、自分が過剰なダメージを受けていることに驚いている。

 

「お兄様があんなにもダメージを?どうして・・・・」

 

レイヴェルが疑問に思っていると、イッセーは手の平を開いてみせた。

 

「十字架!?そんな、悪魔が十字架を握るなんてこと・・・・・あ」

 

「そう。普通は悪魔にとって弱点である十字架なんて握れるわけがないが・・・・イッセーの左手は悪魔のものではない。ドラゴンの腕に変質してしまっているんだ。代償を払ったが故にできる戦法だよ」

 

代償をメリットに変えるのは賢い手だ。正直禁手の力だけでは押しきれなかっただろうが、あれならいける。

 

「もっと短絡的だと思っていましたが・・・・まさかそこまで考えられる方だったなんて」

 

「それだけイッセーも必死だっていうことさ。ただまあ・・・・・その必死さがライザーに火をつけてしまったようだがな」

 

ライザーはイッセー執念とも言える勢いにに畏怖を抱いているように見えた。だが、だからこそライザーは全力でイッセーを仕留めようと力を発揮しだした。

 

そして・・・・イッセーとライザーは互いに全力込めて殴り合う。

 

「・・・・・俺はイッセーに勝って欲しいと思っているが、ライザーもなかなか男を見せるじゃないか。正直、あそこまで熱い奴だとは思わなかったよ」

 

「私も・・・・あんなお兄様初めて見ましたわ」

 

「それだけ部長を渡したくないか、それとも男として滾っているのか・・・・・まあどちらかはわからないが、それでもああいう姿は立派だと思うよ」

 

ああいう熱くて泥臭いのは俺には到底無理だろうからな。だからこそ、憧れもする。

 

「さて・・・・・どちらが勝つか見ものだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーとライザーの勝負に決着がついた。勝ったのは・・・・・イッセーだ。

 

途中、禁手の効果が切れて鎧が解除されてしまったが、それでも懐に忍ばせていた聖水に十字架と赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の譲渡の力を組み合わせて浴びせることでライザーをひるませた。そしてトドメに全身全霊を込めた拳をライザーの腹に叩き込んで・・・・勝敗は決した。

 

「お兄様・・・・」

 

床に突っ伏して、立ち上がることのないライザーの姿を見て、レイヴェルは呟く。

 

「・・・・ライザーが心配なら行きなレイヴェル」

 

「朧様・・・・ありがとうございます」

 

レイヴェルはライザーの下に向かい、ライザーを介抱する。その間に、イッセーはグレモリーの家の者に今回のことを謝罪し、頭を下げた。

 

その後、ルキフグスからもらった魔方陣から現れたグリフォンに、イッセーはグレモリーと共に跨る。グリフォンは二人が跨るのを確認すると、先ほどの戦いでできた壁の穴に向かって羽ばたき始めた。

 

「部室で待ってるからな!」

 

俺や木場達にそう言い残して、イッセーはグレモリーと共に冥界の空へと飛び立っていった。

 

・・・・ん?ちょっと待て。

 

「待てイッセー!俺を置いていくな!」

 

イッセーに向かって叫ぶ俺だが、その声はもはや届いていなかった。

 

あいつ・・・・俺のこと絶対に忘れてやがった。いや、さっき俺に向かって言ってたから俺の存在自体を忘れてたわけじゃないだろうが・・・・だからってこれは酷すぎる。あんまりだ。

 

『まあ確かに酷いわね。実際・・・・・今大変な状況に陥ってしまってるし』

 

ラムに言われ、俺は気がつく。会場内の大部分の悪魔の視線が俺に向けられていることに。

 

『そりゃああんな大声を出せば注目もされるわよ』

 

ですよねぇ。

 

「なんでここに人間が?」

 

「さっきリアス様を連れ去った下級悪魔の仲間?」

 

「まさか今回の件は奴が唆して・・・・」

 

なんかヒソヒソが聞こえるよ・・・・・しかも今回のこと俺が黒幕みたいに言うし。なんか今にも俺を捉えようと衛兵達が身構えてるし。

 

『実際あなたが唆したようなものじゃない』

 

確かにルキフグスに話を切り出したのは俺だが主犯ではない。

 

仕方ない。ここは木場達に弁明をしてもらって・・・・・

 

『その木場君達なら他人のふりしてるわよ?』

 

ラムに言われて木場達の方を見ると、自分達は関係ないとばかりに視線をそらしていた。

 

あいつら・・・・・この場に及んでそれが通用するとでも思ってるのか?結局は後で追求されることになるんだろうから助けろよマジで。

 

『日頃の行いね』

 

結構真面目にオカ研の雑務こなしてたのに理不尽だ。

 

仕方ない・・・・・この事態も想定してなかったわけじゃないんだ。ひとまずは幻術を使って姿をくらまして・・・・

 

「皆さん、落ち着いてください」

 

俺が幻術で姿を消そうとしたその瞬間、ルシファーが悪魔達を鎮めた。

 

「ザーゼクス様。しかし奴は・・・・」

 

「彼もまた私がグレイフィアに頼んでこさせたのです。確かに彼は人間ですが、彼は私の知人の悪魔を保護者としていますので私達悪魔と全く縁がないというわけではありません。何より妹の知人でもありますしね」

 

どうやらルシファーは俺を助けるために弁明してくれているようだ。嬉しいといえば嬉しいのだが・・・・悪魔に借りを作るようで若干忌々しい。

 

「彼は後ほど私が責任をもって人間界へと送り返します。なので、一切の危害を加えないように。もしも彼に何かあれば・・・・彼の保護者、ミリアリッサ・メルゼスが黙っていないでしょう」

 

「「「ミ、ミリアリッサ・メルゼス!?」」」

 

あ、ルシファーが俺の保護者・・・・ミリアリッサ・メルゼスの名前を出した瞬間、会場の大多数の悪魔の顔が青ざめる。

 

そして・・・・

 

「「「お願いします・・・・大人しく帰ってください」」」

 

多くの悪魔達が、俺に向かって頭を下げて頼み込んできた。いや、別にこれ以上面倒事を起こす気はないんだが・・・・

 

ミリアのやつ・・・・そうとう厄介者扱いされてるんだな。まあ、あんなことすれば当然だろうけど・・・・・

 

「さて、これで君に危害が及ぶことはないよ朧君」

 

会場が異様な空気に包まれる中、ルシファーが微笑みを浮かべて俺に声をかけてきた。

 

「・・・・どうもありがとうございます魔王様。できれば早めに人間界へと帰していただけますでしょうか?」

 

「私としては君とはゆっくり話がしたいと思っているのだけれど・・・・・ミリアから君のことは色々と聞いていたからね」

 

「お気持ちは嬉しいのですが、こうも悪魔ばかりの空間に一介の人間である俺が長時間居るのは少々居心地が・・・・・魔王様も事後処理が大変でしょうし、早めに帰していただけた方がよろしいかと」

 

「なるほど、正論だね・・・・やはり悪魔のことは好きになれないかい?」

 

苦笑いを浮かべながら、俺だけに聞こえるよう小声で尋ねてくるルシファー。

 

ミリアめ・・・・・なんか余計なこと話してやがるな。まさかあのことまで・・・・いや、いくらミリアでもそこまでは話してないと信じておこう。

 

「それが分かっているなら・・・・頼みますよ」

 

「わかった。早急に準備しよう」

 

こうして俺は、ルシファーのおかげで無事に人間界へと帰ることができた。




ということで朧の保護者の名前はミリアリッサ・メルゼスです

悪魔達の間では悪い意味で有名ですがザーゼクスとは一定以上の進行があります

それでは次回もまたお楽しみに!
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