ハイスクールD×D ~それは現か幻か~ 作:DDX
そこまで暗くてシリアスにはなってないとは思いますが・・・・
それでは本編どうぞ
「水も滴るいい男・・・・・今のお前を見たら、何人の女が胸キュンするだろうな?いや、実に羨ましい」
旧校舎前で、土砂降りの中傘もささずに濡れに濡れた木場を見つけた俺はそう言ってやった。もちろん俺は傘さしてるがな。雨に濡れるのなんて嫌だし。
「・・・・・なんのようだい朧くん?」
「用がないと話しかけちゃダメなのか?俺とお前の仲じゃないか」
「おかしなことを言うね。僕と君の間に親しみなんてものななかったと思うけど?そもそも君は僕のこと嫌ってるんじゃないのかい?」
「別に嫌っちゃいないさ。同じ部活に所属してるんだから一定以上の仲だとは思ってるぞ?まあ、オカ研の中じゃ一番好きじゃないけど。お前男だし」
まあ、もしも男装女子とかだったらもうちょい好きになってたかもしれないけどな。ぶっちゃけ木場って性転換しても結構いい線いくレベルだと思うし。
『そうなったらハーレム候補に入っていたかしら?』
あるいはそうかもな。まあ、そんな仮定に意味はないけど。
「正直だね。朧くんのその正直さ・・・・少し羨ましいよ」
「あははははっ!嘘つきな俺の正直さとか矛盾してるな。面白い言い回しだ。まあそんなどうでもいいことは置いておいてと・・・・・確かにお前のことは好きではないが、それでも最近は俺、お前に親近感を抱いてるんだぜ?」
「・・・・・どう言う意味だい?」
「聖剣計画」
「ッ!?」
おっと、聖剣計画の名前が出た瞬間目つきが変わったな。怒りと悲しみ、憎悪に染まった・・・・・復讐者の目だ。
「どうして君がそれを?」
「まあそれは色々あってな。面倒だから説明省くけど。まさかお前があの計画の生き残りだとはな・・・・・いや、生き残りって言い方は違うか。お前は転生悪魔なんだからな」
「・・・・そうさ。聖剣に適応できなかった僕は・・・いや、僕達は処分された。僕だけが運良く瀕死のところを部長に悪魔として転生させられたんだ」
「だから復讐を誓っている・・・・か。復讐の対象は教会か、聖剣か、あるいはエクスカリバーか・・・・・まあいずれにしてもお前の憎悪は相当なものだろう。気持ちはよくわかるよ」
「わかる・・・・だって?ふざけるな!」
木場は神器・・・・
「君に僕の何がわかるって言うんだ!僕の人としての人生は聖剣に、あの計画に壊された!その僕の怒り、悲しみ、憎悪、復讐心・・・・君に何がわかるって言うんだ!」
ははっ、怒ってる怒ってる。まあ、軽はずみに言われたと思ってるみたいだから起こるのも無理ないか。だがまあ・・・・・残念ながら、俺にはわかっちゃうんだよな。なにせ・・・・
「殺したいほど憎い奴がいる」
「・・・・え?」
「ただ殺すのも生ぬるい。苦痛と絶望に染め上げ、許してくれと懇願させるほどに追い詰めた上で殺してやりたい程に憎い相手が・・・・・俺にはいるよ」
「・・・・それはいつもの嘘かい?」
剣を持つ手の力をわずかに緩めながら、木場は俺に尋ねる。
「そうじゃないってことぐらい俺の目を見ればわかるだろ。今の俺の目・・・・多分お前と同じだと思うぞ?」
「・・・・・」
何も言い返さず、剣を下げる木場。俺の目を見てわかったんだろうな・・・・俺もまた復讐者だって。
「奪われたんだ・・・・・かけがえのない幸せを。何にも代え難い大切なものを・・・・俺は奪われた。だから奪ったやつを許さない。許すことなんてできるはずがない。出会うことがあったら・・・・必ず復讐してやると心に誓っている。だから俺はお前の復讐を否定なんてしないさ。むしろ応援しているぐらいだからな」
「僕の復讐を応援、か・・・・君が初めてだよ。僕の復讐を肯定してくれたのは」
「肯定するに決まってるだろ。リアス部長やイッセー達がどう思ってるかは知らんが、そもそも復讐心ってのは否定するべきものじゃない。復讐に意味なんてないって言う奴もいるが、それは復讐すべき相手がいない・・・・憎悪を知らない奴の戯言さ」
復讐しない限り、心に巣食う憎悪は消えない。それは苦しいことだ。その苦しみを晴らすためってだけでも復讐に意味はあるさ。
「ということで、木場の気持ちがわかる俺としては、一刻も早く復讐がなされることを祈ってやろうと思ってるよ。ただ・・・・・」
「ただ・・・・なに?」
「一つ忠告をしておこう。復讐を肯定したが俺はそれと同じように幸せも肯定している。幸せってのは何よりも尊いものだり、俺やお前のような復讐者だって幸せになる権利はあるし、それをみすみす手放すのは愚かだと思っている」
「・・・・何が言いたいんだい?」
「いちいち聞き返さなくてもわかっているだろう?ここ最近のお前は自分の幸せを放棄してるように見えるんでそれがちょっとムカついてな。だから言わせてもらう・・・・幸せと復讐は同居できる。だからどっちも怠るな。復讐には意味があり、幸せには価値がある・・・・それを忘れるな木場祐斗」
「・・・・・」
俺が告げると、木場は何も言い返さずに俯いた。おそらく、木場は思い返しているのだろう。リアス・グレモリーの眷属『木場祐斗』としての生活・・・・幸せを。
「俺が言いたいことは以上だ。じゃあな。また明日」
何も言わない木場に背を向け、俺はその場を立ち去った。
「レイナーレはさ、俺やイッセー達に復讐したいと思うか?」
「・・・・は?」
髪をブラッシングしながら尋ねると、レイナーレは訳がわからないといったように短く声を漏らした。
「いきなり何を訳のわからないこと言っているのよ?」
「いや、なんていうか・・・・・レイナーレって俺に殺されてるだろ?イッセー達には計画の邪魔されてるし。だから復讐したいとか思ってるのかなぁと」
「ふーん・・・・そんなことを思ったのは、この間見た悪夢が原因かしら?」
「それも原因の一端だと言っておこう」
まあ、木場のこともあるからこの言い方で間違いはないだろう。
「それで?実際のところどうなんだよ?」
「そうね。はっきり言えば・・・・」
「はっきり言えば?」
「正直どうでもいいわね」
レイナーレの答えは、俺の想像以上にあっさりしたものであった。
「お前を殺した俺や、追い詰めたイッセー達のことが憎くないっていうのか?」
「別に憎しみを抱いてないわけじゃないわ。あなたや兵藤一誠達のことは憎いし、その感情は今後消えることはないと自信を持って言えるわ」
・・・・自分から聞いておいてなんだが、結構ダメージはいるな。まあ、俺も堕天使であるレイナーレに全く憎しみを抱いていないわけでもないからお互い様といえばお互い様だが。
「憎しみを抱いているならなんで復讐しようと思わない?」
「簡単よ。私は今の生活に満足している。だから復讐しないのよ。復讐なんてしたら、今の生活が終わっちゃうじゃない」
「憎しみを晴らすよりも現状維持の方が大事ってことか?」
「そうよ。癪だけど、今の生活は『
『彼女の言い分もわからないでもないわね。復讐に意味があるといっても、それで幸せという価値を失ってしまうのなら諦めてしまっても仕方がないわ』
ラムの言うとおりだ。復讐と幸せは同居できるが、それは幸せの内容によっては必ずしもというわけでもないしな。
「まあ、そもそもの話あなたに復讐しようとしても無理でしょうしね。どうせ殺せないわ」
「はははっ。まあ、俺もレイナーレに殺されるつもりはないから」
『うふふっ。その言葉、どこまで本気なのかしらね?』
さあ?どこまでだろうな。レイナーレになら殺されてもいいと多少は思わなくもないのは確かだし。
「そういうあなたはどうなのよ?」
「ん?どうって?」
「母親を1年間も犯した挙句殺した堕天使に・・・・復讐したいとは思っていないの?」
復讐したいとは思っていないのかねぇ・・・・・何を聞くかと思えば。
「復讐したいに決まってるだろ。憎くて憎くて堪らないんだからな。もっとも、相手が相手なだけにそう簡単に会えるわけでもないから復讐の機会なんて来るかもわからないがな」
「そう・・・・ちなみに、その相手っていうのは誰?」
「・・・・・どうしてそんなことを聞く?」
「別に。ただの興味本位よ。私の知ってる奴かもしれないし」
興味本位ねぇ・・・・まあ、レイナーレが知りたがる理由なんてそれ以外ないか。同じ堕天使である自分が知ってる奴かどうかは普通に気になるだろうし。
『本当にそれだけかしらね?』
どう言う意味だよ?
『さあ?どう言う意味かしらね♪』
わけわからん・・・・・まあいいか。それよりも、せっかくだしレイナーレに教えてやるか。個人的には名前も出したくないんだが一緒に住んでる上本命でもあるしそれぐらいの義理はある。
「そんなに知りたいなら教えてやるよ。多分・・・・というよりレイナーレでも確実にそいつのことは知ってるだろうさ。なにせ―――――だからな」
「・・・・え?」
その名前を教えてやると、レイナーレは驚いた様子を見せる。まあ、当然だろう。奴は堕天使の中でも有名だからな。
「流石に驚いたか?」
「ええ・・・・でもまさか―――――だとは思わなかったわ。そういうことには興味ないと思っていたし」
「ふーん。レイナーレにとってはそういう印象なんだな。まあ、それだけ母さんが魅力的だったということだろう。息子の贔屓目抜きにしてみても母さんかなりの美人だったし」
母さんレベルの美人なんて世界中探してもそうはいないと断言できる。だからこそ、捕らえら、犯されてしまったんだが。
「まさかよりにもよって―――――だなんて・・・ちっ」
「レイナーレ?」
忌々しげに舌打ちするレイナーレ。よりにもよってって・・・・どういう意味だ?レイナーレと―――――の間に何かあるのか?
「・・・・なんでもないわ。それよりも髪の手入れ雑になってない?」
こちらを振り返るレイナーレが、不満気に言ってくる。
「何を言う。いくら話をしているとはいえ、この俺がレイナーレの髪の手入れを疎かにすると思っているのか?今日もいつも通りバッチリだ。見くびってもらっては困る」
「ああ、そうだったわ・・・・あなた無駄に器用だったわね」
「無駄言うな。フェチを極める上では必須技能なんだから」
「はいはいすごいすごい」
うっ・・・・レイナーレ、なんかだんだん俺のあしらい方が上手くなってる気が・・・・
『気のせいじゃないわよ?いい加減慣れてきたんじゃないかしら?』
慣れるほど親交を深められたことに喜ぶべきか悲しむべきか・・・・
『そこは喜んでおきましょ』
ま、そうだな。
奴か・・・・―――――が朧の母親を
―――――が朧を苦しめ、朧を悲しめ、朧を絶望の淵に叩き込んだ
―――――が・・・・・・私の朧を
許さない
絶対に許さない
いつかこの手で――――を
必ず・・・・・・殺してやる
とうとうレイナーレは朧の復讐相手の名を知りました
一応隠してはありますが・・・・・まあ読者には誰かはもうわかってると思います
そして最後のモノローグが意味するものは・・・・
それでは次回もまたお楽しみに!