ハイスクールD×D ~それは現か幻か~ 作:DDX
それでは本編どうぞ
放課後、俺は神父の格好をして町中の人気の少ない場所を歩き回っていた。神父の格好をしているのはコカビエルの配下だというイカレ神父のフリード(たしかそんな名前だった)は教会の追手を始末しているようなので、誘き寄せるためにだ。ちなみに、この格好は俺の幻術によって施したものである。こういう時幻術は本当に便利である。
あと、俺はひとりで町を歩き回っているわけではない。同行者が二名ほどいる。その同行者というのは・・・・・教会の戦士、ゼノヴィア・クァルタと紫藤イリナだ。
「・・・・ねえ、なんで君は私たちと一緒にいるの?」
紫藤が俺にジト目を向けながら尋ねてくる。まあ、もっともな疑問だな。普通に考えれば俺は与しているイッセー達と行動を共にしているはずなのだから。
「んー・・・・・二人が割と俺の好みだから?」
「えっ!?そ、そんなこと言われても・・・・・」
俺の発言に紫藤は顔を赤くする・・・・・・うん、やっぱこの子チョロいわ。
「まあ嘘だけどさ」
「私の純情返して!」
おお、いいリアクション。なんというか、イッセーに並んで嘘のつきがいのある子だな。冗談抜きで好みかもしれない。
「イリナの純情はどうでもいいから置いておくとして、実際君はなぜ仲間である悪魔たちではなく私たちに同行する?」
「どうでもいいって酷くないゼノヴィア!?」
イリナの悲痛なツッコミにも顔色一つ変えることいなく、ゼノヴィアは興味深そうに俺に視線を向けてくる。
まあ、別に知られて不都合な理由でもないし、答えてやるか。
「俺・・・・いや、俺たちが聖剣破壊の協定を持ちかけたのは木場に復讐を果たさせるためだ。そのためには木場に聖剣使いと戦い、聖剣を破壊してもらう必要があるが・・・・・聞くが、仮にコカビエルと戦うことなく、自分たちの手だけで聖剣回収ができそうだったら場合、あんたたちは協定を結んだからという理由でイッセー達に連絡をとってくれるか?」
「・・・・・いいや。私達の手だけで任務を果たせるというのなら悪魔の手を借りるつもりはない」
「そうね。私たちとしては悪魔と協力っていうのは上に知られたくないから、手を借りる必要がなさそうならイッセーちゃんたちには連絡しないわ」
「だろうな。だからこそ、俺はあんたたち二人に同行してるんだよ。こっちが先に敵方と接触した際、その時の状況や敵の強さにかかわらずイッセーたちに連絡できるようにな」
俺の目的はコカビエルだが、それでも同じ復讐者としては一応木場の復讐も果たせせてやりたいとは思ってるからな。協定を持ちかけたもののクァルタと紫藤だけで十分だったから手は借りませんでしたじゃあまりにも木場が報われないからな。
ただまあ、一応向こうが先に接触した際も連絡をよこしてくれることになっているが。
『悪魔・・・・それも男相手に気を遣うなんて、あなたも丸くなったわね』
俺だって不本意だよ。だけど、多少なりとも縁はあるんだからそれぐらいはしてやりたいって思ってもおかしくないだろ。
『ふふっ、そうね♪』
ったく・・・・・楽しそうにしやがって。
「・・・・・・人間でありながら、随分と悪魔に肩入れするんだね君は」
クァルタが俺を睨むように見ながら言ってくる。
「教会の戦士であるクァルタさんからしてみれば、人間なのに悪魔に協力する俺の気がしれないのかな?だったら言わせてもらうけど・・・・・俺に言わせれば悪魔も教会も大差ないよ」
「聞き捨てならないわね。偉大なる主を信仰する私達を悪魔なんかと一緒にしないでもらえるかしら?」
「全くだ・・・・・・思わず断罪してしまいそうになった」
二人共俺に聖剣をちらつかせてくる。どうやら相当気に障ってしまったらしい。
本当に熱心な信者だ・・・・・だがまあ、清いだけではいずれ苦しむことになるかもしれないし、ここである程度薄汚い現実ってやつを突き立ててやろう。
「・・・・・助けて欲しいなら誠意を見せろ」
「「え?」」
「俺は教会の戦士がそう言いながら、助けを求める人間にお布施を強要するところを見たことがあるよ。それも一度じゃなく何度もな。ちなみに、お布施を断られたから見捨てたって奴もいる」
「なっ!?馬鹿な!高潔な教会の戦士がそんなことをするわけがない!」
「そうよ!でたらめ言わないで!」
俺の言ってることが信じられないのか、二人は怒りを顕にする。
「まあ信じたくないなら信じなければいい。けどな、教会の中にはそういう神への信仰心をもたず、
「ビジネスって・・・・そんな・・・・・」
「金のために教会に所属するなんて・・・・・・」
信じなければいいとはいったが、それでも二人共それなりにショックを受けているようだ。俺の言っていることがタチの悪い冗談だと割り切れなかったといったところだろうか。
「ショックを受けているところ水を差すようで悪いが、別にそのこと自体は悪いことでもないと俺は思うぞ?」
「え?」
「どういうことだ?」
「金はそれなりに大事なものだっていうことだよ。俺がさっき言った例は極端で、流石に軽蔑せざるを得ない所業だと言わざるを得ないが、それでも金ってのは衣食住には欠かせないものだ。事実、お前たちだって先日金不足のせいで空腹に苛まれただろ?」
「うっ・・・・・・」
「そ、それは・・・・・」
先日の一件があってか、反論できずに二人共たじろいでしまっている。
実際問題、信仰心はないが金になるから教会に属しているという者はいくらかいるだろう。だが、だとしてもその行いで救われるものがいるというならそれは否定するべきことではない。目的はどうあれ、結果的にプラスに働くのならばそれは確かな善行なのだから。
だが・・・・・・そういった奴らとは違い、確かな害悪というのもある。
「問題があるとすれば・・・・・我欲のために教会を利用している連中、あるいは神の名のもとに平然と非道な行いをする連中だな。それこそ、バルパー・ガリレイがいい例だろう」
「・・・・以前言ったが、奴の先導のもと行われた聖剣計画は教会内でも最大級に嫌悪されている。だからこそバルパーは教会から追放された」
「まあ、それについては当然の処置と言っておこうか。だがな・・・・平気な顔をして非道を行う奴はバルパーだけとは限らない」
俺は昔のある出来事の事を思い返しなら言う。本来なら・・・・・思い出したくもないことだが。
「バルパーのような非道を行ってる人が教会内にまだいるって言うのかしら?」
「ああ、俺はそう思ってるよ。なんなら他にも例を出してやろうか?」
「「・・・・・・」」
二人とも俺の提案に口を閉ざす。二人共熱心な信者であるがゆえに、教会の裏側・・・・・暗部を知りたくはないのだろう。
ただまあ、その選択はおそらく正解だ。ミリアと旅をしていた時は教会に属する人間の非道を何度か見かけたし、なにより・・・・・・その一部を教会が黙認している節もあるしな。まあ、かわいそうだから流石にそこまでは教えないでおくけど。
「神に仕える教会に属する者の中にもそういうロクデナシはいる。逆に、悪魔に属していながら善意に満ちた者もいる。そう言う意味で、俺は悪魔も教会も大差ないと思っている」
まあ、別の意味で・・・・個人的な事情で大差ないと思ってるがな。
悪魔も教会・・・・天使も堕天使も俺にとっては憎むべき対象だ。俺の幸せをぶち壊してくれたんだからな。
「さて、今の俺の話を聞いて君たちは教会に失望したかな?協会に属するのが嫌になったか?この任務を全うする気も失せちゃったりして?」
意地の悪い問いかけだというのはわかっている。だが、この程度で教会に失望してしまうというのならこいつらは所詮そこまでだ。別の生き方を勧めざるを得ないだろう。
『そんな気遣いするだなんて・・・・・甘ちゃんねぇ』
別に気遣いじゃないさ。ただ、憎むべき教会に属す人間がそれで減るならラッキーだなと思ってるだけさ。
『だからって、わざわざコカビエルと接触する前に言うことないじゃない。コカビエルを消耗させる大事な駒だっていうのに。本当に・・・・・あなたは矛盾だらけの人間ね。まあ、そういうところが好きなんだけど♪』
はいはい。それはなによりですよラムさん。
「・・・・・あまり見くびらないでくれ」
「ほう・・・・・というと?」
「確かに、君の話は私たちにとっては色々と考えさせられるものだった。だが・・・・」
「その程度じゃ、私たちの主に対する信仰は微塵も揺るがないわ。教会に主を信仰しない者がいたとしても、私たちはただ主を信じ続けるだけよ」
確かな決意の篭った眼で、力強く言い放つクァルタと紫藤。
ああ、うん・・・・・残念だ。教会の戦力を落とすことはできなかったよう。この二人が教会に失望してくれればささやかながら復讐になると思ったのに。
「・・・・いい返事だ。だったらせいぜいその信仰を保ち続けられうように努力することだな」
我ながら憎たらしい言い方だ。
というか、そもそも信仰を保ち続けることに意味なんてないんだけどな・・・・・なにせ、彼女たちが信仰する聖書の神は・・・・
『とうの昔に存在しないものねぇ。そんなものを信じ続けるだなんてとんだ道化ね』
お前が道化言うか?世界トップクラスの道化の癖に。
俺がラムに対してに呆れていると・・・・俺の携帯が鳴った。数回コールしただけですぐに鳴り止む・・・携帯画面を確認すると、着信はイッセーのものだということがわかる。
「
さっきの着信は合図だった。どちらかが敵方と接触した場合、携帯を鳴らしてすぐに切るようにあらかじめ打ち合わせていたのだ。
イッセーたちが今いる場所は把握している。問題は既にコカビエルが向こうにいるかどうかだが・・・・・それは行ってみてのお楽しみだな。
「さて、二人の信仰がどれほどのものなのか・・・・・見せてもらおうか」
「ああ、存分に見るといい」
「見逃さないように気をつけてね」
俺達はイッセーたちの下へ・・・・・戦いの場へと駆け出した。
教会のあれこれに関しては私の勝手なイメージです
でもまあ、正直まったくないと言い切れないとは思ってます
大きな組織ともなると、そういった人間も出てきそう
それでは次回おまたお楽しみに!