ハイスクールD×D ~それは現か幻か~   作:DDX

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今回、とうとう朧とコカビエルが邂逅します

はたして朧は・・・・・・・

それでは本編どうぞ


第55話

リアスから電話を受け30分後、駒王学園の門前に来るとそこにはグレモリー眷属(木場を除く)とシトリー眷属が集まっていた。

 

「あ、朧・・・・」

 

「よっイッセー。まさかコカビエルたちを探しまわってた俺よりも先にそっちで出くわすとはな」

 

まあ本当はうちにレイナーレの夕食作りに戻ってたから探し回ってはいなかったけど。

 

「とりあえず、怪我ひとつないようで良かったよ」

 

「まあ向こうはその場で戦う気はなかったみたいだったから」

 

理由はどうあれ、コカビエルと遭遇して無事その場をやり過ごせたのは儲けものだ。イッセーは中々ツイてると言っていいな。

 

もっとも、バルパーとフリードを追っていった3人のうち、紫藤は返り討ちにあって戦線離脱となってしまったようだが。エクスカリバーまで奪われてしまったようだし。木場とクァルタについては聞く限り逃げられたようだが・・・・・・まあ、あいつらもそのうちこっちに来るだろう。

 

そんなことよりも・・・・・だ。

 

「コカビエルは・・・・・もう来てるのか?」

 

「多分な・・・・私でもわかるぐらい異様な気配を感じるし」

 

確かに、イッセーの言うとおり学園の方からとてつもない重圧を感じるな。この重圧を俺は知っている。俺の母親を陵辱し、殺したやつのものだ・・・・・間違えるはずはない。

 

「・・・・・朧、来てくれたのね」

 

学園にいるコカビエルへの憎悪を募らせていると、リアスが声をかけてきた。

 

「そりゃあ麗しい美女からのお誘いなんですから。来ないのは失礼というものでしょうレディ?」

 

「まったく・・・・こんな時でもそんな軽口を叩けるだなんてさすがというかなんというか」

 

何がさすがだ。こっちは憎しみやら緊張やらで今にも張り詰めてたものが破裂しそうな心境だってのに。

 

「朧・・・・・電話して呼び出しておいてなんだけれど、今からでもあなたはこの件から手を引いてもいいのよ」

 

「は?」

 

何言ってるんだこいつは?

 

「今回の件は悪魔と堕天使、教会の問題。朧は私たちに協力してくれてはいるけれど、そのどれに属しているわけではないわ。つまり・・・・」

 

「首突っ込む理由がないから引っ込んでろってことですか?何を言い出すかと思えば・・・・・俺は好きで首を突っ込んでるんですよ?それなのに引っ込んでろだなんてそれこそ勝手な言い分です」

 

「それは・・・・そうかもしれないけれど・・・・」

 

「というより、俺に電話してきたってことは俺の幻術が必要だって判断したからですよね?だったら言わせてもらいますが・・・・・・必要なものを自分から手放そうとかもったいないことするものじゃない。今回は事態が事態ですし・・・・・俺の幻術()、存分に利用すればいいじゃないですか」

 

「朧・・・・ええ、そうね。あなたの幻術、頼りにさせてもらうわ」

 

ニコリと微笑みを浮かべながら言ってくるリアス。リアスをハーレムに加えようとかは一切思わないが、やはり女の微笑みというものはそれなりにいいものだ。こういう戦闘間近では尚更な。

 

『頼られたからには、それなりの成果を示さなければね』

 

そうだな。俺もコカビエルを殺すのに皆の力を利用しようって思ってるんだ・・・・・頼られたからにはこっちもそれなりの成果で返してやろう。

 

「ところで朧、一つ聞きたいことがあるのだけれどいいかしら?」

 

「なんです?」

 

「彼女には今のこの状況について説明したかしら?」

 

彼女というのは俺の保護者である悪魔・・・・・ミリアのことを言っているのだろう。

 

「いいえ、伝えてませんよ。というか伝えるのは不可能です」

 

「不可能?どうしてかしら?」

 

「単純にこちらからの連絡手段がないからですよ。あのひと携帯とか持ってないから・・・・・向こうから魔力を使って一方的に連絡をとってくることはありますけど、ここ数カ月はそれもありません」

 

「そう・・・・・わかったわ」

 

俺の回答を聞き、リアスは残念そうに言う。

 

「まさか、あのひとに救援を要請しようって思ってたんですか?」

 

「ええ・・・・相手はコカビエルだもの。はっきり言ってしまえば私たちの手には余る相手。彼女が来てくれるというのなら頼もしいのだけれど・・・・」

 

まあ、ミリアの力は魔王クラスだもんな・・・・堕天使の総統であるアザゼルを半殺しにできるのだから、コカビエルの相手ぐらいは当たり前のように務まるだろう。

 

「そういうリアス部長の方は、お兄さんの・・・・魔王の力は借りられないんですか?」

 

「・・・・朱乃が打診してくれたわ。1時間後に加勢に来てくれるそうよ」

 

どうやら一時間もすれば最強の魔王であるルシファーが加勢に来てくれるらしい。そいつはまた頼もしいことだ。

 

だが、そうであるにもかかわらずミリアに連絡をとったかどうかを聞いてくるということは・・・・その一時間の間にこちらが全滅する可能性も視野に入れているからだろう。もしもミリアがすぐにでも加勢に来てくれれば、全滅のリスクは大きく減るから俺に尋ねた・・・・そんなところだろう。

 

「・・・・・恐いですか?コカビエルを一時間も相手しなければならないのが・・・・自分の仲間、眷属に命の危機が訪れるかもしれないのが」

 

「・・・・・」

 

「沈黙は肯定と取りましょう。でしたら、恐怖におののくリアス部長に一言言わせてもらいましょう・・・・誰も死にやしませんよ」

 

「え?」

 

「俺の幻術は死なないこと、死なせないことに関してはこれ以上ない最適な力だ。だから・・・・あなたの仲間が、眷属が死ぬことはありません」

 

確実とは言えないけどな。

 

「まあ、だからといって恐れるなとは言いませんけどね。その恐怖は生きるために必要なものですからね・・・・恐怖におののいて縮こまって動けなくなるのは論外ですが、恐怖を忘れて蛮行に走るのはもっと論外です。生きたいなら、生きて欲しいと願うのならば恐怖を捨てないでください」

 

「朧・・・・・ふふっ、今日は随分と優しいのね」

 

「まあ誰も死なせないつもりではありますが死闘前ですからね。男として女に優しい言葉の一つでもかけてやりたくなるってものですよ。まあ、戦闘終わったらネチネチと反省点とか言いまくる予定ですが」

 

「朧・・・・最後ので台無しだから」

 

せっかくいいことを言ってたのにイッセーに呆れ顔で言われた。解せぬ。

 

というか、イッセー、リアスと話してたからさっきまでずっと黙っててくれたのね・・・・

 

「さてそれではリアス部長、決戦前の団欒はここまでにして・・・・そろそろリアル部長から皆を鼓舞する一声を聞かせてもらいたいですねぇ」

 

俺がそう言ってリアスの方をみると、ほかのメンバー・・・・主にリアスの眷属たちもリアスの方へ視線を向けた。

 

皆に見つめられ、イッセーは腹を決めたようで声を発する。

 

「私の下僕悪魔たち!私たちの役割はソーナたちが貼ってくれている結界内に飛び込んでコカビエルの注意を引くことよ!フェニックス家との一戦とは違い、これは死線となるけれど・・・・誰ひとり死ぬことは許さないわ!全員で生きて帰りましょう!」

 

「「「はい!」」」

 

リアスの言葉に、その眷属たちは力強く返事を返す。

 

・・・・ここで『俺はリアス部長の下僕悪魔じゃありませんけどねー』とか空気の読めないことは流石に言わないでおこう。うん。

 

「行くわよ!」

 

リアスを先頭にして、イッセーたち眷属はそれに続いて門を潜って、学園内に入り込んでいく。あゆみ始めようとしたその時・・・・

 

「待ってください朧くん」

 

シトリーに呼び止められてしまった。

 

「なんですか会長?」

 

「・・・・・リアスたちの事を頼みます」

 

真っ直ぐに俺の事を見つめながら、シトリーは告げてくる。

 

「残念ですが、その頼みを聞く義理はありませんね」

 

「わかっています。だからこれは一方的な自分勝手な押し付けです」

 

・・・・まったく、お堅いイメージの生徒会長がいい性格になったものだ。

 

「・・・・・くくっ、そうですか。そういうことならわかりましたよソーナ会長」

 

俺はソーナに手をひらひらと振った後、門を潜った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その光景を一言で言い表すのなら『異様』であった

 

校庭の中央には奪われた4本のエクスカリバーが光を放ちながら浮かんでいる。それを中心に校庭を覆い尽くすほどの魔法陣が刻まれていた。そして、4本のエクスカリバーの傍らには初老の男が・・・・・おそらく、そいつがバルパー・ガリレイなのだろう。

 

まさに異様な光景・・・・・だが、俺はそんなどうでもいいものよりも別のものへ視線を向けていた。

 

バルパーの頭上・・・・・空中に、黒い10枚の翼を広げた堕天使が居る。

 

ああ・・・・ああ・・・・ようやくだ。ようやく捉えた。あの時から何も変わらない姿・・・・最も忌々しく感じるその姿

 

母さんを陵辱し、殺した・・・・・俺がこの世で最も憎む相手・・・・・生きていることさえ許せない男

 

―――――堕天使コカビエル―――――

 

『とうとうね・・・・・とうとうこの時が来たわ』

 

リアスがバルパーやコカビエルと何か話しているが、それよりもラムの声がずっとよく通って聞こえてきた。

 

そうだ、とうとうこの時が来たのだ。待ちに待ったこの瞬間が。

 

先程までは憎悪で火が付いたかのように全身が、脳内が熱を持っていたが・・・・・今は違う。コカビエルをこの目で直に見たせいだろうか・・・・・・・全身が、脳内が氷のように冷たく感じる。

 

先程まではコカビエルとどう戦うか考えを巡らせていたが、今は冷静に・・・・冷酷に・・・・ただただ、どのような残酷は方法で殺してやろうかと考えを巡らせている俺がいる。

 

ああ・・・・ああ・・・・殺したい。惨たらしく殺したい。苦しめ、追い詰め、恐怖におののかせて殺したい。絶望を味あわせながら殺したい。

 

俺の脳が・・・・・ただひたすらにコカビエルを殺せと叫んでいる。体がその命令に従おうと今にも動き出そうとしている。

 

だけどまだだ・・・・まだ・・・・・下手に動くわけにはいかない。確実に殺すために今は・・・・まだ・・・・・

 

「ん・・・・?ほう、悪魔共に混じって人間がいるようだな」

 

強敵がこの場にいない憂さを晴らすのように光の槍で体育館を破壊し、つまらなそうにしていたコカビエルが俺に視線を向けながら言う。その様子からして・・・・・俺のことは覚えていないらしい。

 

まあ、俺が奴に捉えられたのはもう何年も前の話だし、あの時の俺と今の俺では目の色が違う・・・・その上、奴にとっては俺は脆弱で矮小な人間でしかないのだから覚えていなくても仕方がない。

 

仕方がないが・・・・・ああ、忌々しい。まるで母さんのことさえ覚えていないと言っているようで・・・・・忌々しい。

 

「・・・・・こんばんは堕天使コカビエル。いい夜だな」

 

俺は・・・・今にも溢れ出てきそうな憎悪を抑えながらコカビエルに言い放つ。

 

「せっかくだし自己紹介しておこうか。俺の名前は現世朧・・・・・今夜お前を殺すかもしれない男の名前だ。よく覚えておくといいよ」

 

「俺を・・・・殺す?ハハハハハハッ!随分と冗談のうまい人間だな!」

 

俺の言ってることを戯言だと笑い飛ばすコカビエル。その姿は俺の目には醜悪にしか映らない。

 

笑うなら笑え・・・・そのうち笑っていられなくなるかもしれないんだからな。

 

「その笑える冗談に敬意を評し、地獄から連れてきた俺のペットと遊んでもらおうか」

 

そう言いながら指を鳴らすコカビエル。すると、闇夜の奥から大きな足音を立てながらそれが姿を現した。

 

10mはあろうかという巨体、地を踏みしめる太い四本の足に漆黒の体毛。そして・・・・・鋭い牙を覗かせる三つの頭。

 

『あらあら・・・・よりにもよって、あなたにとって天敵とも言える存在が出てきてしまうなんてね』

 

ラムの言うとおり、そいつは俺の天敵だ。

 

地獄の番犬の異名を持つ三頭犬・・・・・・ケルベロス

 

その6つ眼光は・・・・・真っ直ぐに俺へと向けられていた。

 

 

 

 




朧がリアスにやたらと優しい言葉をかけていたのは自分の気持ちを落ち着かせるためでもあります

他人を気遣う余裕さえ持てれば、自分も冷静さを失わずにすみますからね

さて、とうとうコカビエルと邂逅した朧ですが・・・・・はたしてコカビエルを殺せるどうか・・・・・

それでは次回もまたお楽しみに!

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