ハイスクールD×D ~それは現か幻か~ 作:DDX
4巻は4巻でシリアスなところもあるのでその前の息抜きみたいなものだと思ってください
それでは本編どうぞ
第67話
「♪~」
「朧・・・・・これは一体何かしら?」
機嫌よさげに鼻歌交じりに作業する朧に私は尋ねる。
「何って見ての通り、学校に持っていく弁当作ってるんだけど?」
「それはわかってるわよ。私が聞いてるのはこの机に置いてある重箱の方よ」
私は机の上に置かれている重箱を指差す。箱の数は5個。どう考えても学校へ持っていく弁当の量ではないのだが・・・・
「いや、それにおにぎりとかおかずとか詰めていこうと思ってるんだが?」
やはりこの重箱は学校に持っていくものらしい。アホか。いつもより早く起きて何をしているのかと思ったら・・・・・
「一応聞くけど、これ誰が食べるの?」
「当然俺とレイナーレ♪」
「食べきれるわけ無いでしょ。あなた馬鹿なの?」
いくら朧の作る料理が美味しいといっても、重箱5段も食べきれるはずがない。朧と二人で食べるにしても3段が限界だ。
「いやだって、せっかくレイナーレも学校に通えるようになったんだからこれぐらいはしないと・・・・」
気合入れるのはいいけどそれは質だけにしてほしい。量まで気合を入れる必要は皆無だ。はあ・・・・・確かに私も学校に通えるようになったのは嬉しい。少しでも朧といっしょにいられる時間が増えたのだから。だけれど、初日からこれは・・・・・さすがに勘弁して欲しい。
「朧、私のために頑張ってくれてるのは嬉しいわ。初日だから気合が入るのもわからなくはないけれどやりすぎよ」
「そうか?というか今日だけじゃなくてこれからずっとこれぐらい作ろうと思ってたんだが・・・・」
「本物の馬鹿ねあなたは」
まさかこれを毎日続けようとしていたとは・・・・ここまで馬鹿だといっそもう呆れを通り越して尊敬してしまいそうだわ。
ただ、いくらなんでも毎日重箱は無理。楽しい食事の時間が憂鬱な時間になってしまう。なんとしてでも阻止しなければ。
「朧、今日はもうほとんどできちゃってるみたいだから甘んじて重箱5段を受け入れるわ。だけど毎日はやめて」
「え?でも・・・・」
「やめて」
「いや、だけど・・・・」
「ヤメテ」
「はい。わかりました」
私の説得が功をそうして、朧は諦めてくれた。え?脅し?ちょっと何を言っているのかわからないわね。
「わかればいいのよ・・・・・もうほとんどできてるみたいだけど手伝うわ。早く終わらせましょう」
「ああ。そうだな」
私も加わって、お弁当作りを再開する。それにしても・・・・量は多いけれど、やっぱり美味しそうね。お昼が楽しみだわ。
「いや~。眼福眼福♪やっぱり制服姿のレイナーレはいいな♪」
「はあ・・・・まだ言ってるの?」
学校へ登校中、朧は何度目になるかわからない賛辞を私に送ってくる。どうにも私の制服姿がツボにはまったようだ。
「前からうちの制服ってレイナーレに似合うだろうなって思ってたんだよ。どうにかして手に入れようと思ってたけど、その必要もなくこうして見られて嬉しくてたまらないよ」
「あっそ。それは良かったわね。というか、それなら幻術使えばいくらでも見れたんじゃないの?」
「いや、まあそういうわけにもいかないんだよねぇ・・・・・あはははは」
朧は何かを誤魔化すように笑みを浮かべる。また隠し事?こいつは本当に・・・・・
「というかレイナーレ、こんな通学路で幻術の話はしちゃダメだろ。ギリギリ幻術使って周りには音ごまかしたけど」
そんなことしてたのか・・・・・相変わらず器用なやつね。
「元々話を振ったのは朧でしょ?私は悪くないわ」
「ははは・・・・・そうか。まあともかく、制服姿のレイナーレを見られたことだし、レイナーレを駒王に転入させてくれたリアスには感謝だな。まあうちのクラスじゃなくて木場のクラスに転入してくれたことには納得いかないが」
不満げな表情を浮かべながら朧は言う。朧の言うとおり、私は朧の居るクラスでなく、グレモリーの
「休み時間になったら絶対に会いにいくからな。昼も一緒に食べよう。いや、いっそのこと幻術使って俺もレイナーレの居るクラスに・・・・・」
「そんな無駄な労力使わないで大人しく自分のクラスにいなさいよ」
こいつ、こんなんで大丈夫なのかしら・・・・私を想ってくれるのは嬉しいけれど心配になるわ。
私の学校生活・・・・・どうなるかしらね。
「レイナーレ・ノワール。他は特になし」
学校に到着し、担任だという教師に連れられてきた私は、教卓の前で一応クラスメイトとなる者達に自己紹介をする。といっても、どうでもいい人間に名前以外教える気はないから手短にだが。
ちなみにノワールというファミリーネームは朧がつけた。私の黒髪を見て決めたらしい・・・・・安直だが、悪くはないと思っている。
「えっと・・・・ノワールさん、本当に自己紹介それでいいのかな?」
「ありません」
担任が苦笑いを浮かべ、目でもっとないのかと訴えながら訪ねてくるが、知ったことか。
「そ、そっか。それじゃあ席は木場くん・・・・あの爽やかなイケメン君のとなりにお願いね」
「・・・・わかりました」
よりによって木場祐斗の隣ってどんな嫌がらせよ。まあ、グレモリーがそうなるように手を回していたのかもしれないけれど。というか担任に爽やかなイケメンって称されるってどんだけよ・・・・・私は断然朧の方が好みだからなんとも思わないけど。
「よろしくねレイナーレさん」
「気安く話しかけないで」
席に着いた私に、木場祐斗が声を掛けてきたが私はバッサリ切り捨てた。監視してるような奴とどうして馴れ合わないといかないのだろうか。
やっぱり朧のいるクラスが良かった。イッセーちゃんもいるけれど、朧がいればそれで私は・・・・・
「ノワールさん」
朧のことを考えていると、女生徒が私に声を掛けてきた。しかも、女生徒以外にも周りには何人か集まってきている。
「ノワールさんって外国の人だよね?どこの出身なの?」
「ノワールさんってどこ住んでるの?」
「趣味は?」
「好きな人いるの?」
集まってきた連中は一斉に私に質問してくる。そういえば、転入生は質問責めに合うことがあるって朧が言ってたけどこれがそうなのか・・・・・鬱陶しいことこの上ないわね。ひと睨みして散らすことは多分できるだろうけど、さすがに初日から必要以上に悪印象を与えるのは気が引ける・・・・仕方なしに、木場祐斗にどうにかしてもらおうと視線を向けるが、ニコニコと笑顔で見ているだけで助けてくれそうになかった。
どうしようかと困り果てていたその時・・・・
「はい、そこまで」
朧の声が私の耳に入ってきた。朧は私の肩に手を置き、どこかいたずらっぽい笑みを浮かべている。
「これ以上俺のレイナーレに質問するのはよしてくれないか?戸惑ってるみたいだからさ」
「俺の・・・・?現世、お前ノワールさんとどういう関係だ?」
男子生徒の一人が、怪訝な表情で朧に尋ねる。
「俺とレイナーレは・・・・なんと一つ屋根の下で暮らすただならぬ関係なのだ!」
「「「「な、なんだってぇぇぇぇぇ!!」」」」
朧の発言に、周囲の連中は大げさに驚いてみせた。
「馬鹿な!転校初日の女の子とお近づきになろうと思ったのにもうお手つきだっただなんて・・・・!」
「しかもよりにもよって現世の!?」
「ダメよノワールさん!現世だけはダメ!」
「そうよ!現世は学年を代表する・・・・いえ、学園を代表するクズで変態なんだから」
とんでもない言われようね。前に朧が笑いながら自分は学園の嫌われ者だって言ってたのを聞いていたけれど、まさかここまでとは。いっそ清々しくなるほどの嫌われっぷりだわ。
「ふはははははは!クズ結構!変態結構!レイナーレはそんな俺とイチャネチョしたいって言ってくれてるんだからな!」
「言ってないわよ」
「ごふっ!?」
ちょっとイラっときたから肘鉄を朧の鳩尾に食らわせた。
「レイナーレ・・・・・いくらなんでもこれはきつい・・・・」
「そう。それはなによりだわ。せいぜい悶えなさい。というか、もうすぐ一限目が始まるんだから自分の教室に戻りなさいよ」
「お、おう。それじゃあレイナーレ、一限目終わったらまた来るから・・・・」
鳩尾を押さえながら、朧は自分の教室に戻っていった。
「あなた達ももうすぐ授業始まるんだから自分の席に・・・・いえ、その前に言うことがあったわ」
皆は私が何を言うのだろうかと興味津々にしている。だけど残念ね。あなた達が期待するようなことを言うつもりはないわ。
「あなた達が朧のことをどう思おうが構わないわ。けど・・・・・二度と私の前で朧を侮辱しないで。不愉快だから」
「「「「・・・・・はい」」」」
私が脅しをかけると、皆顔を青白くさせて返事をした後に自分の席に戻っていった。
「レイナーレさん・・・・朧くんのこと結構大切に思ってたりしてるのかな?」
「黙れ」
「うん、ごめん」
まったく・・・・・まだ授業も受けてないのに、どうしてこんなに疲れるのかしら。
なんだかんだ朧のことが大事すぎるレイナーレ。まあ、まだ朧の前ではツンケンしてますが
それでは次回もまたお楽しみに!