ハイスクールD×D ~それは現か幻か~ 作:DDX
冬突入してこんなの書くとか・・・・・
どういう意味かはその目でお確かめを
それでは本編どうぞ
お昼休み・・・・・屋上は異様な空気に包まれていた。
「朧・・・・・これどうしてくれるんだ?」
「いや、俺に言われても困るんだが・・・・・」
それを見たイッセーは責めるような目で俺を見てくるが、正直俺だってどうしてこんなことになっているのか皆目見当もつかないから困っている。俺はただ、屋上で昼食を食べようと思ってレイナーレを連れてきて・・・・二人じゃ流石に重箱5段はきついと思ってイッセーとアーシアを誘っただけだ。だからその時、あいつがどうしても自分もついて来ると言って聞かなかったのは俺のせいじゃないし、こんな状況になったのも俺の責任じゃない。
そうだ。こんな・・・・・レイナーレと桐生がものすっごい黒い笑みを浮かべて見つめ合う状況になっているのは断じて俺のせいではないんだ。
「はじめまして転校生さん。あなたのことは聞いてるわ。朧と一緒に住んでてただならぬ関係なんですって?」
数分にも渡る見つめ合いの末、桐生が先にレイナーレに切り出した。
「ええ、そうよ。それがどうかしたのかしらどこかの誰かさん?」
「別に。ただ朧の
「警告ありがとう。けど大丈夫よ。朧って
なぜか桐生は『元カノ』、レイナーレは『本命』の部分をやたらと強調しながら言う。
「それはなによりだわ。でもそれはそれで不安にならない?一緒に住んでるっていうのに手を出してこないだなんてもしかして朧はあなたにそういう劣情を催すような魅力を感じていないのかもしれないわよ?」
「ご心配無用よ。朧は私のこの髪に、そしてこの髪を持つ私にぞっこんなの。いつもいつも理性のタガが外れて襲っちゃわないように気をつけてくれてるってことは私にはわかってるわ」
「ふ~ん・・・・へ~・・・・そうなの。それならいいけれど・・・・・可愛そうね。朧ほどのテクニシャンに抱かれる悦びを味わえないなんて」
「大丈夫よ。いずれはちゃ~んと味わうことになるもの。それこそ、あなたが知らない悦びを得られるほどに激しく・・・・ね」
「「・・・・・・」」
いくらか会話した後、また黒笑を浮かべて見つめ合う二人。何かもう・・・・・ひたすらに気まずい。
「朧さん・・・・・なんだかとても寒いです」
「わかるよアーシア。私もだもん」
夏真っ盛りだというのに、寒気を感じているというイッセーとアーシア。まあ無理もない。俺だってレイナーレとアーシアの間には真っ黒なダイアモンドダストが発生しているように見えているのだから。あの間に放り出されたら魔王様だって凍りつくぞ。
「朧、早くあれ何とかしろよ」
「俺が?」
「当然だろ。どう考えてもあれはお前が原因なんだから」
「無理無理無理。確かに話の内容からして原因は俺だっていうことはわかるが、どうして二人があんなことになってるか理由がわからないんだもん。理由がわからないんじゃ止めようがないだろ」
「「・・・・・」」
なぜかイッセーとアーシアが訝しげな目で俺を見てくる。
「あの朧さん。朧さんはその・・・・・女性とお付き合いしたことが何度もあるとおっしゃってましたよね?」
「まあな。歳の割には恋愛経験豊富だと自負している」
「それなのにこれって・・・・」
え?『これ』って・・・・どう言う意味?
『どう言う意味かしらねぇ?うふふふふ♪』
愉快そうに笑い声を上げるラム。この様子からしてラムはわかってるようだ。しかもラムにとっての愉悦案件である可能性が非常に高い。本当に一体なんだというのだろうか・・・・
「まあいいか・・・・・とにかくアレ、責任もって何とかしてこい。でないと昼食食べられないから」
「うっ・・・・・それは困る。わかった、何とかしてみる」
流石にせっかく作った弁当にありつけないのは勘弁願いたいので、俺はレイナーレと桐生の間に割って入るのであった。
「レイナーレ、どうして桐生とあんな言い争いになったんだ?」
「だから何度も言っているでしょ?普通に話をしただけであれは言い争いなんかじゃないって」
授業が終わりオカ研の部室に向かう途中、昼間の件をレイナーレに尋ねるがはぐらかされてしまった。既に何度も聞いているが一向に教えてくれない・・・・これはもう聞き出すのは無理かもしれないな。
ちなみに昼食についてはあのあとしっかりと食べられた。時間がかかるかなと思ったのだが、俺がちょっと話すを二人とも直ぐに引き下がってくれたのだ。まあ、なぜかすっごい呆れ顔になっていたが。
「そんなことよりも、これから部活だけど私は悪魔の集団の中で何をすればいいのかしら?悪魔の怪しげな儀式の手伝いでもすればいいの?」
「レイナーレ・・・・一々嫌味ったらしく言うのはやめろ」
「あら、ごめんなさい」
レイナーレの言い方にむっとしたのか、イッセーが咎めるが、レイナーレの方は全く悪びれた様子はない。この二人、相変わらず打ち解ける様子が見られないな・・・・俺とイッセーのギクシャクはある程度解消されたけれど、こっちの方はまだまだかかりそうだ。
「悪魔の活動は夜になるまでは始まりません。それまでは普通にオカルト研究部として活動するんですよレイナーレさん」
見かねたアーシアが補足して説明する。
「まあ、レイナーレは俺の手伝いをしてくれれば多分大丈夫だよ」
「朧の手伝いね・・・・朧って普段何してるのよ?」
「お茶とお茶請けのお菓子の用意したり、書類作ったり、部室の掃除したり・・・・・かな?」
「それほとんど雑用じゃない」
うん、まあ否定はできないかな。正直俺ってオカ研の内容とはあまり関係ないことしてるんだよなぁ・・・・
「つまり、私は雑用係その2になれっていうことね・・・・まあいいわ。オカルトとかそういうのあまり興味ないし」
「まあ僕たちはそもそも存在自体がオカルトじみてるけどねぇ」
レイナーレの発言に、苦笑いを浮かべながら言う。確かにオカ研のメンバーは俺以外悪魔ばっかだもんな。今回堕天使のレイナーレが入ったし。
『まあ、あなただって人間だけれどオカルト要素にかなり染まってると思うけれどね』
それに関しては否定はしない。
「ともかく、大して面倒なことするわけじゃないから気楽にしてればいいさ」
「そうね。気楽に監視されておくわ」
まだツンケンするか・・・・・まあ、これがレイナーレの基本スタンスみたいだし仕方がないか。
「と、もう部室に着いたか・・・・・それじゃあレイナーレ。早速皆にお茶出すから手伝ってくれ」
「ええ」
気がついたらもう部室の前に来ていたようで、早速お茶を淹れようとレイナーレに言って部室の扉を開く。
「お待ちしていましたわ朧様」
扉を開いた俺の目に真っ先に映ったのは、普段のオカ研には見られない人物・・・・・レイヴェルの姿であった。
「え・・・?レイヴェル?」
「お久しぶりです朧様。こうしてまたお会いできる日を心待ちしていました」
「それは俺も同じだよ。俺に会いに来てくれたのか?」
「それもありますが・・・・・もう一つ理由がありますわ」
そう言いながら、レイヴェルは俺の隣のレイナーレへと視線を向けた。
「あなたが堕天使レイナーレですわね。リアス様からお話は伺っています・・・・・今日はあなたと話をしに参りました」
「・・・・へえ、私と話、ね」
にこやかな笑顔でレイナーレに告げるレイヴェルに、レイナーレもまた、同じように笑顔で応じた。
修羅場になってるのに気が付かないとか・・・・・朧、恋愛経験あるのにどうしてこうも鈍いのか
そしてさらに次の修羅場が・・・・・?
次回もまたお楽しみに!