ハイスクールD×D ~それは現か幻か~   作:DDX

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今回もまだレイナーレとの邂逅とはなりません

もう少しかかりますので・・・・どうかお待ちを

それでは本編どうぞ


第8話

夕麻ちゃん(仮名)のことを調査してさらに色々なことがわかった。

 

彼女の本当の名前はレイナーレというらしい。名前も中々俺の好みだ。そしてそのレイナーレはアーシアという俺と同い年ぐらいのシスターに執着しており、連れ回しているらしい。

 

レイナーレがそのシスターに執着する理由は・・・・・・その子が持つ神器だ。どうにも彼女の神器は希少な回復の力を持つらしい。

 

回復・・・・ゲームでは定番の能力であるが、現実的に考えてその効力は敵に回せば恐ろしいものだ。なにせ術者が力尽きない限り、どんなに敵にダメージを与えようが復活して来るんだからな。戦闘において回復ほど恐い能力はない。

 

そしてこれは俺の憶測だが・・・・レイナーレはシスターを飼い殺しにするのではなく、神器を我が物にしようとしている。少し見ただけだがそれでもシスターが純粋な心根の持ち主だということはわかった・・・・・だが、だからこそそういう心根の持ち主は扱いづらいところがある。

 

レイナーレを含む堕天使達は中々に過激な思想をを持っているようだから・・・・あのシスターとは考え方が合わないだろう。だから、シスターの中の神器を取り出そうとしている・・・・と、見ていいだろう。

 

・・・・まいったな。これはタイミング次第ではそのシスターを見殺しにしてしまう可能性がある。できればそれは避けたいのだが・・・・・優先すべきはレイナーレをイッセーや悪魔達の目の前で殺すことだ。高確率で見殺しにしてしまうだろう。

 

これは罪悪感がハンパないな。もし万が一シスターが死ぬことになったら神器を取り返してシスターに返した上でグレモリーに悪魔として転生させてもらえるように誘導してみるか。

 

幸か不幸か、なぜかイッセーはシスターと関わりを持ってしまっているようだからな。高確率で事態に巻き込まれるだろう。

 

・・・・・イッセーも随分と縁を引き寄せるものだ。これもドラゴンの神器を持つ影響だろうか?

 

よし、大まかな計画はこれで確立したな。あとは上手くタイミングを見計らおう。

 

『ふふっ、考えは纏まったようね。それじゃあ・・・・そろそろ現実を向き合いましょうか』

 

・・・・ああ、そうだなラム。これで心おきなく・・・・・目の前のはぐれ悪魔に集中できそうだよ。

 

「死ねぇぇぇぇぇ!」

 

裸の女性の上半身に巨大な獣の下半身を持つ悪魔が、両手にもった槍のような武器で俺を突き殺そうと攻撃を加えて来る。俺はそれをどうにか回避していた。

 

・・・・・勘弁してくれよ。動体視力には自信あるけど俺の身体能力は普通の人間より少し優れている程度なんだぞ?回避し続けるにしたって限度がある。

 

堕天使達の調査をしている時に偶然出会ってしまったこのはぐれ悪魔・・・・・会ったそうそう俺を喰おうとして襲いかかってきた。

 

なんで俺はこうはぐれ悪魔とのエンカウント率が高いんだ・・・・・この街に来てこれで4度目だぞ?なんで悪魔や堕天使や天使が始末する前に俺が出会っちゃうかなぁ・・・・・

 

『それがあなたの縁じゃないかしら?あなただって曲がりなりにもドラゴンの神器の所有者なのだから』

 

嫌な縁もあったものだなおい。つうか俺その縁のおかげで昔あんな目にあったの?

 

『それについてはご愁傷様としか言えないわね』

 

・・・・・マジで勘弁してくれ。

 

『そんなことよりも、考え事が終わったのならいい加減片付けなさい』

 

いや、それでもいいんだけどさぁ・・・・・イッセーがグレモリーの眷属になったじゃん?ならいずれこのはぐれ悪魔の討伐に参加するかもしれないし・・・・・その時色々と勉強になりそうだろ?

 

『過保護もここまで来ると関心を通り越して呆れるわね・・・・・でもね朧?彼女はあなたを殺そうとしているの。ならばあなたの手で殺すことが慈悲であり、責任よ。ちゃんと・・・・手にかけてあげなさい』

 

・・・・・そういうところ律儀だよなお前は。

 

でもまあ・・・・そうだな。コイツはここで俺が殺そう。ここで俺が逃げたら犠牲者が増えるかもしれないし・・・・こいつにこれ以上罪を重ねて欲しくもないしな。

 

「あ~・・・・くっそ。なんか偽善者っぽいこと考えてるなぁ俺。自己嫌悪はんぱねぇ。俺はそういうんじゃねえんだっつの」

 

「さっきからちょこまかと!大人しく私に殺されろ!」

 

「悪いけどそうもいかないんだよ。いや、あんた程度じゃ俺を殺すなんて到底無理なんだけどさ。そもそも俺簡単には死ねない体しちゃってるし」

 

「何をわけのわからないことを!」

 

「ああ、ごめんごめん。わけわかんないよなぁ・・・・でもいいよ、わかんなくて。わかんないまま・・・・死ねばいい」

 

俺は神器(セイクリッド・ギア)を発動する。そして神器によって作らてた双銃を手に持つ。

 

「それは・・・・貴様神器使いか!」

 

「そのとおり。俺は神器使いだ。ご愁傷様はぐれ悪魔さん。俺の神器は少々特殊なんでね・・・・迷い、惑わされ逝くがいい」

 

俺ははぐれ悪魔に銃口を突きつけ・・・・・ありもしない弾丸を撃ち放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて・・・・・これは困ったことになったな」

 

はぐれ悪魔の死体を前にして、頭を抱えていた。

 

いつものようにオカ研の部室前に運ぼうとしたのだが・・・・・コイツはデカすぎる。別に見つからずに運ぶこと自体は容易なんだが、ここまでデカイとそもそもが運ぶ手段がない。

 

『幸いここは町外れよ。そうそう人目につくこともないし・・・・・放置してもいいんじゃない?』

 

「だよなぁ・・・・・」

 

ぶっちゃけ一般人に見つかる可能性はゼロではないが、それでも場所的に考えればこれまでよりは低い。だったらここに放置するか・・・・・きっとそのうちグレモリーかシトリーあたりが見つけてくれるだろう。

 

『そのうち、というよりすぐになりそうよ』

 

「は?」

 

『どうやらこいつを始末しに悪魔さんたちが来たみたい。耳を澄ましてみなさい』

 

ラムの言うとおりだった。よく耳を澄ましてみると話し声が聞こえてくる。声からして・・・・グレモリー達か。案の定イッセーも嫌がる。

 

「タイミング良すぎるだろ・・・・・まあいい。事後処理は任せて退散するか」

 

『そうね。行きましょう』

 

この場の処理をグレモリーに任せ、俺は神器を発動して姿をくらませてその場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大公からはぐれ悪魔の討伐を依頼され、町外れの廃屋にやってきた私達。

 

私はまだ新米悪魔だから戦闘を見るために連れてこられたんだけど・・・・・どうやらそうはいかなくなったらしい。

 

「ッ!?これは・・・・」

 

私達の前には・・・・・おそらく討伐目標であるはぐれ悪魔の倒れふす姿があった。

 

「・・・・・死んでる」

 

はぐれ悪魔の生死を確認していた小猫ちゃんが、嫌に重い声色で皆にそう告げた。

 

「死体に外傷は一切ありませんね。部長、これは・・・・・」

 

「ええ、どうやらまた奴の仕業のようね」

 

私を除く全員の表情がこわばるのがわかる。

 

「あの・・・・これって一体どういう事なんですか?」

 

イマイチ事情を飲み込めない私は部長に尋ねてみる。

 

「・・・・一年前からこの街に潜り込んだはぐれ悪魔が私達が手を下す前に殺されるということが何度もあったの。正確にはこれが4件目なのだけれどね」

 

「それがさっき部長の言った『奴』の仕業ということですか?でもどうしてそいつの仕業だってわかるんですか?」

 

普通に考えて殺されてるってだけならその『奴』とかいう仕業だなんてわからないと思うけど・・・・・もしかしたら他の悪魔や天使、堕天使が殺した可能性だってあるし、そもそも同一犯ではない可能性だってある。

 

さっき部長が言っていたけれど、はぐれ悪魔というのはどの勢力も見つけ次第殺すようにしているそうだし。

 

「死体に特徴があるからよ。そいつが殺したはぐれ悪魔は全て一切の外傷がなく殺されているの」

 

「一切の外傷がない?」

 

「ええ。詳しい方法まではわかっていないけれど、奴は一切の外傷なくはぐれ悪魔を殺している。こいつのようにね」

 

部長の視線がはぐれ悪魔の死体に注がれる。

 

その死体は部長の言うように外傷がなかった。ただ、表情だけは苦るしそうに歪んでいる。

 

「・・・・まあ、討伐目的であるのだから殺されたということ自体はいいわ。問題は・・・・誰がこれをやったかということよ」

 

「他の悪魔や天使、堕天使がやったという可能性は?」

 

「他の悪魔がやったと言う可能性はないわね。それなら私の耳に情報が入ってくるはずだから。そして、天使や堕天使の仕業という可能性もゼロよ。なにせ・・・・・これまでの3件、殺されたはぐれ悪魔はオカルト研究部の部室の前に置かれていたんだから」

 

「部室の前に?」

 

「ええ。天使や堕天使だったらわざわざそんなことはしないわ。悪魔の領域に足を踏み入れるなんて愚行としか思えないもの」

 

確かに・・・・天使や堕天使がやったとしたら処理は自分達でするって考えるのが普通だもんな。つまり天使や堕天使の仕業ではない。

 

あれ?でも・・・・

 

「部長、これまでは死体は部室の前に置かれていたんですよね?でも今回は・・・・」

 

「ええ。それは私も気になっていたわ。今回は死体はここに放置されていた。死体の状況から奴の仕業と見て間違いないのだけれどどうして今回は放置されていたのかしら?」

 

顎に手をあて、考え込む仕草をとる部長。

 

そんな部長に、朱乃さんが声をかけた。

 

「部長、その理由はおそらくそうする時間がなかったからだと思いますわ」

 

「どういうこと?」

 

「・・・・・この死体、まだ暖かい」

 

小猫ちゃんの言葉を聞いた瞬間、部長はあたりを見渡した。

 

死体が暖かい・・・・それはつまりこれをやった奴がまだ近くにいて、私達の接近に気がついて逃げ出したということが私でもわかった。

 

部長もそう思ったからあたりを見渡しているのだろう。私も見渡してみるが、それらしい人物の姿は見られない。

 

「・・・・死体の処理は後回しにしましょう。奴を探すわよ。どんな力を持っているかわからないから全員で固まって・・・・十分に警戒をするように」

 

「「「はい」」」

 

部長の命に従い、私達ははぐれ悪魔を殺した犯人を捜索した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

捜索を始めて一時間・・・・・それらしい人物を見つけることはできなかった。

 

「・・・・見つかりませんでしたね」

 

「ええ。今回こそ尻尾を掴むチャンスだと思っていたのだけれど・・・・」

 

残念そうに肩をすくめる部長。ほかの皆も苦虫を噛み潰したような表情をしている。

 

「あの、部長・・・・見つけてどうするつもりだったんですか?」

 

私は興味本位で部長に聞いてみた。

 

「別に危害を加えるつもりはないわ。ただ何が目的でどうして死体を部室の前においているのか、そしてどうやってはぐれ悪魔を殺しているのか・・・・・それが聞きたかったの」

 

「・・・・それだけですか?」

 

「・・・・まあ、その人物の人柄や能力によっては眷属にスカウトしようとも思っていたけれどね。悪魔の駒にはまだ空きもあるから」

 

部長・・・・意外とたくましい考え方してるんだなぁ。でも、そんなあなたも私は好ましく思います。

 

でもそっか。見つけても特に危害を加えるつもりはないんだ・・・・よかった。

 

・・・・よかった?

 

え?・・・・あれ?どうして私・・・・部長が危害を加える気がないってわかって安心してる?

 

どうして・・・・・あいつの顔が頭に浮かんでる?

 

『一年前からこの街に潜り込んだはぐれ悪魔が私達が手を下す前に殺されるということが何度もあったの』

 

一年前から・・・・あいつは以前言っていた。駒王学園に通うために一年前にこの街に来て暮らし始めたって。

 

『他の悪魔がやったと言う可能性はないわね。それなら私の耳に情報が入ってくるはずだから。そして、天使や堕天使の仕業という可能性もゼロよ』

 

悪魔でも天使でも堕天使でもない・・・・・それはつまり人間の仕業である可能性が高いということ。

 

『これまでの3件、殺されたはぐれ悪魔はオカルト研究部の部室の前に置かれていたんだから』

 

死体はわざわざオカルト研究部の部室の前に置かれていた。目的はわからないけれど、そいつはオカルト研究部のメンバーが悪魔だということを知っているからわざわざ死体をそこに運んでいた。

 

 

・・・・・この条件に当てはまりそうな人物・・・・一人だけ心当たりがある。

 

あくまでも可能性の話で・・・・私の考えが外れているかもしれない。いや、きっと外れている。

 

それでも・・・・どうしてもあいつのことを思わずにはいられない。

 

私にはこのはぐれ悪魔を殺したのが・・・・・朧だと思えてならなかった。




イッセーの朧への疑心は少しづつ深まっていきます

ですがまあ、朧への信頼はそうそうゆるぎませんが

レイナーレとの邂逅はもう少しです

どうかそのときをお楽しみに

それではこれにて失礼します!
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