死の支配者と英雄の王の邂逅   作:霞梳卯狩

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誰も見てませんね?

忘れてくれてます?

ごめんなさい許してくださいなんでもしますから!(何でもするとは言っていない)


漆黒の剣

(やはりというか当たり前というか)

(字が読めませんね)

 

アインズ達は冒険者組合に来ていた

それは昨日

 

「僕は宝石を持っているのでそれをお金にしてくればいいと思うのですが、それでは駄目なんですか?」

「ユグドラシルのアイテムがこの世界でどのような扱いを受けるのか分かっていない以上、安易に市場に流さないほうが問題を起こしにくいと思うのだが・・・」

「確かにそうですが僕の設定上ある程度のお金は必要ですし、一番質が悪い宝石でも、この街ではそこそこいい値段にはなると思います。」

「とりあえず、明日冒険者組合で仕事を探させてくれ。まずは自分たちで稼いがなくては。それにギル君のような美少年が質屋に入るのは流石に目立ってしまう」

「なら仕方ないですね。わかりました、明日は仕事探しをしましょう」

 

というやり取りがあったからだ

 

(仕方ない…)

 

アインズは内心覚悟を決めて一枚の依頼を掲示板から剥がしカウンターへとそれを置いた

 

「この依頼を受けたい」

カウンターに置かれた依頼に目を通し受付嬢の表情に困惑が浮かぶ。そして苦笑いと共に

「申し訳ありませんがこちらはミスリルプレートの方々への依頼なので・・・」

「知っている。だから持ってきた」

「え、あの・・・」

「私はそれを受けたいのだ」

「え?あ、いえ、そう仰られましても、規則でして」

「くだらん規則だ。昇格試験を受ける日まで、あんな容易で見窄らしい仕事を繰り返せというのが不満でな」

「依頼に失敗した場合、多くの方の命が失われる可能性があるからです」

受付嬢の声にはこれまで冒険者達の努力によって培われてきた組合の評判も、という声なき声が含まれているようだった

「ふん」

アインズの嘲笑に周囲の冒険者達の表情が、受付嬢と同じく敵意で固くなる。

今まで自分たちが守ってきた規則を馬鹿にする新人だ。当然の態度だと、アインズも思う。

アインズである鈴木悟というサラリーマンの残滓が周囲の全員に全力で頭を下げていた

だが今回は簡単には引き下がれない。元より引く気ではあるが、ある程度の状況まで持っていかなければならない。

だから切り札を出す

「後ろにいる私の連れ、ナーベとハクノは第三位階魔法の使い手だ」

ざわりと驚愕の視線が一気に二人へと移る。この世界では第三位階は魔法詠唱者として大成した者の領域とされている。

嘘か誠か。周囲の目がその二つの間で揺らぎ、アインズとギルへと動く。

冒険者たるもの、強さに比例して装備品はより良いものへと変えていく。

仲間と思われるアインズの纏う立派な鎧は何よりの説得力があった。

周囲からの見る目が変わったことに気づき、アインズは自身の演技に内心で喝采を送りながら、もう一手を打ち込む。

「そして私と彼も当然彼女たちの強さに匹敵するだけの力を持っている。我々であればその程度の仕事は容易と断言できる」

先ほどに比べれば周囲の驚きは小さいがそれでもアインズ達を見る目が変わったのは掴めた。

「私は銅貨何枚の容易な仕事をしたくて、冒険者になったのではないのだ。私達はもっとレベルの高い仕事を望んでいる。もし力が見たいというのであれば見せてやろう。だからその仕事を受けさせてはくれないかな?」

先ほどまであった敵意は薄れている。確かに、もしくはなるほど。そういった雰囲気が広がり始めていた。

冒険者という強さを重視する彼らには、アインズの言葉は理解出来るものだったためだ。

しかし受付嬢は違う。

「・・・・・・申し訳ありませんが規則ですので、それは出来ません」

頭を下げての謝罪に、アインズは内心でガッツポーズを取った

「そこまで言うのであれば仕方がないな・・・・・・我が儘を言って悪かった」

アインズも頭を軽く下げる。

「では銅のプレートで最も難しいものを見繕ってくれないか?」

「はい。それならば可能です」

受付嬢が立ち上がり、アインズが完全な勝利に精神的に感涙しようとしたときに

「それなら私たちの仕事を手伝いませんか?」

「おぉん?」

ドスの利いた声がつい漏れてしまった。取り繕うように視線を向けた先にいたのは4人組の冒険者だった

(銀のプレートですよモモンガさん)

(折角誘導が完璧に上手くいっていたのに・・・)

(まぁまぁ、話だけでも聞いてみましょうよ)

(わかってます)

「仕事というのは・・・・・・やりがいがあるもの・・・・・・でしょうか?」

「う~ん。まぁ、あると言えばあると思いますよ」

一行のリーダーと思しき男が返答した。

帯鎧を着た戦士風の男だ。

自分たちだけで仕事をこなすのも良いがコネ作りや情報、名声の発信源という可能性を考え

アインズはゆっくりと頷いた。

「やりがいがある仕事こそ望んでいたものです。ギル君もそれでいいか?」

「僕はアインズさんにお任せしますよ」

「わかりました。では一緒にやらせていただきましょう。一応どんな仕事なのか聞かせていただけますか?」

その返事を聞くと戦士風の男は受付嬢に依頼して部屋を一つ用意させた。

「こちらからの話を受けていただきありがとうございます。まずは簡単な自己紹介からさせていただきますね」

先ほどの戦士風の男が代表として声を上げた。

「初めまして、私が『漆黒の剣』のリーダー、ペテル・モークです。」




また忘れて頃に帰ってくるかもしれません

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