「まどマギも良いがやはり魔法少女ならなのはが一番だな。そういえば大和、引っ越すんだって?」
「うん、やる兄ぃ。おとーさんが転勤するんだって。」
「そうか…。寂しくなるなぁ。それじゃあ向こうに行っても退屈しないよう、俺のコレクション詰め合わせをやろう。魔法少女セットとか俺のお勧めセットだ。」
「えー。そんな事言ってまた色々買って、置き場が無くなったからうちに置いてくんでしょ!」
「はっはっは、そうとも言う。でもまー達者でな。」
「うん、やる兄ぃもいい年して趣味はほどほどにして結婚でもしなよー。」
「なかなか言うようになったじゃないか、だが断る!!」
「まったく、もう。」
「やまと、大和、起きなさい。着いたわよ-。」
「んぅ、もう起きたってば。ずっと車に乗ってたけどやっと着いたんだ。新しい家は何て言う所なの?」
「海鳴市の藤見町よ。」
「まずは荷物を開けないとな。大和は危ないから近くの公園に行っておいで。ついでに友達でも作ってこい。」
「わかった!!行ってきまーす。」
僕の名前は海老名 大和(えびな やまと)。おとーさんお仕事の都合で引っ越してきたんだ。
親戚のやる兄ぃや友達と別れるのは寂しいけど、もうすぐ小学生だし元気ださなきゃ!
公園に着くと女の子がブランコで黄昏れていた。
うわあ、あの子、魔法少女リリカルなのはのなのはちゃんみたいだ。
声をかけてみようっと。
「こんにちはっ。今日からこの町に住む事になった海老名大和です。まだ友達が居ないから一緒に遊ばない?」
「あ、高町なのはなの。よろしくね。」
話しかけてびっくり、名前もなのはちゃんだったみたい。
あいたたた。やる兄ぃが言ってた今流行(?)の痛ネームってやつだね、親が魔法少女なのはをよっぽど好きだったんだなあ。よく見たらなのはちゃんのコスプレもしてるし。友達の光宙(ぴかちゅう)君、元気かな…。
おっと、いけないいけない。なのはちゃんと話してるんだった。
話して見るとお父さんが怪我をして家族がみんな忙しく、寂しかったみたい。
寂しいときはアニメだよね!やる兄ぃもアニメは貴方の心の隙間埋めます。とか言ってたし。
そうしてなのはちゃんを連れて家に帰ったんだ。
「ただ今-。友達出来たからDVD見てていい?」
「TVはもう設置したから良いわよー。」
「おっ、もう女の子をナンパしてくるとか流石俺の息子だな。」
茶化してくるお父さんには後で振った缶ビールを渡す事を心に誓い、部屋へDVDを取りに行った。
確か、大きい箱が二つあったはず…。これこれ、大きく×が書いてある方は中学生になったら開けろって、やる兄ぃが言ってたからこっちだな。
「なのはちゃん、これ見た事あるよね?」
「ううん、見たこと無いの。」
魔法少女リリカルなのはのDVDを見せるとそんな返事が返ってきた。
おかしいな?てっきり見たことがあるかと思ったのに。ま、いっか。
「じゃあこれ見ようか。これも海鳴市なんだよー。今流行のご当地アニメってやつだと思う。」
「ほへぇ、そんなのあったんだあ。」
そして2人でDVDを見たんだ。
なのはちゃんの食いつきっぷりがすごかったよ!!
翠屋があるー!!とか。
魔法、そんなのがあったら私も…。とか
変身シーンは、にゃあああとか叫びつつ目隠しされたりとかしたけどね。
夕方なりお母さんにそろそろなのはちゃんを送っていくからって、止められるまでTVにかぶりつきだったよ。
そしてまた明日、DVDを見る約束をして分かれたんだ。
それから小学校に入るまでなのはちゃんといっぱいアニメを見たり話して遊んだんだ。
特に魔法少女リリカルなのはシリーズの事はいっぱい話したよ。
1期目はフェイトちゃん可哀想だからなんとか出来ないの?
なんて聞かれたから高町士郎さんの伝を辿って腕の良い術者が居いれば、生命力に溢れた若い女性・保存された遺体・邪霊を寄せ付けない結界(?)があるし、括られた魂さえあればたぶんアリシアが復活してハッピーエンドになるんじゃない?ってやる兄ぃが言ってたよ。とか。
じゃあA’sのリインフォースは?
月村忍さんに頼めばノエルさん修理出来るし行ける行けるってやる兄ぃが言ってたよ、とか。
他にも色々なアニメをみて、まどマギ見せたら慢心ダメ絶対。とか震えながら言って怖くて眠れないからってその日は抱き枕にされたり。
スレイヤーズ見せたら悪人には人権が無いんだね!!って満面の笑顔で言われたり。
ガンダムシリーズ見た時はファンネル、そういうのもあるのか…とか。
スクライドを見て早さこそ正義!!とか。
グレンラガンみて兄貴が死んだとき2人で号泣したりしたのも良い思い出かな。
あれれ、思い返したらなのはちゃん基本は真面目なのに影響受けすぎじゃ…。いや、よそう僕勝手想像皆混乱。
初めて翠屋を見た時はびっくりしたね。
アニメそっくりだし、いやこっちがモデルだっけ?
そういえば冗談で恭也さんに会った時に神速みせてーって、言ったらどこでそれを知った!?とえらい剣幕で迫られてなのはちゃんと(DVDで…)と答えたらあいつは全く、本当は秘密なんだぞ?なんて言いながらも実演してくれた。
かっこいい!!最近のコスプレイヤーはアニメの技も使えるんだ。これが噂の中二病ってやつかー…。
でも見せる代わりに、たまに鍛錬に来いって言われたけどなのはちゃんちに遊びに行くと思えば良いのかな?
そして小学校入ってからはお互い友達が増えて一緒にアニメ見ることも無くなっちゃった。聖祥3美少女と一緒とか恥ずかしすぎる!でも翠屋JFCに入ったから顔を合わすことは多かったよ。
練習(鍛錬?)つけて貰いに行くことも多かったし。
そんな感じで過ごし、3年生になった頃からかな。なのはちゃんも忙しいみたいで会う頻度も減っていったんだ。
相変わらずコスプレパーティーみたいな人たちが出入りしてて、ちょっとなあって思ったのもあるけど。
仲の良かった幼なじみみたいな感じで、だんだん記憶からフェードアウトして行った。
そんな関係が変わったのは中学校に入ったある日の事。
昔やる兄ぃ貰ったXの箱を開けていないなあ、と思い出し物置へ箱を開けに行った後の事だった。
箱を開けてびっくり、こ、これは…。
ー聖王教会内部ー
「わざわざ2人に聖王教会へ来て貰ったのは他でもない、この予言を見て欲しい。そしてみんなで対処したい思うとる。」
「はやてちゃん、予言って…。」
「カリムは未来のことを難解な詩で知ることができる。ジュエルシード事件とかで色々とカンが良かったなのはちゃんにも意見を聞きたいんや。」
「確かになのはなら何かわかるかも。アリシアもリインフォースもなのはが助けてくれたし!」
「なのはさん、貴方の事は色々とお聞きしています。そして、貴方にも未来視かそれに近いレアスキルがあるのではと思っています。とりあえずこの予言を見て下さい。」
「あれはそんなんじゃ…。でもこの予言、そしてこの展開、昔どこかで見た記憶が…。あっ」
ー斯く斯く然々四角いムーブー
「なるほど、それでは大和さんと言う人物が持っている記録媒体に今までと、これからの事が写っていたと。」
「そうなの。でももう小学校に上がる前の事だし、かなり忘れちゃってるの。」
「なのは、大和くんってクラスで一緒だった普通の子だよね?」
「うん。私もずっと普通の子だと思っていたし、昔はよく遊んだけどフェイトちゃん達と会った頃は女の子と遊ぶのが恥ずかしいって、お兄ちゃんと鍛錬してる時ぐらいしか会った事なかったの。」
「ふむふむ。それじゃあ大和っちゅー子は実はレアスキル保持者とかかもしれんなあ。」
「そういえばもう一つ、封印された箱があったはずなの!!」
「それは…。一度お会いした方が良いですね。」
「折角だし有給使ってみんなでいこかー。カリムもたまには旅行するのもええやろ。」
「じゃあ久しぶりに連絡取ってみるね。場所は翠屋でいっか。」