リリカル異世界決闘録   作:鹿島 雄太郎

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turn10「師弟」

休憩室の部屋から出た刃は、廊下を歩いていた。

 

「刃さん。」

 

ふと後ろから少女の声に気が付き、振り向く。

 

「ノーヴェか、なんのようだ?」

「お願いがあるんだ。」

「…願い?」

「あぁ、あたしを弟子にしてくれ!ドクターのために強くなりたいんだ!」

「…やめておけ、俺に着いていったところでろくなことにはならない。」

 

刃は視線を横に逸らして言うと、ノーヴェはうつむいた。

うつむくときにそうか…、と呟いていたのを、刃は聞き逃さなかった。

流石に言い過ぎたか…と思っていると、ノーヴェは刃を金色の目でまっすぐに見つめた。

 

「あんたがそう言うなら、あたしは勝手についていく!」

「だが…!」

「止めても無駄だ!あたしをは決めたんだ!筋は通す。そうしなきゃ気が済まないって、あんたを見て決めた!」

 

それを聞いて刃の頭にはある記憶が蘇った。

刃は幼いころ、父親にデュエルスクールへ連れていってもらった。

そこで、あるものを目にした。

 

─ペンデュラム召喚を

 

─2匹の輝く鶴(聖鳥クレイン)

 

─その鶴が混ざり合って現れた、黒い体の龍(ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン)

 

風の名を持ったヒーロー(E・HEROエアーマン)

 

炎を背負った調律の悪魔(フレア・リゾネーター)

 

鍋を被った同調の機械(チューニング・サポーター)

 

─その3体が1つになって現れた、三つ首の氷龍(氷結界の龍トリシューラ)

 

幼き彼の心を奪うには十分だった。

それを教えて欲しいと熱弁したときも彼は、今のノーヴェと同じ目をしていた。

 

「はぁ…こうなったらいつも通り、だな…。」

「ん?」

「いや、なんでもない。…特別にだからな。」

「…!。あぁ!」

「まったく…。」

「じゃあ早くいこうぜ、師匠!」

 

と言ってノーヴェは刃のパーカーの袖を引っ張ると、第2訓練室へとつれていった。

 

「ま、なるようになれってな…」

 

彼は座右の銘としている言葉を呟くと、観念してノーヴェに付き合うのだった。

 

 

結局のところ、3時間位ノーヴェと刃はデュエルしていた。

ノーヴェの技術の吸収は早いもので、出来ていたデッキの基本的な回しかたを向上させ、応用もうまく出来るようになっていた。

それが終わった後、ナンバーズ達(彼女ら)と1~2言交わし、カードを渡した。

ジェイル・スカリエッティお手製のカードだ。

ある分のカードを渡し終えた刃は、くたくたになりながら部屋に戻った。

ジェイルに渡し終えた旨の連絡を入れると、

 

『ありがとう。次女には私から渡すから、君は休んでくれ。何ならガジェットに人払いさせてもいいがね。』

 

と言われたからだ。

その類いに興味関心のない刃は、やんわりと断ると部屋へ向かった。

 

 

刃は用意された自室のベッドで横になっていた。

ベットの固さは可もなく不可もなく、寝るにはちょうどいい位だ。

 

「師弟…か。」

 

刃はそう呟くと寝返りを打った。

 

「俺とは縁遠いと思っていたが…。」

 

その言葉を最後に、刃の瞼は閉じていった

こうして、ミッドチルダの夜がまたひとつ更けるのだった。

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