休憩室の部屋から出た刃は、廊下を歩いていた。
「刃さん。」
ふと後ろから少女の声に気が付き、振り向く。
「ノーヴェか、なんのようだ?」
「お願いがあるんだ。」
「…願い?」
「あぁ、あたしを弟子にしてくれ!ドクターのために強くなりたいんだ!」
「…やめておけ、俺に着いていったところでろくなことにはならない。」
刃は視線を横に逸らして言うと、ノーヴェはうつむいた。
うつむくときにそうか…、と呟いていたのを、刃は聞き逃さなかった。
流石に言い過ぎたか…と思っていると、ノーヴェは刃を金色の目でまっすぐに見つめた。
「あんたがそう言うなら、あたしは勝手についていく!」
「だが…!」
「止めても無駄だ!あたしをは決めたんだ!筋は通す。そうしなきゃ気が済まないって、あんたを見て決めた!」
それを聞いて刃の頭にはある記憶が蘇った。
刃は幼いころ、父親にデュエルスクールへ連れていってもらった。
そこで、あるものを目にした。
─ペンデュラム召喚を
─2匹の
─その鶴が混ざり合って現れた、
─
─
─
─その3体が1つになって現れた、
幼き彼の心を奪うには十分だった。
それを教えて欲しいと熱弁したときも彼は、今のノーヴェと同じ目をしていた。
「はぁ…こうなったらいつも通り、だな…。」
「ん?」
「いや、なんでもない。…特別にだからな。」
「…!。あぁ!」
「まったく…。」
「じゃあ早くいこうぜ、師匠!」
と言ってノーヴェは刃のパーカーの袖を引っ張ると、第2訓練室へとつれていった。
「ま、なるようになれってな…」
彼は座右の銘としている言葉を呟くと、観念してノーヴェに付き合うのだった。
結局のところ、3時間位ノーヴェと刃はデュエルしていた。
ノーヴェの技術の吸収は早いもので、出来ていたデッキの基本的な回しかたを向上させ、応用もうまく出来るようになっていた。
それが終わった後、
ジェイル・スカリエッティお手製のカードだ。
ある分のカードを渡し終えた刃は、くたくたになりながら部屋に戻った。
ジェイルに渡し終えた旨の連絡を入れると、
『ありがとう。次女には私から渡すから、君は休んでくれ。何ならガジェットに人払いさせてもいいがね。』
と言われたからだ。
その類いに興味関心のない刃は、やんわりと断ると部屋へ向かった。
刃は用意された自室のベッドで横になっていた。
ベットの固さは可もなく不可もなく、寝るにはちょうどいい位だ。
「師弟…か。」
刃はそう呟くと寝返りを打った。
「俺とは縁遠いと思っていたが…。」
その言葉を最後に、刃の瞼は閉じていった
こうして、ミッドチルダの夜がまたひとつ更けるのだった。