「ドクター、何か用か?」
フシュゥッという音のあとに彼の声が聞こえた。
「やぁ、刃。よく来てくれた。」
そう言って私は振り向く。そこにいたのはミュージックプレイヤーを片手にした彼だった。
─
私達の前に現れた次元漂流者。
カードの束を使って戦う
そして、
「列車を襲い、オークションを襲撃した。次はどうするつもりだ?」
彼はそういいながらソファーに腰かける。
「次に襲うのはあの忌々しいところだ。」
「…管理局か。」
「そうさ、連中には一泡吹いてもらうとする。さらにゼロファーストの回収もする。がその前にだ、先にレリックの回収を行おうと思う。レリックの回収作戦は君は温存する。」
「なるほど。戦力はどうするんだ?いざというときに力になれないのではかかし同然だ。だからといって数多くいれば言いという話でもない。」
さすがヴェルズ大戦を生き残っただけの心構えはあるようだ。
「レリックの回収には最小限の人員を投入。君には残りのメンバーの戦力強化を頼みたい。」
「ノーヴェは残してもらおう。アイツには不安がある。」
「分かった、あとはこちらで決めよう。」
「頼んだ。」
彼はそう言ってデバイスを操作する。
「何をしてるんだ?」
「アイツにメールをってね」
「君の作戦か?」
「あぁ。」
作戦の概要を話終えた私は彼に話題をふる。
「…それは?」
「親父の形見だ。…聞くか?」
「あぁ。」
それを聞いた彼はミュージックプレイヤーを差し出した。
私はそれを受け取って再生する。
ロック特有のギターを掻き鳴らす音が轟くドラムの音と共に鼓膜を刺激する。
It's quick like thunder.
But it's quiet like an owl.
I go to your place.
You're loved, loved, loved and loved, and it doesn't stop.
So I'll go to meet you even immediately.
Even immediately.
Then it should also stop raining.
Then the sun also shows its nose.
Surely, well.
ギターのソロパートでボルテージは上昇し続ける。
Your tear and my tear would go off.
余韻を残して演奏が終わる。
「なかなかいい曲だな、ロックは初めて聞くがね。」
「thunder and you.だな。マーフィー・ヴェイキンスのデビュー作だ。当時26歳。」
「君の世界の歌手かい?」
「没後に人気になったパターンのな。」
私は彼にミュージックプレイヤーを返し、薄い笑みを浮かべて言った。
「無茶だけはしないでくれ、君は私の仲間だ。」
「…善処はする、無茶をしない確約はないからな。」
「それでこそ君だ。」
彼はそれを聞いて部屋から出ていった。
私はディスプレイに顔を向ける。
ディスプレイには字が羅列されていた。
tellarknight:awaken
「さてこれは味方か、それとも…」
そう言って私は、英数字の羅列を視界から消した
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