─山岳部 リニアレール内
新型ガジェット、【ガジェットD1型】に列車のコントロールを奪わせている間、刃は席に座ってデッキを確認していた。彼の周りには二機のガジェット、【ガジェットD2型】が浮遊していた。
「こんなちんけなところにレリックがあるとは思えないが…」
刃は使命を整理する。
目的─リニアレールのレリックの奪取
指示─局員の足止め
「管理局員は"優秀"だからな、とか言っていたか…」
ダブルクォーテーションをしながら管理局員のことを表していたジェイルのことを思いだし、ため息をつく。
その左腕には黒いラインの入った、赤く角ばったデュエルディスク、【ミッドチルダ製デュエルディスク】。それも、"正式稼働型 Ver1"と銘打たれていた。
その右手には、1枚のカードが握られていた。ジェイルから託されたものだ。
その右手には手袋があった。これもジェイルから託されたものだ。
ふと、インカムに着信が入る。発信者は刃の協力関係者、ドクターことジェイル・スカリエッティ。
『聞こえるか?』
「…本来なら車内通話は御法度なんだが…な。まぁ、いいさ。」
『その様子では大丈夫そうだな。今回の相手は局員…それも、なかなかの腕を持った局員の襲撃が予想される。』
「実際には襲撃しているのはこっちだがな。」
『わかっている、許しは乞わないさ。これも私の理想を現実にするためだ、対価は払うとも。』
「俺を対価にしてでも、か?」
『…』
「対価となる覚悟はできている。これまでも、そして『これからも、か?』…あぁ。」
途中、ウーノが通信に入る。
『ドクター、刃様。少しよろしいでしょうか?』
「作戦準備から作戦終了後までは俺の呼び名は"コマンダー"だと言わなかったか?」
『すみません、Mr.コマンダー。』
『それで、何かね?』
『はい、局員のものと思われる魔力反応を検知しました。』
それと共に魔力反応の位置を表示する。
「該当する魔力の数は?」
『11です』
『うち一人はFの残滓か…ククク』
「どうした?ドクター。」
『いや、己の研究の行く末たるモノを見ると思うと…ククク』
一人で一頻り笑うと急に笑いをやめて真剣な顔もちで映った。
『まぁ、デュエルと言う新たな希望とコマンダーを手にした今、未練もなにも無いがな…』
「…反応が来た、俺はそいつらの相手をする。」
『分かった。』
「ウーノ、反応から一番マークすべき相手は分かるか?」
『はい、高町なのはのものと思われる反応があります。』
『確か高町なのはは管理局では【エース・オブ・エース】と呼ばれていたか…』
「なるほど、異名が付くと言うことはそれほど強くて厄介だから…か?」
『はい。』
『期待しているぞ、コマンダー。』
「あぁ。」
そう言って刃は席から立ち上がりデッキをデュエルディスクにセットした。
そして、右手に持っていた魔法カードをデュエルディスクに
「フィールド魔法、ディスエンチャントゾーン発動!」
置いた。
ガジェットD1型、ガジェットD2型が連動するように、
『『『『『『フィールド魔法、ディスエンチャントゾーンを発動』』』』』』
発動を宣言した。
瞬間、周囲に魔力の余波のせいなのか、はたまたソリッドビジョンのせいなのか。
ドーム状の膜が広がった。
「行くぞ、ブリューナク。」
「Let's go!」
刃は右手の手袋型の