リリカル異世界決闘録   作:鹿島 雄太郎

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いつの間にかUA2000越えていた…
お気に入りも15…すげぇ…


turn8「遭遇」

─Side刃

 

「なんなのよこれ!」

 

俺の目の前で女が怒った。

この女─ティアナ・ランスター、だったか?─は列車内に単身突入してきた魔導師であり、俺がエース・オブ・エースとさしで戦おうと移動したときに鉢合わせた魔導師。

手に持っているものからおそらく、あの銃はデバイスだと察した。

 

「無駄だ。俺…いや、俺たちはディスエンチャントゾーンを発動している。」

「ディス…エンチャント…ゾーン…?」

 

女の怪訝な反応に対し

 

「そうとも。」

 

俺は頷いて、話を続けた。

 

「ディスエンチャントゾーンの中では敵味方に関わらずルールに囚われる。」

「…けど、それを発動しているのは貴方だけで、その対象は私だけ!外のみんなが助けてくれる!」

「…はぁ?」

 

俺は少し威圧を込めて言った。

その威圧が通じていても通じなくても関係ない。

これは、己が心を猛らせる為でもあるからだ。

 

「これを発動しているのは俺だけじゃねぇ。」

「なに言ってんのよ!ここにいる人間は貴方だけ!そうじゃなかったら誰が発動しているの!?」

「…お前は今、答えに繋がる発言をした。」

「え…?」

「確かにここにいる"人間"は俺だけだ。だがなぁ…」

 

そこで区切って目を一度だけ閉じ、薄く開いて言った。

 

「─これ、人間以外でも発動できるんだぜ?」

「!?…まさか!」

「そうだ。ここにいるガジェットの全員が発動している。」

「嘘…でしょ…!?」

『ティア!』

 

女の前に画面が現れた。

あれは…仲間か…。

 

『ティア!ここはなにか変だよ!』

「スバル!ここには相手をルールに捕らえるディスエンチャントゾーンが発動されてる!」

『ルールに…捕らえる…』

『それってどういう…?』

 

桃色の髪の女児と赤髪の男児が通信に割り込んできた。

面白い、こっちも割り込んでみるか。

 

「あーあー、ちょっといいか?」

『誰!?』

「俺は…そうだな…コマンダーと呼べ。」

『コマンダーさん!貴方の目的は一体なんなんですか!?』

『ディスエンチャントゾーンとは一体!?』

 

そうやっていっぺんに聞くなよ…

まぁ、答えてやるか。

 

「フィールド魔法、ディスエンチャントゾーンには範囲内のやつらをルールに捕らえる効力がある。そして全ての存在はデュエルのルールによって拘束される。」

『じゃあ、急に攻撃できなくなったのも!』

『ガジェットが機械の竜を呼んだのも!』

「それがディスエンチャントゾーン。そして俺の目的はレリックの奪取!」

 

俺は手札のカードを二枚引き抜く。

 

「俺はスケール2のイグナイト・イーグルと、スケール7のイグナイト・ウージーで、ペンデュラムスケールをセッティング!」

 

そして相手の通信越しに、ガジェットの音声が聞こえた。

 

『『スケール3のダイナミスト・プテランと、スケール7のダイナミスト・ブラキオンを、ペンデュラムスケールにセッティング。』』

 

『『『スケール7の銅鑼ドラゴンと、スケール2のフーコーの魔砲石をペンデュラムスケールにセッティング。』』』

 

「何?なんなの!?」

 

「『『『『これによりレベル3からレベル6のモンスターが同時に召喚可能』』』』」

 

そして俺は手を上に掲げる。

その後ろでは鈍い風切音が聞こえるほどに、振り子が揺れていた。

 

「弾ける火花の狭間にて、圧政の幕を下ろせ!」

 

そして俺は口上を言い終わると、カードを叩きつけた。

 

「ペンデュラム召喚!来い、俺の兵士共!」

『『『『ペンデュラム召喚』』』』

 

それと共に一対の光の柱の間に円が現れる

その円から3つの光の玉が降ってくると、俺の前に着いた。

 

光の玉が砕け、人影が膝を付いて着地した。

 

「レベル6!イグナイト・デリンジャー!」

 

1つは桃色のペイントの、クナイのような武器を持った機械的な戦士に、

 

「レベル5!イグナイト・ライオット!」

 

1つは二振りの剣を持った赤き堅牢な戦士に、

 

「レベル6!イグナイト・キャリバー!」

 

最後の1つは緑の装色を持った特攻隊長へと姿を変えた。

三体はそれぞれ、俺を守るように構える。

 

ガジェットも同様に─

 

『『レベル4、ダイナミスト・アンキロス。レベル4、ダイナミスト・ステゴザウラー。レベル4、ダイナミスト・プレシオス。レベル4、ダイナミスト・プレシオス。』』

 

ガジェットD2は霧を体から放つ恐竜たちを、

 

『『レベル4、聖鳥クレイン。レベル4、アステル・ドローン。』』

 

ガジェットD1型はペンを持ったコミカルなキャラクターと輝きを放つ鶴をペンデュラム召喚した。

 

『ティア!今行くから!』

 

そう言って青い髪の女は、鶴の鳴き声とドローをよそに俺がいる列車の屋根を殴る。

 

 

が、屋根が破壊されることはなかった。

 

『嘘!出力が…!』

「一体何が…!?」

『ダイナミスト・プレシオスの効果。このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手の攻撃力と守備力はフィールドのダイナミストカードの数×100ポイントダウンする。』

「今存在するダイナミストカードは6枚、プレシオスが2体いるから12枚。同じ手を使っているガジェットが2体だから24枚。」

「合計…2400…ポイント…」

「俺のインカムには仕掛けがあってな?相手をモンスターとして認識することで、そのステータスを解析し変換、そして数値化する。」

 

俺は髪の青い女を指差した。

 

「解析した結果、変動前のお前の攻撃力は2500だったぜ?」

『じゃあ…あたしの攻撃力は今…』

「たったの…100…!?」

「アンキロスの攻撃力は1500、ステゴザウラーの攻撃力は1600、プレシオスは1700。」

「じゃあスバルが攻撃を受けたら…!」

「まぁ、破壊されたモンスター…スバルだったか?がどうなるかは分からねぇ。」

 

そして俺は差した指をたてた。

 

「アンキロスは面白い効果を持っていてな?自分フィールドのダイナミストモンスターが相手を戦闘で破壊したら、そいつを除外しちまうんだ。」

『そん…な…それじゃあ、誰にも…』

 

その発言を最後に通信が途絶えた。

 

「うそ…私も…ずっと…平凡のまま…」

 

ティアナ・ランスターはショックを受けたようで、膝を付いてぶつぶついいながら動くことはなく、固まっていた。

その呟きを全て拾うことが出来なかったものの、兄がどうとか平凡がどうとか言っていたのは聞き取れた。

 

─俺は女に近づいて止めを刺そうとした…。

 

「…ん?」

 

ふと行動を止めた。

俺はティアナ・ランスターの数値が気になった。

 

(あの女…)

 

俺は通信回線をカメラモードにして開き、その視界越しにみた。

 

名前:エリオ・モンディアル

種族:戦士族

………

 

こいつは数値化しているな…

 

名前:キャロ・ル・ルシエ

種族:魔法使い族

………

 

こいつも…特に問題はない。

 

名前:スバル・ナカジマ

種族:機械族

………

 

こいつは…あいつらと同じ…

そして改めてあの女を見た。

 

名前:ティアナ・ランスター

information was sealed.

 

情報が封印されている!?

何とかして解析してみるか…

そう思った俺は女の頭を掴み、ブリューナクを通して解析した。

 

「いや…やめて…お願い…」

 

女はなにかを乞うが、その発言をよそに俺は解析を続けた。

 

「…!?」

(嘘だろ!?本来の実力よりも今日に至るまで弱体化している!?どんな訓練してんだ管理局は!)

 

解析が終わった後に俺は、ドクターから通信が入った。

 

『コマンダー、ずらかるんだ。』

「どうした?ドクター。」

『レリックがあちら側に渡った。例のFだ。』

「本当か?」

 

ディスエンチャントゾーンが発動されていたはず…

 

『あぁ。どうやら、範囲外から乗り込んだらしい。とにかくだ、撤退しろ。』

 

大方その場の機転で作戦を変え、ガジェットの注意をFから反らさせたんだろう。

 

「分かった。」

 

俺はそう言って通信を切り、

 

「っだぁ!」

 

「がふぅっ!」

 

女の鳩尾を殴って気絶させた。

変身がとけ、デバイスがこっちに転がる。

俺はそれを拾って細工すると、女に

 

いや、ティアナにデバイスを1枚のカードと共に握らせた。

 

そして俺はデュエルディスクを元に戻した。

 

「帰るぞ、ブリューナク。」

「OK、Emergency Teleport!」

 

俺の体は足元から消えていき、リニアレールから姿を消した。

 

─Side ティアナ

コマンダーとか言う敵にやられたあたしは、医務室のベッドの上で目が覚めた。

近くのテーブルに目を向けると、はやてちゃんに呼ばれたので行ってきます、とだけ書かれていた。

 

「マスター。」

 

不意に、枕元に置かれていたクロスミラージュに呼ばれた。

 

「マスター、メールが届いています。確認しますか?」

「差出人は?」

「ジンとなっています。」

 

ジンと言う耳慣れない名前を聞く。

そんな人今までいたっけ?

そう思ってたけど─

 

「…表示して。」

 

あたしはあたしの直感を信じ、メールを表示させた。

 

 

ティアナ・ランスターへ

 

突然だが、一つ謝ろう。

手荒な真似をしてすまなかった。

許してもらうつもりはないが、謝らせてもらう。

 

さて、本題を話そう。

ティアナ・ランスター、お前を俺の仲間にしたいと思っている。俺にはお前が必要だ。

俺たちなら、お前を平凡から抜け出させてやることだってできる。

お前なら、俺をも越えられる。

 

お前は今、なぜ犯罪者の仲間入りをしなければいけないのか。そう思っているに違いない。

 

だが、理由がある。

ジェイルは今を変えようとしている。

 

お前はこれを仲間に見せるだろうから、添付ファイルにパスコードと小細工を設置した。

 

お前が俺たちの味方になれば、お前の可能性を大きく広げることができる。

 

別にお前たちが悪だとも、俺たちこそ正義だととも言う気はない。

 

…返事を待っている。

 

決闘者 火上刃より

 

P.S.

激励がわりと言ってはなんだが、1枚のカードをやろう。それにはパスコードが書いてあるから、なくすんじゃないぞ。

 

 

あの犯罪者が世界をかえようと…?

私は気になってカードを持った。

 

「…これかな?」

 

そう思って私は、カードに書かれていた数字を打ち込んだ。

 

25573054

 

ファイルのパスコードによって、ロックは解除されその中身を確認できるようになった。

そしてあたしは、そのファイルの中身を見た。

 

「これは…本当なの…?」

 

そこには、管理局の行ってきた買収・収賄・癒着行為、隠蔽されていた局員の犯罪や裏で行われてきた数々の悪行。

それに対し反逆をしようとしたジェイル・スカリエッティの生い立ちや意志。

さらにはそうせざるをえなかったというジェイルの苦しみ。

数々のことが書かれていた。

 

あたしは、悩んだ。

このままか、それとも…

 

あたしの心情を知ってか知らずか、時間は刻一刻と過ぎていった─




キャロが言った機械の竜はサイバー・ドラゴンのことです。

ティアに贈ったカードは…
番号で検索すれば分かる。
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