問題児たちと昆虫館が異世界から来るそうですよ?(リメイク) 作:薄翅蜉蝣
お気に入り100件突破、誠にありがとうございます!!
相変わらずの亀投稿で文章も短く申し訳ないですが、これからも頑張りたいと思います!
それでは、本編どうぞ!
※11/13■■の認知範囲の設定変えました。(伏せる必要ないかな?)
「………水族館?」
「左様。昆虫館の元同僚じゃ」
耀は一瞬で力関係を理解した。どうあがいても目の前の老人には勝てないことを。
「ガルドは、どこ」
「ふむ、貴様にそれを教える義理はないが………。それも一興というものか」
水族館が指をパチンと鳴らす。すると水が耀の視界を覆い、映像が映し出される。
―――白く光輝くガルドが残していた二人に襲いかかる様子がはっきりと見てとれた。
「………どこに行く、小娘よ」
「二人のところ。帰らないと」
焦りをつとめて顔に出さないようにする人間に、水族館の心は愉快さをおぼえた。だがもちろん答えは決まっている。
「逃がすと思うか?」
「………」
その時、屋敷の窓から爆発音が聞こえた。水族館が何事か、とそちらをみると、体中傷だらけとなった大地が立っていた。
その眼には、怒り以外の色はなく、いつもの平静さはどこにもなくなっていた。
「水族館、お前………!」
「ふむ、逃げ出したのじゃな、昆虫館らしくもない」
「………」
「やはり人間の下でぬるま湯につかっていただけのことはある。………
「………お前が俺に教えた。
「希望など、所詮夢物語じゃ。それに、箱庭に召喚されたということは、諦めた、ということじゃろう?」
「………違う」
「いいや違わぬ。お前も地球を見捨てたのじゃ。だからここに
きっぱりと言い切る水族館に対して、大地は不審な顔になる。
それは、状況がはっきりとは理解できていない耀も同じだった。
「………大地は、この世界の人だったの?」
「いや、そんなはずないんだけど。俺はこんな場所知らないし………」
「それは無理もない。ここも随分と変わったのじゃ。儂らがまだ生まれて間もないころ、ここにはほとんど何もなかったからな」
「それってどういう、」
「ふむ、すべて教えても興がそがれるというものじゃな。儂はそもそもこのゲーム構築には関わっておらぬ。あとは自分で何とかするがよい、昆虫館よ」
水族館の姿がぼやけだす。止めようと伸ばした手は空を切り、水族館は霞のように跡形もなく消えていった。
あとに残された大地と耀はしばし呆然とする。しかし、すぐに耀が我に返り、焦りの表情を浮かべた。
「………急いで飛鳥たちのところに行かないと」
「どうかしたの?」
「ガルドが、二人のところに行ってるって。もしも二人に何かあったら、私………!」
「………急ごう。まだきっと間に合うはずだから」
二人は屋敷を飛び出し、光り輝く森の中を一心不乱にかけていった。
しかし、あるところで、大地が耀を引き留める。
「待って」
「何? 早くいかないと、二人が、」
「落ち着いて。二人はすぐそこにいる。ガルドはいないみたいだから、逃げ切ったみたい。ただ、近くに獅子がいる」
「そんな、じゃあ」
「大丈夫。まだ向こうは気づいてないし、飛鳥とジンもうまく隠れてるから」
「でも、こおままじゃ危ないんじゃないの?」
「だから、俺があいつの気を引く。その間に三人は逃げて。1キロより離れてね」
「………」
「大丈夫、何とかなるって」
不満げな耀を残して、獅子のほうへ駆け出す。
大地しか獅子に勝てる可能性は持っていないとわかっている耀は、後ろ髪をひかれながらも飛鳥とジンがいるらしい方向に向かっていった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
獅子の背後に回った大地。まだ相手が気づいた様子はない。
霊格が小さいということはこういうときだけは便利だ、と大地は思う。周りの木々より霊格が小さいため、霊格から位置を割り出されることはない。まあ、獅子が本気で索敵を始めたら気配だけで全員見つかってしまうだろうが。
幸い、今獅子は大地を含むノーネームをなめてかかっている。それはさながらとらえた獲物で遊ぶ猫のようだ。
「あんまり、なめないで、ねっ!」
『ッ!?』
極限まで気配を消したまま、獅子に殴り掛かる。突然の衝撃にバランスを崩す獅子。
奇襲以外での勝率はほぼ0%なので、一気に畳みかける。
今回顕現させた武具はスズメバチ。針を模した槍と、大あごを模した兜。怪力の恩恵と死の恩恵を併せ持つ、かなりレベルの高い神器。
「………だめか」
『………戻ってきたか、腰抜け』
嘲笑うかのように言う獅子。大地は耳を傾けず、新たな武器を生み出す。
今回のものはただ長い棒。誰が言ってもそれを形容するには長いという言葉以外見つからないだろう。それほどまでに特長のない棒だった。
「今回はギリギリまで粘らせてもらうよ」
『………なんだと?』
一瞬、長い棒が見えなくなる。すると同時に、大地の姿が完全にかきけされた。
獅子は気配を追うが、大地らしきものはどこにも見つからなかった。
『………なるほど、あの棒はエダナナフシの隠蔽か』
「………ごめいさ、つっ!」
獅子の背後に現れた大地は間髪入れずにその手に持った槍を叩き込む。
獅子は身じろぎをして大地を振り払う。そして振り向きざまに追撃を加えようとする。が、そこに大地の姿はもうない。
『クッ、小賢しい』
「
今度は足に鋭い一撃。
大地はさらにもう一つの武具を顕現させていた。それはゾウカブトの鎧。世界最重量の昆虫である。“質量を操る”ギフトを宿すその鎧を身にまとった大地は、不可視の攻撃でよろめいた獅子を怒涛の勢いで攻め立てる。
「よい、っしょっと!」
『………ウグゥッ!』
幾度か攻防を繰り返すと、大地が獅子を押し切る形で殴り飛ばした。
悔しげにうめく獅子。体は無傷でも、プライドは簡単にずたずたになった。
彼は王だった。いつだって狩る側の存在だったはずだ。
―――それがなんだ、このざまは。霊格の九割以上を封印された昆虫館に力で押し負ける? そんなことがあってはいけない。
『グルルゥッッ』
獅子は一目散に駆け出した。しかしそれは大地に向かっての突進ではない。
彼が向かう先にいるのは、
「っ、嘘だろ、百獣の王のプライドはどこにいったんだよっ!」
『グウウゥゥォォォォォオオ!!』
「くそっ、こうなったらもうただの獣か………!」
大地はヤンマを呼び出して飛び乗る。
「飛ばしてっ! 三人のいるところまで!!」
展開遅すぎてすみません………
次かその次にはフォレスガロ回終われると思います。
ルイルイの話はさらっと行こうと思ってます。
誤字脱字、ご意見ご感想などお待ちしております!