問題児たちと昆虫館が異世界から来るそうですよ?(リメイク)   作:薄翅蜉蝣

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どうも、七星天道です

今回からは、かなりオリジナル展開になります。
つたない文章ですが、どうぞよろしくお願いします。

それでは、本編どうぞ


第四話 宣戦布告

 日が暮れた頃に十六夜&黒ウサギと合流。話を聞いた黒ウサギは案の定というかなんというか、ウサ耳を立てて怒っていた。

 

「な、なんであの短時間にフォレス・ガロのリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」「しかもゲームの日取りは明日!?」「それも敵のテリトリー内で…etc」「どういう心算があってのことです!」

「聞いているのですか四人とも!!」

 

「「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」(嘘)」

 

「黙らっしゃい!!! ………っていうか、今一人だけ(嘘)っていいましたね!!」

 

 四人の息ぴったり(?)な言い訳に激怒する黒ウサギ。

 それを止めに入ったのは十六夜だった。

 

「別にいいじゃねえか。別に見境なく選んで喧嘩売ったわけじゃないだから許してやれよ」

「そうそう、ここは俺に免じて許してやってよ」

「そ、そうですよね、皆さんも考えがあって………ってなんで大地さんに免じなければいけないんですか!!?」

 

 ウキー! と叫ぶ黒ウサギ。どうやら乙女どころかウサギとしての誇りも失ってしまったようだ。

 時間がたち、ある程度ほとぼりのさめた黒ウサギは、ふと、大地の持っている杖に目を向けた。

 

「………大地さん、その杖、どこで手に入れたのですか?」

「ん? コレ? これは、えっと、そう、森の中でみつけたんだよ」

 

 花菜と出会ったのも森の中だったため、あながち間違いではない。

 しかし黒ウサギは、依然として懐疑的な目を杖―――つまりは花菜―――に向けていた。

 

「その杖、神造………いや、もしかすると星造クラスの物かもしれません!」

「へえ、これって結構すごいんだ?」

「ええ、ええ、それはもう!! あ、そうだ、ジン坊ちゃんは先にお帰り下さい。大地さんの不思議な杖も含めて、今日は今から“サウザンドアイズ”の皆さんにギフトの鑑定をお願いしないと。ゲームの日取りは明日らしいですし、十六夜さんが獲得したこの水樹の事もありますし」

 

 そういって彼女がとりだしたのは、一つの木の苗だった。

 頬擦りを繰り返している辺り、貴重なものであることは間違いなさそうだ。

 しかし、四人の興味はその苗ではなく、彼女の発した一つの単語に注がれていた。

 

「サウザンドアイズってのもコミュニティの名前か?」

「YES。“サウザンドアイズ”は特殊な“瞳”のギフトを持つ者たちの群体コミュニティ。箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますし」

「なるほどね。じゃあ、ギフト鑑定って?」

「勿論、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定することです。では、行きましょう!」

 

 四人とも、少し複雑な表情だったが、誰からも否定の声は上がらなかったので、黒ウサギを含む五人と一匹はサウザンドアイズの支店へ向かうことになった。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 もう日もくれる、という時に、サウザンドアイズの支店に辿り着いた。しかし、どうやら少し遅かったようだ。

 営業時間が終わり、割烹着の女性店員は店の看板を下げようとしていた。

 

「まっ」

「待ったなしです御客様。うちは時間外営業はやっていません」

 

 黒ウサギの決死のアタックは、鉄壁の防御に阻まれた。―――絶壁の胸の女性店員に。

 流石は超大手の商業コミュニティ。押し入る客の拒み方にも押し入る隙がない。ちなみに、女性店員には胸がない。

 

「なんて商売っ気の無い店なのかしら」

「ま、全くです! 閉店時間の五分前に客を締め出すなんて!」

「文句があるならどうぞ他所へ。なんだか気分も悪いので、あなた方は出禁です」

「出禁!? これだけで出禁とか御客様舐めすぎでございますよ!?」

 

 抗議をするときにも、大きく弾む黒ウサギの胸。

 

「………チッ」

「舌打ち!?」

 

 キャーキャーと喚く黒ウサギに、店員は冷めたような目と侮蔑を込めた声で対応する。

 

「なるほど、“箱庭の貴族”であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますので、コミュニティの名前と旗印を確認させてもらってもよろしいですか?」

「………う」

 

 言葉に詰まる黒ウサギ。そこで大地は花菜の言っていたコミュニティに入る利点というものを再確認する。

 事実黒ウサギも尋常じゃないくらいに焦っていた。

 

(ま、まずいです。“サウザンドアイズ”はノーネーム御断りでした。このままだと本当に出禁にされるかも)

 

「その………あの………私たちには、名も旗もありま」

「いぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉ! 久しぶりだ黒ウサギイィィィィ!」

「きゃあーーーーー………!」

 

 黒ウサギは、突如として店内から現れた白髪の少女にフライングボディーアタックをかまされ、街道の向こう側で池ポチャする。

 大地たちは目を丸くして、店員は痛そうな頭を抱えていた。

 黒ウサギを強襲したその少女―――あるいは幼女―――は、黒ウサギの胸に顔を埋めてなすりつけていた。

 

「し、白夜叉様!? どうして貴女がこんな下層に!?」

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからにきまっとるだろに! フフ、フホホフホホ! やっぱり黒ウサギはさわり心地が違うのう! ほれ、ここが良いかここが良いか!」

「し、白夜叉様! ちょ、ちょっと離れてください!!」

 

 黒ウサギは白夜叉と呼ばれた少女を無理やり引き剥がし、頭を掴んで店に向かって割と本気で投げつける。

 くるくる廻って飛んできた少女を十六夜は足で大地にパスをする。それを大地は手で受け止めた。

 

「うむ? おんし………っ!」

 

 一瞬にして大地から距離をとる白夜叉。その目には、強い光が宿っていた。

 何も状況が飲み込めていないノーネームのメンバーは、目を瞬かせて白夜叉に注目した。

 

「黒ウサギ、ここから童どもを連れて離れろ!!」

「ど、どうしたのですか、白夜叉様!!?」

「気付かなかったのか!! この者は魔王だ!! それも半端な魔王ではない! 神霊クラスか、下手をすれば星霊クラスの化け物だぞ!!」

「なっ………!!」

 

〈大地、これはちょっとまずいです。強硬手段に出ます〉

 

 ―――まずいって?

 大地が言葉を発するより早く、花菜の霊格が膨張を始める。

 

「っ! 黒ウサギ!! 今ここでゲーム盤を展開するっ! うちの店員を貸すから、童どもはお前に任せるぞ!」

 

 パンッ、と白夜叉が手をたたいたその瞬間、世界は流転を始めるのだった。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 太陽が水平に廻る世界―――白夜の世界―――で魔王と元魔王が対峙する。

 

「すごいねー。この世界、お前―――白夜叉が作ったの?」

「如何にも。私も最古の魔王なぞ久々に見たわ。おんし………神殺しか?」

「うーん、俺もまだ色々とわからないから、聞きたいことはこいつに聞いてよ」

 

 大地は自分の杖を指し示す。白夜叉は、それを見て一段と警戒心を強めた。

 

「………なぜここにいる、植物園」

「っと、お久しぶりです、白夜王。あの時の皆も今は元気です」

 

 杖から姿を変え、再び人の姿に戻る花菜。

 白夜叉に向ける顔は先ほどと同じような笑顔だが、どこか寒々としたものだった。

 

「今は白夜叉じゃよ。ところで、()()()()()()()()()()()()()()、と問うたのだが?」

 

 放たれる殺気と威圧。白夜叉にとっても花菜はここにいてはいけない人物なのである。

 

「おんしらはかつて私が封印したはず。なぜ今ここにいる」

「そんなことなら簡単ですよ。やっと昆虫館が箱庭入りしました」

「………何?」

 

 そこで白夜叉は大地を見やる。そして再度花菜に視線を戻した。その表情は、先程以上に険しいものとなっていた。

 

「………つまりこやつが昆虫館じゃと?」

「その通りです。ですよね、大地」

「うん。魔王云々はよくわかんないけどね」

「………つまり、揃ってしまった、というわけかの?」

「そういうことになります」

 

 しばし呆然とする白夜叉。その後、何かを思案するように目を閉じる。次に顔を上げたその目には、強い闘志の色が窺えた。

 

「仕方あるまい。そういうことなら私も東区画の階層支配者(フロアマスター)として、容赦はできんぞ」

 

 鋭い目付きで大地をにらんだ後、自身の持つ“切り札”を発動させる。

 突然現れる純白の契約書類(ギアスロール)。箱庭の知識を持たない大地にも、それが花菜のものと似て非なるものだということはわかった。

 

『ギフトゲーム名“白夜の決闘”

 

 ・プレイヤー一覧 緑ヶ原大地

          瀧華花菜

 

 ・ゲームマスター 白夜叉

 

 ・プレイヤー側勝利条件 

  一、ゲームマスターの打倒

  二、天動説の謎を暴け

 

 ・プレイヤー側敗北条件 

  一、全プレイヤーの死亡及び封印

  二、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します

                            “サウザンドアイズ”印』

 

 

 その契約書類を見た花菜は、痛烈に舌打ちをした。彼女は先走り過ぎたことを後悔していた。

 白夜叉。夜叉と名につく彼女だが、その本質は白夜、すなわち太陽の星霊。彼女を相手取るということは、太陽そのものを敵に回すことと同義なのである。

 

「ちょっと不味いですね。なんとかこのゲームを止めないと」

「なんで?」

「なんでって………」

「要するに、白夜叉を倒せばいいんでしょ?」

「なっ………」

 

 花菜は絶句する。

 大地は大胆にも勝てばいい、と言ってのけた。

 太陽に勝つ、ということを十全に理解できていないが故のそれなのか、はたまた自分の力を過信するが故のものなのか。花菜は、どちらも違うと感じる。

 それは強者としての自負。あるいは覇者としてのプライド。決して揺らぐことの無い自信が彼を支えているように見えた。

 しかしそれは白夜叉とて同じこと。彼女もまた、自らの勝利を少しも疑っていなかった。

 

「呵々、勝つと吼えたか。久々に威勢のいい小僧だの」

 

 白夜叉は白い炎を身に纏う。太陽の表面温度と同等の熱量。それは明確に死を予見させるものだった。

 

「とりあえず、俺が先に行くよ」

 

 大地は、おびただしい数の虫を召喚する。

 虫、虫、虫。圧倒的な数の虫は、しかしものの数秒で燃え尽きてしまう。

 いくら新しい虫を召喚しても、その攻撃が白夜叉に届くことはなかった。

 涼しげな顔で大地のするがままにさせていた白夜叉は、柔らかな物腰で大地に提案する。

 

「諦めたらどうじゃ? お前の能力(ギフト)じゃ私には勝てん」

「俺は誰にも負けない。ずっと前からそうやってきたんだから」

 

 ―――もう駒はそろったからね。

 大地が空に手を掲げる。

 白夜叉の前に契約書類が―――()()()契約書類が舞い降りた。白夜叉の感じた魔王の気配。すなわちそれは花菜の事であって、大地ではない。

 降りてきた契約書類の色を見て、白夜叉は動揺をあらわにする。

 

「何っ! 白い契約書類じゃと!?」

「さあ、白夜叉。俺とゲームをしようよ」

 

『ギフトゲーム名“生命の到達点(未完)蟲の楽園―――植物の社”

 

 ・参加資格 “死”をもたらした者

 

 ・プレイヤー一覧 白夜叉

 

 ・ゲームマスター 緑ヶ原大地

 

 ・プレイヤー側勝利条件

  下記の条件を全てクリアする

   一、ゲームマスターの打倒

   二、■■■■■■

   三、■■■■■■

   四、■■■■■■

   五、昆虫館の打倒

   六、植物園の打倒

   七、■■■■■■■■■■■

 

 ・プレイヤー側敗北条件

  一、上記の勝利条件を満たせなくなった場合

  二、プレイヤーの続行不能

  三、■■■■■■■■

 

 ・ペナルティ

  “命”を奪ったものに、いずれかのペナルティが課せられる。

  一、■■■■■■■

  二、■■■■■

  三、■■■■■

  四、ギフトの剥奪

  五、霊格の剥奪

  六、■■■■

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します

                            “     ”印』




いかがだったでしょうか。
オリジナルになって投稿スピードはガクンと落ちると思います。
誠に申し訳ありません。

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