問題児たちと昆虫館が異世界から来るそうですよ?(リメイク)   作:薄翅蜉蝣

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どうも、天道虫です。

またもや投稿が遅れてしまいました。誠に申し訳ありません。

それでは、本編どうぞ


第五話 太陽VS蟲

『ギフトゲーム名“生命の到達点(未完)蟲の楽園―――植物の社”

 

 ・参加資格 “死”をもたらした者

 

 ・プレイヤー一覧 白夜叉

 

 ・ゲームマスター 緑ヶ原大地

 

 ・プレイヤー側勝利条件 

  下記の条件を全てクリアする

   一、ゲームマスターの打倒

   二、■■■■■■

   三、■■■■■■

   四、■■■■■■

   五、昆虫館の打倒

   六、植物園の打倒

   七、■■■■■■■■■■■

 

 ・プレイヤー側敗北条件

  一、上記の勝利条件を満たせなくなった場合

  二、プレイヤーの続行不能

  三、■■■■■■■■

 

 ・ペナルティ 

  “命”を奪ったものに、いずれかのペナルティが課せられる

  一、■■■■■■■

  二、■■■■■

  三、■■■■■

  四、ギフトの剥奪

  五、霊格の剥奪

  六、■■■■

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します

                            “     ”印』

 

 黒ウサギは大地の契約書類を読み、戦慄を憶えていた。修羅神仏が集うこの箱庭でもこれほどの難易度のゲームは中々ない。

 もしも白夜叉以外の者まで巻き込まれていたらなす術もなかったはずだ。

 

「白夜叉様、大丈夫でしょうか」

「大丈夫です。オーナーはあれでも東区画()()ですから。負けることなんてありえません」

 

 物憂げな黒ウサギとは対照的に、落ち着いた冷静な声で返すサウザンドアイズの女性店員。

 彼女は(あくまで性格を無視した場合は)白夜叉に絶大な信頼を抱いており、彼女の敗北はこの契約書類を読んでも考えられなかった。

 

「でも、“勝つ”のは厳しいんじゃねえか?」

 

 二人の横から十六夜が口を挟む。

 異世界組の中で唯一彼はこの状況を冷静に判断していた。

 

「どうして? 彼女、最強なのではないの?」

「………うん、大地の攻撃も全然通ってなかった」

「はい、白夜叉様は確かに並ぶものがいない最強です。しかし、このルールだとその………」

白髪ロリ(白夜叉)は大地への決定打を見つけられていない。違うか?」

「………」

「………そうです」

 

 黒ウサギの沈黙と女性店員の肯定に、外野の雰囲気はかなり暗いものとなる。

 そんな中、ゲームに変化が起こり始めた。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「ええい、小賢しい………!」

 

 白夜叉の頭の中では、様々な疑問が渦を巻いていた。

 ―――なぜこれほどのゲームを展開して尚、魔王に堕ちないのか。

 ―――なぜ魔王以外参加できないはずの自分のゲームに参加できたのか。

 ―――そもそもなぜ“昆虫館”が呼び出されるに至ったのか。

 

「余所見は禁物………ですっ!」

「っ!」

 

 絶えず飛んでくる虫の群れと蔦の束。白夜叉はそれらを躱すことしかできない。

 もし不用意に攻撃すれば、ペナルティが発動するだろう。それを避けるためにも、まずペナルティの正確な発動条件を調べなければならなかった。

 しかし、発動条件を調べるためには必ず攻撃を仕掛けねばならない。つまり、初手からペナルティ発生があり得る、ということだ。

 

「うーん、ここまで全部避けられたら面白くないなあ」

「………太陽の星霊にここまで、圧倒しておるのだ。もっと誇っても、っよいのだぞッ!」

 

 軽口をたたく白夜叉だが、実際はもう余裕がなかった。相手の底が見えるのを待つつもりだったが、二人の攻撃はやむ気配を見せなかった。このままではいずれジリ貧で押し切られてしまうだろう。

 

「………ええい、ままよ!」

「っうわ!」

 

 白夜叉は大地に向けて鋭い一撃を放つ。反応の遅れた大地は、虫の壁を生成してこれを防いだ。

 そう、蟲の壁で防いだのである。しかし、白夜叉にペナルティがかかることはなかった。

 

「………チッ、もうちょっと渋るかと思ったのになあ」

「呵ッ、見破ったぞ!! ペナルティ発動条件の命と、おんしの蟲は()()()()()!」

「………そーだよ。はぁ、こんな早くばれるなんて、俺も鈍ったのかなあ?」

「大地、ぼんやりしてる余裕はありません!!」

 

 ペナルティを恐れなくなった白夜叉は、怒涛の様な攻撃を始める。

 それは、先ほどまで避けてばかりだった者とは思えないほどに鋭く、重いものだった。

 

()っ」

「花菜っ!」

 

 白夜叉の放った光弾が花菜を僅かに掠った。

 とっさに大地は花菜を庇う体制になる。

 それを白夜叉は少し驚いて見ていた。

 

「なんじゃ、おんしも他人を気遣ったりするのか」

「悪い? 俺って割かし甘いって評判なんだよね」

「………それは“お前たち”のなかで、ということかの?」

「さあ、どうだろうね。答える義務も義理もないよ。でも、」

 

 でも? と問おうとした白夜叉は大地の目を見て再び驚く。

 大地の目は憎悪に燃えていた。

 

「でも、お前を倒す義務と義理ができた」

 

 その言葉に言いようのない悪寒を感じた白夜叉は、大地から距離をとる。

 しかし、それが間違いだった。

 

「蠢け、生い茂れ。誇り高き地球の生産者達よ」

 

 白夜叉は長年の勘から、これは不味いものだと直感し、先ほどの光弾を放つ。

 だが、それももう遅い。あまりに遅すぎる。大地の近くまで飛んだその光弾は、しかし直前で何かにはじかれたように横にそれた。

 

「我らが地球の命の源泉よ」

 

 大地はニヤリと不敵に笑う。

 それはまるで勝利を確信したかのような顔だった。

 

「その全てを以て、彼の敵を撃退せよ!」

 

 今回召喚されたのは、巨大化された『ギンヤンマ(Anax parthenope julius)』。

 昆虫界最速とも揶揄されるこの虫は、時速100㎞の速さで空を翔るとも言われている。

 すさまじいスピードで白夜叉に接近し、攻撃するヤンマたち。

 しかし、数体は白夜叉の前に敗れ、墜落する。

 

 そこで、変化が起こった。

 

「まさか………」

「はは、わかっちゃった?」

 

 そう、ペナルティが発動したのだ。

 霊格を奪われ、ギフトすらも失った白夜叉は、箱庭から続行不能と判断された。

 

 そして、ギフトゲームの勝者が決定した。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「白夜叉様っ!」

「オーナーっ!!」

 

 黒ウサギと女性店員は、白夜叉の安否を確認するために駆け寄る。

 白夜叉は二人に抱き起こされながら、大地と向かい合った。

 

「………私は敗者だ。好きにしてよい。だが、他の者には」

「あーあーあー、わかってるよ。っていうか、こんなにいろいろもらっても困るから全部返すよ」

 

 大地は白夜叉に近づいて、額に手を当てる。

 その手から、白夜叉に霊格とギフトが流れ込んだ。

 

「何を………っ!!!!」

「どう、もう大丈夫でしょ?」

「やっぱり大地は優しすぎると思います。一応言っておくと、仕掛けてきたのは白夜王ですよ?」

「どうでもいいでしょ、そんなの。今全員生きてるんだしさ」

「おんし、変わっておるの………」

「どこが?」

「いや、今まで私が会ったことのあるメンバーの中では格別に、なんというか………甘いの」

「俺、別に相手を殺したいとか思ってないからね」

「大地、お前、あんなに強いやつだったんだな」

『大地の旦那、すごいな』

「………うん、そうだね」

「大地君って良く分からない人ね」

 

 白夜叉が振り返ると、十六夜、耀(と三毛猫)、飛鳥の三人が近づいてきていた。

 

「うん? おんしらは黒ウサギのコミュニティの新メンバーかの」

「逆廻十六夜だ。よろしくな、最強(笑)の白髪ロリ」

「うっ、何も言い返せないのがつらいの。………して、あとの二人は?」

「久遠飛鳥よ。よろしくね、最強(笑)さん」

「春日部耀。………よろしく最強(笑)」

「おぉぉおい、流石に揃いも揃って失礼すぎるじゃろ! 私は仮にも星霊だぞ!?」

「まあ、俺に負けたもんね。最強(笑)」

「大地、それは、なんというか、白夜王が可哀想です………」

 

 問題児たちの攻撃で、もはや白夜叉はダウン寸前だった。

 

「ゴホン、まあいい。ところで、大地。おんしはこれからどうするのだ?」

「うーん、やっぱりノーネームに入るよ。最初に呼ばれたところだからね。俺が入っても大丈夫かな」

「も、もちろんです! 大地さんはとっても強力な人材です!!」

「そうか。ならばいい。それではノーネーム復活の前祝として、これを渡しておこうかの」

 

 白夜叉がパンパンと柏手を打つ。すると五人の前に光り輝く五枚のカードが現れる。

 カードにはそれぞれの名前と、体に宿るギフトを現すネームが記されていた。

 

 コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム“正体不明(コード・アンノウン)

 ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム“威光”

 パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム“生命(ゲノム)()目録(ツリー)”“ノーフォーマー”

 ダークブラウンのカードに緑ヶ原大地・ギフトネーム“昆虫館”“蟲の楽園”“昆虫兵装(インセクトアーマー)

                         “主催者権限(ホストマスター)”“絶滅の鐘”

 ライトグリーンのカードに瀧華花菜・ギフトネーム“植物園”“植物の社”“植物兵装(ベジテイションアーマー)

                        “主催者権限(ホストマスター)

 

「ギフトカード!」

「お中元?」

「お歳暮?」

「お年玉?」

「お年賀?」

「お、お、思いつかないです………」

「思いつかなくて良いんです!! このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードですよ! いろんなギフトを収納出来て、それも好きな時に顕現できるのですよ!」

「要するに、素敵アイテムってこと?」

「だからなんで適当に聞き流すんですか! あーそうです、超素敵アイテムなんです!」

 

 黒ウサギの叱咤を聞き流し、花菜を除く四人は自分のギフトカードを物珍しそうに見つめる。

 

「そのギフトカードは、正式名称を“ラプラスの紙片”、即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった“恩恵(ギフト)”の名称。鑑定は出来ずともそれを見ればだいたいのギフトの正体が分かるという物」

「へえ? じゃあ俺のはレアケースなわけだ」

 

 ん? と白夜叉が十六夜のカードを覗き込む。そこには確かに“正体不明(コード・アンノウン)”の文字が刻まれている。ヤハハと笑う十六夜とは対照的に、白夜叉の表情の変化は劇的だった。

 

「………“正体不明(コード・アンノウン)”だと? いいやありえん。全知である“ラプラスの紙片”がエラーを起こすはずなど」

「なんにせよ、鑑定は出来なかったんだろ? そんなことより俺は大地のギフトが気になるんだが」

 

 それもそうだの、と大地のギフトカードを見る白夜叉。そこには、先ほど戦ったときに使っていたであろうギフトの数々があった。そして妥当なところだろう、と大地にかえそうとした時に彼女を二度目の衝撃が襲った。

 

「これは………絶滅の鐘だと………!!! いや、そんな馬鹿な! それはあの時私が………!!」

「どうかした?」

「………ああ、いや、なんでもない。取り乱してすまなかった。おんしなら、使うこともないだろう」 

「そう、ならいいや。………ところで白夜叉。ひとつお願いがあるんだけど、部屋の外、いいかな?」

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 六人と一匹は店の前まで移動し、白夜叉に一礼する。

 

「じゃあまたね、白夜叉。またいつか戦える日を楽しみにしてるよ」

「ふふ、次は負けぬゆえ、覚悟しておれ………ところで」

 

 白夜叉はスッと目を細め、十六夜たちに向き直る。

 

「今更だが、ひとつだけ聞かせてくれ。おんしらは自分達のコミュニティが置かれている状況をよく理解しているか?」

「ああ、名前とか旗の話か? それなら聞いたぜ」

「………。では、おんしらは全てを承知で黒ウサギのコミュニティに加入するのだな」

「そうよ。打倒魔王なんてカッコいいじゃない」

「“カッコいい”ですむ話ではないのだがの。もし準備もなく魔王のゲームに巻き込まれでもしたら………そこの娘二人。おんしらは確実に死ぬぞ」

 

 予言するかのように断言する白夜叉。二人は一瞬言い返そうと言葉を探したが、先刻の戦いを見てしまった以上、何も言えなくなっていた。

 

「魔王の前に様々なゲームで力を付けろ。おんしらに大地やら花菜やらの様な怪物じみた力はないのだ。小僧はわからんが、おんしら二人の力では魔王のゲームは生き残れんぞ」

「………わかった。忠告ありがとう」

「そうね、私たちもいつかあなたのゲームを受けに行くから、覚悟しておきなさい」

「ふふ、望むところだ。私は三三四伍外門に本拠を構えておる。いつでも遊びに来い。………ただし、チップは黒ウサg」

「嫌です!」

 

 即答である。

 

「つれないことを言うなよぅ。私のコミュニティに所属すれば障害遊んで暮らせると保証するぞ? 三色首輪付きの個室も用意するし」

「なるほど。黒ウサギをチップにしたらいつでも白夜叉とゲームができるってことだね」

「やめてください! 大地さんはどこまで冗談なのか本当に分からないんですから」

「大丈夫だって、二割冗談だから」

「八割本気じゃないですか!!!!」

 

 起こる黒ウサギ。笑う白夜叉&大地。店を出た六人と一匹は無愛想な女性店員に見送られて“サウザンドアイズ”二一〇五三八〇外門支店を後にした。




いかがだったでしょうか。これでオリジナルはひと段落です。
一応こんな感じでオリジナルを挟むつもりです。つたない文章で申し訳ありません。

誤字脱字、ご意見ご感想などお待ちしております。
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