ストライク・ザ・ブラッド〜呪われた禍具〜 作:白い悪魔
別に普通……なのかな? とりあえず、普通に書いていた二次小説で、こうしてハーメルンで二次小説を作ろうと思っていた原点とも言うべき作品なのですこし一部を変えて投稿してみようと思ったのですよ。そう、決して黒歴史では無いはずなので、大丈夫な……はず。………………正直なに書いたかわかんないし、何故か頑丈に鎖と南京錠で封印された箱の中に入っていたので、物凄く不安もあるし、全部はまだ読んでいないので余計にさらに不安が積もっているのですよ。……まぁ、その時は、その部分の内容を変えて投稿すればいいだけの話だけどね。
―――絃神島(いとがみじま)
東京の南方海上330キロメートル付近に浮かぶ特殊な魔術によって支えられる人工島。人工島(ギガフロート)。
総面積はおよそ180平方km。完成から20年と経ってないが、すでに総人口数は約56万人。行政区分上は東京都の管轄となっているが、絃神市は実質独立した政治系統を持つ特区行政区。
そして、その主要な産業は製薬、精密機械、ハイテク素材産業などであり、観光都市ではなく、学究都市である。人工島ゆえに土地代が非常に高く一軒家を買うことが富裕層のステータスになっている。また食料自給率も限りなく低く、生活物資なども船により行われ輸送コストがかかるため物価が高いのも特徴だ。
一種の学究都市であると同時に、『魔族特区』の一つであり、絶滅の危機に瀕した魔族の保護とともに彼らの肉体組織や特殊能力に関する研究も行われているのだ。
そのため魔族も多く暮らしており、まさに人と魔族が一緒に暮らしているありえない様な島なのである。しかし、魔族とて人となんら代わりなく、そんな彼らによる犯罪も多発していた。
「ぐっ!……ハァ、ハァ、ハァ…ハァ!」
そんな絃神島で、テロ行為を企んでいた一つの組織がいた。……しかし、その組織は絃神島に降り立って5日後の今日、突如何者かに襲われ現在は壊滅的な打撃を受けてしまっていた。
そして、そんな組織のリーダーであるアルファ・ベータというネコ科ヒョウ属のライオンの獣人族の男がいままさに、その敵から逃げていた。
「ぐふっ…ゲホッゲホゲホッ……くそったれ! なんで、どうして! なぜ俺たちのアジトがこうもあっさりと見つかったんだよ!?」
この男が作ったテロ組織のアジトは、絃神島から北部1kmにある無人島。そこの1番大きな山にある切り立った崖の真ん中からやや上にある洞窟。その奥にてコンクリートなどの素材で作った部屋があり、そこを拠点にしていた。人も寄り付かないような場所にあるため安全だと思っていた。
……だが、結果は"壊滅"の二文字。たった数時間にして組織はもはや自分1人となってしまったのだ。
「ゼェ…ハァ……ゴホゴホッ……こ、ここまで、逃げのびたら"ヤツ"といえど、追ってこれまい。森の中はこの俺のテリトリーなのだからな」
男は深い森の奥へと逃げのびた。部下を犠牲にして自分だけ逃げたのだ。自分さえ無事でいれば、また部下を集めればいいだけ。そう思っていたからだ。
森の中というのは、獣人族にとって馴染み深い場所である。男はライオンの獣人族だが、生まれも育ちも深い森の中だったため、男にとって森の中はまさに自分の土俵でもあった。だからこそ、一度森の中に逃げのびたら逃げきれる自身があったのだ。
ガサガサ…パキン――
「!?」
静寂だった空間を打ち破るように、何者かの足音が響き渡る。
咄嗟に茂みに隠れ、何時でも逃げだせるように身構える男。
そうしている間にも足音は近づいて来る。
ガサガサ…パキパキと、雑草や枯れ木を踏み潰す音がゆっくりゆっくりと近づいてきた。
音が近付いて来るたび、男の体が震えだし、冷や汗が溢れ出す。
――やがて月を覆っていた雲が晴れ、暗い森の木々から光が差し込むと一人の人間が暗闇から映し出される。
「―――みぃ〜つけたぁ〜」
男は戦慄した。
男の目の前にいる人間は、低く華奢な体つきをしており、はっきり言って脅威を感じない。
それに、良く見ると整った顔立ちをし、腰まで伸びている艶やかな青髪を纏めず下ろしており、美少女と言ってもいいだろう。
しかし、その目は血のように赤く、その美少女とも言うべき顔にとてもあってはいるが、その瞳に映る狂気的なオーラは誰しも恐怖に打ち震える。
そして、その瞳と同じほどの狂気的な笑はまさに、狂人の名に相応しいものだった。
「……ああ、ああああ!」
男は恐怖した。男は絶望した。……なぜなら、自身の目の前にいる者こそ組織を壊滅させた張本人であるからだ。
目の前にいる少女の右手に持つ異様に長大な鉈は、血に濡れているのか刃の部分は赤く染まり、ポタポタ…と提起的に血が滴り落ちている。
「さぁ、神妙にお縄につきなさい。さすれば命は助けてやろうぞ」
鉈を男に向けながら少女はそう言った。
その言葉に男は自分の命さえ助かるのなら一瞬投降しようとした。……しかし、投降したとて本当に自身の命が助かると保証はない。だからこそ、男はある決断を下した。
「くっふふ……ふふふあはハハハハハハ!!」
狂ったように笑いだす男。急に笑いだした男を訝しげに見る少女。
「それはできない話だなお嬢ちゃん。なんたって……死ぬのは貴様なのだからな!!」
そう叫ぶと男の体が膨れ上がり、上半身の服を破りさりながら全身が毛で覆われ爪が鋭くなり、二足歩行のライオンのような顔つきになる。
「グゥォォォォォォォォォオオオ!!」
咆哮を上げながら少女を爪で切り裂こうと、右腕を振り上げながら迫る男。
対する少女は恐れた様子も無く微動だにしていない。むしろ、やっぱりかといった、残念そうな顔をしていた。
少女の目の前まで迫った男の右腕が振り下ろされる。
殺ったと確信した男の思惑は裏切られることとなった。
――何故なら男の腕が少女の手前で止まっているからである。……いや、少女によって鉈の持ってない左手のみで受け止められているのである。
「……はぁ。やはりこの程度。せっかく"チャンス"をあげたのに…お馬鹿な人だ」
期待外れといったように溜め息を吐く少女。
だが、男にはそれを気にしてられる余裕は無かった。
このまま押しつぶそうと力を入れても右腕が掴まれたまま動かないからである。
「ぐっ! 離せ! この糞ガキが!?」
男はその手から逃れようと必死に踠くが、少女はピクリともしない。すると、少女はおもむろに右手に持つ鉈を振り上げた。
「――はっ。ま、まさか! や、やめてくれ!? たのむやめてくれ!!」
「大人しくして。痛みもなく屠ってあげるから」
少女は無表情のまま男にそう告げた。そしてその右手に持つ長大な鉈が無慈悲に振り下ろされ――
ズバンっ!
ドシャッと音を立てて、男の上半身と下半身は真っ二つに別れてしまった。
「……まったく。そもそも"死人"風情が、生きている振りをするな。主らの様な者がいていい場所ではない。死人は死人らしく、大人しく地獄へ帰るがいい」
少女は無表情に冷たく死体に向けてそういいその場をさった。
少女がさって暫くして、その死体は突然黒くなり、風にふかれ溶けるように霧散してなくなった。
―――――――――――――――――――――――
あれから"とある任務"を終えた少女は、今回の任務を任せた人物に電話していた。
「あ、もしもし。終わったぞ。那月先生」
少女は那月と呼ぶ相手に電話していた。そう、少女の電話相手こそ、この絃神島におり世界でも有名な『空隙の魔女』と呼ばれる、南宮那月本人である。
『ふむ。ご苦労だったな。随分とお疲れの様だがどうかしたのか?』
「うん。今日の奴らも、みんな"死人"だった。生きてるヤツが1人もいない。勿論、その"死人"を動けしている張本人もね。……あと、また"女"って言われた」
『……くくく、そうか。わかった。なら早く帰ってこい。明日も学校はある。遅刻したら特別補修が待っているからな。遅刻はするなよ?』
「……あい。わかった。頑張って起きるぞ」
『ならばもう切るぞ。私とて明日も早いんでな』
「はーい」
それを最後に電話は切れる。少女は一つ、嘆息しながら電話を切った。
「……俺、男なのに、なんで女の子に間違えられるんだよ…。くそ、全部、こんな姿にしたアイツらのせいだ! 絶対見つけ出して殺し尽くしてやる……」
少女はプンスカと地面を踏みながら怒っていた。しかし、先程の狂気的な笑はなく、その見た目もあり、怒っているが怖くなく、逆に可愛いくらいであった。
「なんか、虚しい…帰ってねよ……」
ズーンと効果音が背後でなっているかのような落ち込みようでトボトボと歩いているのだった