幻想郷の少年用心棒番外編〜9人の女神の幻想入り〜 作:風蘭人形
幻想郷も7月の下旬に差し掛かっていた。外の世界程では無いとはいえ暑さは厳しく、縁斗は涼を求め朝から博麗神社へ向かっていた。
縁「暑い...温暖化の波がこんなところにまで...?まぁ、神社は高台にあるし多少は涼しいっしょ。」
縁斗が幻想郷に来て2ヶ月半、先の宴会で存在を公にしてからは1月半程が経っていて、その間に数回程行われた宴会や、元々幻想郷の事を知ってたことも手伝い、幻想郷住民とはほぼほぼ顔見知りになっていた。今では縁斗が敬語を使う相手はほとんど居ない程だった。
縁「霊夢〜涼みに来たよー。」
霊「あっ、ちょうど良かった。ちょっと手伝って。」
縁「どしたの?」
霊「今朝うちの境内に9人も女の子が倒れてて、その子達の看護で忙しいのよ。」
縁「あぁ、別に良いけど。」
霊「それじゃ、これ、人数分の氷のう。お座敷で寝てるから持って行って変えてあげて。」
縁「りょーかい。」
縁斗はたらいに入ってジャラジャラと音を立てる氷のうを運びお座敷まで向かった。が「9人の女の子」を見て驚愕した
縁「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
?「ん.....ふぁーねむーい。」
縁斗の声で1人が起きてしまった。
縁「え?ちょっ、待っ、えぇぇぇ?」
一方の縁斗はまだ慌てふためいてる。
霊「そんなに騒いでどうしたの?」
縁「ちょっ、ヤベーよ!とんでもない事になったよ!」
霊「はぁ?」
?「おかーさーん、ごはーん。」
もはや収拾がつかなくなっている。
何故こうなったのか遡ること半日ほど前。とある山のログハウスで音乃木坂学院のスクールアイドル「μ's」が夏の合宿を行っていた。
穂「練習疲れたぁー!!」
海「穂乃果、今日は特に頑張ってましたからね。」
こ「お疲れ様。はい、穂乃果ちゃん、お茶。」
穂「ことりちゃんありがとう。」
一日の練習を終えた9人はログハウスで思い思い寛いでいた。
凛「それにしても真姫ちゃん家の別荘豪華だにゃー。」
絵「ほんとね、まるで絵本の中みたいね。」
花「き、緊張します...」
に「に、にこん家だって、こ、これぐらいの別荘あるわよ。」
希「にこっち、嘘はいかんよ。」
真「ていうかなんで張り合ってるのよ...」
そんな風にメンバー皆で和んでいる時だった。突然予想外の雨が降って来た。
絵「あら?雨が降ってる?」
海「さっき練習した時までは晴れてたはずですが...」
真「まぁ、ただの通り雨でしょ。」
絵「そうだと良いのだけど...」
雨は夜寝る時間になっても止まなかった。
穂「雨、止まないね。」
に「これじゃ、明日は外で練習出来ないわね。」
海「仕方ありませんね。明日は室内で出来る範囲でやるしかありませんね。」
凛「残念だにゃー」
こ「これじゃあ晴れてても地面がぬかるんじゃうしね。」
絵「それじゃ、今日はもう寝ましょう。」
花「うん、そうだね。」
しかし、不幸にも雨足は強まり土砂崩れが起こった。巻き込まれたログハウスは木っ端微塵に崩れ、中で寝ていたμ'sは気付く間もなく土砂に飲み込まれた。
縁「...んで気付いたらこうなっていた、ということですか。」
穂「うん。全部合ってるかは分からないけど。」
いち早く起きた少女、高坂 穂乃果とそれに続いて起きた他の8人が記憶を出し合って状況を推測した。正確では無いとはいえ、納得行く筋書きだった。
縁「とりあえず、状況は分かりました。おい、紫!どうせ見てんなら出てこい!」
何時もの如くスキマから紫が現れた。
海「え!?」
紫「あらあら、乱暴な物言いね。」
縁「幾ら結界緩めたからってこんなことある訳ねぇだろ。とっとと結果直してこい。」
こ(結界?)
紫「はいはい。」
縁「それとさ、外の世界って色々あんの?俺らの世界にμ'sは実在しなかったはずだが。それに時系列もズレすぎてる。」
紫「えぇ、幻想郷は様々な世界に通じてるわ。といっても、殆どは貴方の世界の幻想が作り出したものでしかないのだけど。だからこそ時系列は同じとは限らないの。」
縁「なるほど分かった。という訳で行ってこい。」
紫「酷いわねー。」
縁「すいません。こちらの不手際でこんな事になってしまって。」
絵「い、いえ、それは良いんですが...」
海「ここ、何処ですか?」
縁「ここですか...。ここは、幻想郷。外の世界で忘れられた、存在が否定された物が来る世界です。本来は。」
に「というと...」
縁「ここは結果で外の世界と隔離されているのですが。さっきの人が結果の手入れをサボりがちな所為で、たまにこの様なこともあるんです。」
その後9人に、幻想郷には妖怪、幽霊の類が沢山いること、人間とそれらは敵対関係にないという事、また様々な能力を持ってる者がいることなども一通り話した。
穂「それは分かったけど...」
縁「どうしました?」
穂「私達...帰れるんですか?」
穂乃果が言った途端皆の表情が若干暗くなった。見知らぬ世界に突然放り込まれたのだから無理もない。
花「私達...もう...帰れないんじゃ...」
凛「そんなの嫌だにゃー!」
に「そうよ!家にはここあ達がいるのよ!?」
希「にこっち、人生には諦めなきゃいけないこともあるんよ。」
縁「えーっと、あのー、盛り上がってるとこ悪いんですけど...普通に帰れますよ。」
に「いや、先に言いなさいよ!?」
縁「勝手に盛り上がってたじゃないですか。」
海「た、確かに...」
縁「あ、良かったら合宿の続きはここでやったらどうですか?」
穂「本当!?良いの?」
縁「言わずもがなですよ。」
真「でも、別荘が壊れてる上に私達全員居ないなんてなったら大事になるわよ?」
縁「あぁ、それに関しては問題無いですよ。先に話した能力の事ですが、訳あって俺は全ての能力が7割の出力で使えるんです。だから後で何も無かったかのようにしときますんで。」
に「人間じゃない...」
絵「まぁ、でもそれなら良いんじゃないかしら?」
希「せやね、どうせ戻っても合宿は続けれんもんな。」
穂「決まりだね!」
霊「いや、あのー、話に全然ついて行けないんだけど。」
縁「あっ...忘れてた。」
霊「で、結局誰なの?」
縁「えっと、外の世界の学生なんだけど、アイドルをやってて、μ'sって言うグループなんだ。」
霊「アイドル?」
縁「うーん、歌って踊るパフォーマーって言えば伝わるか?」
霊「つまり芸者って事ね。」
縁「それは違う。まぁ、良いやじゃあ自己紹介して貰おうぜ。どうせここで寝泊りする訳だし。」
凛「神社に泊まるのワクワクするにゃー!」
希「神社というにはスピリチュアルな感じはせんけどね。」
霊「勝手に話進めないし、風評被害やめなさい。」
縁「まぁ、それは冗談として、自己紹介でも...」
早「ごめーんくださーい。霊夢さーん、遊びに来ましたよー。」
またもや来客だ。
霊「うわまた面倒臭いのが。」
縁「いや、今は寧ろ好都合かも。」
早苗を部屋に呼ぶと彼女は10分程前の縁斗と同じような反応を取った。
早「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
霊「デジャヴね。」
早「え?ちょっ、待っ、えぇぇぇ?」
縁「デジャヴだな。」
早「ちょっ、ヤバいですよ!とんでもない事になってますよ!」
霊「分かってるから黙りなさい。」
縁「まぁ、一先ずこの場は早苗に任せた。お互いにお互いを紹介しといて。」
早「りょーかいです!」
μ'sの面々は若干戸惑っていたが早苗は気にすることなくお互いの自己紹介を始めた。
早「それじゃまずは私から、東風谷早苗と言います!守矢神社の巫女であり現人神です!私を含む守矢の3柱は云々...」
霊「どさくさに紛れて宗教勧誘するな。」
希「まぁ、そこの紅白の巫女さんよりはスピリチュアルやけど...胡散臭いなぁ。」
霊「ちょっ.....。まぁ、良いわ。私は博麗霊夢。ここ博麗神社の巫女で、妖怪退治を生業としてるの。」
早「それでは皆さん自己紹介どうぞ!」
穂「私は高坂穂乃果!μ'sのリーダーなんだ。よろしくね!」
海「園田海未と申します。穂乃果とことりとは幼なじみなんです。」
こ「南ことりです。μ'sの衣装を作ってます。お菓子作りも得意なんです。」
凛「凛は星空凛!体を動かすのが大好きなんだ!かよちんとは小さい頃からとっても仲良しなんだにゃ!」
花「こ、小泉花陽です。実はご飯が大好きなんです。」
真「私は西木野真姫よ。μ'sでは作曲を担当しているわ。」
絵「私は絢瀬絵里。おばあさまがロシア人で、クォーターなんです。」
希「ウチは東條希!パワースポットめぐりとかタロットカードとか、スピリチュアルな事が好きなんよ。」
に「矢澤にこにこ〜。にこにーってよんd...」
早「とまぁ、こんな感じで9人のアイドルグループを組んでるんです。」
に「遮らないでよ!?...改めて、矢澤にこにこ〜。にこにーって呼んで欲しいにこっ。μアイドル部では部長をやってるにこ。」
霊「ところで...別に私にする必要無くない?」
早「読者様の為ですよ。」
霊「メタいわ。」