ぼっちな僕と彼女   作:諍 歌油

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今回のミステリーの答えはとある有名作品を元につくらせて貰いました。

分かる人いますかね?

では本編どうぞ


いつも人は夢を見すぎている

 皆さん、突然ですが読書はお好きですか?

 

 僕は大好きです。

 

 本の世界の中では僕を中二病扱いつるクラスメイトもいないし、やたらと意味の分からない部活に勧誘してくる同級生もいない。

 

 つまり現実の世界から逃げれるのです。

 

 しかし逃げた所で結局は現実に帰って来なければいけません。

 

 なのでいつもそこそこ長い僕の哲学モドキのオープニングトークはこのくらいにして僕はまた意味の分からない謎解きに挑まなきゃ行けないわけで……

 

「堺さん、何かわかりました?」

 

 この人助け部なる物を作ろうとしてるこの眼帯美少女の米田さんをどうにかしなきゃいけない訳だ。

 

「いや、本の種類も何も分からない状況でなにかわかる訳ないでしょ」

 

「は!!それもそうですね。亜由美さんその本の資料やその本の特長がわかるものがあったら持ってきてくれませんか?」

 

「は、はいすぐに持ってきます」

 

 そう言うと菅原さんはその本の資料的な物を取りに行った。

 

「本の資料なんかを取らせるなら本そのものを持って来てくれた方が早くない?」

 

「堺さん、本は毎日一日事に返却されて曜日ごとに恐らく担当になってる人に貸し出されてるんですよ?もう忘れたんですか?」

 

「うっ……」

 

 そう言えばそうだった。

 

 毎日本は貸出と返却がされていて先ほど米田さんが言ったように恐らく担当になってるのだろう人が曜日ごとに借りている、つまり同じ五人が曜日ごとに同じ本をループで借りたり返したりしてるわけだ。

 

「持ってきました!!」

 

 菅原さんが持ってきたのは購入した時の請求書と図書委員の人間が書いたのだろうポスターだった。

 

「えっと、どうやらミステリー小説の短編集が一冊借りられてるらしいね」

 

「タイトルだけでよく分かりましたね」

 

「昔読んだことあるからね」

 

「そうなんですか、所でなにかわかりました?」

 

「だから気が早いって、菅原さん他にこの本の特長はありますか?例えばクリスティーの時代に作られたとか」

 

「う~ん特に特長と呼べるものは……強いて言うなら初心者向けと言うことぐらいですね」

 

「借りていった人がわかる物は?」

 

「はい、これです」

 

 おお、準備がいいな。

 

 なになに借りてる人は……

 

 一年D組 坂本 光一 (さかもと こういち)

 

 三年B組 高田 陽菜 (こうだ ひな)

 

 二年A組 青野 凛子 (あおの りんこ)

 

 二年C組 小野塚 小町 (おのづか こまち)

 

 一年D組 菊池 真結 (きくち まゆ)

 

「学年はバラバラ、名前的に殆どが女子で同じクラスなのが最初と最後の人だけか、これだけだと何もわからないね」

 

「この人達になにか共通点のような物はないですか?」

 

「残念ながら僕は友達がいないから分からないね」

 

「ちなみに何週間借りられてるんですか?」

 

「えっと確か五週間程です」

 

「結構長いな……」

 

「そうだ!!こう言うのはどうですか」

 

 おっ!!どうやら米田さんがなにか思い付いたらしい、もうそろそろ帰りたくなってきた頃だ正解してくれよ米田さん。

 

「占いです、例えば『今日のラッキーアイテムはミステリーの短編集、鞄に入れて持ち歩くと運命の出会いがあるかも』なんて占いがこの日にあったんですよ。この本を借りてる人は殆どが女性ですから占いを信じてる人も多いと思います」

 

 お~実に米田さんらしい、まるであってるようで……

 

「絶対に間違ってる」

 

「なんでですか!?」

 

「米田さん自分で言った事を忘れたの?これは五週間毎日欠かさず借りられてたんだよ?毎日同じ占いを五週間続ける占いなんていくら何でも出来が悪すぎる、それに女子だからって占いを信じる訳でもないでしょ、ほら米田さんにも占いを信じない友達ぐらいいるでしょ」

 

「私は友達がいないのでそう言うのは解りません!!」

 

「あっそう……」

 

 とは言っても、僕も別になにかわかった訳じゃないしな、ここは大人しく諦めて帰りたい所なんだけど……

 

「あの……」

 

「ん?どうしたの菅原さん?」

 

「坂本君と菊池さんは同じ演劇部です」

 

 ……なんだって?

 

「それは本当なの菅原さん?」

 

「はい、二人とも私の友達ですから」

 

 友達か……二人もいるとは羨ましい。

 

「それなら話は簡単だよ、うん実に下らない結末だ」

 

「なにかわかったんですか堺さん!?」

 

「わかったも何もここまで来ればわかるよ」

 

「「?」」

 

 あれぇー?なんで分かってないのかな?

 

「演劇部の部室に行けばわかると思うよ」

 

「分かりました行ってみましょう」

 

 ……………………………………………………………………………………………………………………………………

 

 僕達は今演劇部の部室に向かってる。

 

 今回の謎の解明をするためなのだが……

 

「堺さん、そろそろ何がわかったか教えて下さい」

 

「その……私も気になります」

 

 二人がうるさい。

 

「わかったってば」

 

 ていうか菅原さん図書当番ほっぽり出してよかったの?

 

 まぁいいや、今は二人を納得させないとねこれ以上騒がれるのは面倒臭いし。

 

 でもミステリーと演劇部まで来ればわかると思うんだけどな。

 

「まず第一にあれはミステリー短編集そこまではOK?」

 

「はい大丈夫です」

 

「じゃあどう言う時に短編集を借りるのか、もっと言うならなんで普通のミステリー小説ではなく短編集を借りるのか、二人ならどう思う」

 

「軽い頭の体操をしたい時?」

 

「早く色んな種類の事件を見たいからですかね?」

 

「二人とも間違ってない、けど僕ならミステリーの資料が欲しいからって考え方がある」

 

「その考え方ならそれこそ普通のミステリー小説を読むんじゃないですか?」

 

「それは後々分かるよ」

 

「そして第二にどうして毎週曜日ごとに借りて返すのか」

 

「はい、そこが一番分からないですよね亜由美さん」

 

「は、はいそこが一番の謎です」

 

「そう、そこが問題だ。だからそこを考えよう」

 

「まずこの坂本って人と菊池って人は同じ演劇部なんだろ?だとしたらかなり謎の答えに近づける。」

 

「どう言うことですか堺さん?」

 

「もしこの本を借りた人が全員演劇部だと仮定したら簡単だよ、同じ部活の中で共有して使っていたんだよ」

 

「……共有していたと言うと?」

 

「例えば、この内容は面白いとか、この内容はダメで使えなそうとか」

 

「あの……そうだとしてもわざわざ次の日に返しますか?」

 

「恐らく当番制にしたのはそれとも関係あるんだろうね、この当番制を作った人はその人が借りた本を無くしたり忘れたりするのを恐れたんだ、だから当番制にしてわざわざ次の日に返すようにして少しでも無くしたりする可能性を無くしたかったんだろうね」

 

「なるほど……」

 

「じゃあこの本はどのような目的で使われてるんですか」

 

「そこが第三の謎だね、まぁこれに関してはもうわかると思うけど」

 

「むぅ~~勿体ぶらないでください」

 

「わかったよ、じゃあ最終ヒントねこの小説は初心者向けの小説なんだ、つまり読者にかなり分かりやすいように難易度を抑えてるってことだよ?」

 

「……っあ!!」

 

 どうやら菅原さんはこの謎が溶けたようだね。

 

 おっと、そろそろ演劇部の部室に着くな。

 

「ん~~わからないです」

 

「はいじゃあ答え合わせと行こう」

 

 僕はそう言うと勢いよく部室のドアを開けた。

 

 その中では当たり前だけど物凄い熱気で演劇の練習をしていた……

 

「……あ!!」

 

 そう借りた本を元にした内容で。

 

 ……………………………………………………………………………………………………………………………………

 

「すごいですね堺さん、今回も見事に謎を解きましたね」

 

「別に凄くはないでしょ」

 

 僕達は今、菅原さんにお礼を言ってもらった後一緒に下校している。

 

 菅原さんの感謝の言葉は素直に嬉しかった。……癪に障るが。

 

「でもどうして小説から演劇を作っていたのでしょうか?」

 

「それはもう直ぐ文化祭が近いからかな?」

 

「文化祭はもっと先では?」

 

「まぁ演劇部の事情は知らないけど配役とか色々と準備とかがあって台本は早目に作んなきゃいけないんじゃない」

 

 そう、今回の謎の答えは簡単に言うと演劇部で新しい台本を作らなきゃいけなくなってその初心者向けで分かりやすい簡単に参考にできるネタになる本を週で当番を決めて貸出したり返却したりしてたって訳だ。

 

 こんな変な内容に巻き込まれるなんて……

 

「不幸だ」

 

「それにしても堺さんが本が好きなんて以外でした」

 

「別に以外でもないでしょ、好きじゃないならわざわざ図書館なんかに行かないだろうし、それともなに?僕がスポーツ少年だとでも思ったの?」

 

「いえ、そうじゃなくて、堺さんは何事にも興味がなさそうなので」

 

 ひどい偏見だ。

 

「まぁそう見えても仕方ないか、本は好きだけど苦手だからね」

 

「どうしてですか?」

 

「まぁ昔色々あったんだよ」

 

「何があったんですか?」

 

 どうしよう、別に話してもいいんだけど……まぁいいか

 

「僕は昔、小説を書いた事があったんだ」

 

「そうなんですか!!すごいですね!!」

 

「別にすごくなんか無いよ、それに書いた事あると言ってもネットに小説を投稿するヤツなんだよ」

 

「それでもすごいですよ」

 

「まぁそれは置いといて、まぁなんやかんで僕は小説を投稿していたんだ、わずかだけどお気に入りなんかもされていたんだけどそれよりも多かったのは誹謗中傷だ」

 

「誹謗中傷?」

 

「そう、僕の小説はそこまで面白く無いらしくてね、毎日つまんないやら投稿止めろだの色々と来たんだ、それがどうも頭から離れなくてね小説は好きなんだけど苦手なんだよね」

 

 今でもたまにその光景を思い出してしまう。

 

「じゃあなおさら堺さんはこの部活に入ってください」

 

「は?」

 

「だってこの部活に入れば小説のネタが沢山入ってきますよ、なにせ人の助けをする部活なんですもん。だからこの部活に入って今度こそ面白い小説を書きましょう」

 

 ……はぁ、やられたな。

 

 これだから米田さんは苦手なんだ、馬鹿なのに、何処か抜けてるのにいつもこう言う時に鋭い事を言ってくる。

 

「……はぁ、わかったその誘い乗ってあげるよ」

 

「本当ですか!!やったーー!!」

 

 ここまで素直に喜ぶ人も珍しい気がする、僕が途中で気が変わったらどんな反応をするのだろうか。

 

 そう皆そうだ、米田さんも今回の演劇部の人もひょっとしたらあの中にプロの俳優を目指したりまたは脚本家になろうとしたり、僕みたいに小説を皆に読んでもらって評価されたいと思ったり。

 

 誰だって、いつだって人は夢を見すぎている、でもその夢は儚い。

 

 だから僕はこんな興味のなさそうな顔をしているのだろう。

 

 それでも僕はまた米田さんのせいで夢を見てしまった。

 

 なんと言うか……

 

「不幸だ」

 

 今後が楽しみだよ。




どうでしたか?

謎解きの内容自体は簡単だったとおもいます。

ではまた次回
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