戦国†恋姫~とある外史と無双の転生者~   作:鉄夜

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第十二話

緑が多い森の山中で飛騨は刀を、夕霧は槍を構えて見合っていた。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

二人はしばらく相手の動きを見ていたが、

やがてほぼ同じタイミングで飛び出した。

 

ガン!

 

二人は接近すると互いに激しく打ち合った。

 

鉄と鉄がぶつかり合う音が、周りに響き渡る。

 

飛騨は夕霧の素早い槍での三連突きを刀で弾いて躱し、直後のなぎ払いを上体を反らして避け、続けてきた槍での足払いを側転で避け、突きを放つ。

 

その突きを夕霧は難なく槍でいなし、刀を飛騨の腕ごと上方向へ弾き飛ばした。

 

「よし!もらったでやがる!」

 

そう言って攻撃しようとした時。

 

「な!?」

 

夕霧の喉元に刀の切っ先が突きつけられていた。

 

「これで2勝2敗ですね、夕霧様。」

 

「なるほど、体勢が崩れた振りをして背中越しに刀を左手に持ち替えてたでやがるか。

見事な戦法でやがる。」

 

「夕霧様こそ、すばやく鋭い槍さばき、お見事でございます。」

 

飛騨は心の底から感心して言うが、夕霧は少し恥ずかしそうに頬を赤らめる。

 

と、そこに一人の忍びが現れ、飛騨に手紙を渡すとすぐに消える。

 

「凛からでやがるか?」

 

「はい。

どうやら明日、稲葉山近くで織田軍が演習を行うようです。」

 

「斎藤軍配下への調略も行ってるようでやがるし・・・いよいよでやがるか。」

 

「そうでしょうね、わざわざ稲葉山の近くで演習を行うのも斎藤軍の士気を確かめるためのものでしょう。」

 

「・・・どういうことでやがるか?」

 

「近くで演習を行えば、嫌でも斎藤の目につきます。

それに反応して乱入するかしないかで、士気は十分計れます。」

 

「・・・」

 

静かに語る飛騨を、夕霧は見つめていた。

 

「あの・・・なにか?」

 

「いや、やっぱり龍海が惚れるだけはあるなぁっと思ったでやがるよ。」

 

「な!?////」

 

夕霧の言葉に飛騨は顔を赤くする。

 

「ほんと・・・羨ましいでやがるな。」

 

そう言葉を漏らした夕霧に、飛騨は言う。

 

「やはり・・・夕霧様も龍海の事を・・・。」

 

「・・・最初は少し気になる程度だったでやがる。

でも、あの真っ直ぐな目を見ている内に・・・。」

 

「あぁ、あの目は卑怯ですよね。

普段飄々としてる分余計に引き込まれるというか・・・。」

 

「そうなんでやがるよ。

でも平気で他人のために体を張る所とかは危なっかしくて肝が冷えるでやがる。」

 

「こっちはやめてくれって言ってるのに『平気平気、俺強いから。』とか言ってヘラヘラしてるんですよね。」

 

「怪我して帰ってきても『大丈夫大丈夫、これくらいじゃ俺死なないよ。』って言って笑ってるでやがりますしね、そういう問題じゃねぇでやがるってのに。」

 

「・・・でも・・・気がつけばそれを全部ひっくるめて惚れてしまっているんですよね。」

 

「・・・でやがるな。」

 

しばしの間沈黙がながれ、夕霧が口を開く。

 

「でも、夕霧はこのままでいいんでやがりますよ。」

 

「・・・なぜですか?」

「こうやって目の当たりにしてよく分かったでやがる。

飛騨と龍海の間に夕霧は必要ないでやがる。

やっと出会えた二人を・・・夕霧は邪魔したくない・・・だから、これでいいんでやがる。」

 

夕霧は、微笑みながらそう言った。

 

「夕霧様、私は小さい頃、斎藤道三様に養女として引き取られました。」

 

「え?」

 

飛騨は淡々と語る。

 

「当時私は、長いものには巻かれるものと、

両親に教えられて育っていました。

しかし、そんな私を道三様はたしなめて下さいました。

『お前はもう我の娘だ、家族に媚びへつらう娘がどこにいる。』と。」

 

飛騨は昔を懐かしむように語り出した。

 

「その後も私は大切なことを教わりました。

斉藤家に取り入るためだけに育てられた私が、今こうしていられるのは、道三様のおかげです。」

 

「飛騨・・・。」

 

「ですが結局、その感謝を伝えられないまま、

道三様は亡くなられた。

私の頭は・・・後悔で埋め尽くされました。

せめて・・・せめて1度だけでも『お母様』とお呼びしたかった。」

 

「後悔・・・。」

 

飛騨は夕霧に正面から向き合って話す。

 

「夕霧様、我々は武士です。

自分も相手も、いつ命を落とすかわかりません。

ですからどうか、後悔のなきように。」

 

「・・・飛騨はいいんでやがるか?

夕霧は二人の邪魔にならないでやがりますか。」

 

「構いません。

たとえこの先、龍海に何人嫁御ができようと、

アイツは私を変わらず愛してくれるでしょう。」

 

飛騨は少し頬を染めて微笑みながら言う。

 

「好いた殿方に愛される、女としてこれ以上の幸せはございません。」

 

夕霧は少し間を開けると、意を決した用にいう。

 

「飛騨、夕霧は龍海に気持ちを伝えるでやがる。

だからその・・・手伝って欲しいでやがる。」

 

「はい、私でよければお手伝いします。」

 

「それと敬語はやめて欲しいでやがる。

同じ男に惚れたもの同士、仲良くしたいでやがる。」

 

「・・・そうですね、分かりました。

いや、わかった、夕霧。

これから色々とよろしく頼む。」

 

「こっちこそ、よろしくでやがるよ、飛騨。」

 

そう言って二人が微笑みあっていると、

森の奥から龍海が出てきた。

 

手には複数の魚を捕まえている。

 

「二人ともー、川で魚とってきたからこれを晩飯にしよ・・・ってあれ、お話中だった?」

 

「まぁ、そんなところだ。

な、夕霧。」

 

「ふふ、そうでやがるな、飛騨。」

 

「なになに、名前で呼び合うくらいの仲になったの?

一体なんの話してたのよ。」

 

二人は一度顔を見合わせ、にっと笑うと龍海の方を見て同時に言う。

 

「女同士の秘密だ。」「女同士の秘密でやがるよ。」

 

#####

 

清洲、久遠の屋敷

 

白は腕を組んで不機嫌そうに頬をふくらませていた。

 

「もう白、いつまで拗ねてるつもりよ。」

 

「そうだぞ。

ほら、呑んで機嫌を直せ。」

 

そう言って久遠が酒を注ぐと白はそれを一口飲んで言う。

 

「そりゃ不機嫌にもなるよ!

明日の演習なんで私だけ仲間はずれなの!?」

 

「しょうがないだろう、

お前が参加しては演習にならない。」

 

「そこら辺、壬月も久遠も私の事分かってないよね。

演習で大暴れなんてつまらないこと私がするわけないじゃん。」

 

「分かっている。

だがお前がどちらかの組に付けばその組の中に『颯馬白がいるから大丈夫。』と油断が生まれ、お前に頼りきりな戦法になってしまう。

それだと演習にならんだろ。」

 

「うー、でもさー・・・。」

 

「それに参加したくてもできないものは他にもいる。

お前だけわがままを言うな。」

 

「うぅ・・・。」

 

白はうつ伏せになりながら結菜の腰にしがみつくと足をバタバタとさせて子供のように叫ぶ。

 

「結菜ぁ!久遠が正論を振りかざして意地悪を言うぅぅぅ!」

 

「よしよし、正論ってわかってるなら駄々こねるのはやめましょうね。」

 

結奈に慰められるように撫でられながら少しの間そうしていたが急にその動きが止まり、起き上がる。

 

「・・・要はどっちにも味方しなければいいんだよね?」

 

「それはそうだが・・・また碌でもないこと考えてるな?」

 

「あれー?そんなこと言っていいの?

久遠も混ざれば楽しいと思うけどなぁ。」

 

「ほう、大した自信だな。

いいだろう、申してみよ。」

 

久遠がそういうと、白は悪戯を思いついた子供のように口角を上げだ。

 

#####

 

翌日。

 

織田軍は稲葉山城の近くで演習を行っていた。

 

「まずいな。」

 

赤組大将である壬月がそうつぶやくのも無理はない。

 

前線で戦っていた犬子と和奏が、早々に倒されたのである。

 

その傍らで全容を見ていた疾風は言う。

 

「アイツらは猪だからなぁ。

あっちには詩乃がいるし、分が悪いだろうな。 」

 

「・・・はぁ、全くあいつらは。

疾風、すまんが後始末を頼む。」

 

「あいよ、任せな壬月さん。

出番だ野郎ども!まずは蜂矢の陣で前線部隊を突破するぞ!」

 

「おー!」

 

疾風の言葉と同時に、白獅子隊は動きだした。

 

「さぁ、勝負だ剣丞。」

 

#####

 

「あれは・・・白獅子隊か!」

 

陣形を組んで突撃してくる兵士たちを見て、剣丞は焦ったようにいう。

 

「お頭!敵は蜂矢の陣でこちらの陣形を次々と突破!どんどん進撃しています!」

 

「クソ!流石にできるな!

俺は一旦本陣に戻る!残ったみんなは後続の部隊に備えてくれ!」

 

「分かりました!」

 

剣丞は急いで本陣に戻った。

 

「詩乃!白獅子隊が!」

 

「はい、こちらからも確認しました。」

 

冷静に言う詩乃に続き、彩華が言う。

 

「蜂矢の陣で敵を突破して、その後は鶴翼の陣に展開して包囲されないようにしてますね。」

 

「なかなかやりますが、それならこちらにも手があります。

彩華さん、お願いします。」

 

「お任せ下さい。

白狼隊!偃月の陣で白獅子隊を迎え撃ちます!

付いてきなさい!」

 

「うおー!」

 

彩華が先陣をきり、白狼隊が走り出す。

 

やがて白獅子隊とぶつかり、戦闘が始まる。

 

「やっぱりあっちは白狼隊が出てきたか!」

 

そう言いながら疾風は楽しそうに笑みを作る。

 

白狼隊と白獅子隊がお互いの戦力を減らしていく。

 

それを見ていた疾風はおもむろに後ろを向き、

 

ガキン!

 

背後から襲ってきていた彩華の一撃を防いだ。

 

「不意打ちたァいい趣味してんなぁ!」

 

「疾風殿、私は一度あなたと仕合って見たかった!」

 

「上等!気が済むまで付き合ってやるよ!」

 

二人の刀が激しくぶつかり合う。

 

#####

 

その様子を、白と久遠は高台から眺めていた。

 

「疾風の奴随分と張り切っているな。」

 

「あはは、彩華もすごく楽しそう。」

 

白は楽しそうに笑っていたがその目が据わる。

 

「いい感じにどっちも戦力削れてるねぇ。」

 

「あぁ、これならうまく行きそうだ。」

 

そんな二人の背後にゾロゾロと兵士達が集まる。

 

「白様!白狼隊総勢三百!到着いたしました!」

 

それに続き、久遠の馬廻衆である服部小平太が言う。

 

「久遠様!馬廻衆も集結しました!」

 

「うむ、苦労。

・・・それでは白、始めるか。」

 

「そうだね久遠。」

 

白と久遠は兵達を引き連れ歩みを進める。

 

#####

 

「なに!?殿と白が!?」

 

報告を聞いて壬月は驚愕していた。

 

「はい!何やら兵達を集めていて!

あ!アレです!」

 

壬月は遠くに兵士たちを引き連れた白と久遠の姿を見つけた。

 

同じ頃、疾風と彩華も二人の姿を目視で確認していた。

 

「おいおい、なんの冗談だよ!」

 

「やけにおとなしいと思ったら・・・全くあの方は・・・。」

 

壬月と疾風は声を張り上げる。

 

「殿!どういうおつもりですか!」

 

「何する気だよ姉貴!」

 

その問に白と久遠は答える。

 

「甘い・・・甘いんだよ!壬月!疾風!

あらゆることを想定してやるのが演習だろ!?」

 

「その通り。

腐っても美濃は斎藤道三という名君が収めていた国。

物好きな国が横から助太刀してくるかもしれない。

これはそのための演習だ。」

 

そう言ってニヤリと笑う久遠と、その横にいる白に、疾風は苦笑いを浮かべる。

 

「なるほどなぁ、大した大義名分だなおい!」

 

そんな疾風に、白はクスクスと笑って答える。

 

「なんとでもいいなよ。

さて久遠、そろそろ始めようか。」

 

「そうだな、白。」

 

二人は高台から赤組と白組を一瞥するとにやりと笑顔を作る。

 

「さて、君たちはお互いに潰し合い、戦力は減った状態だ。

この状態で大三勢力が介入してきたらさぞきついだろうね。」

 

「だが貴様らは我の優秀な部下だ。

きっとこの試練も乗り越えてくれるものと信じているぞ。

・・・さぁ。」

 

「「死ぬがよい!!」」

 

二人の言葉と共に、兵士たちが両陣営に突撃を始めた。

 

#####

 

夜。

山奥の洞窟で、龍海、飛騨、夕霧の3人は顔を突き合わせて話をしていた。

 

「さて、いよいよ作戦開始も間近に迫ってきた。

今からこれまで凛から仕入れた情報を整理しつつ作戦を振り返ろう。」

 

「まず作戦当日、織田軍が出陣するとともに凛の部下が連絡に来ることになっている。

我々はその報告とともにこの洞窟を出て白いに向かい、

事前に持ち出していた鍵で裏口から侵入。

龍興様を確保し、搦手門から表に出る。」

 

「侵入の際気をつけなきゃならないのは敵との遭遇でやがりますね。」

 

「うん、今回俺たちにとっては織田も斎藤もどちらも敵だからね。」

 

「久遠様も干渉はしないと言っていたが。

遭遇したときは対処せねばならないしな。」

 

「凛がいうには、母衣衆や滝川衆も厄介でやがりますが、中でも気をつけなきゃいけないのは森一家と白狼隊、白獅子隊らしいでやがる。」

 

「森一家はよく知ってるけど、白狼隊と白獅子隊は新しく出来た部隊だね。」

 

「それぞれ双子の片割れが隊長を務めてるでやがる。

白獅子隊を妹の颯馬疾風、

白狼隊を姉の颯馬白。

どっちもバリバリの武闘派でやがるよ。」

 

「特に姉のほうは危険だな。

墨俣でこちらの兵をたった1人で二百人屠ったらしい。」

 

「知ってる。

織田の今奉先でしょ。

もう甲斐にまで噂が流れてきてるよ。」

 

「凛曰く、白い髪に白い肌、青色の瞳に白い装束を好んで着ているそうだ。

見た目は男女問わず見惚れるほどの容姿らしい。

その技は武芸百般、一騎当千。

おまけに頭も相当キレるらしい。」

 

「御家流が厄介でやがるな。

あらゆる武器を何も無い場所から一瞬で作り出すんでやがりますから。」

 

「凛によれば、我々三人がかり・・・凛がこちら側に付いたとして4人がかりでも勝てるかわからない相手らしい。」

 

「なるほど・・・妹の方は?

飛騨は会ったことがあるんだよね?」

 

「まぁな、不干渉を約束してくれているが戦場で偶然遭遇したら戦わねばなるまい。

姉ほどではないにしろこいつも相当厄介だ。

気をつけた方がいいだろうな。」

 

「姉妹揃ってヤバそうだね。

でもまぁ大丈夫さ。」

 

「なんでそう言い切れるでやがるか?」

 

夕霧の質問に辰巳はニヤリと笑って答える。

 

「血が出るなら、殺す手段はある。」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

龍海の言葉に、飛騨と夕霧が沈黙していると龍海が空気を断ち切るように柏手を打つ。

 

「はい、これで今日の会議はおしまい。

メシも喰ったしさっさと寝よう。」

 

「あ、ちょっと待ってくれ龍海。」

 

飛騨は寝ようとする龍海を呼び止める。

 

「どうしたの?飛騨。」

 

「いや、用があるのは私ではないんだ。

夕霧、ほら。」

 

飛騨は夕霧を龍海の目の前に出す。

夕霧は顔を赤くしながらも言葉を紡ぐ。

 

「龍海・・・この戦いが終わったら・・・。」

 

夕霧は一度深呼吸をする。

 

「夕霧を・・・嫁御にして欲しいでやがる!」

 

「・・・」

 

龍海は夕霧の言葉を黙って聞いている。

 

「龍海が飛騨を大事にしてるのは分かってるでやがる!

でも・・・それでも夕霧は龍海の傍に居たいでやがる!

愛妾でもなんでもいいでやがる!だから、

・・・夕霧を傍に置いて欲しいでやがる。」

 

龍海はしばらく沈黙していたが、

飛騨と目を合わせ頷きが帰ってくると、フッと笑って言う。

 

「夕霧。」

 

「・・・なんでやがりますk。」

 

龍海は夕霧を抱きしめる。

 

「た・・・龍海?」

 

「ありがとう夕霧。

こんな俺を愛してくれて。

これから色々迷惑かけるだろうけど、よろしくね。」

 

その言葉に、夕霧は目に涙を浮かべる。

 

「こっちこそ、よろしくでやがりますよ龍海。」

 

その様子を、飛騨は微笑みながら見ていた。

 

「でさ、夕霧。

三年も禁欲してきた男にそういう事を言うって事は・・・覚悟は出来てるんだよね?」

 

「・・・え?////」

 

龍海の言葉に夕霧は顔を赤くする。

 

「そ・・・それじゃあ私は事が終わるまで外で待っておくとしようか。」

 

「おっと、そうはいかないよ、飛騨。」

 

龍海は飛騨の手を引いて抱き寄せる。

 

「飛騨も一緒に・・・ね?」

 

そう言って龍海はにっこり笑う。

 

「何を盛っているんだお前はぁ!////」

 

「いやいや、色々溜まってんだって。

三年もお預け食らったんだからご褒美くれたっていいでしょ。

・・・だめかな、二人とも。」

 

二人は顔を赤くして答える。

 

「し・・・しょうがない奴め・・・」

 

「初めてだから・・・優しくして欲しいでやがる。」

 

龍海は、二人を優しく抱きしめる。

 

「ありがとう、愛してるよ。

飛騨、夕霧。」

 

その日、三人は暑い夜を過ごした。

 

#####

 

清洲、久遠の館。

 

白は久遠と結菜とともに湯船に浸かり、気持ちよさそうに背伸びをしていた。

 

「いやー!今日は超楽しかったね久遠。」

 

「本当だな、壬月と疾風にしこたま怒られたがあの驚いた顔が見れたならよしとしよう。」

 

「本当にあの時の二人の顔最高だったよね。」

 

昼間の蛮行についてキャッキャとはしゃぎながら話す二人に結菜はため息を吐く。

 

「全然反省してないわね貴方達。」

 

「そう言うな結菜。

実際アイツらにとってはいい教訓になっただろう。」

 

「そうそう、いついかなる時も油断大敵ってね。」

 

白と久遠は楽しそうに笑っている。

 

「そういえば久遠、白にあのことは話したの?」

 

「あー、そうだな。

皆には明日伝えるつもりだがせっかくだ。

お前にはここで教えておくか。」

 

「え?なになに?」

 

「いや、実はな。

結菜が剣丞の側室になったんだ。」

 

「・・・へぇ。」

 

「・・・なによその目は。」

 

「べっつにー。

そうかそうか結菜がねー。

あんなにツンツンしてたのにねー。」

 

「どうやら、詩乃を救出した時に助けられたのが効いたらしいぞ。」

 

「あらあら、結菜ってば案外チョロイんだねぇ。」

 

「・・・今ここで雷閃胡蝶使ったらどうなるかしらね。」

 

「やめてくださいしんでしまいます!」

 

「もれなく我まで痺れてしまうのだが!?」

 

「久遠、ズッ友だよ。」

 

「ふざけるな!痺れるならお前だけ痺れろ!」

 

二人やりとりに結菜は溜息を吐いた。

 

「でも確かに剣丞はいい男だよね。

なんと言うか真っ直ぐでさ、あんな男初めてだよ私。」

 

小さく笑みを浮かべながらそう言った白に、久遠は尋ねる。

 

「白、やはりお前も剣丞の事を・・・」

 

「さぁね、まだ分からない。

正直そういう意味で人を好きになったことがないからね。」

 

「・・・そうか。」

 

「うん、だから安心して、今のところ二人の大事な旦那様をとるつもりは無いから。」

 

「なっ!?/////」

 

「何を言うんだ貴様は!////」

 

顔を赤くする二人を見て、白は楽しそうに笑っていた。

 




飛騨の経歴は調べても全然出てこないので思い切ってオリジナルで貫いてみました。
外史だからいいよね(思考放棄)
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