遊戯王~デュエルキングを目指す少女の物語   作:魔法使い?

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第32話『サイバー流SMデュエル』

「ぐっ!? きゃぁああああああああああ」

「どうだ? おっぱいに電流を食らった感想は。お前も女の悲鳴をするんだな」

「さいていね……」

 

 あとずさりをしながら、清水さんは、左手でブラとパンツを隠すように触れながら、電流の痛みを食い殺すよう右手も使って口を押える。

 苦しそうな顔をしていることから、この攻撃で本当に清水さんの体に電流が走ったことがうかがえる。

 

「あーあー。攻撃表示で前のターンにコアを潰しておけば、俺にダメージを与えて、受けるダメージを軽減できたのに、サイバー流だからって守備に回したのがアデになったな」

「はぁ…はぁ…。『ナチュル・ロック』が破壊されたことで、デッキから『ナチュル・チェリー』を特殊召喚……。そして『補給部隊』の効果でモンスターが破壊されるたびにカードを1枚ドローする……!!」

「必死におっぱいに電流流れているのをこらえてるけどさ、懸命に我慢しているほうが、男を興奮させるっていうのがわからないようだな」

 

 我慢しているのに漏れる声から、強い電流が清水さんに走ったのがわかる瞬間。

 これでも必死で精神が崩れないようにしているのだから、清水さんは私の為にこのデュエルに掛けているのがわかる。

 あんなところに電流が流れるなんて、普通の人には耐えがたい痛みなのに……。私の為に清水さんは……。

 

「メインフェイズ2に入る。俺は手札から『融合解除』を発動」

「それにチェーンしてあたしは『ナチュルの神星樹』を発動。この効果で『ナチュル・チェリー』をリリースして『ナチュル・アントジョー』を特殊召喚!!」

「何を企んでいるのか知らないが、俺は『サイバー・エンド・ドラゴン』の融合を元に戻し、再び『サイバー・ドラゴン』2体と『サイバー・ドラゴン・コア』を守備で特殊召喚!!」

「『ナチュル・アントジョー』のモンスター効果により、相手モンスターの特殊召喚が成功したことで、デッキから『ナチュル・フライトフライ』を特殊召喚!!」

 

 せっかくの攻撃力4000のモンスターを崩してまで、再び展開を図るプチモス先生。

 

「俺はレベル5の『サイバー・ドラゴン』2体でオーバーレイネットワークを構築!! エクシーズ召喚!! 現れろ!『サイバー・ドラゴン・ノヴァ』!!」

「けっ……。エクシーズ召喚して攻撃力が下がったわね……。あたしへの情けのつもりかしら? 『ナチュル・フライトフライ』の効果で場にあるナチュルモンスター1体に付き、攻撃力守備力が300下がる効果で、たかが攻撃力1500まで落ちているじゃないの?」

「情け…!? そんなつもりでやったわけではなく、君をさらに追い詰める為に呼んだのだよ。さらに『サイバー・ドラゴン・ノヴァ』でオーバーレイネットワークを再構築!! 進化して現れろ!! 『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』!!」

「っ!? 2回もエクシーズ召喚!? だけどこっちも『ナチュル・アンドジョー』の効果で新しくまた『ナチュル・フライトフライ』を特殊召喚するわ!!」

 

 禍々しいオーラを放ち、淡い紅い光を放ちながら、巨大な翼を羽ばたかせる新たなサイバードラゴン。

 

「このカードは自身が持つオーバーレイ・ユニット一つにつき攻撃力が200ポイント上昇する。今、持っているのは現在、3つだよ。よって600ポイントアップするのだが、フライトフライで封殺されてしまってるがまあいい」

「あたしの場にあるナチュルモンスターは3体。よって攻撃力は900ポイント下がる効果が2度発動して、1800下がる。たかが、それだけのモンスターで何をするつもりなのかしら??」

 

 攻撃力はたった900しかないとはいえ、4000ものの攻撃力を崩してまで出したモンスターだ。何かしら強力な効果を持っているに間違いないだろう。

 

「『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』は1ターンに1度、相手攻撃表示モンスターをこのカードのオーバーレイユニットにすることができる」

「何ですって!?」

 

 紅の機械龍が咆哮を浴びる。するとハエのモンスターは霧散し、機械龍に回る霊体へと変わっていく。

 

「これで攻撃力は2300に戻ったな。俺はこれでターンエンド」

「サイバー流だが、なんだか、知らないが、奈々川さんの前であたしは負けるわけにはいかない……。あたしのターン。ドロー!!」

 

 

清水

LP:1200

手札:3枚→4枚

場 :モンスター

   ナチュル・アンドジョー

   ナチュル・フライトフライ

   魔法・罠

   補給部隊

   ナチュルの神星樹

   伏せ1枚

プチモス

LP:4000

手札:2枚

場 :モンスター

   サイバー・ドラゴン・コア

   サイバー・ドラゴン・インフィニティ

   魔法・罠

   サイバー・ネットワーク

 

 

「あたしは3体目の『ナチュル・フライトフライ』を通常召喚。これで1200ダウンが3回重複する。さらに守備力攻撃力がダウンするわね」

「また同じカードをここで引くのか。『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』の守備が0に!?」

 

 可愛い顔をしたデフォルメのハエのモンスターが現れると、紅のサイバードラゴンが沈んでいく。

 せっかく複数のカードを使って出したいものが、たった1枚のカードで苦しんでいくのは、デュエルモンスターズではよくあること。

 

「さらに『ナチュル・フライトフライ』のモンスター効果発動!! 守備力が0のモンスターのコントロールをターン終了時まで得る!!」

「そうは、させない。『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』はエクシーズ素材を1つ取り除くことで、相手のモンスター、魔法、罠の効果を無効にする!!」

 

 紅の龍が雄叫びをあげるとハエのナチュルモンスターは、粉々になって破壊される。攻撃力4000を崩してまで出したのはこのロック性能を持っているからだったのか!!

 

「それはあたしの想定済みのゲームプランだわ。『補給部隊』の効果でカードを1枚ドロー。そして『死者蘇生』! 『ナチュル・フライトフライ』の効果もう1回発動して、『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』を奪うわ」

 

 ハエのモンスターは超音波を発生させると強力モンスターのコントロールを得る。これはなかなかうまい。

 

「バトルよ!! 『ナチュル・アンドジョー』で守備表示の『サイバー・ドラゴン・コア』に攻撃!!」

「永続罠『サイバー・ネットワーク』の効果でデッキから『サイバー・ドラゴン・ドライ』を除外。このカードが除外されたことで、このターン、サイバードラゴンモンスターは戦闘、および効果で破壊されなくなる」

 

 たかがデッキ圧縮するだけの罠だと思ってたカードが、除外するカードによってはコンボでモンスターを守ることまでできるのか。

 

「そういえばエンドフェイズで戻るんだったけな。さて、俺の切り札の『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』を返してもらおうか」 

「それは返さないわ。リバースカードオープン『月の書』。このカードで『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』を裏側守備表示に変更させる。そして、反転召喚。これでエンドフェイズに戻る制約はなくなる。カードを1枚セットしてターンエンド」

 

 清水さんは、先ほど受けた大ダメージで少々足元がふら付いている模様。

 下着に付けている電流が流れる装置の威力は、私にはわからないけど、普段クールぶってる清水さんが弱く見えることから、想像を絶する痛みだと思う……。

 

 最初のセットした『月の書』。これで『サイバー・エンド・ドラゴン』の貫通ダメージを防げたはずだったのに、わざわざ自分の胸に電流が流れても温存していたいなんて。

 でもそのおかげでこのターンは強力な布陣が作れることができた。

 奪った『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』は、魔法罠モンスターいずれかの効果をターン1で防ぐことができる。

 そして2体いる『ナチュル・フライトフライ』で相手の場のモンスターは攻撃力が900下がる効果が2つ重複して、1800も下げることができる。

 それに相手が展開したら再び展開できる『ナチュル・アンドジョー』。

 モンスターが破壊されたらアドを稼げる『補給部隊』と、サクリファイスエスケープが可能な『ナチュルの神星樹』で、この布陣が崩れても後でまた展開が可能。

 それに清水さんはこのターンの終わりに伏せた自信気の表情からセットカード1枚。サイバー流による猛攻も次のターンも無事だと思いたい。

 

 

「俺のターンドローだ。俺は場にいる『サイバー・ドラゴン』扱いの『サイバー・ドラゴン・コア』と清水の場にいる『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』で融合召喚!!」

「『融合』魔法を必要としない融合召喚!? だから、それは無効にできない……。それに、あたしの場のモンスターと融合するなんて!?」

「現れろ『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』!! このカードの元々の攻撃力は、このカードの融合素材としたモンスターの数×1000ポイントになる。もともとは対機械族メタとしてサイバー流の中でも異質のモンスターだが、こんな状況で役に立つとはな」

 

 巨大な戦艦となった機械龍。守備耐性で出てきたとはいえ、清水さんのモンスターを除去しただけで十分な働きをしたことになる。

 チェーンに乗らない融合召喚なので、せっかく奪った『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』が一瞬で除去されることとなった。

 

「こっちも『ナチュル・アンドジョー』の効果で『ナチュル・サンフラワー』を特殊召喚するわ。このカードが場にいるとき、相手がモンスターの効果が発動した時、このカードをリリースしてそのモンスターの効果を無効にして破壊する効果を持つロックカード。そして『ナチュル・フライトフライ』ナチュルモンスターが3体いることで900ポイントダウン」

 

とは、いえ清水さんのロックデッキはとても固い。これまた並みのモンスターでは突破しづらい場へとまた変わった。

 

「下着姿で誘ってるとはいえ、相変わらずガードが堅い女だな清水。でも俺はそれを崩してやる。『アーマード・サイバーン』を通常召喚。このカードはユニオンモンスター。サイバードラゴンモンスターの融合モンスターに装備が可能だ」

「あんたとセックスするくらいだったら、まだ、『ゴキボール』とセックスした方がましよ。それは『ナチュル・サンフラワー』をリリースして無効にする」

「先生は、プチモスっていうあだ名がついてるからって、虫以下とかひどいねー。『アーマード・サイバーン』は装備モンスターの攻撃力を下げることで、相手モンスターを破壊できるカードだった。だが、これで厄介なカードが消えたな。俺は手札から『オーバーロード・フュージョン』を発動!! これにより、墓地のモンスターを除外して闇属性機械族モンスターを特殊召喚が可能なカード」

「また、融合モンスターか。懲りないわね」

「それがサイバー流の真骨頂だからな。墓地の『サイバー・ドラゴン』2体と『サイバー・ドラゴン・コア』を融合!! 現れろ『キメラテック・ランページ・ドラゴン』!! 」

 

 一つの胴に無数の機械龍の首をはやした、得体のしれないキメラのモンスター。

 さっきもそうだったが『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』同様見たことがない。闇属性のモンスター。

 サイバードラゴンは光属性のモンスターだけど。裏サイバーというデッキがあると聞いたことがある。

 もちろんそれは闇属性のデッキだった。これもまた闇のモンスター。サイバー流の闇というべきカードなのか……。

 

「『キメラテック・ランページ・ドラゴン』が融合召喚に成功したとき、このカードを素材にした数だけ魔法罠カードを破壊できる。これで俺は清水の『ナチュルの神星樹』とセットカードと俺の場の『サイバー・ネットワーク』を破壊しよう」

「『ナチュルの神星樹』の破壊された効果により、あたしは『ナチュル・コスモスビート』を手札に加える。そして『ナチュル・アンドジョー』の効果がまた発動される。守備表示で『ナチュル・スティンクバグ』を特殊召喚!!」

 

 清水さんの『聖なるバリア -ミラーフォース-』が破壊されてしまうが、あらたに呼んだ『ナチュル・スティンクバグ』はナチュルモンスターが攻撃対象になった時、このカードを墓地に送ることでバトルフェイズを終了させる効果がある。

 しかもチューナーモンスター。清水さんの場に守りを固める魔法罠はないが、これなら、サイバー流の猛攻を防げるはずだと私は関心した。

 が、『ランページ・ドラゴン』で巻き込まれたプチモス先生のカードのカードの説明をされると絶望する。

 

「『サイバー・ネットワーク』が破壊されたとき、除外されている機械族光属性モンスターを可能な限り特殊召喚することが可能だ!! 現れろ『サイバー・ドラゴン』3体!!」

「よくわからない脳筋のパワーカードか。だけどあたしも『ナチュル・アンドジョー』の特殊召喚されたときの効果で守備で『ナチュル・マロン』を特殊召喚する!!」

「『キメラテック・ランページ・ドラゴン』のモンスター効果だ。1ターンに1度、デッキからカードを墓地へと送ることができる。その効果で『超電磁タートル』と『サイバー・ドラゴン・コア』を墓地へと送る」

 

 再び次元の狭間から蘇る3体の機械銀竜。レベル5のモンスターが4体……。私はエクシーズ召喚が狙いだと頭に浮かんだが、その通りのようだ。

 

「俺は再び『サイバー・ドラゴン』と『キメラテック・ランページ・ドラゴン』でオーバーレイネットワークを構築!! エクシーズ召喚『サイバー・ドラゴン・ノヴァ』!! そして『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』!!」

 

 もう一度、先ほどは強力な制圧力を発揮できなかったが、紅色の眼から発するオーラから強者漂う。

 そして巨大な翼を羽ばたかせながら長い尻尾を振るわせる機械龍が降臨する。

 

「お前の場にはもうモンスターは5体が埋まってるから『ナチュル・アンドジョー』の心配はないな。そして『サイバー・ドラゴン』2体でオーバーレイネットワークを構築!! エクシーズ召喚『セイクリッド・プレアデス』!!」

 

 ソリッドビジョンから現れたのは巨大な剣を携持つ白銀と黄金に彩られた騎士。

 

「『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』の効果発動。『ナチュル・フライトフライ』をこのカードのエクシーズ素材する。そして『セイクリッド・プレアデス』の効果発動、1ターンに一度、オーバーレイユニットを一つ使い最後の『ナチュル・フライトフライ』を持ち主の手札に戻してもらおうか」

 

 次々と清水さんの場にあった場を固めていたロックカードが崩されていく。

 そして『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』に『セイクリッド・プレアデス』が清水さんに立ちふさがる。 

 

「『サイバー・ネットワーク』が破壊されたターンこのターンは攻撃することはできない。これでターンエンド。命拾いしたなー清水」

「はぁはぁ……はぁ…」

 

 ライフがこのターン変動してないとはいえ、清水さんは緊張からからなのか、息切れを起している。

 いつライフが減って、また胸に電流が流されるという恐怖から、私もとてもひやひやする。

 このターン盤面を形成逆転されてしまい逆にロックされてしまうという現象を起こされてしまった。これをどう突破するのだろうか……。清水さんは。

 

「あたしのターン……」

 

 

清水

LP:1200

手札:4枚→5枚 (ナチュル・コスモスビート、ナチュルフライトフライ)

場 :モンスター

   ナチュル・アンドジョー

   ナチュル・マロン

   ナチュル・スティンクバグ

   魔法・罠

   補給部隊

プチモス

LP:4000

手札:1枚

場 :モンスター

   セイクリッド・プレアデス

   サイバー・ドラゴン・インフィニティ

   キメラテック・フォートレス・ドラゴン

   魔法・罠

   なし

 

 

「思ったんだが、先生と清水はよく似ているなー」

「気持ち悪いあんたと一緒にしないでほしいわ。気色悪い」

 

 急に先生らしく、プチモス先生は説教みたいなことを始める。

 だけど、女子生徒たちに散々に嫌われていて、普段はそこまで迫力はないのでこの説教も迫力はないかと思ったが、今はイラついてるのか、感情をあらわにしているので違った。

 

「俺は昔っから、デュエル以外の才能はなくてな、いつもいつも2番手だ。お前もその苦しみはわかるよな? 清水、お前も学年2位だったよなたしか」

「めんどくさい話ね。早くデュエルをしたいのだけど……」

「いいから聞け。俺はお前たちもご存じの通りチビで、ハゲでデブで一番女にモテない存在だ。昔もそうだった。いつも1位の奴は俺とはちがって、デュエル以外にもスポーツもできて勉強もできて、顔もよくて女子にモテモテの存在だったな。まんま奈々川みたいなポジションさ。清水、お前も昔はめちゃくちゃブサイクだったって先生知ってるんだぞ。何でもできる存在ってすごくムカつかなかったか?」

「そんな昔話はほんとどうでもいい。でも、あたしは生まれ変わったわけ。わざわざ可哀そうなお前の為に、今、下着姿であたしの体を見せつけてデュエルしてるわけよ。感謝してもらわないと」

「ああそうだったな。まじめに俺の授業を聞いている、お前のことをずっとお気に入りだったけど。先生大好きな、清水のオナニー写真で脅してやって、今回お前と初めて2人で会話したが、お前もそこら辺の女と変わらない屑女だっていうことがよーくわかったよ」

 

 先生の暗い過去と共に、清水さんの過去まで掘り返される。

 だが、今の清水さんはとても力強いことから、そんなことを言われても、心は決して乱れることがなかった。

 

「そうよー。あたしは奈々川さんしか見えない女よ。あたしはねー。奈々川さんの為だったら、なんでもするの……。例え人殺しでも……。それが奈々川さんの為だったらねー。お前もまた、奈々川さんとの愛を邪魔する存在……。許さない……」

 

 縛られている私の方へと向きながら、怖い発言と共に先生を挑発する。

 相変わらず、私に対する愛がとても重い……。これから先、清水さんの、逆鱗に触れてしまったら私も殺してしまうのではないかと思うとぞっとする。

 

「あたしはレベル4の『ナチュル・マロン』にレベル3の『ナチュル・スティンクバグ』をチューニング。現れなさい『ナチュル・ランドオルス』!!」

 

 巨大な岩石の塊に体中に木をはやした巨人が清水さんの後ろに出現する。

 

「このカードがフィールド上に存在するとき、相手がモンスター効果が発動するたびに、手札の魔法を捨てることでその効果を無効にして破壊できるのよ」

「このモンスターを安全に出す為に、墓地のナチュルを戻して、ドローする『ナチュル・マロン』の効果を使わなかったのか。今の清水の手札は5枚……」

 

 清水さんもプチモス先生も無効にするモンスターが並びあう。清水さんの魔法は何枚持っているのかわからないが、これで無効化合戦の読みあいになった。

 

「手札から『ナチュルフライトフライ』を通常召喚」

「今いるナチュルモンスターは3体……。よって600ポイント下がる効果で俺のこの布陣が簡単につぶされてしまうな……。させない。この召喚後に俺は『セイクリッド・プレアデス』のモンスター効果を使用して、今召喚したそれを手札に戻してやる」

「無駄よ。それにチェーンして『サモンチェーン』。これであたしはこのターン通常召喚を三回行うことができるわ」

「それはチェーン4『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』の効果で無効だ!!」

「チェーン5。あたしは手札の『パルキオンのうろこ』を捨てて無効。『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』を無効にして破壊してもらうわ」

「くっ……。やはり先出しのお前のほうが有利か……」

 

 厄介だった『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』を処理することができた清水さん。

 これでまたデュエルの主導権は清水さんが握ることになったか。

 

「あたしは『ナチュル・コスモスビート』『ナチュルフライトフライ』を通常召喚。そして『ナチュルフライトフライ』の効果でもともと守備がない『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』を奪うわ。そしてそのまま『ナチュル・コスモスビート』とチューニング。あたしの前で現れなさい『神樹の守護獣-牙王』」

 

 赤いタテガミをと鋭い4本の角を持つ獣が、牙をプチモス先生に怒りを向けて登場する。

 まるで今の清水さんの怒りを表しているような感じのモンスターだ。

 

「このカードは自分のメインフェイズ2以外では対象を取られることはないわ。そしてバトルフェイズに入るわ!! 攻撃力が1900となった『セイクリッド・プレアデス』だけじゃ、あたしのモンスターの総攻撃であんたの敗北で終わる。ずいぶんとあっけなかったわねー」

「俺は、……。墓地の『超電磁タートル』の効果を発動!!」

「へーーー」

「通るのか……。このカードを除外して、その効果によりこのターンのバトルフェイズを強制終了させる」

「『ナチュル・アンドジョー』を守備表示に変更……。これでターンエンド」

 

 地面からUFOのような形をしたカメが現れて、強い光を発生させると清水さんのモンスターたちは攻撃モーションをやめる。

 このままゲームが終わると思ったが、先生が使用するサイバー流はそう簡単には敗北することはないか。

 

「はははは。どうやらお前の手札には『ナチュル・ランドオルス』のコストとなる魔法カードがなかったみたいだなー。これで俺のターンがもう1度やってくる。これで清水、お前を葬ってやるよ」

「命拾いさせてやったのよ、お前の無様な姿を奈々川さんに見せるために」

「へー、言ってやるなー。先生、そうやって生徒に馬鹿にされるのはなれてるけど、今のこの真剣のデュエルではゆるせないなー。俺のターンドロー。俺は手札から『貪欲な壺』を発動。その効果で墓地のカードを5枚戻してドローする」

 

 先生の手札はこれが通ると3枚になる。

 

「このターン、攻撃力が1600の『セイクリッド・プレアデス』で清水、お前の場の一番弱い攻撃力800の『ナチュル・フライトフライ』を攻撃すればライフを800にできるな」

「……っ!?」

「お前のおっぱい優先にダメージを与えて、苦しむ姿を見るのもいいが、それだけでは清水には勝てないんだよなー。だからこそ、俺はこの2枚に賭ける!!!」

 

 見下している感じで挑発する下着姿の清水さんの発言を適当に流しながらデッキのカードを戻し、頼みのカードをプチモス先生は2枚ドローする。

 このターン清水さんにダメージを与えられるのは確実で、追い詰めることができるが、清水さんは表情を隠すかのようにポーカーフェイスをする。

 攻撃力3200、2350と並ぶ場でそうそう突破できないものだが、それを無視して清水さんの体にダメージ優先で動かれるのはキツイものがある、

 

 そして引いたカードをゆっくりと確認すると、にやりと笑い、形勢が逆転することが可能になったのか、清水さんを反対に挑発する。

 

「ふははは。ついてるぞ、ついているぞ先生は!! 俺は手札から『未来融合-フューチャー・フュージョン』を発動だ。デッキから『サイバー・ドラゴン』とデッキの機械族全部を墓地へと送る。このカードは2ターン後のスタンバイフェイズ時にそのカードを融合素材として融合召喚が可能なカードだ!!」

「禁止カードを引いたのね。でも2ターン後って遅すぎるわ。その前にあたしの勝利で終わってるのよ」

「そいつは違うぞ清水。先生の勝ちで終わるんだよ。さらに手札から『サイバネティック・フュージョン・サポート』。ライフポイントを半分払って発動。このターン、自分が機械族の融合モンスターを融合召喚する場合に1度だけ、その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを代わりに、自分の手札・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外し、これらを融合素材にできる」

 

 プチモス LP4000→2000

 

「ぐぁあああ。……。ライフが半分になるだけでもこの電流か。これ以上の電流が、さっき清水のおっぱいに流れたってことか……」

 

 初ダメージで首に電流装置が付いているプチモス先生にも清水さんと同じ電流が流れる。

 だが、それでも有利になっているのか、あまり痛みを気にせない身振りをしてさらにもう1枚カードを使用する。

 

「そしてこれが究極の融合『パワー・ボンド』を発動。墓地の『サイバー・ドラゴン』を含む。機械族27体を融合召喚する!!! 現れろ!!これがサイバー流の真のモンスター『キメラテック・オーバー・ドラゴン』!!」

 

 嘘でしょ……。私は拘束されて口をホールギャップで封じられているが思わず心の中で思ってしまった。

 融合素材27体という前代未聞の融合モンスター。その融合素材通りに二十七つの頭を持つキメラの機械龍。

 しかもソリッドビジョンに映し出されたのは私が今まで見たことがないほどに、とてもでかい。それはここの教室を半分以上を埋め尽くすモンスター。

 このカードの降臨であまりのデカさで邪魔だったのか、なぜか『未来融合-フューチャー・フュージョン』と『セイクリッド・プレアデス』は流れるように潰されて消え去っていく。

 

「気持ち悪いモンスターね……。ほんとお前そっくりなとってもブサイクなモンスターよ!! 気持ち悪い……」

「勝手に言えさ。このカードが特殊召喚に成功した時、このカード以外の自分のカードは全て墓地へと送られる。このカードは融合素材にしたモンスター1体につき攻撃力が上がる。そして『パワー・ボンド』の効果で攻撃力は倍になるな」

「だが、あんたが特殊召喚に成功したことで『ナチュル・アンドジョー』の効果でデッキから『ナチュル・モスキート』を特殊召喚するわ。これでモンスターは全部で4体。『ナチュルフライトフライ』で攻撃力は1200ダウンしてもらうわ」

「今までさんざんそいつに苦しめられたがそんな攻撃力ダウン今では痛くもかゆくもない。それを差し引いても攻撃力は42000だ!!! バトルフェイズに入る!!!」

 

 攻撃力が今まで見たことがない化け物じみた数値で私は、驚きから先生から目を離せない。

 どうしてこんなに強いデュエリストなのに、先生は今まで隠していたんだ……。

 でも清水さんは驚くどころか、相変わらず先生を見下すような表情で瞬きをせずにじっと見つめている。

 

「清水、お前の魔法罠はない。それに『ナチュル・ランドオルス』で効果はもう無効にできないらしいな。いくらモンスターを並べようと『キメラテック・オーバー・ドラゴン』は融合素材の数だけモンスターを攻撃できる!!!」

「へーーー。とーーてーーも、強いのねーー」

「命乞いすらできなくなっちまったか清水。今ならお前はそのいやらしい下着を脱いで、先生の前で全裸で這いつくばって、俺のイチモツを加えながら、今までしてきたことをごめんなさいをしながらサレンダーをしたら許してやるよ」

「誰がそんなことをするかよ。ばかじゃないの!!」

「そうか、先生の言うことを聞かないか。なら『キメラテック・オーバー・ドラゴン』の攻撃を食らえ。攻撃力42000で27回も攻撃したら、ただじゃすまないよなー」

「………」

「ライフが減った分強い電流が流れるんだっけなー。乳首とおまんこに攻撃力42000の電流を受けちまったら失神とか失禁どころじゃすまいだろうなーー。ふはははは。それがお前の結末なら望み通り食らうがいいさ」

 

 先生はどこで考え付いたのかわからない恥ずかしい台詞を言っているが、さっきから重要なことに気が付いていない。

 清水さんはゴミを見るような目で、親切に『ナチュル・モスキート』のカードをデュエルディスクから取り出して先生の目の前へと投げつける。

 笑っている先生は地面に落ちたカードを見ると、笑うのをやめて、それを拾う。

 

「気が付かないみたいね。……効果を読んだらどうなのよ」

「……!? 自分フィールド上にこのカード以外のナチュルと名のついたモンスターが表側表示で存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在するナチュルと名のついたモンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは、代わりに相手が受ける」

「目が覚めたかしら?」

「あ、あぁあああああああああああああああああああああ」

 

 今まで清水さんのことを変態なまなざしでずっと見ていた分、その衝撃は先生にはデカかった。

 頭を押さえ、先生らかぬ、急に駄々をこねる子供のような発症した大声を発する。

 

「これがお前の敗北した理由。『ナチュルフライトフライ』に気を取られすぎてこのデュエルで一番鍵を持ってた『ナチュル・アンドジョー』の処理を後回しにしたこと。そのせいであたしにデュエルの主導権をずっと握られるなんてね」

「あぁあああああああああああああ」

「お前はあたしが今までデュエルをした中で一番の雑魚デュエリストだった。サイバー流っていう有名なデッキだったからちょっと期待してたけど……。話にならなくて馬鹿みたい」

「清水ぅうううううううう」

 

 清水さんの名前を呼ぶと、下着だけの清水さんに勢いよく飛び掛かろうとする。

 

「ゴミ」

 

 その光景はまるで清水さんを性犯罪に巻き込もうとする中年男性のようで、思わずぞっとしたが、清水さんは呆れた顔で、慣れた手つきでそれを対処する。

 デッキの上からカードを何枚か飛び掛かる、先生の顔の前投げつけるとひるんで足を止める。

 たまたま床に超高額カードの『幽鬼うさぎ』『ハーピィの羽根帚』『励輝士 ヴェルズビュート』が先生の前と散らばっていく。

 

「さて、エンドフェイズ時に『パワー・ボンド』は融合モンスターのもともとの攻撃力分のダメージを受けるんだったかしら? 21600だっけ? その分の電流を受けてもらいましょうか」

「やめてくれぇえええええ。ぎゃぁあああああああああああああああああああああああああああ」

 

 プチモス LP2000→0

 

 絶望した顔の先生の首に電流が流れる。

 その電流は21600という数値で、初期ライフの4倍。初期ライフ4000で受ける量ではないのか物が焦げたようなにおいが教室に漂う。

 先生は、電流で仰け反りながら大きくひるむ。電気がしびれがなくなると先生は、力尽きたのか死んだように、倒れた大きな音と共に床へと転がり落ちる。

 

「ズボンのシミはなに? お前が失神して失禁してんじゃねえかよ。このエロ教師。いい歳して女の子をエロイ目で見ながら、おしっこ漏らす男だから、生徒に嫌われるのよ」

 

 揚げ足を取るように、気絶した先生へ暴言を吐く清水さん。

 そして何かに気が付いたのか倒れている先生の白衣からゴソゴソと何かを探りだして、物を発見するとそれを取り出す。それはUSBメモリーだった。

 

「あたしが気が付かないと思った? お前、女子更衣室と女子トイレに小型のカメラをセットして盗撮しているってこと。お前がそれを毎日回収しているのあたしは知っているのよ」

「あ、ぁぁ……」

 

 衝撃な発言であたしはプチモス先生にドン引きした。こんなことをする先生だと思っていなかったのに、すべてをまるで裏切られたような気分だ。

 先生はデュエルの衝撃で、力尽きたのか、小さな声しか出せずに気を失いかけている。

 

「こんなもの!!」

 

 清水さんは、ブラとパンツからこのデュエルで使われた電流装置を取り出すとそれをプチモス先生が倒れている床にたたきつける。

 それと奪った脅しで使われた写真と盗撮のデータが入ったUSBも投げ捨てると、清水さんが投げつけたレアカードの上へと重なる。

 

「気持ち悪い……。気持ち悪い……。気持ち悪い……。気持ち悪い……。気持ち悪い……。気持ち悪い……。気持ち悪い……。気持ち悪い……」

 

 何度も同じ発言をしながら、先ほど投げつけた物全部と意識がもうろうとしている先生を、何度も必要以上に蹴りつける行為をする清水さん。

 暴力行為をされているのに、先生は何もできない。力の強さは大人の男の方が上なのに、立場が逆転している瞬間だった。

 

「んーーー」

 

 私はそれを止めようとするが、拘束されている状態では何もできないので、ボールギャッグの中から懸命に声を出そうとするが、うまく言葉を作ることができない。

 だが、必死な行為に気が付いたのか、清水さんは、ずっと放置していた私に気が付いたのか腕の手錠と、口についていた丸状のものを取り外してくれた。

 

「あらあら、涎こんなに床にこぼしちゃって、あたしのカッコいい姿を見て、こんなに興奮しちゃったの? あたしが好きになってセックスする気になった?」

 

 今までつけていたものせいで、口がずっとあけっぱなしで涎が垂れ流しになっているのに気が付いて、私は恥ずかしかったがすぐに床を足で拭いた。

 

「女の子がこんな格好しちゃダメだよ」

「…えっ…!?」

 

 清水さんは、今にも胸が見えそうなくらいにずれていたブラ紐を、私は肩に修正してあげる。

 そして着ていた男子指定の学ランを、今まで裸に近い状態だった清水さんの体全体を覆うようにかくしてあげた。

 

「もうやめようこんなこと。プチモス先生は悪かったけど、だからと言って暴力で解決するなんて一番やっちゃだめだよ」

「何で。あたしを止めようとするの? この男は、あたしと奈々川さんを脅して性犯罪に巻き込ませようとしたのよ……。あたしがデュエルで勝てなかったら今頃、あたしと奈々川さんはこいつにひどいことされてた……。しかも奈々川さんのことを男と知ってるから、いくらでも脅されるのも考えられた……。こんな男一番な屑のはずなのに……。どうして……」

 

 私は、服を着せた清水さんを正面から抱きしめてあげる。

 背中を囲むように抱きしめてあげているので、清水さんの体の鼓動が丸わかりだ。さっきから下着だけの格好で男に対して強気で挑発していたけど、手が震えている。

 清水さんは痛い思いをしてとっても怖い思いをしたっていうのに、私は何もできなかったのが一番の心残りだ。

 私はこの行為をすると、清水さんはすすり声をした。顔は見えないけど、どうやら今までこらえていた分を私の胸の中で泣いているようだった。

 

「僕は清水さんのことは好きじゃない。暴力するし口が悪いし、僕のことと自分のことしか考えない。そして一番僕が気に入らないのは、……」

 

 一通り私の体温を清水さんの、体で温めてあげた後、清水さんを抱きつくのはやめて、床に落ちた清水さんのカードを拾う。

 清水さんの怒りで綺麗に折れてしまった、誰しもが欲しがる『ハーピィの羽根帚』のカードが見るも無残な姿に。

 

「デュエリストの命であるカードを大切にしないことだよ。前もそうだったけど、カードを投げたり、ゴミ箱にすぐに捨てたりする。僕はカードを粗末にする人が一番嫌いだよ!!」

「ごめんなさい……。ごめんなさい……」

「何で、僕のことを拘束して一人で解決しようとしたの? これが一番僕、怒ってるんだよ」

「だって……。奈々川さんを危険な目に会わせたくなかったもの……。犠牲になるのは汚れたあたしだけでいいのよ……」

「気持ちはありがたいけど、だからって清水さん一人で戦わせたくなかった、僕も戦えたのに……」

「本当に怖かった……。最後のターン、融合されずにダメージ優先で動かれたら、あたしはLPで負けてはいないけど、胸と下半身に流れる電流に耐えられる自信がなかった……ぐず……」

 

 私はかっとなったつもりではなかったのに、清水さんを泣かせてしまった。

 こうしてみると、先ほどまで、一人で大人の男を撃退したとは思えない。清水さんもまた普通の女の子だっていうのに……。

 

「奈々川さん……。言うのを忘れていたけど……。あたしが男嫌いな理由教えていなかったわね」

「僕、……清水さんにデュエルで負けたのに教えてくれるんだ…」

「あたしね、中学生のとき男グループにいじめられていたの……、ぐず……」

「もう言わなくていいよ……。清水さん」

 

 私の前でしか本性を見せない清水さんを私は、胸へと再び抱きしめてあげる。

 この子は私依存症だ。だからこそ私がいないとまともに生きていけない。この子の生きがいとして私は存在しないといけないんだ。

 私の優しい所が好きって、清水さんは言ってた。だから今後も好きって言う感情がなくならないように、普段通りに接してあげなければ。

 

「ねえ。プチモス先生。先生の授業は誰も聞いていないって言ってたけど、僕はまじめに聞いていたんだよ。くだらない親父ギャグとかいいながら授業をするの、ほんとうに大好きでわかりやすかった。しかも今日のデュエルを見て、先生すごく強いってわかったんだよ。サイバー流っていう珍しいデッキを使いこなして、みたこともない攻撃力をたたき出すんだからさ。今度、僕ともデュエルをしてほしいな。またいい先生でいてくれるよね」

「うぅう……」

 

 床に転がっている先生にも私の本当の気持ちをぶつける。

 返事は弱弱しい物だったけど、目から涙を少しだけだけどこぼしていたので、私が言った言葉は気が付いてくれたのか?

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