遊戯王~デュエルキングを目指す少女の物語   作:魔法使い?

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ヒロイン 神崎ミカ


【挿絵表示】



第7話 『VSシューティング・スター』 

ナナ

LP:4000

手札:4枚→5枚(XX-セイバー フォルトロール)

場 :モンスター

   Xセイバー ガラハド

   魔法・罠

   伏せ1枚

CPU

LP:4000

手札:2枚

場 :モンスター

   ジャンク・バーサーカー

   魔法・罠

   アームズエイド

   伏せ2枚(くず鉄のかかし)

 

 

「僕のターン!! 僕はチューナーモンスター『X-セイバー エアベルン』を通常召喚。さらに僕の場にXセイバーが2体以上存在することにより『XX-セイバー フォルトロール』を特殊召喚する。『フォルトロール』の効果により墓地の『ダークソウル』を蘇生!!」

 

 私も負けずにとモンスターを展開させる。モンスターの展開が止まらずに1度こうなれば中々終わらないのがXセイバーデッキ。

 

「レベル3の『XX-セイバー ダークソウル』とレベル3の『X-セイバー エアベルン』をチューニング!!! シンクロ召喚!疾風の剣でフィールドを駆け上がれ!『XX-セイバー ヒュンレイ』!! このカードのシンクロ召喚成功時に相手の魔法・罠カードを3枚まで破壊することができる」

 

 この状況最も役に立つカードはこれ。光から現れた『ヒュンレイ』が大きく剣を横に振るうとその衝撃で相手のカードを爽快に破壊する。

 

「やりぃ!!!」

 

 装備されていた『アームズ・エイド』を破壊させたことで『ジャンク・バーサーカー』の攻撃力が元に戻る。

 

「いや、喜んでいる場合じゃないわよ」

「!?」

「ワタシノ『荒野の大竜巻』ガハカイサレタコトニヨリ『XX-セイバー フォルトロール』ヲハカイスル」

「しまった!!」

 

 破壊してはいけない『荒野の大竜巻』を破壊してしまったことにより砂が混じった竜巻が、発生し私のモンスターが飛ばされていく。

 余計なものを巻き込んだおかげで私が理想を目指していた展開とは違うこととなってしまった。

 

「けれどもまだ別の攻撃手段が残っているよ。フィールド魔法『セイバー・ヴォールト』を発動。フィールド上に表側表示で存在するX-セイバーと名のついたモンスターは攻撃力がそのレベル×100ポイントアップし、守備力がそのレベル×100ポイントダウンするんだ」

 

 攻撃力が足らないがこうやってあげれば問題ない。私はフィールド魔法カードをデュエルディスクにセットさせて、発動させる。

 

 Xセイバー ガラハド 攻撃力1800→2200

 XX-セイバー ヒュンレイ 攻撃力2300→2900

 

「へぇーー。攻撃力を上げる手段を手札に残してあったのね」

「バトルフェイズに以降するよ!! 僕は『XX-セイバー ヒュンレイ』で『ジャンク・バーサーカー』に攻撃!!!」

 

 CPU LP4000→3800

 

「『Xセイバー ガラハド』!!! ダイレクトアタックだ!!」

 

 CPU LP3800→1600

 

 セイバー達の連続攻撃により少しずつだが確実に不動遊星のライフを追い込めている。

 先に先手を取ったのは私だ。これでアドバンテージも大きく差を付けたしこれで私とCPUとの間に有利になることができた。

 

「カードを1枚セットしてターンエンド。エンド時に僕は『XX-セイバー ダークソウル』の効果によりデッキから『XX-セイバー ボガーナイト』を加える」

「まだ油断しないほうがいいわよ」

「わかってるって」

「不動遊星は歴代のデュエルキングの中でも表舞台では全く負けたことがないと言われている最強のデュエリスト。気をつけなさいよ」

「これはシュミレーション。本物とは全く別物だろ!!」

 

 有利だからって気を抜いている私に神埼さんが忠告してくれた。

 けど、今私が戦っているのは不動遊星を再現した本人とは関係ない全く別の物だから劣化不動遊星っていうべきだ。

 劣化とは言っているもののデッキの再現率は高いみたいで私は不動遊星と戦っているみたいで中々楽しいよ。

 

 

 

「ワタシノターン。ドロー『デブリ・ドラゴン』ヲショウカン。コノカードノショウカンセイコウジニ、ボチノコウゲキリョク1000以下のモンスターのコウカヲムコウニシテトクシュショウカンサセル。アラワレロ『スピード・ウォリアー』」

 

 小さな小型の龍が再び『スピード・ウォリアー』を出現させる。

 1枚でシンクロ召喚が可能になったわけだけれども、不動遊星のことだ。まだ展開は終わりではない。

 

「ボチカラモンスターガトクシュショウカンニセイコウシタトキテフダカラ『ドッペル・ウォリアー』ヲトクシュショウカン。ソシテ『ドッペル・ウォリアー』『スピード・ウォリアー』『デブリ・ドラゴン』ヲチューニング!!」

 

 『デブリドラゴン』が光のワッカになり2体のシンクロ素材モンスターを包み込み。これでモンスターの星の合計は8。

 この8は不動遊星のエースモンスターを象徴する数字だ。これから本物が見られるなんて夢にも思わなかった。

 

「『スターダスト・ドラゴン』ヲトクシュショウカン」

「おぉおお。すごい!!! これが世界に1つしかないシグナー龍の1体。スターダスト!!」

 

 銀色に染まるキラキラに輝く眩い龍がフィールドに召喚されると私のテンションは最絶頂になる。

 相手はコンピューターなので不動遊星の有名なシンクロ召喚の台詞が聞けなかったのが残念だ。

 なので集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、『スターダスト・ドラゴン』!!! って私は心の中で叫んだ。

 

「『ドッペル・ウォリアー』ガシンクロソザイニナッタコトニヨリ、コウシュ400ノドッペルトークンヲ2タイトクシュショウカン!!」

「!?」

 

 シンクロ素材となった『ドッペル・ウォリアー』が小さくなった、マスコットキャラというべき銃を持った黒服男が2体がフィールドに現れる。

 

「ドッペルトークンヲイッタイジョガイシテテフダカラ『異次元の精霊』ヲトクシュショウカン」

「レベル1のチューナー! まさか…」

 

 トークンの攻守は戦闘向きの数値ではないがレベルは1と非常に便利でシンクロ素材として優秀な数。

 レベル1の非チューナーとチューナーモンスターが揃った…。これを意味するのは確か……。

 

「レベル1ノドッペルトークンニレベル1ノ『異次元の精霊』ヲチューニング!! 『フォーミュラ・シンクロン』ヲトクシュショウカン。トクシュショウカンセイコウジ、デッキカラカードヲドロー」

 

 F1の車に近いモンスターがフィールドが現れる。このカードはデュエルモンスターズの中でもシンクロチューナーと呼ばれる大変希少なカード。

 

「覚悟しないといけないわよ。あんた。この構えはアクセルシンクロの構え」

「はっ。『スターダスト』に『フォーミュラ』…。あのカードを見ることができるのか!!」

「『スターダスト・ドラゴン』トシンクロチューナー『フォーミュラ・シンクロン』ヲチューニング!!」

「クリアマインド…!!」

 

 私はきめ台詞を叫ぶ。

 『スターダスト・ドラゴン』が黄金色に輝き出したと思ったら突如映像が消える。

 消えたと思ったら今度は地上を照らすと神々しい龍が高速で高空のフィールドを飛翔しながら出現する。

 

「あれが不動遊星のデッキの中で最強の『シューティング・スター・ドラゴン』!!」

「何であんたは最強モンスターを出されてピンチだっていうのにそんなに嬉しそうなのよ」

「だって『シューティングスター』。目の前で見るなんて夢じゃないかと…」

「喜んでいるのは結構だけどあんたはあれを倒すことはできるの?」

 

 CPUとはいえこんな幻とも呼ばれたモンスターを出してくれるなんて相手は全力で私に掛かっていることがわかる瞬間だ。

 オリジナルではないが私はこれからこれを倒すんだな。あの化け物みたいなモンスターに。

 

「『シューティング・スタードラゴン』ノコウカハツドウ!! デッキヲ5マイメクリ、チューナーガデタマイスウダケコノターンコウゲキスルコトガデキル!!」

「!!!」

 

 デッキのカードを捲っていく。順番通りにカードが表へと変わり不動遊星を支えてきた多くのモンスターが表へと変わっていく。

 1枚目…。『エフェクト・ヴェーラー』。2枚目…。『ドミノ』。3枚目…『ソニック・ウォリアー』。4枚目『ターボ・シンクロン』。5枚目…『アンノウン・シンクロン』。

 

「全部で3枚…。3回攻撃が可能になったのか…」

「『シューティング・スタードラゴン』デ『Xセイバー ガラハド』、『XX-セイバー ヒュンレイ』ニコウゲキ!!」

「なんとしてでも防いでやる!!」

 

 ナナ LP4000→2400→2000

 

 『シューティングスター』は虹色に輝きだすと3体に分裂し、赤と青の『シューティングスター』は私のモンスターを次々と華麗に倒されていく。

 

「『シューティング・スタードラゴン』!! ダイレクトアタック!!」

 

 今度は紫色が襲い掛かる。これを防がないと負ける…!!

 

 

「トラップ発動!! 『ガード・ブロック』!! 相手の攻撃を無効にしてデッキからカードをドロー!!」

 

 光り輝く龍のモンスターが高速で私に突っ込むところを、発動した罠で見えない小さな壁を作り攻撃を防ぐ。

 

「へーー。この攻撃も防いだんだ。中々やるじゃん」

「ワタシハカードヲ1マイセットシテターンエンド」

 

 今のは危なかったな……。

 

 

 

 

ナナ

LP:2000

手札:2→3→4枚(XX-セイバー ボガーナイト)

場 :モンスター

   なし

   魔法・罠

   セイバー・ヴォールト

   伏せ1枚

CPU

LP:1600

手札:0枚

場 :モンスター

   シューティングスター・ドラゴン

   魔法・罠

   伏せ1枚

 

 

「僕のターンドロー!!」

 

 何とか間一髪耐えることができたけどあのモンスター1体だけでの制圧感とプレッシャーが強すぎて心臓がバクバクだ。

 私はデッキのカードを加えて倒すための戦略を考える。あれを超えないと私には勝ち目はない。

 『シューティングスター』を攻略しようと何とか破壊する効果を発動しても無効にされる効果に加え、攻撃が3300にも関わらず1ターンの間ゲームから除外することで攻撃を無効にする効果まである。

 カード1枚で突破できるようなもんじゃない。

 

「僕はモンスターを1枚セット。さらに手札から『死者蘇生』を発動!! よみがえれ『アームズ・エイド』!!」

 

 不動遊星の墓地から2ターン前にワンキルしようとたくらんだ腕を呼び寄せる。

 

「そして『アームズ・エイド』の効果で相手の『シューティングスター・ドラゴン』に装備!!」

「………ふーん。そんなことするんだ」

 

 シューティングスター・ドラゴン 攻撃力3300→4300

 

 『シューティングスター』に黄色い腕が装着されると爪が伸び、ただでさえ攻撃力が高いっていうのにより攻撃力が上がる。

 普通の人なら相手のモンスターに装備をするって時点でおかしいと思うのに神崎さんは何も言わずにただ私のプレイングをずっと見ている。

 神崎さんが私の悪企みを何も聞かずにしてくれるのがやさしさかな。

 

「僕はこれでターンエンド」

 

 

 

 ~数年前

 

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、『スターダスト・ドラゴン』!!! 」

 

 不動遊星のシンクロ召喚の掛け声をして現れた広い壮大なスタジアムを自由自在に飛び回る『スターダスト・ドラゴン』。

 身長が小さかった私は前の観客席に座る人達で見えるか見えないかのギリギリな視界から試合を楽しむ。

 まだ世間のことを全く知らない私の視界には見える物全てが夢のようなワクワクした錯覚になっていた。

 

「きゃーーー。エースモンスターの『スターダスト』。かっこいい~~」

 

 嬉しかったあまり隣の席に座っていた私そっくりな双子のお兄ちゃんに思わず話しかける。

 ユウヤお兄ちゃんも私と同様に初めて見たときから不動遊星の試合は夢中になるほど憧れだった。

 子供の純粋な夢いっぱいな気持ちがいっぱいあったんだろう。

 

「かっこいいって言ってるけどさ、『スターダスト』って俺でも勝てるぜ。『ならず物傭兵部隊』の破壊効果で一瞬で倒せるじゃん」

「『スターダスト』には自分をリリースすることで破壊する効果を無効にできる効果があるから意味ないよ」

「わかった! 攻撃力2500しかないじゃん。だったら俺の切り札の『XX-セイバー ガトムズ』で楽勝に倒せるよ」

「破壊できたらいいけど…。そううまく都合よくいくかな? 遊星の『スターダスト』も『シューティングスター・ドラゴン』に進化するよ。攻撃力3300もあるけどどうやって倒すの?」

「むぅーー。ナナの意地悪…。俺も同じく魔法・罠を使って『スターダスト』を超えればいい。俺にもできるよ!!」

「でも、『シューティングスター』は相手に攻撃されるとき、攻撃を無効にされちゃうよ」

「くそっ。どうやって倒せばいいんだよーーー。わかんねーよーー」

「うん。難しいよね。私もどうすればいいのかわからない……」

「でも、俺は『シューティングスター』を簡単に倒していつか不動遊星を越えてデュエルキングになるんだ!! 絶対、絶対、絶対に!!」

「いつか倒せればいいね」

 

 双子ということであって、とても仲が良かったと評判だった私とお兄ちゃんは、何時間でも飽きずに不動遊星のことで語り合えた。

 その行為は寝るまでにも続いた。私達兄弟は正反対になるよう背を向けて同じ布団に入りながら夢を誓いあった。

 

「その前にもっとたくさんデュエルのことを勉強して私を倒せるようにならないとね」

「ちぇーー。俺もナナと同じ日に生まれたのにどうしてこんなに違うんだろう…」

 

 

 デュエルキングになることが私のお兄ちゃんの憧れの夢だった……。

 絶対に忘れてはいない。決意したあの日からお兄ちゃんの意思を私は受け継いでいる。お兄ちゃんのXセイバーデッキとともに…。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

ナナ

LP:2000

手札:2枚(1枚はXX-セイバー ボガーナイト)

場 :モンスター

   裏守備1体

   魔法・罠

   セイバー・ヴォールト

   アームズ・エイド(シューティングスターに装備)

   伏せ1枚

CPU

LP:1600

手札:0枚→1枚

場 :モンスター

   シューティングスター・ドラゴン

   魔法・罠

   伏せ1枚

 

 

 

 

 

 

「あんた随分と面白いことをするわね。『アームズ・エイド』を相手のモンスターに付けるなんて普通の人間の頭じゃ思いつかないわよ」

「『アームズ・エイド』は僕の場におかれているから、相手のモンスターの装備カードとなってもモンスターを戦闘破壊した場合僕の方側で効果が発動するんだ」

「それであんたは『ボガーナイト』をサーチしたことを相手に見せているからライフが1600しかないCPUの攻撃をうまく誘えば勝てるっていうのね。でもそう簡単にはうまくいかないわ。だってCPUはそこまで馬鹿じゃないもの」

「わかってるさ。攻撃してくれなくてもいい。僕にはこの方法でしか『シューティングスター』の攻撃を防ぐ手段が思いつかなかったんだよ」

 

 全身真っ黒な衣装を身にまとったマハード姿の神埼さんがマナにコスプレした私を後ろから見ながら警告してくれた。

 『シューティングスター・ドラゴン』を倒す手段がない今は倒すカードを引くまで時間稼ぎするしかない。

 

「ワタシノターン。ドロー………。『シンクロン・エクスプローラー』ヲショウカン。コウカニヨリボチノ『クイック・シンクロン』ヲボチカラトクシュショウカン」

 

 相手の手札は0枚だからチャンスとはいっても、毎ターンターンが回ってドローすることができることから少しも油断する暇なんてない。

 ドローしたカードをすぐさま使用すると、ビジョンに丸い形をした人形のようなモンスターと先ほど使った西部劇に出てくるような小さいマスコット『クイックロン』が現れる。

 

「ここで2体目のシンクロ召喚か…!!」

 

 たった1枚のカードでチューナーモンスターと非チューナーモンスターが2体が現れ、私は表情を硬くしてデュエルに気を抜けないようにする。ジリ貧のこの状況にシンクロ召喚を狙われるのはまずい…。

 

「トラップハツドウ。『ギブ&テイク』。ボチニソンザイスルチューナーモンスターヲアイテノバニトクシュショウカン。『クイック・シンクロン』ノレベルヲ1アゲル」

「『異次元の精霊』…。どうしてそんなモンスターを…」

 

 相手が私の場に呼んだのは攻守ともに0のモンスター。ピンチのこっちには壁になるので好都合のはず。わざわざどうしてこんなことをするのか私は一瞬だけわからなかったが狙いはすぐにわかった。

 

「レベル2ノ『シンクロン・エクスプローラー』ニレベル6『クイック・シンクロン』ヲチューニング。『ジャンク・デストロイヤー』ヲトクシュショウカン」

 

 シンクロ召喚から出されたのはロボットのような容姿をしたモンスター。

 レベルを調整するために、『ギブ&テイク』を使ったのか……。現われたモンスターの攻撃力は2600。

 『シューティングスター』もいるのにさらに状況が悪化したのが辛い…。

 

「『ジャンク・デストロイヤー』ガシンクロショウカンニセイコウシタトキ、コノカードノシンクロソザイニシタチューナーイガイノモンスターノカズダケアイテノカードヲハカイスル」

「くっ…!」

 

 デストロイの名の通りに現れてすぐに腕から波動を発生させて私のセットされているカードに狙いを定める。

 

「僕の破壊されたカードは『XX-セイバー ガルセム』の効果が発動する。カード効果によって破壊されたことにより『X-セイバー パシウル』を手札に加える!!」

 

 やはり作戦通りにうまくいくってことはないか…。『アームズ・エイド』の効果でゲームセットを狙うつもりだったのにこれでは無意味だ。

 でも偶然に『ガルセム』カード効果での破壊を使ってくれたからおかげでサーチ効果を使うことができる。

 攻める手段が欲しいのに私はわざわざ時間稼ぎするカードを加えていた。

 手札のモンスターが『ボガーナイト』だけだから『フォルトロール』を加えたら次のターンにXセイバーが来なければ安定性がない為にこれを選んだ。

 『パシウル』は戦闘破壊されない効果を持っているから時間稼ぎになるな。これで守ってカードを集めるのが私の目標となる。

 

「『ジャンク・デストロイヤー』デ『異次元の精霊』ニコウゲキ!!」

 

 『ジャンク・デストロイヤー』が私の唯一の壁に飛び掛り破壊されてしまう。これで私にダイレクトアタックする権利が与えてしまった。

 

「『シューティングスター・ドラゴン』デダイレクトアタック!!」

「うっ…。きつい…」

 

 『アームズ・エイド』を装備してしまったから攻撃力4300という脅威の数字の龍が私に飛び掛ってくる。

 この状況を逆転するにはなんといっても防がなければ。『シューティングスター』のデカさが余計に私に恐怖を与える。

 

「速攻魔法。『非常食』! 自分フィールド上の魔法・罠カードを墓地に送った枚数分×1000ポイント自分のライフを回復する!!」

 

 保険に伏せてあったカードを発動させる。『アームズ・エイド』と『セイバー・ヴォールト』を墓地へ送る。

 少々勿体無い行為だがこうしないと私に逃げ場はない。

 

「きゃあーーーーーーーーー」

 

 ナナ LP2000→4000→700

 

 

 

「女装しているからって何、女みたいな可愛い悲鳴出しているのよ」

「それわざとだから…。神崎さんどんな反応するかなーって狙ってただけだよ」

「嘘だ~~…。あんた無意識でマジな悲鳴出してたよ。狙ってあんな悲鳴絶対出せないわよ」

「本当だよ。だってこんな可愛い服着ているんだよ」

「ほんとあんたって異常なほど変態的な性癖あるのね。変態!!」

「変態じゃないよ。だから違うって!!」

 

 

 神埼さんは私のことを下に見下すようないつも通りな冷めた表情で馬鹿にする。

 デュエルがピンチな状況と重なって恥ずかしい言い訳をしながら、私は冷や汗が見えるんじゃないかってくらいに飽きれている神崎さんを説得した。

 この私が着ている衣装のせいでブラマジガールになりきっていると思い込んで自分が男だって設定忘れていたよ。

 でも何とかこのターンも防ぐことができたんだ。これから、カードを集めて『シューティングスター』を超える展開を作らなければ…。

 

 

 

 

 

ナナ

LP:700

手札:2→3→4枚(XX-セイバー ボガーナイト、X-セイバー パシウル)

場 :モンスター

   なし

   魔法・罠

   なし

CPU

LP:1600

手札:0枚

場 :モンスター

   シューティングスター・ドラゴン

   ジャンク・デストロイヤー

   魔法・罠

   なし 

 

 

 

 

 

「僕のターンドロー。僕は手札から『一時休戦』を発動する。お互いのプレイヤーはカードを1枚ドローし、次の僕のターンまでお互いにダメージを受けない」

 

 この状況の中一番引きたかったカードを引いた。

 発動は成功したので私はリラックスしながらデッキのカードを捲る。『一時休戦』のおかげで次のターンまで確実に来るからひとまず安心だな。

 

「よしっ!!」

「おっ。あんた中々いいカードを引いたわね」

 

 引いたカードを見て思わず私はガッツポーズをとった。

 『ガトムズの緊急指令』。罠カードなので次の私のターンに使うことになるが効果として墓地のXセイバーを2体蘇生することができる強カード。

 これで私の手札にある『XX-セイバー ボガーナイト』の召喚時にXセイバーを特殊召喚できる効果と一緒に使うことで大展開できる。

 そして同じく隣の手札にあるトラップを全て無効にすることができる『トラップ・スタン』と合わせれば完璧だ!!

 

 でも…次の私のターンの未来をいくつか想像したけど大量展開したあとの『シューティングスター』撃破への道が見えない。

 いくつかのシンクロ召喚で展開するパターンを考えたが『シューティングスター』を倒せる方法が見つからなかった。

 どうしても攻撃力が足らないし、破壊効果も全て効果によって無効にされてしまう。

 前のターンに『非常食』で『セイバー・ヴォールト』を捨ててしまったせいだ…。

 あれがあれば『シューティングスター』を打点越えしてこのまま押し切れる可能性があったのに…。

 私は一気に不安になる。

 

 

 

 あんな弱点がほとんどないといってもいいほどのモンスターに私は勝てるのか……。

 攻撃が複数可能な効果に、除去カードを引いても破壊効果無効、攻撃力を超えても一時的に除外ゾーンに逃げることが可能な効果…。全く隙がない。

 

「諦めるんじゃないわよ!!!」

「っ!?」

 

 マイナス要素ばかりを考えて先が見えてないときに、突然後ろに立っているマハード神崎さんの声が聞こえた。

 

「あんたの強みは絶対に諦めないのが強さだったんじゃないの? あんたは私が見込んだ子だと思っていたのにこんなもんなのね。正直がっかりだわ…」

 

 そうだ…。神崎さんはプロなのに、独特の強さを持っている。でも、決して弱音を吐かなかった。

 あの時のかっこいい姿に私は惚れたんだ。私も神崎さんみたいにかっこいいデュエリストになりたいって…。

 

「へぇー。まだ立てるんだ」

「まだ終わってない……。僕は絶対に勝つって決めたんだ…」

 

 こんなかっこ悪い展開では終われない。次のターンがどんな展開になろうと最後まで諦めないから。

 

「私があんたに一目惚れした理由教えて欲しい?」

「えっ……?」

 

 いきなりこんなことを言われて私は暗い顔から一気に顔が照れくさくなる。

 

「あんたの顔が可愛いからが理由じゃないわよ。顔を見て一瞬で強そうな人だとわかったからよ。どんな困難でも諦めないって感じがしたから……」

「……?」

「恥ずかしいなぁ…。もぉ…。何度も言わせるんじゃないわよ。私の目が正しくないみたいになるでしょ……。私はあんたがいつか大物になるって信じているからよ。こんなところで弱気を吐いて負けたら私の目が節穴になるでしょ!」

 

 ただ単純に私が好きになったのは別に誰でもいいってわけじゃなくて、私の成長を考えてくれたからなんだ。

 ものすごくはっきりしたことを言ってくれて私は嬉しかった。

 こんなに好きだとはっきりと説明してくれるのは生まれて初めてだったから。これが乙女の恋心?

 

 

「ははは……。ありがとう。元気が出たよ」

「だから…。頑張りなさいよ。それに今はデュエル中でしょ。愛情表現はこのあとでね!」

「そうだったね。僕は…モンスターを1枚セットする。そしてカードを2枚セットしてターンエンド!!」

 

 思考した通りに『パシウル』『トラップスタン』『ガト緊』を伏せて次の私のターンに備える。

 私が考えていたのは今の手札にあるカードだけの思考だ。だから次のドローで選択が増えればまだ可能性はある!!

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