暁に響く雷電   作:ぬべすこだお(^q^)

1 / 11
始まりの海
降りてきた侍


2XXX年

 

 

 

 

人類が制海権を奪われた世界。

 

 

 

 

 

その原因となるのは突如として現れた『深海棲艦』と呼ばれる謎の存在だった。

 

 

 

 

駆逐級から超弩級戦艦等が揃い、猛威を奮っていた。

 

 

 

 

 

それに対抗する唯一の手段、在りし日の艦艇の魂を持つ『艦娘』であった。

 

 

 

 

艤装と呼ばれる武器を装備し、生まれながらにして深海棲艦と互角以上に戦える力を持っている娘達である。

 

 

 

 

 

 

 

これは各地にある『鎮守府』と呼ばれる拠点の1つであったお話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

X月X日

 

 

 

 

 

この日、鎮守府に新たに提督が着任する日。

 

 

 

 

 

 

その日、

 

 

鎮守府に迫る深海棲艦があった。

 

 

 

 

 

 

海上では

 

 

 

服装は同じだが、髪型、髪の色が違う四人の少女が戦っていた。

 

 

 

 

「ふにゃああああ!!」

 

 

 

 

 

 

特Ⅲ型駆逐艦 四番艦 電 敵の直撃弾により大破

 

 

 

 

その他

 

特Ⅲ型駆逐艦 一番艦 暁

特Ⅲ型駆逐艦 二番艦 響

特Ⅲ型駆逐艦 三番艦 雷は未だ健在

 

 

 

しかし………

 

現状は厳しいものだった。

 

 

 

敵深海棲艦

 

戦艦ル級 三隻 健在

 

 

 

 

 

 

 

暁「流石に私達の火力じゃ敵わないわね……」

 

 

 

 

 

濃い紫色の髪の少女が言う。

 

 

 

 

 

 

 

響「………雷、電の様子は?」

 

 

 

 

 

水色の長い髪の少女が茶色の髪の少女達に聞く。

 

 

 

 

 

 

雷「一応、大丈夫………だけど………このままじゃ……」

 

 

 

 

 

 

 

電「うぅ……ごめん……なさい……」

 

 

 

 

 

 

 

電の艤装は損傷し、電自身も立っているのがやっとの状態だった。

 

 

 

 

 

 

暁「やあっ!」

 

 

 

 

 

 

響「…………!」

 

 

 

 

 

暁、響の二人が深海棲艦に対し砲撃するが、ほぼ効果はなく、かすり傷を負わせる程度だった。

 

 

 

 

ル級も反撃し、暁達はギリギリのところで回避を行う。

 

 

 

 

 

 

暁「ああもう!なんなのよ!」

 

 

 

 

響「姉さん、魚雷は?」

 

 

 

 

 

暁「残弾ゼロよ…響は?」

 

 

 

 

 

響「私もだ……」

 

 

 

 

 

絶望的だな………

 

響はそう考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電「ううっ…………電を………置いて…いって………逃げて………」

 

 

 

 

弱々しい声で電が言う。

 

 

 

 

 

雷「そんなこと出来るわけないじゃない!!」

 

 

 

 

 

暁「そうよ!」

 

 

 

 

 

響「だが……このままでは全滅だ……」

 

 

 

 

 

 

響の言葉で全員が言葉を失う。

 

 

ここまでなのか……

 

 

その場の誰もが考えた。

 

 

 

 

 

 

そして戦艦ル級三隻は再び暁達に狙いをつける。

 

 

 

 

 

 

暁「でも……」

 

 

 

 

 

不意に暁が呟く。

 

 

 

 

 

 

暁「こいつらを鎮守府にいかせるわけにはいかないわ!」

 

 

 

 

 

響「姉さん……ああ、そうだな!」

 

 

 

 

 

 

雷「こいつら倒して電を助けるわ!」

 

 

 

 

 

 

電「で…でも……」

 

 

 

 

 

 

響「活路はあるよ………きっと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時であった、

 

 

 

 

 

 

 

「そう……活路はある!」

 

 

 

 

 

 

上空から男の声がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁「えっ?えっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「チェエエエエストォォオオオオオオオオオオオオ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

突如飛来した男は叫び声と共に持っていた刀身の長い刀で、

 

 

 

 

 

 

「!」

 

 

 

 

 

 

 

ル級一隻を両断し、ル級は爆散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………」

 

 

 

 

 

 

男は煙が立ち込める中、暁達の方を向く

 

その姿は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響「サムライ……?」

 

 

 

 

 

上は黒い着物、下は白い袴、

 

黒髪の男の足には艦娘の艤装に似たものを装着していた。

 

 

 

 

男は問う。

 

 

 

 

 

「君達!君達の中で損傷が酷いものはいるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

雷「い、電が……!」

 

 

 

 

 

 

 

「……………大破…………ならば、早めに決めるしかなさそうだな」

 

 

 

そう言って刀を握り直す。

 

 

 

 

 

男は暁達に言う。

 

 

 

 

「君達は俺の援護を頼む!」

 

 

 

 

 

 

暁「はぁ!?あなた人間でしょ?」

 

 

 

 

 

 

「つべこべ言わずに砲撃頼む!活路を……斬り開くためにな!」

 

 

 

 

 

 

男はそう言って、残るル級二隻に突撃した。

 

 

 

 

 

 

 

「!」

 

 

 

 

 

 

ル級が男に対し砲撃するが、

 

 

 

 

 

 

 

「甘い甘い!!狙いが甘いぜ!!」

 

 

 

 

 

 

二隻の砲撃を完全に回避していた。

 

 

 

 

 

 

暁「……な、なんなの……あいつ………」

 

 

 

 

 

 

 

響「……………!」

 

 

 

 

 

 

響がとっさに援護の砲撃を行った。

 

 

 

 

 

 

暁「響!?」

 

 

 

 

 

響「あの人なら何とかしてくれる………そんな気がする……」

 

 

 

 

 

雷「………私も援護を!」

 

 

 

 

 

 

響に続き、雷も砲撃を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「フッ……それでいい……さて…」

 

 

 

 

男は刀を強く握りながら呟く。

 

 

 

 

 

 

 

「貴様等に……ニノ太刀はいるかな?」

 

 

 

 

 

男はル級に接近する。

 

 

 

 

 

 

「ほらほら、もっとよく狙いなっ!!」

 

 

 

 

 

回避しながら、さらに接近する。

 

 

 

 

 

 

暁「なんなのよ…あいつ………もう!!」

 

 

 

 

 

 

痺れを切らした暁も砲撃を始める。

 

 

牽制程度にしかならないと言えど、三隻からの砲撃はル級二隻の砲撃を止めるには十分だった。

 

 

 

 

 

 

「どりゃぁぁああああああ!!」

 

 

 

 

 

男が間合いに入ったル級に刀を振り下ろす。

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

バキィッ!!

 

 

 

 

 

 

「なにっ!?」

 

 

 

 

 

ル級に刀が当たった瞬間、刀身が砕け散った。

 

 

 

 

 

「チッ……試作段階じゃ………こんなもんか……!」

 

 

 

 

 

 

男は素早く後ろに下がろうとするが

 

 

 

 

ル級二隻が男に狙いをつけていた。

 

 

 

 

 

 

「しまっ!」

 

 

 

 

この至近距離、かわすことは不可能。

 

 

 

だが、

 

 

 

雷「させないわ!」

 

 

 

 

 

再び暁、響、雷の砲撃で敵の攻撃を止める。

 

 

 

 

 

「…(動きを封殺するとは……やるな!)…………行光、転送」

 

 

 

 

 

 

男が呟くと光の粒子が収束し1本の刀が出現した。

 

 

 

 

 

その刀を鞘から抜き、男は再び突貫する。

 

 

 

 

 

「でぇえええやああああ!!」

 

 

 

 

 

 

声と共に振り下ろした刀はル級を1隻、両断した。

 

 

 

 

 

そして、それを目の当たりにした残り1隻は体を反転させ、

 

 

 

 

 

暁「あ!」

 

 

 

雷「あのル級、逃げてくわ!」

 

 

 

 

 

 

 

離脱を開始。

 

 

 

 

 

 

 

暁「逃がさないんだから!!」

 

 

 

 

 

 

 

暁が追撃しようとしたとき、

 

 

 

 

 

 

 

 

「追うな!!」

 

 

 

 

 

 

暁「っ!!?」

 

 

 

 

男の声が暁を止めた。

 

 

 

 

 

 

「敵を追撃する前に、妹を助ける方が先じゃないか?」

 

 

 

 

 

暁「あっ…………」

 

 

 

電の事を思いだし、追撃を止めた。

 

 

 

 

「入渠して傷を癒した方がいい。もう手配させてある」

 

 

 

 

 

暁「なんであんたがそんなこと……………」

 

 

 

 

 

「何でって言われてもな…………ほら」

 

 

 

 

 

男は白い軍帽を見せる。

 

 

 

そこで響が気づく。

 

 

 

響「そうか………あなたが……」

 

 

 

 

 

雷「ハッ!新しい司令官!?」

 

 

 

 

 

 

 

「ああ…俺が新しく鎮守府に着任した…………島津九十九だ。よろしくな」

 

 

 

 

 

刀を収めながら男は言った。

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。