暁に響く雷電   作:ぬべすこだお(^q^)

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戦う意思と共に

 

 

 

 

 

帰還した九十九達を待っているものがいた。

 

 

 

 

響「皆!」

 

 

 

響が埠頭で出迎えた。

 

 

 

 

 

 

響「………………司令官、皆、話は聞いたよ。流石だね」

 

 

 

 

九十九「響……………その事だけど……」

 

 

 

 

ヲ級「…………」

 

 

 

ヲ級を見た響は特に表情は崩さす言う。

 

 

 

響「わかってる。司令官が決めたことだし、異論はないよ」

 

 

 

九十九「……………ありがとう」

 

 

 

 

ヲ級「アリ……………ガト……………」

 

 

 

 

響「そういえば中将から伝言が」

 

 

 

 

九十九「?」

 

 

 

 

響「『先程の通り、ヲ級の件は私に任せてほしい。そして君にあの事を話し、申し訳なく思っている』って………」

 

 

 

九十九「………………うん、わかった」

 

 

ピーピーピー

 

 

突然通信機が鳴り出す。

 

 

鈴音『九十九、聞こえる?』

 

 

 

通信機から鈴音の声が聞こえた。

 

 

 

 

九十九「ああ、聞こえるよ」

 

 

 

 

鈴音『今、九十九達がいる反対側にいる艦隊が苦戦しているの。救援頼める?』

 

 

 

 

九十九「わかった。任せてくれ」

 

 

 

鈴音『頼むわ!』

 

 

通信が切れる。

 

 

暁「響、いける?」

 

 

 

響「うん、問題ないよ」

 

 

九十九「よし、行こう!」

 

 

 

九十九達は救援に向かうべく、海を走った。

 

 

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

 

 

 

九十九達のいた反対側の海域にて、戦っている艦娘が四人いた。

 

 

 

「っ……………こんなにル級が多いなんて…………」

 

 

 

「扶桑姉様、ここは1度退いた方が……」

 

 

 

扶桑「駄目よ山城。ここで退いたら基地が危ないわ」

 

 

 

山城「しかし………」

 

 

 

巫女のような服を着た二人の艦娘

 

 

 

戦艦 扶桑

戦艦 山城

 

 

共に小破

 

 

 

 

山城「時雨!大丈夫!?」

 

 

 

時雨「僕は大丈夫!最上さんが!!」

 

 

 

最上「うっ…………大丈夫だよ………多分……」

 

 

 

 

航空巡洋艦 最上 大破

駆逐艦 時雨 健在

 

 

 

 

 

敵深海棲艦 ル級elite10隻 全て損傷軽微

 

 

 

 

 

扶桑「………山城、退路を確保するわ、ついてきなさい!」

 

 

 

山城「はい!」

 

 

扶桑、山城は最上、時雨の前に立つ。

 

 

 

最上「扶桑さん!山城さん!」

 

 

 

扶桑「時雨!最上を連れて退きなさい!」

 

 

 

時雨「ダメだ!扶桑!山城!」

 

 

 

山城「早く!姉様の行動を無駄にする気!?」

 

 

 

 

 

時雨「!!」

 

 

 

 

山城の言葉に時雨は口を開けなかった。

 

 

 

最上「…………行こう……」

 

 

 

時雨「……帰ってきて………必ず!帰ってきて!!扶桑!山城!」

 

 

 

 

時雨は最上を支えつつ、その海域を離脱しようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

ル級「……………!」

 

 

 

 

 

 

ドゥン!!

 

 

 

 

 

扶桑「!!」

 

 

 

 

1発の砲撃が放たれた。

 

 

 

 

その時、

 

 

 

 

ズバッ

 

 

 

 

 

 

九十九「…ふぅ……間に合った…ようだな…」

 

 

 

 

 

時雨「……………ぇ………?」

 

 

 

砲撃は後退しようとしていた時雨達に放たれていた。

 

だが、

 

その砲弾を間一髪、九十九が斬った。

 

 

 

九十九の新しき対深海棲艦用の刀

 

 

 

 

 

九十九「………試作刀『兼定』……悪くない」

 

 

 

『兼定』によって砲弾を斬り裂き、時雨達を守ったのである。

 

 

 

 

九十九「無事か?」

 

 

 

時雨「う、うん……」

 

 

 

九十九「なら良かった。早く後退を」

 

 

 

時雨「うん!」

 

 

そして時雨と最上は戦闘海域から離脱した。

 

 

 

 

扶桑「あなたは………」

 

 

 

九十九「俺は島津九十九。哨戒任務中に君達を救援して欲しいと要請があったのでな。援護するぞ」

 

 

 

 

扶桑「あなたが………島津九十九提督」

 

 

 

山城「………この人が…」

 

 

 

 

九十九「さて………とりあえず聞こう…………君達はまだ戦えるか?」

 

 

 

 

扶桑「……………戦えます」

 

 

山城「…………私も姉様と同じく」

 

 

 

 

九十九「わかった……………ならついてこい、その戦う意思と共に」

 

 

 

扶桑「はい!」

 

山城「はい!」

 

 

九十九「いくぞ!!」

 

 

 

 

九十九の掛け声と共に三人はル級eliteに突貫する。

 

 

敵に真っ正面から突撃するなど無謀。

 

 

しかし、扶桑、山城は疑問を持たなかった。

 

 

 

九十九「扶桑、山城!右舷、左舷に分かれろ!」

 

 

 

扶桑「了解!」

 

 

山城「了解!」

 

 

 

 

はじめて会った者の命令を何の疑問も持たなかった。

 

 

 

九十九の言葉通り、扶桑は右へ、山城は左へと分かれる。

 

 

突き進む九十九から一瞬目を離したル級一隻は

 

 

 

九十九「チェストォオオオオオオ!!」

 

 

ザシュッ!!

 

 

 

すれ違い様に斬り伏せられた。

 

 

 

 

九十九「残り……………九つ………」

 

 

 

 

ル級「ッ!」

 

 

 

残った九隻のル級が一斉に九十九に砲頭を向ける。

 

 

その時、

 

 

バシュゥゥウッ!!

 

 

 

ル級「!?」

 

 

 

突然、ル級達付近の海面から水飛沫が上がった。

 

 

 

 

 

九十九「一斉射だ!扶桑!山城!放てぇ!!」

 

 

 

 

扶桑「!」

山城「!」

 

 

 

 

 

両舷からの一斉砲撃がル級elite達に直撃した。

 

 

 

 

 

 

この砲撃によって撃沈した数は四隻。

 

 

 

 

九十九「残り……五つ」

 

 

 

 

残った四隻も中破以上の損傷を負っていた。

 

 

 

 

暁「司令官!」

 

 

 

九十九「…………来たか………」

 

 

 

後方から暁達第六駆逐隊と先程の空母ヲ級が追ってきた。

 

 

 

扶桑「深海棲艦!」

 

 

砲頭をヲ級に向ける。

 

 

九十九「待ってくれ扶桑!こいつは敵じゃない!」

 

 

 

扶桑「どういうことですか!?」

 

 

 

九十九「こいつは俺達に投降した。俺達に危害を加えることはない。鈴も知っている」

 

 

 

扶桑「提督が………」

 

 

 

山城「…………」

 

 

 

 

 

響「………遠距離雷撃は初めてだったけど…………どうだった?」

 

 

 

 

 

 

九十九「ああ、バッチリだったよ」

 

 

 

 

 

ヲ級「……」

 

 

 

 

九十九「君も来たのか…………」

 

 

 

ヲ級「ダメ?」

 

 

 

九十九「いや、しかし仲間と戦う事が出来るか?」

 

 

 

 

ヲ級「私ハ…………静カニ暮ラシタイダケ………ソノタメニ戦ウ」

 

 

 

ル級達は二手に分かれ転身、移動し始めた。

 

 

 

 

 

九十九「…………扶桑!山城!第六駆逐隊と共に右の二隻の撃沈を!」

 

 

 

 

扶桑「っ!わかりました!」

 

 

 

 

九十九「ヲ級!俺についてこい!左を殲滅する!」

 

 

 

 

ヲ級「ワカッタ!」

 

 

 

 

九十九「よし………掛かれぇ!」

 

 

 

 


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