暁に響く雷電   作:ぬべすこだお(^q^)

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島津九十九(しまづ つくも)


20歳

黒髪 背は175ほど

侍のような格好をしており海軍制服は着ない。


新しい司令官として着任した。


島津九十九

 

 

雷「電、大丈夫?」

 

 

 

 

 

電「はい♪高速修復材をいただいたので大丈夫なのです♪」

 

 

 

 

響「司令官のお陰だね」

 

 

 

 

電「はいなのです♪」

 

 

 

 

第六駆逐隊の全員はドッグ(お風呂その他)で傷を癒し、九十九が待機している提督室に向かっていた。

 

 

 

 

 

雷「でも、驚きよね!生身の人間が深海棲艦を倒しちゃうなんて!」

 

 

 

 

暁「それよ。司令官って作戦指揮して命令するだけって聞いたんだけど……」

 

 

 

 

 

響「うん、大体あってるよ………(少し、調べてみようか…)」

 

 

 

 

響は皆にばれないように小さな携帯機器で映された画面で何かを調べ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

電「あの人は優しそうな方なのです」

 

 

 

 

 

暁「そうかな?人は見た目とは違うって言うわよ?」

 

 

 

 

 

電「そんなことないのです!」

 

 

 

 

 

暁「どうかしら?もしかしたら暁達をコキ使うかも……」

 

 

 

 

 

雷「会う前から決めつけるのはよくないわ」

 

 

 

 

 

暁「まぁ、そうね……………って響、何してるの?」

 

 

 

 

 

響「少し調べものをね」

 

 

 

 

 

 

暁「何を調べてたの?」

 

 

 

 

 

 

響「………秘密だ」

 

 

 

 

 

暁「なによそれ!っと、着いた」

 

 

 

 

 

 

話をしているといつのまにか執務室と目印のある部屋にたどり着いた。

 

 

暁は一度深呼吸したあと、ノックをする。

 

 

そして

 

 

 

暁「………第六駆逐隊、暁、響、雷、電、入ります!」

 

 

 

 

 

 

九十九「どうぞ」

 

 

 

 

 

 

部屋の中から九十九の声がした。

 

 

 

暁達は扉を開け、入る。

 

 

 

 

入ると、九十九と1人の少女が立っていた。

 

 

 

 

 

暁達は横一列に並び、

 

 

 

 

 

暁「第六駆逐隊、全員揃いました!」

 

 

 

 

 

 

敬礼した。

 

 

 

 

 

 

九十九「うん。なおっていいよ」

 

 

 

 

 

暁「…………」

響「…………」

雷「…………」

電「…………」

 

 

 

 

 

 

九十九「電、体は大丈夫かい?」

 

 

 

 

 

電「は、はい!司令官さんからいただいた高速修復材のお陰で元通りなのです!」

 

 

 

 

 

九十九「それはよかった♪」

 

 

 

 

九十九は微笑む。

 

 

 

 

 

九十九「改めてもう一度自己紹介しておこうか、新しくこの鎮守府の司令官に着任した島津九十九。それとこっちは同じく着任した軽巡洋艦の夕張だ」

 

 

 

 

 

夕張「夕張よ。皆の装備開発は任せておいて♪よろしくね♪」

 

 

 

 

 

 

暁・響・雷・電「よろしくお願いします(なのです)!」

 

 

ここで暁が質問する。

 

 

 

暁「あの……質問いい?」

 

 

 

 

九十九「どうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁「あなた本当にさっきの人と同じ人?」

 

 

雷「どうして深海棲艦と対等以上に戦えるの!?」

 

 

電「夕張さんはなぜ司令官と一緒に着任したのです?」

 

 

暁「ちょっ!!Σ( ̄□ ̄;)」

 

 

 

立て続けに3人が質問した。

 

 

 

 

九十九「えっと…………とりあえず1人ずつ答えようか。まずは暁から、さっきの戦闘から少ししか経ってないけど………顔忘れた?」

 

 

 

 

 

暁「忘れるわけないじゃない!だって、さっきと雰囲気全然違うから……」

 

 

 

雷「そう言われれば………」

 

 

 

 

 

暁の言葉に皆が九十九の顔を見る。

 

 

 

 

 

九十九「それは……二重人格…いや……癖……みたいなものだよ」

 

 

 

 

 

暁「何それ!納得いかない!」

 

 

 

 

九十九「………今はこれで納得してくれないかな?」

 

 

 

 

九十九が苦笑しながら暁に言った。

 

 

 

 

響「………ボソッ(姉さん、レディはそこで納得するものだよ)」

 

 

 

 

 

暁「うっ……わ、わかったわ!納得してあげる」

 

 

 

 

 

 

九十九「ありがとう。じゃあ次の質問は、雷だね」

 

 

 

 

 

雷「うん!」

 

 

 

 

 

 

九十九「そうだねぇ…僕がなぜ対等に戦えるか……夕張が開発してくれた僕専用の艤装と対深海棲艦用の刀があるからだよ」

 

 

 

 

 

雷「へぇ!夕張さんって凄いのね!!」

 

 

 

 

 

電「それだけじゃないのです!扱える司令官さんもすごいのです!」

 

 

 

 

雷「そうね!」

 

 

 

 

 

 

九十九「この回答でいいかな?雷」

 

 

 

 

 

雷「ええ♪」

 

 

 

 

九十九「最後に電の質問か。僕専用の艤装と刀は夕張が全て造ってメンテしてくれているんだ」

 

 

 

 

 

 

 

電「それは夕張さん以外造れないってことですか?」

 

 

 

 

 

 

夕張「まぁ、そうなるわね。だから提督の行く先に私が同行しておかないといけないわけよ」

 

 

 

 

 

 

九十九「これでいいかい?」

 

 

 

 

 

電「なのです♪」

 

 

 

 

 

 

 

響「ちょっと待って皆、肝心なことを忘れてるよ」

 

 

 

暁「え?」

 

 

 

肝心なこと、そう言った響は九十九に問いかける。

 

 

 

 

 

響「私からも質問する…………司令官の戦う意味を教えてほしい」

 

 

 

 

 

九十九「…………そうきたか……」

 

 

 

 

響「私なりに司令官の事を調べてみたよ………」

 

 

 

 

 

 

そして響は端末機から映し出される小さなモニターを見ながら口を開ける。

 

 

 

 

 

 

響「島津九十九。歳は二十歳。生まれは薩摩……だから、鹿児島になるね。三年前剣道の世界大会で優勝してる」

 

 

 

 

暁「…………(凄い…)」

 

 

 

 

 

響「優勝した試合の後、突如として現れた深海棲艦の対地爆撃で家族を全員失ってる」

 

 

 

暁「えっ!?」

 

 

電「そんな……」

 

 

九十九「…………………」

 

 

 

 

 

九十九の顔から笑顔は消えていた。

 

響は続ける。

 

 

 

 

 

響「司令官、もう1つ質問。家族を失ってから何をしてたの?」

 

 

 

 

 

雷「それってどういうこと?」

 

 

 

 

 

響「データベースの経歴に3年間、空白になってたんだ。最近のことは載ってたけど………」

 

 

 

 

そして部屋に沈黙が訪れた。

 

 

 

 

九十九「……隠し事は……良くないか………」

 

 

 

 

夕張「提督……」

 

 

 

 

 

 

 

 

九十九「いいんだ。僕は三年前、家族を失った。その時、運良く生き残った僕は…………深海棲艦を……………皆殺しにしてやると誓った」

 

 

 

 

 

 

 

響「!」

暁「!」

雷「!」

電「!」

 

 

 

 

九十九「ちょうどその時だったよ、ある研究所の人間が僕を誘ったのさ……力が欲しいかって」

 

 

 

 

響「…………」

 

 

 

電「……だ、誰だったのです?」

 

 

 

 

 

九十九「……………響、無頼第4研究所って検索してみてくれ」

 

 

 

 

響「待って……………………………………っ!?」

 

 

 

 

端末機を使い、九十九から言われた言葉を検索した響は言葉を失った。

 

 

 

 

 

暁「な、何があったの?」

 

 

 

 

響「…………………自分で見た方が………早い…」

 

 

 

 

 

そして響が端末機を暁に渡し、それを雷と電も見る。

 

 

 

 

暁「えっと…………無頼第4研究所………人体強化実験………死者多数!?」

 

 

 

 

 

雷「え!?」

 

 

電「!?」

 

 

 

九十九「……………僕を誘ったのがその研究所の人間だったよ」

 

 

 

 

 

 

 

響「…………実験って何をされたの?」

 

 

 

 

 

 

九十九「……そうだな…………その前に、その時の話をしよう……当時は、君達艦娘の実装配備があまり充実していなかった。そこで武器を扱うのに長けた人達を集め、艦娘の代わりにしようとした……文字通り兵器として…」

 

 

 

雷「そんな………実験にはどのくらいの人が参加していたの?」

 

 

 

九十九「僕が知る限り………100人程かな」

 

 

 

電「そ、そんなに!?」

 

 

 

 

響「たぶん武器の以外にも身体能力の高い人もいたと思うよ。武術や柔術とか」

 

 

 

 

九十九「ご名答だよ、響」

 

 

 

 

 

 

 

九十九「………………そこでは、身体能力を限界以上の力を引き出す実験が行われていた」

 

 

 

 

 

雷「そんなことできるの?」

 

 

 

 

 

 

九十九「少なからず出来たよ………だが………」

 

 

 

 

九十九は言葉を濁らせる。

 

 

 

 

 

 

暁「……………なんなの?」

 

 

 

 

 

九十九「限界を超えるために何のリスクもないなんて事はない………」

 

 

 

 

響「……………もしかして……死……」

 

 

 

 

九十九「………そうだね……限界を超えた瞬間、肉体が耐えられず死んだ人もいた……でも大方の人は心が死んでしまった……」

 

 

 

 

響「心が………死ぬ?」

 

 

 

 

夕張「提督の言ってる心が死んだっていうのは精神崩壊してしまったことを言ってるわ」

 

 

 

 

電「せ、精神が崩壊してしまった人はその後、どうなるのです?」

 

 

 

電の問いに九十九は

 

 

 

九十九「…………………処分………だ。身体能力の上昇値のデータを取り終えたら殺されていた………」

 

 

 

 

雷「そんなの…………あんまりよ!」

 

 

 

 

九十九「……日に日に皆おかしくなって……死んでいって………最後、僕の番が回ってきた」

 

 

 

 

暁「…………」

 

 

 

 

響「司令官はなぜ逃げ出さなかったの?」

 

 

雷「そうよ!自分が死ぬかもしれなかったのに!!」

 

 

 

雷の目には少し涙がたまっていた。

 

 

 

九十九「………あのときの僕はただ力が欲しかった………深海棲艦に対する憎しみでいっぱいだった………」

 

 

 

 

暁「………でも、司令官は生きてるわ」

 

 

 

 

九十九「ああ………力は手に入った。でも、僕の心は壊れたよ………感情は消え去り、体の全て僕の意思で動けなくなってしまった……」

 

 

 

 

暁「それって?」

 

 

 

 

九十九「命令されるがままの存在…………研究所の奴等の望んだ物になってしまった……」

 

 

 

 

 

響「兵器…………って事?」

 

 

 

 

九十九「ああ………」

 

 

 

響「それから…………それから、司令官はどうしていたの?」

 

 

 

九十九「…………1年………少しかな。奴等の言われるがまま……深海棲艦とのデータ収集なと様々な事をやらされた……今思うと………あの時の自分に反吐が出そうだ………」

 

 

 

 

 

とても重苦しそうに話す九十九を見て響は

 

 

 

 

響「……………ここで止めよう司令官。姉さん達もいいね?」

 

 

 

九十九の事を思ってか、話の打ち止めを提案した。

 

 

 

暁「そうね」

 

 

 

 

雷「ええ」

 

 

 

 

電「なのです」

 

 

 

 

 

 

九十九「………すまない」

 

 

 

 

そして執務室に流れる重苦しい空気を夕張が両断する。

 

 

 

 

夕張「さぁ!ものすごく辛気くさい話は終わったし、提督!」

 

 

 

 

 

 

 

九十九「ん?ああ……うん。これから注意事項とかその辺りの事を言うから聞いておいてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁「………」

 

 

 

響「…………」

 

 

 

雷「……………」

 

 

 

 

電「……さっきのお話からの温度差なのです……(-""-;)」

 

 

 

 

 

響「電、それは言わない約束だよ(・・;)」

 

 

 

 

九十九「5つあるからね。1つ目、基本的に僕は建造はしない。君達が必要ならば僕に言ってくれ、資材は必要分あげるから」

 

 

 

 

暁「うん」

 

 

 

 

 

九十九「2つ目、秘書艦は1日交代。これは僕が君達を知るためと僕を知ってもらうためだよ」

 

 

 

 

響「わかった」

 

 

 

 

九十九「3つ目。出撃の時は僕も出るから」

 

 

 

雷「へ?」

 

 

 

 

 

九十九「大丈夫だよ。さっきも見た通り、僕はある程度なら戦えるからね」

 

 

 

 

 

電「でも、司令官さんにもしもの事があったら………」

 

 

 

 

 

九十九「大丈夫大丈夫♪」

 

 

 

 

暁「………(ノリ軽いなぁ……)」

 

 

 

 

九十九「4つ目。秘書艦以外は開発や遠征を行うこと。これは交代で決めておくからね」

 

 

 

 

 

電「わかったのです!」

 

 

 

 

 

 

九十九「そして……最後、5つ目……」

 

 

 

 

 

そこで九十九は言葉を止めた。

 

 

 

 

 

 

 

響「どうしたんだい?」

 

 

 

 

 

九十九「最後の5つ目は、注意事項とは少し違うかな………」

 

 

 

 

 

 

暁「もお!もったいぶらずに早く言ってよ!」

 

 

 

 

 

 

 

九十九「そうだね……じゃあ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は君達が………………

 

 

 

 

 

兵器じゃない事を証明してみせる」

 

 

 

 

 

暁「!!」

響「!!」

雷「!!」

電「!!」

 

 

 

 

その言葉に暁達は驚いた。

自分達は深海棲艦と戦うためだけの存在、

わかっていた………特に否定もしなかったし、仕方ないと思っていた。

 

 

だが、それを否定する人間が目の前にいる。

 

 

 

 

 

九十九「………君達、艦娘も人間だ。だって………」

 

 

 

 

 

 

九十九は一度言葉を切り、そして

 

 

 

 

 

九十九「生きている。君達も、笑い、悲しみ、怒り。皆、戦う運命を背負っていても、一生懸命、今を生きているから」

 

 

 

静かに言葉を繋ぐ。

 

 

 

 

 

九十九は続ける。

 

 

 

 

九十九「君達を兵器として扱う心ない提督もいる………でも僕は君達艦娘を守ってみせる……全てから………それが僕の贖罪だから……」

 

 

 

 

 

響「…………(贖罪?)」

 

 

 

 

 

響は贖罪という言葉に疑問を抱いたがその場は問わなかった。

それよりも、

 

 

 

 

 

響「あれ…………どうして……」

 

 

 

 

 

響の目から涙が流れていた。

 

 

 

響だけではない、

 

 

 

 

 

暁も雷も電も、皆涙を流していた。

 

 

 

 

 

 

九十九「……暁、響、雷、電。沈むな。これは僕からの願いだ。いいね?」

 

 

 

 

 

暁「はい!」

響「はい!」

雷「はい!」

電「はいなのです!」

 

 

 

涙声だったが大きな声で返した。

 

 

 

 

 

 

九十九「それじゃあ、皆、お疲れ様。今日はゆっくり休んでくれ」

 

 

 

 

 

暁「…………はい。失礼します」

 

 

 

 

涙を拭い、暁達は退室した。

 

 

 

 

 

退室した暁達は、

 

 

 

 

暁「………暁が言えたことじゃないけど………なんで泣いちゃったの?」

 

 

 

 

 

響「わからない…………」

 

 

 

 

雷「でも………悲しくなかったわ」

 

 

 

電「暖かい気持ちになったのです♪」

 

 

 

 

 

電の言葉に皆同意していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電「ああ!そうだ!」

 

 

 

 

 

いきなり電が大きな声を出した。

 

 

 

 

 

雷「ど、どうしたの?電」

 

 

 

 

電「歓迎会なのです!司令官さんの歓迎会をやるのです!」

 

 

 

 

暁「ん!」

 

 

 

雷「いいわね!」

 

 

 

響「хорошо、名案だ電」

 

 

 

 

暁「なら、『鳳翔』さんのところでいいわよね?」

 

 

 

 

 

響「それがいい」

 

 

 

 

 

 

電「電は鳳翔さんの所に行ってくるのです!」

 

 

 

 

雷「あ!私もいくわ!」

 

 

 

 

 

暁「なら響と私で司令官に言ってくるわね」

 

 

 

 

響「二人とも、ちゃんと手伝いするんだよ?」

 

 

 

 

雷・電「はーい(なのです)!」

 

 

 

 

 

 

_________________

 

 

 

 

 

暁達が退室したあと、九十九は書類の整理に取りかかっていた。

 

 

 

 

 

九十九「………………」

 

 

 

 

夕張「提督、お茶をここに置いておきますね」

 

 

 

 

九十九「うん、ありがとう。夕張は工廠にはいかないのかい?」

 

 

 

 

 

夕張「今日は提督の書類のお手伝いをさせてもらいます」

 

 

 

 

 

九十九「すまないね」

 

 

 

 

 

夕張「以外と多いんですね」

 

 

 

 

九十九「ああ、この量だと骨が折れそうだよ」

 

 

 

 

九十九は夕張に苦笑してみせる。

 

 

コンコンッ

 

と扉をノックする音が聞こえた。

 

 

 

 

 

九十九「ん?どうぞ」

 

 

 

 

 

暁「失礼します」

 

響「失礼します」

 

 

扉からは暁と響が入ってきた。

 

 

 

 

 

九十九「どうしたんだい?」

 

 

 

 

暁「司令官は今夜、時間あるの?」

 

 

 

 

九十九「この書類を片付けた後は空いてるよ」

 

 

 

 

響「司令官と夕張さんの歓迎会をしたいんだけど……どうかな?」

 

 

 

 

 

九十九「おお!それじゃ早く終わらせないとね♪」

 

 

 

 

夕張「そうですね!」

 

 

 

 

 

暁「場所は『鳳翔』ってお店でやるわ!」

 

 

 

 

九十九「鳳翔?鳳翔ってあの軽空母の鳳翔さんのやってるお店?」

 

 

 

 

暁「うん、そうだけど」

 

 

 

 

九十九「退役してしてるとは聞いたけど、お店をやってるとは……噂は本当だったか」

 

 

 

 

九十九は呟く。

 

 

 

 

暁「じゃあ私達は鳳翔さんのお手伝いにいくからね」

 

 

 

 

響「じゃ」

 

 

 

 

九十九「うん、早めに終わらせるよ」

 

 

 

 

 

そして再び暁と響は退室した。

 

 

 

 

 

九十九「………………鳳翔さん……か」

 

 

 

 

 

夕張「……どんな方なんでしょうか」

 

 

 

 

 

九十九「そうだねぇ……主だった戦歴は載ってないけど………とある噂じゃあ……」

 

 

 

 

 

九十九は一度言葉を切る。

 

 

 

 

 

夕張「?」

 

 

 

 

 

九十九「噂じゃ、凄い強いらしい」

 

 

 

 

夕張「なんですか、その適当な噂?(・・;)」

 

 

 

 

九十九「噂だからね♪所詮は」

 

 

 

 

夕張「そんな噂誰に聞いたんですか?」

 

 

 

 

九十九「ん?鈴(りん)だよ?」

 

 

 

 

 

夕張「ハァ……………あの人か」

 

 

 

 

 

夕張はため息を吐きながらも書類を処理していた。

 

 

 

 

 

九十九「まぁまぁ、そんなところも鈴っぽいよ♪」

 

 

 

 

夕張「そうですけど……とりあえず、早く終わらせましょう」

 

 

 

 

 

九十九「うん」

 

 

 

 

 

二人は書類を片付けるスピードを上げた。

 

 

 

 

 

一方、

 

 

 

 

「新しい司令官さんの歓迎会をやりたいんですか?」

 

 

 

 

 

電「なのです」

 

 

 

 

 

雷「お願い!鳳翔さん!」

 

 

 

 

電と雷は赤っぽい着物を着た女性に歓迎会の頼み事をしていた。

 

 

 

 

 

鳳翔「ふむ…………いいですよ♪」

 

 

 

 

雷「ありがとう!鳳翔さん!」

 

 

 

 

電「ありがとうなのです!」

 

 

 

 

 

鳳翔「ただし、あなた達には料理の準備をしてもらいますからね?」

 

 

 

 

 

雷「フフフ♪雷に任せなさい!」

 

 

 

 

電「い、電も頑張るのです!」

 

 

 

 

鳳翔「では、早速始めましょう♪」

 

 

 

 

 

 

 

その夜、

 

 

 

 

九十九「なんとか終わったね………疲れた」

 

 

 

 

夕張「初日からこんなにキツいなんて………(-_-;)」

 

 

 

九十九「多分、最初だからだよ。明日からはゆっくりできるさ」

 

 

 

夕張「そう信じてます………」

 

 

 

二人は暁に教えてもらった所に向かっていた。

 

 

 

 

 

夕張「とりあえず、まずは鎮守府近海の制圧からですね」

 

 

 

 

九十九「ああ……皆の練度を上げつつ、攻略していこう」

 

 

 

 

 

夕張「…………でも、いいんですか?」

 

 

 

 

九十九「ん?」

 

 

 

 

 

夕張「建造…………新しい戦力が必要なくて」

 

 

 

 

九十九「…………」

 

 

 

 

夕張「正直、駆逐艦だけじゃこの先、厳しいですよ?」

 

 

 

 

九十九「………あの子達が必要なら要請するさ」

 

 

夕張「………手遅れにならない様にお願いしますよ?」

 

 

 

 

九十九「わかってるよ♪………さて、着いたね」

 

 

 

 

 

二人は『食事処 鳳翔』という看板が立っている店にたどり着いた。

 

 

 

 

 

 

入ろうとした瞬間、

 

 

 

ガラッ

 

 

 

 

九十九「おっ!」

 

 

 

電「はわっ!」

 

 

 

 

 

トテッ

 

 

 

 

いきなり開いた扉から電が出てきて、九十九とぶつかり、尻餅をついてしまった。

 

 

 

 

九十九「大丈夫かい?電」

 

 

 

 

 

電「は、はいなのです」

 

 

 

電の手を引き、起こす。

 

 

 

 

 

響「電、慌てちゃダメって言ったのに」

 

 

 

 

 

暁「そうよ、レディらしくないわ」

 

 

 

 

 

雷「暁お姉も電の後を追おうとしてたくせに

( *´艸`)クスクス」

 

 

 

 

暁「そ、そ、そんなことないし!(゜ロ゜;」

 

 

鳳翔「いらっしゃいませ。あら、あなたが新しい提督さんですか?」

 

 

 

 

九十九「はい、島津九十九と言います」

 

 

 

 

鳳翔「島津?あの戦国武将の末裔とかですか?」

 

 

 

 

 

夕張「?」

 

 

 

暁「ん?」

 

 

 

雷「戦国武将?」

 

 

 

 

九十九「それがですね………家系図を見たんですが………僕は信用しませんでしたね」

 

 

 

 

 

鳳翔「でも、載っていたんですよね?凄いです♪」

 

 

 

 

九十九「そうでもないですよ」

 

 

 

 

二人が話している中に電が質問する。

 

 

 

 

 

電「あの………戦国武将ってどういうことなのですか?」

 

 

 

 

夕張「そうですよ。私、聞いてないですよ?」

 

 

 

 

 

夕張も九十九に聞く。

 

 

 

 

 

九十九「う~ん………言う必要がないと思ったんだけど……」

 

 

 

 

 

響「教えてほしいな」

 

 

 

 

暁「あ!私にも教えて!」

 

 

 

 

 

九十九「……………わかった、教えるよ。お昼に僕の出身地は聞いたよね?」

 

 

 

 

雷「ええ!薩摩………えっと鹿児島ね!」

 

 

 

 

九十九「そうだ。時は戦国時代、その薩摩の大名だったのが島津氏だったんだ」

 

 

 

 

電「島津………あっ!司令官さんと同じなのです」

 

 

 

九十九「うん。僕はその島津氏の血統らしいんだ。家系図によればね」

 

 

 

 

鳳翔「九十九さんは島津の誰の血筋なんですか?」

 

 

 

 

九十九「それは………」

 

 

 

九十九が答えようとしたとき、夕張が遮る。

 

 

 

 

 

夕張「ちょっと待って!鳳翔さんの言い方だと他にもいるような言い方なんですけど………」

 

 

 

 

 

九十九「うん、いるよ」

 

 

 

 

 

夕張「え………」

 

 

 

 

 

 

鳳翔「そうですね、まずは島津家当主、島津義久。そして、その弟、島津義弘」

 

 

 

 

 

九十九「三男の島津歳久、そして四男、島津家久の四人が有名だね」

 

 

 

 

 

雷「わ……」

 

 

 

 

電「わからないのです(>д<)」

 

 

 

 

九十九「知っていても生活に全然支障はきたさないよ」

 

 

 

 

 

響「それで、司令官は四人の中の誰の直系なんだい?」

 

 

 

 

九十九「……島津義弘だよ」

 

 

 

響「その島津義弘って人はどんな人物?」

 

 

 

 

九十九「そうだね…………一言で言えば、島津四兄弟の中で一番勇名が知れ渡ってたかな…」

 

 

 

 

鳳翔「島津義弘のお祖父さん、島津忠良から『雄武英略をもって他に傑出する』と言われるほどの強い武将だったのよ」

 

 

 

 

 

暁「おお!なんか強そう!」

 

 

 

 

 

電「なのです!」

 

 

 

 

響「ハラショー、ただでさえ大名の子孫なのにその兄弟で一番強いなんて」

 

 

 

 

 

九十九「僕は信じてないんだけどね………そろそろ僕の話はいいんじゃないかな?(^_^;」

 

 

 

 

雷「あ!せっかくの料理が冷めちゃうわ!」

 

 

 

 

 

鳳翔「それはいけませんね。じゃあ皆さんお席についてください。今、お料理をお持ちしますね」

 

 

 

 

 

そう言って、調理場の所に鳳翔は行った。

 

 

 

雷「電、私たちも手伝うわよ!」

 

 

 

 

電「わかったのです!」

 

 

 

 

雷、電も後を追った。

 

 

 

 

しばらくして、

 

 

 

 

 

夕張「すごい!」

 

 

 

 

九十九「うん、とても美味しそうだね♪」

 

 

 

 

 

テーブルの上にずらりと料理が並べられた。

 

 

 

 

 

暁「………………ゴクッ」

 

 

 

 

響「姉さん、いただきますを言うまで我慢だ」

 

 

 

 

暁「わ、わかってるわよ!」

 

 

 

 

鳳翔「じゃあ、乾杯の音頭を」

 

 

 

 

雷「私に任せて!……皆、コップ持って……えー、コホン」

 

 

 

 

雷が皆にコップを持つよう促し

咳払いをひとつした後、

 

 

 

雷「えーっと…簡単に!島津九十九司令官の新規着任を祝しまして!カンパーイ!!」

 

 

 

 

「「「カンパーイ!!!」」」

 

 

 

 

 

 

歓迎会が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

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