ヤマメは自身の野望の他に国利も欲した。
しかし理由がわからずに妨害が入るかもしれない。
そのため私は更に独断行動をおこなった。
「今日は皆さん遅くなってすみません。」
「なに、今日は数十年ぶりに楽しいことができそうだからな。」
「せやな。」
三菱グループの各社長、富士重工、川崎重工、トヨタ等々・・・約30社の代表が集っていた。
場所は高級料亭・・・ではなく、いたって普通の居酒屋で、打ち上げと称している。
「さて、ヤマメです。よろしくお願いしますね。」
名刺を皆に配る。
名刺には偽名が書かれており裏には今回の要点だけ纏めて書かれていた。
《特地の利権の配分、新兵器開発の協力》
たったこれだけが書かれている。
それだけで重役はわかるのだ。
(((自衛隊は特地の利権を握る気だ。)))
と・・・。
「北条内閣の支持率は高いけど・・・そろそろ交代ですよね。次は・・・誰でしたっけ。」
酒を飲んだ振りをしながら私は彼らにゆっくりと話す。
居酒屋のおっちゃんは忙しそうに焼き鳥を焼く。
しかしスーツの初老の男性達は今のでピンときたようだ。
(((本位慎三・・・か?)))
「友人が次の首相は彼だ彼だとうるさくてね。『腑抜けとは一味違うぜ!!うちの大将は!!』ってね。」
(((!?)))
数名は驚いた顔をした。
うちの大将はは、ある人物が予算委員会で言ったことだった。
ボソ
「寺坂竜馬議員では・・・。」
「そうだよ。」
男性達の顔色が変わる。
寺坂は本位の人気取りと右腕という渾名があり、強力なカリスマ性がある若手だった。
(寺坂にはまだ何も言ってないけどね・・・まぁ生産ラインの一部を自衛隊用に替えるだけで良いんだけどね。)
その後も私は意味のある話をする。
数枚の弱いカードを使って準備を進めることができた。
「では私はこれで。」
店から出ると遠くからこちらを監視する視線を感じた。
バス
「えぁ?」
「今晩は、で、サヨウナラ。」
私は糸で新聞社の人物を包み込み・・・瞬間性バキュロウイルスを使い、繭の中をぐちゃぐちゃに溶かした。
「国家機密に触れるのは危険だよ・・・まぁ君の体は有りがたく実験に使わせてもらうよ。」
生物工学にも手を広げていたヤマメは次のステップに踏み出そうとしていた。
本来のヤマメはこの技術には触れていなかったが、できる目処がたってしまったのだ。
「さて、世界を変えよう。日本・・・いや、妖怪の意地として・・・かな?」
目的の矛盾が発生した瞬間であったが、ヤマメは気がつかない。