私が忙しく仕事をしているとき、世間は伊丹耀司を二重橋の英雄として祭り上げていた。
私もその事は知っていたし、伊丹も同じ習志野勤務になってからは良く話していたので疎遠というわけでもない、友人であった。
・・・まぁ陽菜乃が死んでからは話す回数は確実に減ったけど・・・。
「一時中断!?防衛大臣!!いくら北条内閣が終わるからって計画は変更できないものですよ!!」
「落ち着きなさい黒谷陸将補。」
「・・・森田官房長官。」
森田官房長官・・・外交に長けているがなぜか中華の圧力に弱いが、党内では圧倒的とも言える政治基盤と発言力がある。
北条内閣でも彼の功績は大きく、ゲートの破壊を主張する野党の切り崩しで方針転換をさせたりしており、憲兵とも言われるほどキレたら恐ろしい一面もある。
「わかってますわかってます。ただね、黒谷さん。今自衛隊が動くとマスコミが動きますよ。それだけ我が党も厳しいのです。少し我慢できませんかねぇ。」
「わかりました。計画の見直しを進めます。」
「は、狭間陸将!!」
「ただし、遅延分の予算はくださいね。」
「わかってますわかってます。」
「ちぃ。」
私は計画の乱れに不機嫌だった。
楽しみにしていたゲームの発売が延期になったような気分である。
「・・・気分転換にあそこによろうかな。」
私はスモッグの研究所へと・・・
ビー
「こんにちはー!!」
白衣に着替え、厳重な消毒をおこなった後に私はスモッグのいる研究室に入る。
「よう。頼まれていたレポートはそこに置いとくぞ。」
「流石凄腕、仕事が早い。」
「棒読みはやめろ。」
ペラペラとレポートをめくる。
部下を預かる者として、空気中に含まれるウイルスや微生物に関しての違いを研究してもらっていた。
もちろん自衛隊の上層部にも同じことを話したが、曖昧な返事しか貰えなかったため私はスモッグに依頼したのだった・・・。
(・・・地球よりも生物が育ちやすい環境か・・・それ以外は特にか。山から出てる湧水は日本に近い軟水で安全性も合格・・・か。)
スモッグはレポートを読み終えた私に対価を求めてくる。
「スモッグさん。科学テロ防衛部隊が設立されるんだけど、その顧問になってもらえない?」
「それだよ。良い対価だ。」
(あとは農業関係だけど、それは部隊内から農業関係を引き抜いて部隊を創ればいいかな。・・・あ、大型機の現地組み立てに必要な機材と人員もいるな~・・・また走り回らないといけないのか・・・。)
ヤマメはスモッグから出されたコーヒーを飲んで溜め息を吐く。