ヤマメが何かをしていることが自衛隊の幹部クラスでは噂になっていた。
慎重論やゲート破壊論を懸念していた防衛大臣の反対を論破したからには何かあるということも働き、ヤマメの動きに注目が集まる頃、私は特地の地図に色々な線をひいていた。
「・・・約30万人か。」
30万人を送り込めば全ての活動に支障が無いだろうという予測である。
農業、工業、最低限のサービス業を確立するにはこれだけ必要なのだ。
ガジガジ
「予定よりも必要だね~。どうしたものか。」
触手を甘噛みしながら私は考え続ける。
「・・・まぁそれもあるけど・・・雨咲をどうしようかな。」
今は殺せんせーに預けているが、いつまでも殺せんせーに任せるのは厳しいと考えていた。
「仕方がない。私の仕事が一段落するまでわかばパークに預かって貰おう。」
陽菜乃と雨咲に本当に悪いと思いながら、私は雨咲をわかばパークに預けた。
「いやいや、お姉ちゃん。」
「ゴメンね。本当にごめん。」
私は雨咲を預けた後、陽菜乃の墓に行って土下座した。
「ごめんなさい。ごめんなさい。・・・ごめんなさい。」
自己満足であることもわかっているが、私の人のこころが謝罪を続けさせた。
「後悔はしていませんか?ヤマメさんはその選択に。」
後ろから声をかけられる。
殺せんせーである。
「後悔だらけだよ。ただね、私は止まっていては陽菜乃と同じ人が増えると思うの。私は死なない。寿命も長い。全てを失う悲しみを知っている。だから後悔はするけど前に進むよ。殺せんせー。」
「土下座のままですか。目を見てほしかったですね。」
「・・・私はこれから妖怪となります。止めるのは人間であり、退治するのも人間です。殺せんせー、私を殺すのはE組の面々も手伝わせてやってください。」
「・・・妖怪は人を襲いますか?」
「恐らく。」
「私はヤマメさんを信じていますからね。」
「ふふ、ありがとうございます。」
あれから数週間後、狭間人事と呼ばれる特地に派遣されるメンバーの召集がかかった。
そのメンバーの幹部から中間の士官達は連日ゲームや漫画はたまた小説や捕虜の身体的特徴をまとめたレポートから異世界の人種をあれこれと協議した。
中には某有名漫画家が防衛省にてモンスターについて解説するということもあった。
そんなお気楽ムードが漂う中、ヤマメ達特派遣の第一陣の幹部(前線指揮官)達は最終調整に入った。
(最初は60式装甲車20台、73式装甲車40台、61式戦車20台、72式戦車20台、90式戦車40台、10戦車40台に60式自走106mm無反動砲50台・・・か。計700名が作戦に参加ね~。死人を出すなって言うんだったらもっと出してほしいけど防衛省からのストップなら仕方ないね。)
他にも87式自走高射機関砲が10台貰っていたが、どれ程使えるか未知数であった。
(やれるだけやる。)