私は伊丹のもとに今回の決定を伝えようと向かっていた。
「お~い、伊丹・・・!?」
私の前方約100メール、伊丹からは60メール離れた場所からハルバードと思われる物体が高速で飛んできた。
「キィ!?」
私はとっさに避けようとしたが、運悪く革靴だったため、コンマ単位で反応が遅れてしまった。
ガゴン
ハルバードの腹の部分を左手で裏拳みたく殴り付けて軌道を変えた。
「・・・あら~?なんで召されないのかしら~?」
後ろにいたゴスロリ少女が歩いて私に近づいてくる。
「・・・神か。チィ。天敵がいるとは・・・。」
「お、おい!!大丈夫かよヤマメ!!」
伊丹の隊員達は今の出来事に反応できなかったのか理解が追い付いてないのか唖然としている。
「・・・訂正するね~。神擬きちゃん。なんで私を攻撃した?」
「擬態はやめたら~?貴女は召されなければいけない時間をとうに過ぎてるからよ~。」
「・・・交渉は可能?まだ私は召される訳にはいかないからね~。」
「・・・そうね~。日が落ちるまで、私に召されなければ待ってあげても良いわよ~。」
「伊丹、上層部には正当防衛と伝えて。あと、ここから半径50メートルに誰も入れるな。」
「おい!!」
「あらら。手が滑っちゃった。」
「戦闘開始。」
ピタ
投げられてきたハルバードが私の3メートル前で止まる。
「ふふふ。」
しかし神擬きは突っ込んでハルバードに手をかけ、振り払う。
「私は黒谷ヤマメ。あなたは?」
余裕でそれを避ける。
「ロゥリィ・マーキュリー。エムロイの使徒よ。」
「使徒・・・神の使いか~。まぁ雑魚ではないけど、私よりも生きていない小娘に殺られるほど私は優しくないからね~。」
糸による見えない攻撃が続く。
ロゥリィはハルバードで器用にそれを切り裂き、振り払う。
(強化タングステンに近い糸なんだけどな~。カーボンナノチューブに近い糸にしようか・・・いや・・・刃物にはこれかな。)
グニン
「あらぁ?」
ハルバードが切り裂けない糸に困惑しているのだろう。
一瞬の隙は私とっては何十秒にも感じるような長時間である。
ドゴン
「カハァ!?」
飛び膝蹴りがロゥリィの腹に直撃。
くの字に曲がった瞬間にロゥリィの髪の毛を掴むと首から地面に叩きつけた。
タッタ
すぐに立ち上がり、後ろに下がるロゥリィ。
「・・・やるじゃない。見直したわぁ。」
「見直すもなにも私はまだ最初の地点から動いてないんだけどな~。」
先程の攻撃でも着地した場所は最初の位置である。